ようこそ知らない世界の教室へ   作:マサオ

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13.

 龍園との遭遇は望むところだった。今のところ監視者と繋がっている可能性が最も高いのはCクラスだし、こちらから出向こうかと考えていたくらいだ。

 

「‥‥‥もう一度言ってみろテメェ!」

 

 激昂した須藤が龍園に詰め寄ろうとする。やっぱりこうなるよね。

 教えてくれ、須藤。俺は後何回お前を止めれば良い?

 

「はい須藤ストーップ」

「浅村、お前ムカつかねぇのかよ!?」

「落ち着きなって」

 

 須藤はもうちょっとメンタルをどうにかしないと怖くて目が離せないな。龍園のヤツ、今も楽しそうに見てるし須藤が目を付けられてしまいそうだ。

 

「浅村、龍園達と何かあったのか?」

「俺の友達が何人かCクラスの生徒に声をかけられてさ。トラブルになりそうだからやめてくれないかって話をしようとしたんだ」

 

 葛城に以前のように変に勘違いされてしまう事態を防ぐには、素直に事実を話すことが1番だろう。

 特別棟で『やめてほしい』と言ったのは本当だし何も嘘はついてない。ちょっと煽ったことなんてわざわざ話す必要がないだけだ。

 

「龍園だっけ、俺に何か用?これから夕飯作らなきゃいけないんだ。話があるなら明日にでも時間作るけど」

「何言ってやがる、お前がアルベルト相手に俺の名前を出したんじゃねぇか。わざわざこっちから出向いてやったんだぜ」

「‥‥‥それはありがたいんだけどさ、もう少しゆっくり話せそうな時にして欲しかったな」

 

 できれば龍園とはサシで会いたかった。アルベルトや伊吹がいたとしてもそこまで支障はないけど、須藤や葛城が隣にいる今の状況はいろいろとやりにくい。

 

 龍園が1人で来たということは監視者と龍園に繋がりはない?それとも切り札として監視者を隠している?もしかして龍園自身が監視者か?‥‥‥まだ何とも言えないな。

 

「何だ、俺1人が相手なら逃げねぇのか?」

「怖いと思ったらさっさと逃げるよ」

「ならここで話を済ませてやる。Dクラスの馬鹿共を煽っても食い付きが悪かったが、誰かが入れ知恵をしたな?」

 

 即バレかよ。

 龍園が鋭いのか、須藤の粗暴さがそれだけ信頼されているのか。

 ‥‥‥どっちもありそうだな。

 

「馬鹿共って‥‥‥。因縁つけられても無視する良識が備わってただけでしょ」

「抜かせ。どうせお前、平田、鈴音あたりの仕業だろうが」

 

 SUZUNE?‥‥‥スズネ?

 

 

 

 

 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥鈴音???? は?????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は???????????????????

 

 

「まぁいい、あんなのは挨拶みたいなもんだ。まずはお前らDクラスから潰してやる。楽しみにしていろ」

 

 そう言うと龍園は踵を返した。

 

 

 

 

 

 あの後葛城達と別れて須藤に夕食をご馳走したみたいだけどあまり覚えていない。

 

 堀北を巡るライバルが須藤以外にも出てきたらしいという、激しく憂慮すべき事柄に考えを巡らせていたからな。

 

 

 もしかしてこの世界って、須藤、平田、綾小路、龍園あたりが攻略対象で堀北が主人公の乙女ゲームだったりする?

 ‥‥‥普通にありそうな気がしてきた。

 

 須藤はとっくに攻略されている。チョロすぎるでしょあいつ。

 

 綾小路だって怪しい。そもそもあいつの席が堀北の隣って時点で問題がある。とてもずるい。100万ポイントくらいならなんとか用意するから売ってくれないかな。

 

 龍園にしてもいきなり鈴音呼びなんておかしすぎる。俺なんて未だに堀北『さん』呼びなのに卑怯だぞ。最初から下の名前で呼んで強引に距離を詰めるスタイルか、確かにドS俺様系は今までいなかったな。‥‥‥まさか元カレとかじゃないよね?

