彩 Side
彩の部屋
千聖ちゃんと見た人狼、その人狼から逃げて漸く家についた後、事情を話して千聖ちゃんと一緒に寝ることとなった
彩 「千聖ちゃん、私…」
千聖 「大丈夫よ、怖かったのは私も同じだったから」
彩 「千聖ちゃん……」
千聖 「彩ちゃん、今は何も考えないで寝ましょうね。人狼のことはとりあえず明日に考えましょうね」
彩 「うん。それじゃ千聖ちゃん、そろそろ電気消すね?」
千聖 「ええ。お休み、彩ちゃん」
彩 「お休み、千聖ちゃん」
夜は結局私も不安のせいかちゃんと眠れなかった。本当に怖かった夜が終わった。
チュンチュン チュンチュン
「――――彩ちゃん」
彩 「ん……」
「彩ちゃん、そろそろ朝だよ」
彩 「ちさと、ちゃん?」
千聖 「正解。さぁ、彩ちゃん。早く起きて」
彩 「うん…」
眩しい朝日と千聖ちゃんの声に目が覚めた。やっぱり昨日の出来事のせいか、鏡に映った私の顔は疲れたように見えた。それに支度をしている千聖ちゃんもちゃんと眠れなかったのが見えた。やっぱり千聖ちゃんも怖かったんだね。
千聖 「――――じゃあ、そろそろ行きましょうか」
彩 「うん」
準備を整え、私たちは学校へ急ぐ。人狼と遭遇する前とは違って、不安と恐怖が重なる新たな月曜日の日常が始まった
蘭 Side
昨日の夜、結局よく眠れなかった。あたしの脳裏には未だ昨日目撃した人狼が鮮烈に残っていた。
蘭 「はぁ…(今考えても仕方ないか…)」
朝食をする間、父さんに『なるべく夜になる前に帰りなさい』と言われた。最近の噂のことがあるのか、父さんは心配そうな顔つきだった。
朝食を終えて出たら、疲れた顔つきのモカがいた。どうもモカも良く眠れなかったようだ。
蘭 「おはよう、モカ」
モカ 「おはようー、蘭」
蘭 「モカ、昨日ちゃんと眠れなかったの?」
モカ 「当たりだねー、そういう蘭も昨日よく眠れなかったみたいだしー」
蘭 「まぁ、あたしもそうだった…とにかくみんな待っているから早く行こうか」
モカ 「行こうー、みんな待ってるからねー」
あたしたちはまた新たな月曜日の日常を始めた。昨日人狼と遭遇する前までとは違う日常を――
千聖 Side
花咲川女子学園
次の日、反省会でイヴちゃんの話が気になって香澄ちゃんのクラスである2-A教室へやって来た。もちろん彩ちゃんと一緒に香澄ちゃんの話を聞きに…
有咲 「あれ?白鷺先輩と彩先輩?ここにはどうしたんですか?」
千聖 「あ、有咲ちゃん。香澄ちゃんはいるの?」
有咲 「香澄ですか。来てはいますけど、今は香澄上手く話ができないかもしれませんね」
彩 「どうして?」
有咲 「実は香澄土曜日からショックなんで…」
彩 「ショック?」
有咲 「はい、それで今は香澄あんまり大丈夫じゃ…」
千聖 「分かったわ、じゃあ話せる状態になったら、いつでも話かけてね」
有咲 「あ、はい。ありがとうございます」
千聖 「香澄ちゃんが土曜日からショック状態か…」
彩 「なんか気になるね」
「千聖ちゃ~ん、彩ちゃ~ん」
千聖 「花音、どうしたの?」
花音 「そろそろ朝会始めるから速く教室へ来て」
千聖 「わかったわ。もう授業だから教室に入るね。じゃあ彩ちゃん、お昼に教室へ来てね」
彩 「うん、お昼に来るね」
私は彩ちゃんと別れて花音と一緒に教室へ入った。
ひまり Side
羽丘女子学園 2-A
月曜日の朝、蘭とモカがなんだか疲れたみたいだった
