東方汚染星 ~Corruption Of The Last Eden~ 作:影のビツケンヌ
短いですがご了承下さい。
始まり
それはある日の明け方の事だった。
空の彼方から飛来したその『隕石』は、まだ寝静まった村の家々の頭上を通り過ぎ、山の稜線を掠めて、その向こうに轟音と地響きを伴って落下した。
そこは鈴蘭の群生する小高い丘の外れ。秒速数キロという速度で落下したはずなのに、拍子抜けする程に出来上がったクレーターは小規模だった。
しかし、この隕石はただの隕石ではない。その割れ目から溢れ出る、蒼白く輝く、どろどろとした粘性の液体。たまたま近くを通りかかった一匹の蟻は、間違いなく不運だ。その液体に触れた途端に、彼女――働き蟻は全てメスだ――の体は液体が持つ毒に冒され、瞬時に絶命してしまう。
するとそこへ、一人の少女がやって来た。
ウェーブのかかったショートボブの金髪に、青い瞳。その頭には赤いリボンがヘアバンドのように結ばれている。黒い洋服と赤いロングスカートを身に纏い、胸元には赤、腰には白の大きなリボンがある。全体に幼い印象の目立つ少女だ。
「何だろう…これ」
期待と不安の入り混じった彼女の声に応えるかのように、その『隕石』はまるで卵のように割れた。そして、その中から青黒い肢体が露になる。
シルエットだけを見ればどこかのロボットアニメに登場しそうだが、禍々しいカラーリングはその全てを否定する。それはその場にすっくと立ち上がり、やおら辺りを見回した。
「あなたは…だあれ?」
少女の問に、『彼女』は応えた。
「私は、…ダークサムス」
思えば、私も馬鹿なことをしたものだ。
私のオリジナル、サムス・アランとの戦いに三度も敗れ、私の野望も打ち砕かれた。
ターロンIVで敗れた復讐の為に復活し、彼女の姿を模して現れた。そして再び復活した時には、全宇宙を巻き込む大事件を起こした。そのどちらも失敗した。
初めからわかっていた。コピーがオリジナルに勝てるはずないと。それでも私は彼女に復讐しようとし、結局は自分や他のフェイゾンの故郷、フェイザまでも壊してしまった。
そして気が付くと私は、一つの小さな隕石に乗って、青い星へと落ちていた。
「何故、私はまだ生きているのだ…?」
フェイゾンエネルギー生命体である自分は、フェイザがなければ存在できない。なのに自分は生きている。どういうことなのか全く見当が付かない。
その疑問は、意外な形で解決した。
「フェイゾンを自身で生成できるようになったのか?」
それは、自身が故郷の惑星フェイザと同等の存在になっているということ。エーテルの時のように、わざわざフェイゾンを集めて回る必要もない。その上、生成したフェイゾンの毒性を自由に調整できるようにもなっていた。
復活を繰り返す度に人間臭くなってきた私の思考は、この星を汚染することにメリットがないことを即座に見出だした。自身がフェイゾンの塊、否、フェイゾンの根源である以上、惑星を汚染せずとも活動に影響しないからだ。つまり今の私には生きる目的がない。
そこまで考えた時に、丁度自分の乗った隕石が地上に着いた。衝撃はほぼ無意識にフェイゾンのフィールドで和らげた。
「…まずは立ち上がらねば」
隕石を力任せに割り、外気に体を晒す。生命力に溢れた空気だった。
「あなたは…だあれ?」
その問に、私は少し戸惑った。私は今まで、自分の名前のことなど考えもしなかったからだ。
そういえば、エーテルにいた時から、スペースパイレーツが私のことを『ダークサムス』と呼んでいた。ダークサムス、彼女の体をコピーした私に、何とも相応しい名前ではないか。
「私は、…ダークサムス」
いや本当に導入でしかないんです
ちゃんと書きます次からは(おいこら