牙狼外伝~赤金の魔戒騎士~   作:神山人海

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序章ーゲルバという魔導輪ー

闇に巣食い人を喰らう魔獣・ホラー。

この魔獣を狩る者が魔戒騎士と呼ばれる存在、彼らもまた闇に身を置き魔獣を斬ることが使命である。

魔戒騎士にはそれぞれ系譜が存在する。

黄金騎士・牙狼、銀牙騎士・絶狼、白夜騎士・打無、のように称号があり基本的には自身の子や弟子に受け継がれていく。

世襲制と言えばわかりやすいだろうか?その中でも黄金騎士である牙狼の称号は魔戒騎士最高峰である。

これはその牙狼の物語、ではなく同じ時代を生きた一人の魔戒騎士の物語。

 

 

 

俺はゲルバ、魔導輪だ。

魔導輪ってなんだって?それは魔戒騎士と共に戦う相棒みたいなものさ。

詳しく言えば元々はホラーなんだが俺たちは人間との共存を選んだ善良なホラーってところだな。

俺たちホラーってのは人間の魂を喰らうって言われているが実は生きるためだけならそんなに喰わなくていいんだぜ?

実際は一日分の命で一か月生きられるんだ、魂一つ食ったら寿命みたいなのでは死ぬことは無くなるしなんならそれだけでも喰い過ぎなぐらいになる。

だから魔戒騎士はそういった食いしん坊から人間を守るために斬る。

んで、俺たちはそれを助ける代わりに寿命を少し貰って平穏に生きているってわけさ。

俺はとりわけ優秀でな?魔導輪として魔戒騎士と共に前線に出てるのだが、実は今相棒が居ないのさ。

だから元老院の倉庫で現世の情報を仕入れながら新しい魔戒騎士を待っているところだ。

前のやつは妻子持ちだったんだがな称号は受け継がれなかった。

何故かって?家族皆殺しだったのさ。

それどころか弟子たちも喰われていた。

相手が悪かったんだろう、相手はホラー・グロングス。

ヤツは物に憑依するホラーでその中で最も厄介な物に憑依する。

そいつはソウルメタルに憑依するんだ。

ソウルメタルに憑かれると俺たちの探知が利かなくなる、いや正確に言うと探知しづらくなる。

いつの間にか子供の練習用魔戒剣に憑かれたのさ。

まず子供が喰われ、次に母親、そこに異常を感じた弟子たちが喰われ最後に父親である相棒さ。

悲しいがこういうことはよくある。

今までに何代も看取ってきたがこればかりは慣れないもんだ。

ホラーである俺がここまで感情豊かになるなんて思っていなかったよ。

まあ俺のことはこれぐらいにして、そんなこともあって俺は今一人で倉庫番をしてるってところだ。

 

んでここ最近大きな事件があってな?破滅の刻印ってのが流行ったんだよ。

それの原因は一人の魔戒法師だったんだが、その一件が終わったばっかりでいろんなところがてんてこ舞いみたいで上もなにやら大変らしい。

聞いた話によるとあの黄金騎士がガジャリと契約を交わしたってことだ。

それで元老院付きの魔戒騎士が一人居なくなっちまった。

まあそのおかげでまともな世界が続いてるわけだが、黄金騎士が居ないのは元老院としても芳しくない。

つーわけで俺と鎧にお役目が回ってきたというわけだ。

おっと、扉の前に誰かが来たようだぜ?持ち出されるのかそれとも持ち主なのか、まあわからんが俺も前線に立つことになる。

面倒だが退屈するよりはよっぽどマシだ。

これから楽しくなるぜ?

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