遊戯王 UniqueNO. ~可愛いJSと少数派野郎共のナンバーズ・ハンター・ライフ~ 作:SOD
選手達が現在デュエルを行っている中、モニターに囲まれて、ココアの試合を観戦している少女がいた。
「うふふ・・・とっても可愛らしくて、強い子ですのね。」
少女が恍惚とした表情で心愛を眺めていると、不意に背後から声が聞こえた。
「・・・・・・珍しいな。ハクオロが最初からあのモンスターを呼ぶとは。」
「あら?
振り向いた先にいた少年は、人とは思えない白銀の長髪、光を拒絶し反射しているかのような蒼穹の瞳。人外の美しさを醸し出している。
月宮遊萌 月宮心愛 の双子の少女の義理の兄だ。
そして、モニターで心愛を恍惚の表情で見つめていた少女は、この大会の主催者ーーデュエルアカデミア創設時、出資の殆どを補った大地主の家系。
深血神家の一人娘。
真紅「遊萌ちゃんの活躍が気になったのですか?」
そう言いながら、彼女は自ら席を立ち、パイプ椅子を取り出すと、それまで自身が座っていた椅子をシオンに勧めた。
シオン「まさか…遊萌がこんな大会で、わざわざデュエルをするとは思わない。」
真紅「うふふ。冗談ですわ。
この大会も、もう一人の妹さんのためにシオンくんが企画したんですものね」
シオンは勧められた椅子に座るでも無く、棒立ちでモニターに目を向けていた。
真紅「ところでシオン君。お話は変わりますが、今デュエルをしている4年生の子が、
シオン「………ああ。月宮心愛。
“優秀で万能な凡夫の片割れ“だ。」
真紅「そして、遊萌ちゃんは
“庇護を受ける天才の片割れ“
でしたね…あんなに可愛い妹ちゃん達に、なんて酷い名前でしょうか」
シオン「それでも現実だ。
実際問題、ココアはあれだけ周囲に認められ、要領も良いにも関わらず、本能で姉の遊萌に対して無意識の劣等感を抱き続けている。
友達や両親までもが、『天才の妹』と『出涸らしの姉』と認識しているにも関わらずな。」
真紅「…………本当に、遊萌ちゃんには驚いてばかりの時間でしたわね。」
シオン「・・・・・・・・・出来ることなら、遊萌にはこのまま、気ままに本を読んで過ごせる日々を過ごしていて欲しいがな。」
真紅「そして、心愛ちゃんにも、ですわよね?
この大会は、そもそも心愛ちゃんの鬱憤を晴らすために、シオン君が主催されたような物ですから。」
シオン「・・・・・・・・・あの子は、手間が掛からないハズだが、大いに手間が掛かる。
一人で生きていけるはずなのに生きていけない。
一人で生きていけないはずなのに生きていける。
全く・・・・・・・・・良くも悪くも、あの姉妹は均一だ。」
はあ、とため息を付くシオンの背後に回った真紅は、細く弱々しい肩を優しく促して、勧めた椅子に導く。
真紅「それなら、シオン君からココアちゃんへの態度も、均一であった方が良いのでは無いですか?
