ようこそ知らない世界の教室へ   作:マサオ

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 雲ひとつない快晴の朝。天気がいいのは結構だけど、流石に暑いかもしれない。数日前から7月が始まったにも拘らず、生徒は未だにブレザーを着ている。この学校は、この時期でも衣替えをしないのだろうか。長袖の方が都合が良いから助かっているものの、夏服の堀北を見たい欲求もあるから悩ましい。

 

 堀北の夏服姿を脳内に思い浮かべながら部屋を出ると、エレベーターの前に綾小路がいた。同じ階にお互いの部屋があるので、登校する時には結構な頻度で遭遇している。

 

「おはよう綾小路。そろそろ暑くなってきたね」

「ああ、そうだな」

 

 返事はしてくれるけど、会話を広げづらいこの雰囲気。いつものことなので、もう慣れっこだ。

 すぐにエレベーターが来たので乗り込むと、先客の一之瀬帆波がいた。

 

「おはよう奇遇だね、一之瀬さん」

「おはよう!浅村君と、えーっと‥‥‥」

「綾小路だ」

「にゃはは、綾小路君もおはよう」

 

 意外な人物と遭遇した。前に図書館で会って以来だ。あのときは中間テスト範囲のゴタゴタで、俺以外の面子は自己紹介していなかった記憶がある。

 

「一之瀬さんはいつもこの時間に登校してるのかな?」

「うん、大体これくらいかな。最近暑くなってきたから、少し早く出ようかなって思ってるけど」

 

 話しているうちにエレベータは1階へ到着。建物から出ると確かに暑い。‥‥‥堀北もこんな天気じゃ汗をかくのだろうか。

 ‥‥‥うん、とてもアリだと思います。

 

 

 

 そのまま3人で取り留めの無い話をしながら学校に向かっていると、後ろから櫛田が声を掛けてきた。登校時に会うのは初めてだ。

 

「おはよう3人とも!なんだか珍しい組み合わせだね?」

「寮のエレベーターでたまたま一緒になったんだ。桔梗ちゃんもおはよう!」

 

 この2人は名前で呼び合っているらしい。互いにコミュ力の権化みたいな感じだから、すぐに仲良くなったんだろう。

 そんなことを考えていたら、一之瀬に中間テストの礼を済ませていなかったことを思い出した。

 

「そういえば一之瀬さん、中間の時は助かったよ。テスト範囲を教えてくれてありがとう」

「どういたしまして。でもDクラスは過去問用意したみたいだし、いらないお世話だったかもね」

「よく知ってるね。櫛田さんが手に入れてくれたんだよ」

 

 隠せるようなことでもないけど、既にBクラスへも知られているらしい。学校も対策してくるだろうし、期末は過去問を当てにできないだろう。

 

「桔梗ちゃんが過去問もらった人って、綾小路君と一緒に食堂で話しかけてた先輩?」

「‥‥‥あはは、見られてた?」

 

 問いかけられた櫛田は、頬をかきながら苦笑している。

 過去問の入手に、綾小路が一枚噛んでいたとは気付かなかった。勉強会の時に櫛田と2人でランチに行ったりしてたけど、実は過去問のために動いてたのだろうか。

 つまり、綾小路も天使ということになる。女たらし系主人公だと疑って本当に申し訳ありませんでした、キヨタカエル様。

 

「てことは、Dクラスの恩人3人がここに揃っているわけだ。これは礼を尽くさないと」

 

 そう言って手を合わせ、3人を拝む俺。通学中でなければ五体投地してもよかった。

 

「恥ずかしいからやめて!みんなこっち見てるよ!」

 

 一之瀬はそう言うけど、元々手遅れなのだ。一之瀬と櫛田というトップレベルの容姿を持つ2人。それが一緒にいる時点で相当周りから視線を集めている。つまり俺は悪くない。綾小路が普通に嫌そうな表情を浮かべている気がするけど、俺のせいではない。

 

 

 

 そんなこんなで教室に着いたので、櫛田と綾小路と一緒に中に入る。池と山内が、敵を見る目で俺と綾小路を睨んでいるがいつも通りだ。

 気にせずに窓際の席へ向かうと、堀北が俺と綾小路を凝視していた。いつも通りじゃない。俺何かやっちゃいました?

