お気に入りされると嬉しいものですね(*´꒳`*)
お気に入りが入って初めて知りましたが、お気に入り一つで評価値1ptなんですね。
「ちなみに日間ランキングに載ってる人たちってどんだけお気に入りあるんだろう?」と思って見たら驚愕しました。
それでは、4話です! いきなり回想から入りますがどうぞ!笑
『人は誰しも魔力の属性として、地・水・火・風のどれかには適性が出るものです。光と闇に適性が出る場合もありますが、多くの人の適性は四元素のどれかになります。ゼックスだと風で、アデルは水ですね』
『アンジュは確か光だったよね?』
『自分で言うのもなんですが、けっこうレアなんですよ? ちなみにサキは闇で、これもまた珍しいタイプですね』
確かに、周りで光や闇の属性の人は滅多にいない。
いいなぁ、兄さんと同じ水属性も捨てがたいけど、どうせなら僕も珍しい属性がいいかも。限定商品って感じがしてカッコいい。
『じゃあ僕は?』
魔晶石に手を翳しているが何の変化もない。おかしいな……魔晶石に魔力をあてると火属性なら赤、水属性なら青、みたいな感じで属性に応じて色が変わるはずなんだけど。
『……言いにくいのですが、テオはどの属性にも当てはまっていません。言い換えると、属性がないのでしょう』
『いやいや、そんなことあんのか? 魔晶石が壊れてんじゃねーの?』
ゼックスがアンジュに尋ねる。
そんなの僕も初めて聞いた。魔力の強弱はあったとしても、六つの属性から外れるなんて聞いたことがない。
『普通はあり得ません。そして、魔晶石も壊れてはいませんよ』
そう言いながら、アンジュは魔晶石に手をかざす。すると、魔晶石はキラキラと輝きを持った白色に変化した。これは光属性の魔力をあてると出る反応だ。
アンジュの魔力には正常に反応してる……ということは壊れてるわけではないのか。
『残念ながら、テオは魔力の色がほとんどありません。ここまで透明な魔力なんて初めて見ました。……あえて言うなら無属性ですね』
『無属性……それって………凄いの……?』
僕も初めて聞いた。
今度は、サキが遠慮がちに聞いてくれる。
『珍しさで言えば……もちろん凄いです。というよりテオが史上初かもしれませんね。魔法学会に発表すれば歴史に名を残せます』
『そ、そんなに!?』
ついびっくりして大きな声を出してしまった。
そこまで珍しいこととは思ってもなかった。珍しいどころか、アンジュの言うとおりなら、まさしくオンリーワンだ。これは少し誇ってもいいんじゃないんだろうか。
無属性だと何ができるんだろう? 全然イメージが湧かないけど、逆に全属性使えたりして……。おお、夢が広がる。
僕が、夢を風呂敷のように広げていると、静かに考え込んでいた兄さんがアンジュに問いかける。
『さっき、残念ながら……と言ってたな? 新たな属性と言えば聞こえは良いが、必ずしも良い結果という訳ではないんだろう?』
え? これって残念な結果なの? 歴史的な大発見とかって話じゃなかったっけ……。
『………現存する魔法のほとんどは六属性のどれかに分類され、適性がない魔法は使うことができません。アデルは水属性以外の魔法は使えますか?』
『……使えんな』
兄さんだったら、全属性使えても不思議じゃないけどね。実際、属性が二つ発現するひとも稀にいるみたいだし。
『魔力の属性がないということは、もはや魔法が使えないということと同義です。透明の絵具で炎や水の絵が書けないように、属性がなければいくら魔力を注いでも魔法は発動しません』
つまり、魔力を身体や武器にまとわせて強化はできても、ゼックスみたいに風を武器にまとわせたり、アンジュみたいに回復魔法を使えたりはできないってことだろうか。
ええ……。夢が崩れるぅ……。
僕がどれだけ属性魔法を使うのを楽しみにしていたと思っているんだ。やっと兄さんから属性魔法の修行に移っても良いって許可が出たのに……。
『無属性の魔法……とか……探したらあるかも……?』
『もちろん、私たちが知らないだけで、テオ以外に無属性の人はいるかもしれません。そうでなくとも、過去に存在していた可能性もあります。ただ、私たち全員が噂すら聞いたことがないのですから、可能性は低いでしょう』
そらそうだ。誰にも発現しない属性について研究なんて誰もしないし、後世に書物として残す理由もないだろう。
『はいはーい! 俺様名案! なかったら作ったらいいんじゃね?』
『簡単に言いますね……。作れないとは言いませんが、今ある魔法のほとんどは偉大な先人たちが、途方もない時間をかけて築きあげてきたものです。新しく発明されている魔法も、その礎があればこそ…です』
『一から作るのは難しい……ってこと?』
『ええ、残念ながら戦闘で使えるレベルにするのは少なくない時間がかかるでしょう』
ゼックスとサキの質問にアンジュは答えるが、その内容は明るいものではなかった。
聞けば聞くほど、どうしようもない気がしてくる。なんだこのハズレ属性。
『てことは何か? さっき歴史に名を残すって言ってたのは、大ハズレの属性を引いてしまったドンマイな奴として後世に名が残るってことか?』
『………………ノーコメントで』
『……どうするテオ? 魔法学会に報告してみるか?』
『するわけないでしょ!! ゼックスのアホー!! うわあああああん!!』
くそう! バカにして!! 泣くぞコノヤロウ!!
珍しい属性が良いとは言ったけど、こんな大ハズレの属性なんかいらないよ!!