 

 平田は今のところ問題なさそうだけど、油断はできない。あんな優良物件がモブなわけがない。俺がプレイヤーなら真っ先に攻略する。

 

 堀北兄も疑わしく思えてきた。あの夜見かけた時は堀北に乱暴するつもりだって思ったけど、もしかしたら早とちりだったかもしれない。

 『昔のように仕置きが必要か?』って口にしてたのは、投げたり殴ったりとかじゃなくてキスとかハグとかアレだったり?

 まさか昔からそういうことしてんの?‥‥‥さ、流石にホッペにチューとかだよね?

 何にしてもイタすぎる。そんなことを仕置きと称する堀北兄もイタいし、ドヤ顔で止めてた俺もイタすぎる。とても恥ずかしい。

 

 高円寺も確実にモブではないし、AクラスやBクラスからも何人か出てくるに決まってる‥‥‥。

 

 あぁやばいやばい、遊んでる場合じゃない。もっと激しくアピールしないと。

 

 

 

 

 そんなことを考えているうちに朝を迎えていた。

 

 

****

 

 

 うん、昨日は少しばかり冷静ではなかったと思う。冷静ではなかったから、須藤に堀北への好意を告げることができなかったのは全くもって仕方がないことだ。

 

 龍園へ監視者について探ることも失念してたし。

 

 そう、監視者。あの身体能力は単なる学園ものや乙女ゲームには必要がないものに思える。

 いや、もしかしたら隠し攻略キャラ枠なのかもしれない。

 ‥‥‥堀北鈴音乙女ゲー主人公説はかなり有力だがひとまず置いておこう。思考が乱される。

 

 まずは今やるべきことに集中しなければ。

 

「堀北さん、これから時間ある?前に話したカフェの約束なんだけど今日あたりどうかな?」

 

 俺がやるべきなのは、堀北をデートに誘うことだ。ホームルームが終わって須藤が部活に向かった今は誘う機会として最適である。

 別に須藤に隠れてデートしようとしているわけではない。部活の前に余計な雑念を抱かないで済むよう俺なりに須藤へ配慮した結果、このタイミングになっただけに過ぎない。

 

「ええ、構わないわ。実は私からも話したいことがあるの」

「よかった。早めに行かないと席がなくなっちゃうから、カフェでゆっくり聞かせてもらおうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、俺は今最高の気分だ。何しろ堀北と2人っきりでカフェに来ているのだからな。そう、2人っきりで!!

 なんか別の席に軽井沢達が座っていて明らかにこっちを観察しているけれどそんなの大したことじゃない。

 これで俺はあと10年は戦える。いや、盛り過ぎたな10日くらいにしておくか。‥‥‥10日も堀北に会えなかったら干からびるからやっぱり2日で。

 

「それで堀北さんの話って?」

「勉強会の時に、私はAクラスに上がりたいと話したでしょう。そのために浅村君、あなたの力を貸してくれないかしら」

「‥‥‥この前、少しだけ理由を教えてくれたよね。Aクラスを目指すのはある人に認めてもらうためだって。その認めてもらいたい人って堀北生徒会長?」

「ええ。私は兄さんに認めてもらうために、何としてもAクラスに上がりたいの」

 

 

 

 ほかのおとこめあてにおれをよんだのか

 

 

 

 

 なんてね。

 

 今回はそれなりに予想してたから問題ない。たとえ堀北兄が恋敵だろうと、俺は堀北に手を貸すだけだ。最後にこちらを見てくれればそれで良い。

 

「力を貸すのは全然構わないんだけど、1つ聞いても良いかな?」

「何かしら?」

「なんとなくだけどさ、堀北さんって人に頼ることをしないイメージがあったんだ」

 