 

「おはよう堀北さん‥‥‥えっと、どうかした?」

「‥‥‥おはよう。2人とも、櫛田さんと仲良く登校して来たみたいね」

「ああ、一之瀬も一緒だったぞ」

 

 綾小路が答えると、堀北の視線が更に鋭くなる。もしかして怒ってるのだろうか。仲間外れにされたと感じているのかもしれない。

 

「あー‥‥‥良かったら堀北さんも一緒に登校する?」

「遠慮するわ」

 

 なんでや。

 

 

****

 

 

 結局、堀北の機嫌は変わらないまま放課後になってしまった。そろそろ約束していたカフェデートのお誘いをしようと思っていたけど、今日はやめておくことに。他にやることもあるのだ。

 ホームルームが終わってから、俺は1人でショッピングモールへ足を運んだ。何か買ったりすることなく、1時間ほど歩き回った後にショッピングモールを出る。

 その後もスーパーへ行ったりして、そこでも買い物はせずに歩き回った。

 

 

 そうして2時間ほどブラブラした後、目的地である特別棟に入って現在に至る。

 俺が立っているのは長い廊下の突き当たり、監視カメラの死角になる場所だ。

 死角というか、そもそも今いる3階の監視カメラは全て電源LEDが点灯していない。以前からそうだったのかわからないけど、今の俺には都合がよかった。

 

「長々と付け回されていたけど、何か用かな?」

 

 そう声をかけると、監視カメラがある時は決して物陰から出てこなかった追跡者の1人が姿を現す。サングラスをかけている筋肉質な黒人の大男、山田アルベルト。身長が2メートル近くあり体重は100キロを超えているだろう巨体を誇る、以前から目を付けていたCクラスの生徒だ。

 尾けられ始めたのは、学校を出たあたりから。最初は監視者が釣れたかと思ったけど、あの夜の視線と比べると今回の追跡はあまりにお粗末。隠れている場所が一発でわかってしまうほどだった。この大男はその中でも特に目立っていて、俺じゃなくても気付いたはず。

 

 そんな目立つ生徒、山田アルベルトは口を閉ざしたままこちらに向かってくる。

 

 なんというか、この名前のバランスが悪すぎる。『山田』という名字は佐藤や鈴木に並んでよく目にするものだ。それに超攻撃型な名前である『アルベルト』を付けるこの暴挙。一周回ってモブキャラを疑ってしまう。せめて『マイケル』あたりにとどめておくべきだったのでは?フルネームで呼ぶのもダルいので、とりあえず『アルベルト』と呼ぶことにする。こいつを『山田』と呼ぶのはこの世界がギャグ漫画だった時だけだ。

 キャラとしては創作でそこそこ見かけそうな感じだけど、問題があるのは名前だけではない。こいつが高校生1年生を名乗るのは普通に無理があるだろう。ブレザーの制服と顔のバランスは劣悪だし、サングラスがそれにとどめを刺してしまっている。こいつだけ黒スーツを制服にするべきだ。周囲と違う服装になることを考慮しても、今よりは違和感を抱かずに済むことは間違いない。

 この世界がどんな作品かわからないけど、とりあえずこれだけは言える。出る作品を間違えてるだろう。メン・イン・ブラックとかマトリックスに帰るべきだ。

 

 そんなことを考えていると、アルベルトは応答しないまま目の前まで迫っていた。再び目的を問いただすために口を開こうとすると、いきなりこちらに殴りかかってくる始末だ。

 馬鹿め。いきなり殴られる展開は既に経験済みだ。キャラの濃差(こさ)が、筋力の決定的差ではないということを教えてやろう。

 