つぐみ 「蘭ちゃん、モカちゃん、疲れてるみたいだけど大丈夫?何かあった?」
ひまり 「ふたりとも、昨日何かあったの?昨日練習終わってからちゃんと帰れたんじゃないの?」
蘭 「あぁ…それが……いや、後で話すね。今はあたしもモカも疲れてるから…」
巴 「今は蘭とモカ、そっとしておくのがいいかも知れないね。なんだか疲れてるんだから」
つぐみ 「う、うん…」
ひまり 「でも…昨日みんなちゃんと帰ったはずなのに、蘭とモカに何があったのかも気になるよ…」
つぐみ 「それはそうだよね、昨日のことも気になるから」
巴 「なら、二人が落ち着くまで待っていよう」
つぐみ 「うん、そうしようね」
ひまり 「あの、蘭、落ち着いたら何があったか聞いても良いよね?」
蘭 「あ、ああ、落ち着いたら話すね…今は疲れてるから…」
つぐみ 「あの、モカちゃ…」
モカ 「ごめんねー、つぐ。今は疲れちゃったんで、モカちゃんはちょっと落ち着いたら話しますねー」
そう言いながら蘭とモカはうつ伏せた。昨日、二人に何があったのかを聞くのは今じゃない。私たちは二人が落ち着くまで待つことにした。
紗夜 Side
一時間目が始まる前の時間、窓の外を眺める。昨日と何も変わらない青空
【紗夜の回想】
昨日、私と日菜にまた夜が訪れた。昨夜の月はもはや満月に近いとも言える月だった。あと2日や3日が過ぎれば満月とも言えた。狼へ変化した私はその夜――
蘭 『モカ、今は振り向かないで速く走って…!速く!』
モカ 『……っ!』ガシッ
紗夜 『Grrrrrahhh!!!!』
蘭 『モカ!?』
モカ 『蘭、蘭も走って!』
美竹さんと青葉さんに襲いかかった。私は私自身を恐れて必死に逃げる美竹さんたちを追いかけた。その夜は満月が近かったので、私の狼としての力が強くなった日だった。必死に逃げる二人の恐怖に狼の本能は強くなった。そして美竹さんたちが家に入った瞬間、私は二人の追撃を止めた。
【回想終わり】
紗夜 「(あの二人は大丈夫かしら…戸山さんやPoppin'Partyの方も心配ね……)」
日菜 Side
一時間目が始まる前の時間、窓の外を眺める。青空は今日も何も変わらないままだ。でも、あたしの心は不安のまま。
【日菜の回想】
昨日、パスパレの練習が終わった後、家へ帰ったあたしはおねーちゃんと夜を迎えた。満月に近い月。もう絶望の日が近づいたのを感じる。
狼へ変化したあたしはその夜に――
彩、千聖 『きゃああああああああ!!』
日菜 『Grrrrrrrrahhh!!!!』
彩 『ち、千聖ちゃん、あ、あれって』
千聖 『あ、彩ちゃん、今は考えないで速く走るのよ!』
彩 『わ、分かってるよ~!』
思いもしなかった。まさか同じパスパレの彩ちゃんと、千聖ちゃんを襲うなんて…昨日は満月が近かったのであたしの力は一昨日より強かった。彩ちゃんと千聖ちゃんはそんなあたしから必死に逃げた。それから彩ちゃんと千聖ちゃんは彩ちゃんの家へ走った。
【回想終わり】
日菜 「はぁ……」
一昨日はリサちーと友希那ちゃん、昨日は彩ちゃんと千聖ちゃんに怖い思いをさせてしまった。
日菜 「(あの二人は大丈夫かな…後で二人見に行こうか…)」
一週間の始めである月曜日、しかし人狼と遭遇した人たちには昨日までとは全く違う月曜日が始まった。
人狼姉妹の物語 「第一章: 遭遇」 八話 日曜日の真相 終わり
続く…