 中間試験でも協力を依頼されたけど、あの時は須藤達の勉強会の中心はあくまで堀北で俺はヘルプ要員の1人だったし、協力も一時的なものでしかなかった。

 

「確かに今までは、可能な限り自分の力だけで何かを成し遂げて来たわね」

「だから今回の話を持って来た経緯が気になっているんだけど」

「‥‥‥私なりに、孤高と孤独を履き違えていると兄さんに言われたことを考えてみたわ」

 

 また堀北兄か。

 

「中間試験の時、あなたは迷わずみんなに頭を下げて協力を仰いだでしょう?」

「あぁ、うん」

 

 もうその話は良くない?何でみんな俺を虐めるの?

 

「私もあの姿勢を見習おうと思った。それだけよ」

 

 え、めっちゃ健気じゃん。

 俺だけに声をかけているあたり、まだプライドが干渉している気がするけどそれで良いよ。これから少しずつ頑張ろう。何ならずっと2人で頑張っても良いしね。むしろ2人だけでよくない?

 

「わかった。一緒に頑張ろうね」

「‥‥‥ありがとう、頼りにさせてもらうわ」

 

 うん、何でもやるからどんどん頼りにしてくれ。とりあえず龍園をシメてくれば良い?ライバルも減るし一石二鳥なんだけど。

 

「中間試験の時に、綾小路くんと櫛田さんにも同じ話をしたわ。あの2人も仲間ということになるわね」

 

 ちょっと何言ってるかわかりませんねぇ。

 

 櫛田はいいよ、うん。で、綾小路?またあいつなの?何人に粉かければ気が済むの?

 

「綾小路君はあまり協力的ではないし櫛田さんは私のことが嫌いなようだから、あてにはしないけれど」

 

 信じてたよ綾小路。お前がそんな不埒な真似するはずもないよな。‥‥‥ん、櫛田が堀北のことを嫌っている?

 

「櫛田さんが堀北さんのことを嫌っているって、何かの間違いじゃなくて?」

「本人から直接言われたから間違いないわ。‥‥‥つい話してしまったけれど、他の人には言わないでくれるかしら」

「それはもちろん」

 

 櫛田にも好き嫌いがあるのか。少し意外だけど、いつでもどこでも良い子にしているよりはそっちの方が納得できるな。

 

「当面は2人で連携して、必要があれば他に協力を仰ぐってことでいいかな?」

「ええ、そのつもりよ」

 

 やばい、にやけそう。堀北と仲良くなるのに最高のシチュエーションじゃないか。頑張ってアピールしないと。

 

「なら、いくつか共有しておきたいことがあるんだ」

「何かしら?」

「1つ目はCクラスについて。昨日Cクラスのリーダーらしき生徒と接触したんだ。龍園って名前なんだけど」

「危ない真似はやめて欲しいと言ったはずよ」

 

 何でそうなるのさ?危険な事に自分から近づいてると堀北に思われてるのかもしれない。そのうち誤解を解かないと。

 でも龍園って名前には特段反応してない。これは元カレの線は消えたかな?消えたよね?

 

「何もしてないよ。買い物帰りにあっちから声をかけて来たんだ」

「‥‥‥そうだったのね、ごめんなさい」

「心配してくれたんでしょ?」

 

 誤解は解きたいけどもっと心配して欲しいな、めちゃくちゃ嬉しいから。ポーカーフェイスが崩れてるかもしれないけど、もうどうでもいいや。

 

「それで龍園の発言なんだけどさ。まずはDクラスから潰すから楽しみにしていろ、だって」

「浅村君が危惧していた通り、Cクラスは不穏な気配がするわね。可能ならCクラスと組んでBクラスやAクラスに対抗したかったのだけれど」

 

 Cクラスと組むなんて絶対にありえない。龍園と堀北を近づけてたまるか。

 