 そんなことを考えながら、突然の暴力を冷静に掌で受け止めて見せる。様子見のつもりなのか、思ったよりも攻撃が軽い。それでもかなりの威力があるけど、パワフルな俺に効くわけがないのだ。

 

「いきなりご挨拶だね」

 

 無造作に、しかも片手で受け止められたのが意外なのか、サングラスの向こう側では目が見開かれている。

 

「ねえ、Cクラスのリーダーって君?それとも龍園って奴?」

「‥‥‥」

 

 アルベルトはこちらの質問には答えない。表情も変わらないけど、『龍園』の言葉に反応して一瞬だけ視線が揺れた。あちらがリーダーの可能性が高い。

 龍園翔、アルベルトと同じく以前から目を付けていたCクラスの生徒。ロン毛と黒のワイシャツが特徴で、如何にも不良らしい風貌をしている。須藤がヤンキーで龍園がヤクザみたいなイメージだ。

 身体能力ではアルベルトに劣っているのが俺の認識だったけど、うまく従えているらしい。弱みでも握ったのだろうか。

 

 ともあれ、いつまでも男の手を握っている趣味はないので掴んでいる拳を離してやる。自由になったアルベルトは、俺を警戒しているのか数歩分の距離を取った。

 

「喧嘩しても良いことはないし、やめておかない?あと二人隠れてるみたいだけど、無駄だと思うよ」

 

 その内の1人は、隠れてカメラを構えている。バレバレだ。隠し撮りは良くないということを教えてやりたい。

 

 俺の言葉で隠れることを諦めたのか、物陰から2人の生徒が現れた。カメラを持った男子は石崎。ショートボブの女子は伊吹。どちらもCクラスの生徒だ。

 

「舐めたこと言ってくれるね」

 

 キレ気味に言い放つ伊吹。俺の言葉で怒ったのかもしれない。まあ、そのつもりで言ったんだけど。うまく情報を引き出すための駆け引きだ。朝のやり取り以降、堀北とまともに会話していないこととは全く関係ない。

 

「まさか、こんなところまでついて来るなんてね。それもご丁寧にカメラまで持って。Cクラスってストーカーみたいな真似をする人が多いの?もしかして夜もついて来てたり?怖いからやめてほしいんだけど」

「‥‥‥随分余裕あるじゃないか、自分の状況わかってる?」

 

 うーん、いまいちな反応だな。思ってたより伊吹は頭が回りそうだし、ターゲットを変えてみようか な って   向 こ う の  物  陰  に  誰  か い る な ?

 

 

 アルベルト達の背後、建物の向かい側にある階段。そこから、あの夜に感じた視線と同じモノが注がれている。

 

 

 それを感知した刹那、俺は瞬時に駆け出した。

 

「──っ!」

「やる気かい!?」

 

 反応したアルベルトの拳と伊吹の蹴りを躱す。そのまま3人を置き去りにして、視線の主へ向かって一気に加速。

 

 今、あいつらはどうだっていい。監視者が先だ。

 

「What is he‥‥‥?」

「っ、逃げるのか!?」

「え、速っ!?」

 

 こちらの動きに反応したのか、階段の陰から動く監視者の気配。

 

 階段に辿り着くと、開いている踊り場の窓が目に入る。

 迷わずそこから飛び降りた瞬間、建物の角に消える人影が見えた。

 着地と同時に地面を蹴る。

 

 

 やっと釣れた、絶対に逃すもんか、 って角から誰か出てくる!?