『そう落ち込むな、テオ。魔法が使えなくても戦いようはいくらでもある。それに、アンジュが言ったのはあくまでも一般論だ。確かに現状どうしようもないかもしれんが、無属性の魔力に大きな可能性があるのも事実だ。……一度アンジュにじっくりと調べてもらったら良い。何かわかるかもしれないぞ?』
『兄さん…………』
兄さんが僕を励ましてくれる。
そうだよ、皆が知らないだけで、もしかしたら超強い属性かもしれないんだ。希望を捨てちゃいけない。
『元気だして……テオ…。私も無属性の魔力について……情報を集めてみるから』
『サキ……ありがとう』
そうだ。なにも一人で頑張る必要なんてないんだ。僕には皆がいる。
サキが無属性についての情報を探してくれるなら、とても心強い。うん、情報集めはサキにお願いしよう。
『俺は魔法学会に報告がてら、相談してきてやるよ』
『だから報告しないでって言ってるでしょ!!』
ホントにもう! ゼックスってやつは!
ゼックスに対して文句を言うと、アンジュがそっと肩に手を置いてきた。そして、申し訳なさそうに口を開く。
『さきほどはネガティブな発言ばかりしてごめんなさい、テオ。アデルの言うとおり、テオの魔力には大きな可能性があります。その可能性が花開くよう、私も最大限協力しますね』
『僕は気にしてないよ、アンジュ。……ありがと』
アンジュのことだ……あえて嫌われ役を買ってくれたのだろう。
変に期待を持たせることが、ときに残酷なことだということは僕でも知っている。さっきの厳しさはアンジュなりの優しさなのだ。
『ありがとうございます。それで提案なのですが、テオの魔力についてさっそく調べさせてもらえませんか? 実はですね……さっきの否定的な発言は、自分に言い聞かせる意味もあったのですよ』
調べてくれるのは大歓迎だ。でも、自分に言い聞かせるとはどういう意味だろう?
あと、肩を掴む力がどんどんと強くなってきている。なんでだろう、なんだか嫌な予感がする。
『そう自分に言い聞かせないと……ふふっ、自分の気持ちが抑えきれなくて』
『アンジュ…どうしたの? なんか目が怖いよ?』
目がなんかトロンとしてる。顔も赤いし、息遣いもちょっと荒い気がする。
『くふ、くふふふふふっ……。未知の属性に…未知の魔力! ああ! ゾクゾクします! さっきから心が踊って仕方がありません! さあ、さっそく色々と試してみましょう!! さあさあさあ!!』
『あ…アンジュ? キャラ変わってるけど大丈夫? あと、手、離してくれないかな? ちょっと痛いんだけど……』
どうやら、さっきのネガティブ発言は嫌われ役を買って出てくれた訳じゃないらしい。いや、別にいんだけどさ……。
『……アンジュの……スイッチが入ってる。………テオ、どんまい』
『魔法の研究者でもあるからなぁ、こいつ………。テオ、ご愁傷様』
『え? なになに? どういうこと!? 僕どうなっちゃうの!?』
サキとゼックスが両手を合わせて拝んでいる。なんだろう、僕も背中がゾクゾクしてきた。冷たい汗が流れる。
『大丈夫ですよぉ、テオ。痛くはしませんから……うふふふふふふふふふふふ最初はふふふふふふふふ』
『今さりげなく''最初は''って言ったよね!? やめて! 肩離して!』
『さあ……行きましょうかテオ。うふふっ、今日は寝かせませんよ?』
『やだよ怖いよ寝かせてよ! てか、なんでハサミ持ってるのさ!? に、兄さん助けて!!』
一縷の望みをかけて兄さんを見る。
そうだよ、兄さんはいつも僕を助けてくれた。きっと兄さんなら暴走したアンジュを止めてくれるはず!
『……ここは一度、じっくり調べてもらった方が良いだろう。大丈夫だテオ、死ぬことはない』
『誰も死ぬ心配なんて最初からしてないよ! うわあああん! もう兄さんなんて大嫌い!!』
『なん…………だと……………!?』
兄さんが崩れ落ちたけど知るもんか! こっちは生まれてから一度も味わったことがない恐怖に襲われているんだ!
『ちょッ!? アンジュってば、めちゃくちゃ力が強いんだけど!? やめてえええええええええええええッ!! お願いだから引っ張らないでえええええええええええッ!!』
『…………クッ……………ブハッ!』
『何笑ってんのさゼックスううううう!!』
『テオ……がんばって…………』
『わああああああああああああああッ!! た、助け…………!!!』
─── バタン ガチャリ
───── 懐かしい夢を見た。
あれから、毎日魔力が空っぽになるまで実験されてたっけ。あれ以来ハサミがトラウマになってしまった。
目を開けると、青い空が広がっていた。大きな鳥がピーヒョロロと鳴きながら飛んでいる。
「僕……生きてる?」
炎に焼かれそうになったところまでは覚えてるんだけど、その後の記憶が曖昧だ。そうだ、僕を焼き殺そうともした女の人はどうなったんだろうか。確か名前は………
「ホムラ……」
そうだ、あの人はホムラって名乗っていた。いったいどこに行ったんだろう。
「呼んだかい?」
「ひゃいッ!?」
起き上がって声がする方に顔向けると、僕をウェルダンにしようとした張本人、ホムラがいた。
「おはよう、坊や。楽しい夢は見れたかい?」
ジャンルを「ファンタジー/冒険・バトル」にしてましたが、ふと思いました。
『あれ? 全然冒険・バトルしてなくね?』と。
そっと「ファンタジー/コメディ」に変更しました。