「龍園は危険だし、やめた方がいいよ。Bクラスと組む方がまだマシだね」

「‥‥‥一之瀬さんがいるからかしら?」

「いや、Aクラスと組むわけにもいかないから消去法で言ったんだけど」

「‥‥‥そうね、当然のことだったわ」

 

 なんで一之瀬が出てくるんだろう、確かに連絡先は知ってるけど。

 それにしても他のクラスとのパイプをもう少し増やしたいな。Dクラス以外の人間で誰が信頼できるかって話になった時、俺なら真っ先に葛城の名前が挙がる。ただ葛城はAクラス所属だからやりとりが難しい、というか筆頭対抗馬だから余程の事態でないと組むことがない。次点で一之瀬が出てくるけど、こっちはまだ現実的だ。Cクラスなら椎名さんがいるけど、そっちも難しいだろうな。彼女自体は良い人なんだけど、あのクラスは龍園がいる限り無理な気がする。

 

「もう1つ、須藤達がCクラスに絡まれて逃れた話があったよね。それについて俺か平田か堀北さんが入れ知恵したんじゃないかって疑っていたよ」

「龍園という人もそれなりに鋭いのね。実際、あなたの警告が無ければ須藤君あたりはトラブルに発展していたかもしれないわ」

「かもね。その時に堀北さんのことを鈴音って呼んでたんだけど、もしかして龍園と面識があったりする?」

 

 お願いします神様。どうか、どうか何もありませんように。

 あ、お祈りですからね。第3の願いは使わないでください。

 

「少なくとも私に覚えは無いわ。勝手に下の名前を呼ばれるなんて不愉快な話ね」

 

 はい俺の勝ち。見たか龍園、今時ロン毛の俺様系なんて流行らないんだよ。池袋ウェストゲートパークに帰りな。

 

「なら良いんだ。物騒な雰囲気だったしこれからもあまり近づかない方がいいよ」

「それはあなたもよ、浅村君。少しは自分の身を顧みなさい」

 

 堀北が俺のことを心配してくれてる。こんなに嬉しいことはない。

 

「もちろん俺も気をつけるよ。Cクラスについてはこれくらいかな。話が変わるけどさ、見てもらいたいものがあるんだ」

 

 そう言って、堀北兄から受け取ったデータを堀北の端末に転送する。

 

「‥‥‥これは?」

「企業秘密。ここだと他の人に聞かれそうだし、帰ったら電話できる?」

 

 『帰ったら連絡するね』作戦。この前読んだ『狙った女を落とす100の方法』に載っていた手法である。デートが終わった帰宅後にも連絡することで、自分の存在を相手に刻み込むのだ。

 

「わかったわ。いい時間だし、そろそろ帰りましょうか」

「うん、今日は付き合ってくれてありがとう。よかったらまた一緒に来てくれるかな?」

 

 お願いします神様。どうか、どうかまた来てくれますように。

 あ、お祈りですからね。第3の願いはまだ使わないでください。

 

「ポイント次第ね。頻繁には無理だけれど、たまになら構わないわ」

「その時は俺が払うよ。頑張ってクラスポイントを増やさないとだね」

 

 これは勝ちでいいよな?いや、勝ちに決まっている。とりあえず会計を済ませよう。堀北におごるためにポイントを節約していたし、ここが使いどきだ。

 そう思って伝票をつかむと堀北が口を開く。

 

「浅村君、今日は勉強会のお礼で来たはずよ。私が払うわ」

「いや、来てもらっただけで十分だよ。ポイントには余裕があるし俺に払わせて」

「‥‥‥伝票を渡しなさい浅村君」

「え、やだ。俺が払う」

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥好きにしなさい。全く強情なんだから」

「お互い様でしょ。これからも誘った時は俺が払うから、ポイントは気にしないでね」 

 

 これで俺はポイントがある限り堀北をデートに誘える。

 

 強引かもしれないけど、たくさんデートしたいからね。

 