 

 

 気配を感じた瞬間、衝突を回避するために跳ぶ。

 

 ほぼ同時に目の前に現れた女子が短い悲鳴を上げた。

 

 間一髪、その女子を飛び越えて着地。わずか数秒のタイムロスだったけど、その間に監視者の気配は分からなくなってしまった。

 ‥‥‥逃がしたか。ようやく尻尾を掴みかけたのに。仕方ない、別の方法を考えよう。

 

 監視者のことは置いといて、目の前の女子をどうにかしないと。俺にびっくりしたのか、尻餅をついてしまっている。

 

 ‥‥‥誰かと思えば、同じクラスの佐倉だ。何でこんな場所にいるんだという疑問があるけど、とりあえず謝らないと。

 

「ごめんね、佐倉さん。ビックリしたよね」

「‥‥‥あ、浅村君?今、跳んで‥‥‥?」

「人を追いかけてて、つい走っちゃったんだ。ほんとごめん」

「‥‥‥だ、大丈夫です」

 

 いつでも取り出せるように指を引っ掛けていた裁ち鋏。それを袖の奥に戻して、腰を抜かしたままの佐倉に手を差し出す。

 その手を取ることなく、佐倉は自力で立ち上がった。‥‥‥俺の手、そんなに触りたくないのだろうか。

 

「追ってた人と入れ違いで佐倉さんが出て来たんだけどさ、その角から出て来る前に誰かとすれ違わなかった?」

「‥‥‥すれ違いました。一瞬だったから顔とかはわかりません」

「じゃあ、その人の服装とかは見た?」

「せ、制服でした。浅村君と同じ男子用の」

 

 俺も一瞬しか見えなかったけど、監視者は制服を着ていた。ブラフの線は捨て切れないけど、監視者は男子生徒の可能性が高い。それと人間であることもほぼ確定した。‥‥‥アンドロイドとか男装している女とかやめてね。

 でもよかった、人外じゃなくて。コズミックホラーだったりしたら、いくらチートスペックとはいっても人間である俺にはどうしようもない。

 成果はあったものの、相変わらず正体は不明だ。監視者とCクラスの繋がりをまずは調べよう。アルベルト達はあの様子だと何も知らない可能性が高いから、龍園に確かめるしかないな。

 

「そっか、教えてくれてありがとう。‥‥‥ところで足元に落ちてるカメラって佐倉さんのかな?」

「え‥‥‥あっ!」

 

 佐倉はカメラを拾い上げると、焦った様子で調子を確かめ始める。

 

「嘘‥‥‥映らない‥‥‥」

 

 佐倉は焦った様子で電源ボタンを押したりバッテリーを入れ直していたりしているが、電源は入らない。

 俺とぶつかりそうになった時に驚いて落としたよな、そのカメラ。‥‥‥ご、ごめんなさい。

 

「‥‥‥もしかして壊れちゃった?」

「‥‥‥浅村君のせいじゃないです」

 

 どう考えても俺のせいだ。少しばかり監視者に夢中になりすぎた。

 

「本当にごめんなさい。弁償させてもらいます」

「いえ、あの、大丈夫です」

「いえ、払わせて下さい」

「いえ、本当に、その、気にしないで下さい」

「いえ、絶対に「浅村君、こんな場所で何をしているのかしら?」‥‥‥堀北さん?」

 

 話に夢中で気づけなかったけど、堀北さんが声をかけてきた。なんてこんなところにいるのだろうか。とても危険だ。監視者の気配はしないけど、まだそこらに潜んでいるかもしれないのだから。

 

「悲鳴が聞こえたから何事かと思えば。‥‥‥あなたは、佐倉さん?」

「あの‥‥‥こ、こんにちは」

 

 堀北と佐倉が話しているのを見たことはないけど、名前は覚えているらしい。流石の記憶力だ。

 

「‥‥‥こんにちは。それで浅村君、何があったか教えてもらえないかしら?」

「ここの角で佐倉さんとぶつかりそうになってさ。その時にカメラを落として、どうやら壊しちゃったみたいなんだ」

「‥‥‥‥‥‥」

 

 堀北は探るような目で俺と佐倉を見ている。悲鳴が聞こえたのにこの言い分は苦しい。だけど、監視者の件はなんとか言わずに済ませてみせる。

 甘いかもしれないけど、なるべく堀北に不安を与えたくない。狙いが堀北だと確定したわけでもないのだ。

 

