紗夜 「白金さん、そろそろ行きましょうか」
燐子 「はい、みんな待っていますからね……」
燐子 「(氷川さん、不安そうだな……)」
ライブハウス CiRCLE ロビー
リサ 「あ、来た来た 紗夜~!燐子~!」
紗夜 「お待たせしました」
燐子 「あこちゃん、お待たせ……」
友希那 「みんな揃ったわね。じゃあそろそろスタジオに行くわよ」
【10分後】
リサ Side
Bスタジオ
練習の前に、友希那がみんなのセッティングを確認してみる
友希那 「みんな、楽器のセッティングはできた?」
あこ 「バッチリです!」
燐子 「大丈夫です……」
リサ 「いつでも行けるよ♪」
紗夜 「……」
友希那 「紗夜?」
紗夜 「あ、ごめんなさい。問題ありません」
友希那 「わかった、では始めるわ。(紗夜、もしかして何かあったかしら)」
リサ 「(紗夜……)」
友希那 「行くわよ。1、2、3――」
それから練習が一旦終わり――
友希那 「――もうこんな時間ね。ひとまず休憩にしようか」
リサ 「そうだね、休憩しようね!休むのも大事!」
練習後の休憩時間、アタシたちはカフェテリアで注文をしてデザートを待っていた
あこ 「今回のボスどうやって倒せば良いのかな……」
燐子 「そうだよね……今回のボスは以前の時よりキツいよね……」
リサ 「ねぇ、友希那。練習終わった後一緒に楽器店行かない?」
友希那 「楽器店?どうして?」
リサ 「実はさ、ベースの弦そろそろ交換しないといけないんで……付き合ってくれる?」
友希那 「そう、帰り道一緒だから付き合うわ」
リサ 「サンキュー、友希那!」
紗夜 「……」
あこ 「紗夜さん、どうしたんですか?」
紗夜 「?何でもないわ」
燐子 「あの、あこちゃん……ちょっと……」
あこ 「あ、うん……」
リサ 「……」
休憩の時、アタシは妙に紗夜が気になった。それに友希那も紗夜に向ける視線が妙に気になる。それから紗夜はアタシたちの視線を感じたのか、ちょうどみんなで注文したメニューが出たと聞きそれを取りに行った。
リサ 「ねぇ友希那……その紗夜のことが……」
友希那 「リサ、紗夜の話なら練習のあとにしましょう」
リサ 「わ、わかった……」
リサ 「(友希那が紗夜に向けた視線……友希那も気にしてるんだね……)」
それから休憩時間は終わって練習は続いた……
友希那 Side
今日の練習がいつものように終わった。それから紗夜は用事を思い出したと真っ先に家に帰った。私は燐子やあこと別れた後、リサの頼みで一緒に楽器店へ行き、リサのベースの弦を交換した。その帰り道……
リサ 「ねぇ友希那、その……」
友希那 「どうしたの、リサ?」
リサ 「今日の紗夜、なんか気にならなかった?」
友希那 「紗夜が?気になってはいたけれど、それが?」
リサ 「なんかね、焦ってると言ったところかな。」
友希那 「焦ってる?」
リサ 「うん、何でだろうね」
友希那 「(焦ってる、か……確か前の練習の時も……)」
【回想、前日】
友希那 『あ、ちょうどみんな片付けたようだね』
リサ 『そうね、じゃあ片付け終わったし、ファミレス行く?』
あこ 『うんうん! 行こうリサ姉!』
燐子 『それなら私も······!』
紗夜 『······』
リサ 『······? 紗夜は行かないの?』
紗夜 『······』
リサ 『紗夜?』
紗夜 『はい?』
リサ 『はい?じゃなくて、ファミレスだよ、ファミレス! 紗夜は行かないの?』
紗夜 『あ、そうですか。ごめんなさい、今日は用事があって······失礼しますね』
【回想終わり】
友希那 「(確かにあの時紗夜は練習が終わった後、何故か空を見上げていたような気がした……一体何故?)」
リサ 「ねぇ、友希那?友希那ー?」
友希那 「リサ?」
リサ 「どうしたの、ぼーっとしてて」
友希那 「ちょっと考え事よ」
リサ 「考え事ね、やっぱり紗夜のことが気になるじゃん」
友希那 「そ、それは……」
リサの問いに返事を濁すその時だった――
アウウウウー
リサ、友希那 「?!」
リサ 「ねぇ、友希那。こ、これって……」
友希那 「リサ、落ち着いて。まずは早く行こう」
リサ 「う、うん……」
友希那 「(今はとにかく狼から遠く離れるしかないわ。できるだけ速く……)」
とにかく速く走ろうとしたその時だった。後ろからの視線を感じたのは――
友希那 「(……視線?誰かが私たちを見ているどこから……?)」
リサ 「ねぇ、友希那……」
友希那 「リサ、今は喋らないで」
リサ 「で、でもなんだか視線が……」
友希那 「それは知ってるわよ。リサ、だから今は――」
速く行くわよ、と言おうとした瞬間だった。
『Grrrrr…』
リサ、友希那 「!!」
『Grrrrrrr…』
そう、私たちの目の前に現れたのは『狼』
リサ 「な、何あれ……」
友希那 「あれが噂の『狼』ね」
リサ 「うん……でも、なんか違うような……」
友希那 「(私たちのように普通に立ってる?もしかして――)」
そう、私たちはこの時初めて気づいたのだ。その『狼』は――
『Grrrrrrrrahhh!!』
『人狼』だったのだから
リサ 「ゆ、友希那!」
友希那 「リサ、今は速く逃げるわよ!」
リサ 「う、うん!」ダッ
友希那 「(今は速く家まで逃げるしかないわ!)リサ、速く!」
リサ 「わ、わかってるよ~」
友希那 「(でも……でもなんで人狼が……)」
それから……
友希那 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
リサ 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……お、追って来ないの?」
友希那 「お、追って来ないみたいだわ……」
リサ 「さ、さっきまで追われてたようだけど……」
友希那 「(そう……確かにさっきまで人狼に追われてたのに……何故かわからないけれど、家に辿り着いたと見て、追うのを止めたかしら……)」
リサ 「ゆ、友希那……とにかく今は早く家に入ろうね」
友希那 「そう。リサ、今日はもうお休みなさい」
リサ 「う、うん……」
いきなり訪れた人狼との遭遇、そして積もる疑問と共に、今日が終わる……
「第一章: 遭遇」 三話 今井リサと湊友希那の遭遇 終わり
続く……