・初投稿
・独自解釈・妄想アリ
・地雷の危険性。注意されたし。
・別サイトから転載
にとり「こ、これで、いいんですか?」
赤毛の大男「おお、有り難い。」
軍服の大男「そう怖がりなさんな。あんたを痛めつけるようなことはしないさ。」
にとり「は、はあ。これが拡声装置です。んで、ここをこうやって……これで幻想郷の隅々まで届くと思いますよ。」
赤毛の大男「おう、ではしばらく借りていくぞ。用が済めば礼と共に返させてもらう。」
ジジッ!ジジジッ!!
霊夢「!?」
魔理沙「ノイズ音?」
ジジッ!
「あーあー、マイクテスト中!」
「完全に起動を確認。問題無し。」
「お、じゃあ頼んだぜ。」
霊夢「だ、誰?」
魔理沙「あん?こりゃ河童の発明品じゃねえか?幻想郷全体に異変が起きたときのための連絡手段。」
「うむ……幻想郷の諸君!我が名は…」
「我が名は、征服王イスカンダル!」
「並びに、俺の名はナポレオン・ポナパルト!」
「姓は項、名を籍、字を羽。世は私を項羽と呼ぶ。」
「……」(もう一人いるような気配がするが声は聞こえない。)
霊夢「は、はあ?」
イスカンダル「我らは抑止の導きによりここに舞い降りた。全ては、人理に害なすこの地を正すため!」
ナポレオン「だが……有無を言わさず攻撃するのもどうかなと、な。」
イスカンダル「おう!故に!我こそはという幻想郷の強者よ!余らと酒を酌み交わし、語ろうではないか!」
イスカンダル「そして我らに示すが良い!幻想郷とはこうだと、滅びるには惜しい場所だと!!」
イスカンダル「場所は……無縁塚と言ったか?」
項羽「座標を再確認……ん、事前に手に入れた地図を参照、無縁塚と断定。」
ナポレオン「無縁塚、ねえ。英霊の身としちゃあ複雑な場所だ。」
イスカンダル「時刻は2日後の日が沈んだとき。遅刻は許さんぞ?」
イスカンダル「こちらでも酒は用意するが、各々好きな酒を持ってくるがよい!フハハハハ!!!」
イスカンダル「以上!ではまた会おう、幻想郷の英雄たちよ!」
ブツッ
霊夢「……」
魔理沙「は、はあ?」
……
神奈子「いったいどうしたもんかな。」
文「人理に害なす……人理って何です?」
霊夢「……」
魔理沙「おーい?霊夢?」
霊夢「っ……」
その時、空中に「孔」が開いた。
神奈子「む。」
藍「突然のことわ失礼いたします。八坂神奈子様。我が主人、八雲紫がお呼びです。至急、白玉楼へ……」
神奈子「ちょいと待った。あんたは……八雲紫の式だったか?」
藍「は、申し遅れました、八雲藍と申します。」
神奈子「ふーん…八雲紫がねえ。」
藍「すでに西行寺幽々子様、聖白蓮様がお越しです。」
神奈子「!!」
神奈子「……分かった。行こう。」
藍「ところで、八意様のご所在はご存知ありませんか?」
諏訪子「八意、ああ、あの医者なら傷ついた皆の手当をしてくれてるよ。」
藍「こちらにいらっしゃったのですね。八意様にも来てくださるようお願いしたいのですが。」
早苗「私、伝えてきますね!」
藍「お願いします。」
霊夢「ちょっと!」
藍「……あ?なんで霊夢がいんだ?」
霊夢「んなことより、私も連れていきなさいよ!」
藍「……あー、連れていくつもりだったから丁度いい。着いてきな。」
魔理沙「お、おい霊夢!」
藍「お、魔理沙じゃないか。あんたも来るかい?」
魔理沙「え、いいのか?」
藍「異変解決の筆頭だ、誰も咎めやしないよ。」
諏訪子「こっちのことは私と早苗に任せてね。」
神奈子「ああ、頼んだ。」
文「……」
諏訪子「文、あなたにもまだまだやってもらうことがあるからね。」
文「し、承知しました。」
藍「ではこの隙間より、すぐに白玉楼に着きますので。」
…………
紫「……さて、集まったわね。」
聖「先程の野太い声は一体?」
幽々子「そのへん含めての話よ。」
永琳「……」
神奈子「ふう、あの隙間、一瞬だがこう、気分を悪くするアレがあるな。」
霊夢「……」
魔理沙「な、なあ霊夢?お前なんか知ってんのかよ?雰囲気が変わったというか……」
紫「さて……どこから話しましょうか。」
聖「ではまず、あの者たちの申していた『抑止の導き』についてお願い出来ますか?」