「浅村君、何か危険なことをしていないでしょうね?」

「危険なことって?」

「とぼけないで。須藤君や池君達が特別棟に呼びつけられたと話していたわね。Cクラスのことで何か動いているのではないかしら?」

 

 ほぼほぼ当たり。相変わらずの鋭さだ。でも、監視者のことは言わなくて済みそうな流れでもある。

 

「正直に言うと、その通りだよ」

「‥‥‥あなたがどれほど腕力に自信があるのか分からないけれど、危ない行動は控えて欲しいものね」

「もしかして心配してくれてる?」

 

 俺が茶化すと、堀北は顔を逸らして続ける。

 

「不祥事を起こされて、せっかく増えたクラスポイントを0にされてしまう事態は避けたい、それだけよ」

 

 冷たく言い放つ堀北だけど、いつも眺めている俺には少し違う様子に見えた。チートスペックの俺だけにしか分からないくらい少しだけ、本当に少しだけ耳が赤くなっている。

 もしかして、本当に心配してくれているのだろうか。そうだとしたら嬉しいけれど、何もしないわけにはいかない。Cクラスも監視者もどの程度危険なのかすらわかっていないから、その把握くらいはしておかないと不安なのだ。

 

「わかった。なるべく危ないことはしないよ」

「本当にわかったのかしら?」

「うん。ただし、あの夜みたいなことがあったら別だからね」

「‥‥‥あなたねぇ」

 

 見る間に顔が赤くなったけど、これは単に怒ってるだけな気がする。

 

「‥‥‥あ、あの」

 

 置いてけぼりだった佐倉が、声を上げて存在を主張してきた。

 もちろん忘れていない。ちょっと堀北との会話に夢中になっていただけだ。

 

「ごめんね佐倉さん。つい話し込んじゃった」

 

 果たして今日だけで、俺と佐倉は何回謝ったのだろうか。まぁそんなことよりカメラの話だ

 

「カメラなんだけどさ、やっぱり全額払う。驚かせた俺が悪いんだし」

「‥‥‥ポイントはいらないので、1つお願いを聞いてもらえませんか」

「ん?いいけど、どんなお願い?」

「カメラをお店へ修理に出す時、付き添って欲しいです」

「それくらいならいくらでも。それとは別でポイントも払わせてもらうよ」

「無償修理の保証期間内なので、ポイントは大丈夫です」

「‥‥‥まぁそれなら。もしポイントかかるようだったら言ってね」

 

 なんだか悪い気がする。借り1つということにしておこう。

 

 

****

 

 

 あの場所にずっといても仕方ない上、そろそろ日が暮れる時間。というわけで寮に向かっている俺と堀北。

 佐倉は寄るところがあるらしく途中で別れた。

 

「佐倉さんも不思議なお願いをするものね」

 

 堀北と2人っきりという事実に喜んでいたら、あちらから話しかけて貰えた。朝はあまり機嫌が良くなかったみたいだけど、もう大丈夫なのだろうか。

 

「確かに、なんでだろうね。カメラのことを聞きたいって感じでもなかったし」

 

 もしかしたら俺に気を使って、贖罪の機会をくれたのかもしれない。

 

「‥‥‥それで2人で行くのかしら?」

「いや、誰か他の人も誘おうかなって思ってる。佐倉さんとはほとんど話したことないし」

「そう、それがいいわね。誰を誘うつもりか決めているの?」

「うーん、佐倉さんと接点がありそうな人だから‥‥‥櫛田さんとか?」 

「‥‥‥そう」

 

 堀北の機嫌が悪くなった気がする。もしかして佐倉さんと出かけたかったのだろうか。

 

「あー、良かったら堀北さんも一緒に行く?」

「‥‥‥遠慮するわ」

 

 なんでや。

 




山田さん
アルベルトさん

ごめんなさい

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