蘭 Side
月曜日の朝、家を出たらモカが待っていた。モカの顔はやっぱり昨日の出来事があったのか、疲れた様子だった。あたしも変わらないけど…
モカ 「おはよー、蘭」
蘭 「おはよう、モカ」
モカ 「………」
蘭 「……散々だったね」
モカ 「うーん」
蘭 「早く行こう、みんな待ってるから」
あたしたちは簡単な挨拶を済ませてみんなの所へ向かって。
ひまり 「あっ、蘭、モカー!」
つぐみ 「蘭ちゃん、モカちゃん!」
巴 「おおー、蘭とモカも来たしそろそろ行くか!」
そのまま先に待っていたひまりたちと出会い、学校へ向かった。こうして月曜日の日常が始まった。
<羽丘女子学園 2-A>
巴 「そういえば、蘭とモカ、顔が疲れてるみたいだけど、大丈夫か?」
つぐみ 「そうだよ。蘭ちゃん、モカちゃん、何かあった?」
モカ 「それがねー、今はまだ言えないんだけどさー」
蘭 「昨日は散々だったからね…正直、ありえないことだった」
ひまり 「ありえないことって?」
蘭 「とにかく、今はまだ言える時じゃなくて、昼休みに話したいんだけど、良いよね、モカ?」
モカ 「もちろんー」
ひまり 「わ、わかったよ。何の話しか気になるけど我慢しましょう!」
蘭 「ありがとう」
リサ Side
今日は友希那が当番なのでアタシは友希那と一緒に朝早く学校へ到着した。
リサ 「友希那、鍵持ってきたよ!」
友希那 「ありがとう、リサ」
リサ 「さぁ、今日は友希那が当番でしょ?でもアタシも一緒に手伝うからね!」
友希那の当番を手伝う中、アタシたちの話題は以前目撃した人狼へと移した。
リサ 「ねぇ、友希那」
友希那 「どうしたの?」
リサ 「アタシたちさ、今まで人狼を小説とかにだけ出ると思ってたよね」
友希那 「確かに、今まで私たちは人狼をそう思っていたわ。でも、あの日は違ったわね」
リサ 「うん……」
初めて人狼と遭遇した日、町に人狼が出るなんて思いもしなかったな。あの日は友希那もアタシもパニックだった。ホントに…
リサ 「それでさ…」
友希那 「人狼がなんでいるか気になるわね」
さすがに友希那も気になったみたいだ。なんでこの町にいるか気になる。それに、人狼の正体が一体誰なのかも気になるし…
リサ 「近くにいるのかな…近くにいれば、正直どうなるか…」
友希那 「……」
リサ 「……」
友希那 「…リサ」
リサ 「?」
友希那 「貴方の気持ちは十分分かるわ」
リサ 「うん…そうだね。友希那も同じだよね」
友希那も正直不安だろう。でもこの話はきっとアタシたちを安心させようとしたんだろう。
友希那 「そろそろみんなが来る時間ね。早く片付けましょう」
リサ 「オッケー」
友希那 「それに土曜日の話なら昼休みにもっとしましょう」
リサ 「確かにそうだね。朝にこの話をするのは怖いしね」
アタシたちは今日の当番を終えてそれから午前の日課を過ごした。
蘭 Side
昼休み、あたしたちは屋上へ向かう。
蘭 「実は…信じてくれるかどうか分からないけど…」
つぐみ 「蘭ちゃん、何でも話してよ!私たち、幼馴染みなんでしょ?」
蘭 「つぐみ…」
ひまり 「蘭の話、絶対気になるよ!昼休みまでそれ待っていたんだからね!」
蘭 「うん、分かったよ。ありがとう。それじゃ始めるけど、驚かないでね」
みんな沈黙を保ってあたしの話を聞こうとしていた。あたしは深呼吸をして話を始める。
蘭 「実はあの噂のことなんだけど」
巴 「噂?噂なら確か、狼の…」
蘭 「実は昨日、あたしたちその噂の狼と…」
ひまり 「ええっ、ま、まさか、狼と会ったの!?」
つぐみ 「蘭ちゃん、それ本当に!?」
蘭 「あ、会ったけど。それが…」
巴 「それが?」
蘭 「狼なのは合ってるけど、普通の狼じゃなかったよ」
ひまり 「お、狼ってどんな…」
蘭 「人狼」
ひまり 「ええええええっ!?」
巴 「じ、人狼!?」
つぐみ 「そ、そんな…!」
蘭 「あの時、正直あたしやモカは怖くて逃げたんだけど…」
モカ 「人狼は速いからねー」
蘭 「襲われそうな感じだったから」
ひまり 「確かに噂のことは知ってたけど、人狼だったら話しは別だよぉ」
つぐみ 「だよね」
友希那 Side
私たちは学校のカフェテリアで昼休みを過ごしていた。
リサ 「そう言えばさ、友希那はあの噂、どう思った?」
友希那 「あこが教えてくれた例の噂のことね。最初はその噂、信じがたいものだったわ」
リサ 「確かに…最初はなんか信じなかったな、アタシも」
最初この噂を私は勿論、リサも信じなかった。狼が町を彷徨くことは考えてもいなかった。
リサ 「でもアタシたち、結局会っちゃったよね…」
友希那 「そうね、結局噂は本当だった。」
リサの言う通り、私たちは人狼と遭遇した。リサは私に気になることを言った。
リサ 「それでアタシ、気になったんだけど…」
友希那 「何が?」
リサ 「人狼ってさ、夜になると狼になるってことでしょ?」
友希那 「それは確かね。夜以外の時は私たちと同じ普通の人間ってこと。もしかしてリサは人狼が私たちの周辺にいるかも知れないって言いたいのかしら?」
リサ 「そ、それは…」
友希那 「今はまだ分からないわ。もう少し考えましょう」
リサ 「うん…」
友希那 「それじゃ、昼休みがそろそろ終わる頃だから教室へ帰りましょう」
リサ 「うん」
昼休みが終わる頃になって私たちは教室へ帰る。この時の私たちはいまだ人狼が誰なのか、分からないままだった。リサは人狼が私たちの周辺にいるかも知れないと言う。
リサの言うことが本当だったと分かるまでそんなに時間がかからなかったことを、この時の私たちはまだ知らなかった。
紗夜 Side
放課後の生徒会室、窓の外を眺めながら、私は思索に耽った。
紗夜 「(いつかみんな私たちの正体について知るようになったら、その時はどうすれば…)」
どうするべきか、それは未だ分からない。その時になると私は……
シュワシュワ
紗夜 「電話?」
電話は日菜からだった。
紗夜 「もしもし、日菜?」
日菜 『あっ、おねーちゃん。今日はスケジュールがあるよ!それでちょっと帰り遅くなるよ。』
紗夜 「そう、日程はどうなのかしら?」
日菜 『今日はパスパレのみんなで撮影予定があって、それが終わったら帰る予定だよ!』
紗夜 「そう、わかったわ。それと……」
日菜 『何、おねーちゃん?』
紗夜 「……くれぐれも気を付けてね」
日菜 『うん、それじゃおねーちゃん、そろそろ切るね!』
紗夜 「ふう…」
燐子 「氷川さん、今日は練習ですから一緒に行きましょう」
紗夜 「そうですね、行きましょう」
生徒会の仕事を片付けた私は白金さんと一緒にスタジオへ向かう。
人狼姉妹の物語 「第一章: 遭遇」 第十話 遭遇した者たちの話 (二) 終わり
続く…