神奈子「ああ、抑止に呼ばれたってことだろ?なんだ、抑止って?」
紫「抑止……アラヤとも呼ばれる霊長の守護者。」
魔理沙「……あ?」
紫「要は、外の世界の人類の無意識
によって作り出される安全機構。人類が滅びかねない異変を察知し、その原因となるものを排除する。」
紫「人の安寧と繁栄のために存在するとんでもない奴らよ。」
聖「……つまり、異変解決のために霊夢や魔理沙が動くように、外の世界で
はその抑止というのが異変解決のために働くってことね。」
紫「そういうこと。そしてその異変解決の手段は様々なのだけれど……今回はサーヴァントを呼び出してきたわね。」
神奈子「また知らん言葉が。」
幽々子「サーヴァントについては私が説明するわ。サーヴァントとは、過去、未来問わず人類の歴史に名を残した英雄たちの分霊よ。」
幽々子「英雄が霊体となって顕現する。もちろんそれらは生きてはいない。動力源はよくわからないのだけれど、何らかの魔力でしょうね。。」
聖「幽霊、とは違うのですか?」
幽々子「幽霊なら私の管轄なのだけれど……あれらは違う。英霊の座に登録された、超別格の存在よ。」
永琳「イスカンダル、ナポレオン、項羽……なるほど。」
幽々子「まさしく、世界の危機を救えるほどの力を持った、ね。」
神奈子「人理に害なすって言ってたな。つまり…」
紫「幻想郷が、外の世界を脅かす……と?」
魔理沙「はあ?おかしいぜそれは。幻想郷と外の世界は全くっていいほど関わることないだろ?たまに外の世界から迷い込むやつはいるけど、送り返すなりなんなりしてる!」
聖「魔理沙の言うとおりです。八雲紫、そして博麗霊夢、あなたがたの結界によって外界とは断絶されている。」
聖「何が、外界にとって幻想郷が危険であると?」
紫「……」
神奈子「そもそも、今までああいう輩は来ていない。いや、もちろん私や聖、ほとんどが幻想郷の外から住み着いているのは確かなんだが……」
神奈子「そうやって、抑止力が来たなんてことはなかったろ?なぜ今になって?どうやって?」
紫「……」
神奈子「……なんだ、いつものお喋りはどうしたんだい?」
紫「……」
紫「……そもそもの前提よ。この幻想郷は『存在している』、それだけで抑止力の排斥対象になるの。」
神奈子「!?」
紫「そして、今日まで抑止力に『気づかれず』に過ごしてきた。」
紫「でも、何らかの原因によって気づかれた。だからあれらが…抑止力がやってきた。」
紫「これは幽々子と私の2人が立てた仮説。」
魔理沙「おいおい、存在してるだけでアウト?意味わかんねーよ。」
霊夢「魔理沙、例えばの話よ?」
魔理沙「ん?」
霊夢「あなたの家の裏のきのこ畑に、突然正体不明の物体が現れたらどうする?」
霊夢「そしてそれが、あなたがきのこを育てるスペースを陣取っていたとしたら?」
魔理沙「そりゃあなんとかしてどかすなり壊すなりするだろ。それに正体不明の物体なんてきのこにどんな影響が起こるか……」
魔理沙「……」
魔理沙「……あー。」
霊夢「それに抑止力は人類の無意識の集合体と言ったけれど……実のところ白血球のような役割よ。」
霊夢「何であれ、異物を排除する……それがやつら。」
聖「……なるほど、その点は理解しました。その上で私達には解決すべき課題は3つあります。」
聖「まずは妖怪の森を襲った謎の敵。次に明後日に控えた抑止力との邂逅。最後に、抑止力が幻想郷を察知し、侵入した原因。」
神奈子「あ、そうそう。妖怪の森を襲った敵なんだが……話を聞くにサーヴァントと考えていいだろう。つまり、さっきの放送の連中の仲間か、それに近しい何か、だと。」
聖「ふむ、明らかに別行動をとっていた点が気になります。今の段階ではやはり課題は3つとするべきでしょう。」
神奈子「……まあ、そうか。」
霊夢「……ねえ、紫。あんた的にはどうなのよ。抑止力が私達に気付く原因なんて」
霊夢「誰かが結界をこじ開けた、ぐらいしか考えられないわよ。」
紫「……ええ、おかしな話よ。でも思えばそれを知らせるものはあった。」
