人狼姉妹の物語   作:耀輝

5 / 17
第一章: 遭遇
第一話 戸山香澄の遭遇


香澄 Side

ある日、学校での日課が終わってポピパのみんなで有咲の家に行き、いつものように有咲の家で倉練が終わり皆と談笑してる時だった。

 

沙綾 「そういえば、最近夜には狼で町が騒がしいんだね」

たえ 「だね。なんか意外」

りみ 「どこが意外なの、おたえちゃん?」

たえ 「なんで町に出たのかな」

有咲 「ま、まあそれも有りだな。で、みんなどうするの?」

りみ 「狼が襲ってこないと良いんだけど……」

香澄 「うぅ…襲って来ないのかな?ゾンビみたいに…」

有咲 「香澄、お前りみりんとゾンビ映画を見すぎたんじゃねぇのか?」

香澄 「うぅぅ……」

沙綾 「ま、まぁ。狼が襲ってくる事はないと思うよ?でも、最近町が騒がしいから夜には気をつけて帰ることに越したことはないでしょう?」

たえ 「多分ね。それに変わりはないから。」

有咲 「だな、じゃあ今日の練習はここまでして、後はみんな帰るか~」

りみ 「そうだよね、もう夜になっちゃうから」

香澄 「うぅ、急に怖くなってきたよ。有咲~!」ダキッ

有咲 「ちょ、ちょっと離せよ香澄!」ジタバタ

香澄 「だ、だって~!」

沙綾 「香澄、もう帰るよ」

香澄 「うぅぅ…(大丈夫かな、私……)」

 

香澄の帰り道

帰り道の空は日が西へと暮れかけていた。みんな練習の後すぐ帰ろうと言ったのに、帰り道でも心の不安が消えなかった。

 

香澄 「(うぅぅ…今夜はずっと家に居よう…うぅぅ…正直りみりんやこころんとゾンビ映画を見ていた時より怖いな……)」

 

その時だった――鳴き声がしたのは。その鳴き声でピタッと足が止まった

 

香澄 「え?(な、鳴き声?き、きっと噂では夜に狼の鳴き声がして……)い、いや~。嫌だな~、怖くて。うぅ、早く帰ろう……」

 

香澄 「(うぅ……すっかり夜だよ。あっちゃんきっと心配してるのに……)」

 

ハシッテタ イツモハシッテタ アイトユウキヲトドケタイ~♪

 

香澄 「ひっ……!で、電話?だ、誰から?」

 

私のスマホが鳴っていた。電話は…あっちゃんからだった。やっぱり……

 

香澄 「もしもし、あっちゃん?」

明日香 『おねーちゃん今どこ?帰れないの?』

香澄 「ご、ゴメンねあっちゃん。もうすぐ帰るから」

明日香 『おねーちゃん、最近の噂知ってるでしょう?おねーちゃん心配だから早く帰って来て』

香澄 「わ、わかってるよ。もう帰るから、ね?」

 

香澄 「もう、あっちゃんは心配性なんだから……」

 

あっちゃんと電話を終えたその時だった、誰かの視線を感じたのは。

 

香澄 「…?だ、誰?」

 

視線を感じて振り返るとそこに『何か』が見えた。夜の闇に紛れて姿は見えないけど、鮮明な黄色い目だけがそこに誰かがいることだけを知らせていた。そして――

 

『Grrrrrr』

香澄 「ひっ……?!な、何?!」

『Grrrrrrrr』

 

香澄 「(もしかして噂の狼!?で、でも狼にしてはちゃんと二足で歩いてる……)」

 

『それ』が近づいて街灯に照らされた時、私は直感した。噂の狼は普通の狼ではなく――

 

『Grrrrrrrrr』

 

人狼だったということを――

 

香澄 「わぁ~~~~っ?!」ダッ

 

香澄 「(い、一旦走るしかない!)」

 

今はそれしかなかった!まさか、この町に人狼がいたなんて、思いもしなかったのだ。とにかくあっちゃんが心配してるから、最大限距離を取ることにした。

 

香澄 「(うぅぅ……ゾンビより怖い!で、でも今は早く!)」

 

ギターの重さが走るのに邪魔になるんだけど、今は走るので精一杯だった。とにかく走った。

 

香澄 「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

いっぱい走ったのか、息が苦しかった。人狼が追って来ないか確かめる為に振り返ると――

 

香澄 「えっ!?」

 

人狼は私を追いかけていた。驚いた私はもっと速度を上げる。追い付かれないようにいっぱい走った。

 

香澄 「(も、もっと速く走るしかない!)」

 

それから――

 

香澄 「はぁ、はぁ、も、もう家に、着いたのかな……はぁ、はぁ……」

 

『戸山』

 

幸いにもやっと家に着いた。

 

香澄 「つ、疲れた……お、追って来ないのかな……?」

 

幸いだったのは、その人狼は私のあとを追って来なかったのだ。いっぱい走っただけでもう疲れてきた…

 

香澄 「は、早く入ろう……」

 

戸山家

 

明日香 「おかえり」

香澄 「た、ただいま……」

明日香 「おねーちゃんなんか疲れてるね。どうしたの?」

香澄 「はぁ、はぁ、はぁ、話しはあとにしようね、あっちゃん……」

明日香 「う、うん……」

 

香澄の部屋

香澄 「(うぅぅ……今日見た人狼、みんなになんて話そうかな……人狼が町に居たなんて思いもしなかったよ!で、でもなんで人狼がいるんだろう?)」

 

人狼を初めて見た時は、驚くことがたくさんだった。なんで人狼が町に居るのかはまだまだ謎だった。そして、その人狼が誰なのかも私には気になった。

 

香澄 「(うぅぅ…今日はもう寝るしかない……)」

 

今の私が懐いた謎はいつ解かれるか、それはまだわからないままであった。

 

「第一章: 遭遇」 一話 戸山香澄の遭遇 終わり

続く……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。