 

 

 

 

 そうやって会計を済ませた俺達は、他クラスの分析をしながら2人で寮に向かった。50メートルほど後ろに見知った顔がいたとしても2人なのだ。

 

 結局寮の建物に入るまでこっち見てたな、軽井沢とか篠原とか。そんなにカフェ奢って欲しかったのか?仕方ない、期末試験でのあいつらの頑張り次第では平田と一緒に連れて行ってやろう。

 

 そんなことを考えながら2人でエレベータに乗り込むと、あの夜を思い出した。

 ‥‥‥監視者、早く見つけないとなぁ。今のところ実害はないけどやっぱり心配だし。

 あ、4階についてしまった。グッバイ2人だけの放課後デート、ハロー『帰ったら連絡するね』作戦。

 

「じゃあ、部屋に着いたら連絡してね堀北さん」

「ええ」

 

 部屋に入って荷物を置いた次の瞬間から端末を両手で持って待機する。

 

 

 まだかな?

 

 

 まだかな?

 

 

 まだかな?

 

 

 っ!来た!

 

「もしもし」

『‥‥‥呼び出し音が鳴る前に出たわね』

「そう?ちょうど操作してたタイミングだったからじゃないかな」

 

 流石にやりすぎたかもしれないけど、まあ俺は悪くない。堀北が可愛いのも悪くない。龍園が悪い。

 

『早速だけど、カフェで送付されたデータについて説明してもらえるかしら。見た限りだと過去のクラスポイントの変遷のように思えるわ』

「その通り、そのデータは今の3年生が1、2年の時のクラスポイントの動きらしいんだ。裏は取れていないけど、中間試験までのポイントの動きは整合しているからそれなりに信用していいと思う」

 

 データの提供元もそれなりに信用しているしね。ライバル候補だけど。

 

『これは3年生から手に入れたのかしら?』

「そうだね」

『‥‥‥ポイントにそこまで余裕がない状況でどうやって?』

「とある交換条件で」

 

 あれ?まずくない?堀北兄へおねだりしたことに感づいてない?

 

『入手した時期は?』

「黙秘します」

 

 勘のいい堀北も好きだよ。許してくれるといいんだけど。

 

『まぁいいわ。重要なのはこのデータが役に立つという事実よ』

 

 優しい堀北は大好きだよ。

 

「どうも。それで特に見て欲しいのが8月なんだ。各クラスとも大きくポイントが変動しているでしょ?」

『‥‥‥バカンスかしら?』

 

 即座に気付くなんて、やっぱり鋭いね。

 

「茶柱先生も思わせぶりな反応してたし、何かしらあると思う」

『定期試験と生活態度以外でもクラスポイントが動くのね』

「確証はないけど恐らくは」

『‥‥‥貴重なデータをありがとう。あなたに声をかけて正解だった』

 

 ああ、これはいけないな。堀北に褒められるのはとても嬉しいけど、過剰摂取で堀北中毒になってしまいそうだ。

 

「役に立てたならよかったよ。また何かあったら知らせるから」

『お願いするわ。‥‥‥それじゃあ、明日の準備もあるからそろそろ失礼するわね』

「うん、また明日ね。少し早いけどおやすみなさい」

『ええ、おやすみなさい』

 

 ‥‥‥‥‥‥よしっ!!!!『おやすみなさい』いただいたぞ!脳内メモリーに永久保存だ!

 頭の中でエンドレスにリピートしてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然だが、ちょっとだけ俺の出す問題を真剣に聞いて、答えを考えてみてほしい。

 

 

 問い・今日の堀北との時間はデートであるか否か

 

 

 今日の会話は、Aクラス昇格のための情報交換や分析に終始した。

 人によってはそんなものはデートでもなんでもないと言うかも知れない。

 

 

 だが、答えは是。

 

 

 なぜなら、俺はとても楽しかったからだ。

 

 


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