紫「一昨日、かしら。静電気が走ったような僅かな違和感を感じたの。でも結界に異常は確認されなかったし、気のせいと片付けてしまった。」
紫「……迂闊、だったわ。本当にごめんなさい。」
神奈子「つまり極めて短い時間に結界に異常が生じて、抑止力が侵入したってこったな?」
紫「恐らくね。」
紫「考えられるのは、結界に一瞬だけ穴を開けて、一瞬で閉じた。彼ら……サーヴァントを送り込むためにね。」
魔理沙「……んー?ちょいまち?その一瞬で幻想郷を外の世界の敵だと判断してサーヴァントを送り込んできたってのか?」
魔理沙「そいつは……妙っていうか、物理的に可能なのか?」
紫「……む。」
霊夢「…確かに。」
聖「それが出来るくらい超常的な力を持ってるとするならばどうしようもありませんが……いえ、その点を考慮したほうが良さそうです。」
神奈子「うーん、もとから幻想郷と判断はできなくとも何らかの違和感は察知していて、目星はつけていた?」
魔理沙「目星、ならどうやって今回結界をこじ開けたんだ?目星はついていたのに今の今まで放置か?」
魔理沙「んー???」
聖「……」
紫「……」
永琳「……第3者の可能性。」
霊夢「?」
永琳「目星はつけていた。しかし今まで幻想郷に辿り着くことはできなかった。その仮説はあり得るわ。」
永琳「そして、今、干渉が起こった。それは確かに整合性は取れないわ。でも、そこに第3者がいたら?」
永琳「抑止力の思惑を知ってか否か、結界に干渉した何者かがいれば?」
幽々子「……なるほどね。」
魔理沙「つまり?」
永琳「抑止力は私達に干渉する事ができなかった。仮に存在を把握していても結界が干渉を遮断していた。」
永琳「そこに、結界をこじ開けたイレギュラーがいた。それに乗じて抑止力が入り込んだ……?」
魔理沙「……」
魔理沙「やりそうなのは正邪あたりか。」
霊夢「それは無いわ。かなりお灸据えたし、今は確か閻魔が見張ってるって。」
魔理沙「そうか。」
……
なお
正邪「ふぇっくし。」
正邪「あー、畑仕事も楽じゃないねー。」
高齢の女性「正邪ちゃーん、そろそろ休憩にしましょー。」
正邪「あ、はーい。」
……
紫「……ふう。」
幽々子「疲れてるわね。」
紫「そこまで働いたつもりもないのだけれど……」
幽々子「また明日、そうね、午後3時ごろに集合しましょう。お昼を食べ終わったあとで。」
神奈子「……ああ、早苗たちに任せっきりだったが、作業はだいぶ終わってるだろうしな。」
永琳「私は神奈子についていくわ。まだ手伝えることはたくさんあるはずよ」
聖「では私もご一緒しますね。」
紫「んん……らぁん……」
藍「お呼びですか。」
紫「……」
藍「紫様?」
紫「……みんなを、帰してあげて………」
紫「…………」
幽々子「おっとっと、寝ちゃったわね……」
幽々子「藍、紫の命(めい)を優先して。紫は私に任せなさい。」
藍「承知しました。お願いします。」
魔理沙「霊夢はどうすんだ?」
霊夢「神社に戻るわよ。結界の警戒をしないと。」
魔理沙「お、じゃあ私も神社に泊まろうかな。」
霊夢「え?」
魔理沙「え?じゃないだろー、お前も元気ないじゃか。結界のことでショック受けてんだろ?」
魔理沙「この魔理沙さんが一夜、慰めてやるぜ?」
霊夢「っ!!」
神奈子「おやおや、お熱いことで。」
聖「ほほほ、私は何も聞いていませんわ。」
霊夢「あ、あんた……ニュアンスは伝わるのだけど、字面だけみるとアウトよ……」
魔理沙「?」
霊夢「……ふふ、いいわ。泊まるなら着替え持ってきなさいね?」
魔理沙「そうだな。」
藍「紫様ー、せめてスキマのご用意をー。」
……
藍「では、失礼します。」
各々の帰る場所へと連れていくため、藍ら一行はスキマに姿を消した。
幽々子「はーい、お疲れ様。」
幽々子「……ふふ、そんなにショックだったの?」
幽々子「大丈夫よ、みんなを信じなさいな。幻想郷はあなた『だけ』が守る場所じゃないのよ。」
妖夢「幽々子さまー、お座敷のご用意ができました。」
幽々子「ありがとう。」
紫「……」
幽々子「……ふふ、今日はあなたのその情けない寝顔を堪能させてもらうわね。」
……