麻弥 Side
自分が狼の噂を初めて耳にしたのは学園での話だった。正確にはお昼時間にAfterglowの話が聞こえてたのでそちらに行ってみた。
ひまり 「最近、なんか夜になると町が怖いよね~。皆もそう思わない?」
つぐみ 「確かにそうだよ。狼が出るらしいから…」
麻弥 「(お、狼?夜に町に狼って?)」
蘭 「狼が出ると言ったら、モカの方ヤバいんじゃないの?」
モカ 「あたしのバイトは一応大丈夫だけどさ~、夜に狼と出会ったらマジヤバいかも~、 夜は怖いですからな~」
麻弥 「(うぅ、夜に狼と出くわしたらどうするか怖いっすね…)」
巴 「そうだな、アタシも周りで狼についての色んな話を聞いてるんでさ」
モカ 「おー、トモちんは何の話を聞いたんですかな~ 教えてくださいね~」
その時、自分は上原さんの視線を感じた。
ひまり 「…?あー、麻弥先輩!どうしたんですか、こんなところに?」
麻弥 「あー、Afterglowの皆さん!ちょうど皆さんの話が聞こえたのでちょっと来ただけですよ!」
巴 「話ですか?あ、もしかして麻弥先輩も噂に興味あるんですか?」
麻弥 「噂?」
Afterglowの皆さんから聞いた話は夜に狼が町に出るという噂だったのだ。この話を聞いた瞬間、自分は思った。
何で狼が町に出るんだろう、普通狼は山奥で住むのになんで自分たち人が住む町に出るのかなどの疑問が頭をよぎる。
ひまり 「それで、みんな狼と出会ったらどうするか相談もするつもりでみんなと話をしていましたよ」
麻弥 「そうですね、自分運動は苦手で狼と出会ったら、逃げることもできないかもっす…」
つぐみ 「あー、でもでも!まだ狼が人を襲ったという噂は流行っていませんから安心する方がいいんですよ!」
麻弥 「そ、そうですかー。それはよかったですね~。でもなんか話を聞くだけで怖いですね」
巴 「それで、アタシたちは日課が終わったらすぐに帰るつもりです」
モカ 「とりあえず自分の身が大事ですからね~」
蘭 「麻弥さんも気をつけるんですよ」
麻弥 「はい、自分も気をつけますね。じゃ、もう授業始まる時間なのですから、自分はここで!」
ひまり 「はい!気をつけてくださいね!」
Afterglowの皆さんと別れた後、この噂のどこまでが真実かを自分はまだ分からなかったが、この噂の真相に辿りつけるまでそんなに時間が長くかからなかった。
イヴ Side
チサトさんとアヤさんでお昼を食べてる時だった。
彩 「もう学校にも広まったね、噂」
千聖 「そうね、狼の噂でみんな一杯だわ。」
イヴ 「狼の噂ってなんなんですか?」
彩 「イヴちゃんは聞いたことある?夜になると町に狼が出るという話を」
イヴ 「ツグミさんのカフェで何度も聞いたんですが、詳しく教えてください!アヤさん、チサトさん!」
千聖 「確か夜に狼が出るということはわかるかしら?」
イヴ 「はい、それはみんな聞いた話ですね!」
彩 「じゃあイヴちゃんは狼が吠える音も聞いたの?」
イヴ 「それも聞きました、夜になると町に狼が出るのは難しい話です!」
彩 「私もそうなんだけどね。なんで出たのかな…」
千聖 「今はその理由を考えても仕方ないわ。どこまでが真実で、どこまでが嘘なのか分からないから。でも、夜になると出る狼に気をつけることだけは変わりないでしょう?」
彩 「そうだよね、イヴちゃんも気をつけた方がいいかも知れないね」
イヴ 「はい、気をつけて損することはありませんからね!」
彩 「じゃあ、もうお昼時間終わるから早く行こうね。」
イヴ 「はい!」
イヴ 「(夜に狼が町に出るのは一体なんでなのでしょうか?今は気になれども、夜には狼に気をつけながらその理由をゆっくり考えるしかありませんね)」
お昼時間が終わり私は授業に戻る。
今思えば私が噂の真相を知る時は意外と近かったのかも知れない。
現在、氷川姉妹の家
日菜 Side
やっと家に着いた。家に入るとおねーちゃんが待っていた。
日菜 「おねーちゃん、ただいま!夜になる前に帰ってきたよ!」
紗夜 「お帰り、日菜。」
日菜 「なんとか間に合ったね、おねーちゃん!」
紗夜 「そうね、早く来たわね。」
日菜 「もうそろそろだね、夜」
紗夜 「そう、間もなく目覚める時間よ。その前にまだ夕飯食べてないでしょ?」
日菜 「うん、まだ夕飯してないや。早く食べよ!」
Side X
姉妹の夕御飯の後、姉妹の家には秒針の音だけが響いていた。まるで姉妹の時間が刻々と近づいていることを報せるように。それに合わせて、姉妹の瞳はいつもの色が狼の瞳のように色づき始めた。そして時間になって人間の歯は狼の牙へと変わり、人間の体も狼の体へと変貌し狼の耳や尻尾も生えた。その変化が終わった姉妹は空に向けて咆哮する。氷川姉妹は今、人狼として目を覚ましたのだ。
姉妹の咆哮はこの夜にも町に響いて空へ届く。これから姉妹に迫り来るであろう運命については全く知らずに……
「序章」 終わり