寂しがっていると思いますよ、ココアちゃん。」
シオン「それでも、これでバランスが取れている」
「それでも、二人の感じる悲しみのバランスは、取れてないと思うけど?」
真紅「あら、
シオン「……鈴。」
シオンと真紅の背後から歩み寄って来たのは、栗色の長い髪を腰まで伸ばし、ボーイッシュさとガーリィさを同時に併せ持った少女だ。
鈴「愛されてるか分からないままなんて、残酷だよ。シオンくん。」
シオン「…………。」
この言葉の真意が伝わるのは、きっとここにいる三人だけだろう。
他者には決して立ち入れない、共に時を重ねた者達が共有する過ぎ去った時間の話だから。
だが、青葉風音は
シオン「・・・・・・人生は残酷の積み重ねだ。その中で僅かにマシな展開を、人は幸運と不幸は半々だと嘯いているに過ぎない。」
鈴「シオンくん・・・・・・」
シオン「バランスなど知らない。
だが、それでも。俺は遊萌の方が悲しみを感じていないなどとは言わせない。」
そう言うと、青葉風音はその場を後にする。それを目線だけで見送った鈴。
鈴「・・・・・・・・・少し、八つ当たりになっちゃったかな。真紅。」
真紅「シオンくんは、怒ったわけでは無いと思いますよ。鈴ちゃん。」
ぎゅっと、後ろから鈴に腕を回す真紅。少しだけ足りない身長差をつま先立ちで埋めて、心を包み込むように抱きしめた。
真紅「大好きな大好きな『運命の人』と、離れ離れになってしまって一週間しか経って居ませんから。
シオンくんなら、少しくらいの八つ当たりは、謝ればきっと許して下さいますわ」
鈴「・・・・・・ありがとう。真紅」
真紅(鈴ちゃん・・・・・・未だ癒えない心のキズが少しでも、安らぎを得られますように・・・・・・)
LP8000
手札4枚
場 竜魔導騎士ガイア ATK3000(禁じられた聖杯)
走破するガイア(場) 螺旋槍殺(永)
菓子田琶白尾蛇 LP6600
手札3枚
麗しの魔妖-妖狐 ATK2900
場 魔法の筒(裏) 破壊輪(裏)
うさぎ(『麗しの魔妖-妖狐』マジかよ、アニキ・・・・・・いきなり本気でやるのか??)
アスリ「・・・・・・?どうしたうさぎ?冷や汗搔いてるぞ?」
うさぎ「・・・・・・なんでも、ないぴょん」
ハクオロ「さあ、行くぞ。お兄ちゃんが遊んでやろう!!
バトルフェイズ・スタートステップ。
速攻魔法『エネミー・コントローラー』発動。我が現し身『麗しの魔妖-妖狐』をリリースし、竜魔導騎士ガイアのコントロールを貰うぞ! 」
心愛「そんなバカな!?」
アスリ「何だそれ!?わざわざシンクロ召喚したモンスターをリリースしちまうのかよ!?」
エミリア「こういった戦術は、わたくしも初めて拝見しました。」
うさぎ「・・・・・・・・・いずれ分かるぴょん」
ハクオロ「行け、『竜魔導騎士ガイア』よ!
ダイレクトアタックだ!!」
心愛「きゃあっ!?」
竜魔導騎士ガイアATK3000
月宮心愛 LP5000
心愛(くっ、手札のカードさえ伏せていたら、余計なダメージを喰らわなかったのに!!)
ハクオロ「フフフ。どうかね月宮心愛よ。ライフが減った感想は?」
心愛「何ですかそれ?」
ハクオロ「風音から聞いているぞ~クラスメイトや教師とデュエルしても、苦戦すらせずワンキルで倒している。
そこで付いた名が【ワンキル姫】。
ライフが削れたのも久々なのでは無いか?」
心愛「・・・・・・確かに、そうですね。」
そうだ。久々だ。自分のライフが削れるのは・・・・・・。
ボクのデッキは、どういうつもりかあの人が・・・・・・お兄ちゃんがくれた物だ。
あまりにも強力なデッキだった。アカデミア初等部の学生の財力では、組めるデッキはすぐに限界が来る。
強くなることは、強いデッキを使いこなすことだ。でも小学生じゃ手が届かない。そのハズのものが
ある日突然。あの人の手から差し出された。
《・・・・・・・・・》
《これは何ですか?お兄さん》
《・・・・・・・・・》
《何なんですか?お兄さん》
《・・・・・・・・・》
自分から差し出した贈り物。なのに、この人は何も言わずにただ、投げてよこすみたいにボクに渡そうとしている。
それが、無性に腹が立った。
《ねえ!!なんなの!?何で何も言わないのよ!?
お姉ちゃんとは話してるじゃない!!!!話せないわけでもない!!関わろうともしない!!
そんな相手に差し出してる
なんのつもりなのよ!!!!!》
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・》
《何か・・・・・・言いなさいよ・・・意味分かんない》
きっとこれは、プレゼントなんだろう。口には出さないけど、きっとそうだ。
だったら何で?何で、何も言ってくれないの?一言も言葉を交わさない相手にわざわざ送るってことは、何か意味があるんじゃないの?
教えてよ・・・・・・ねえ、教えてよ
《ちゃんと話してよーーお兄ちゃん!!!!!!》
悲鳴にも似た叫び声。心の底から絞り出した
そして
《・・・・・・・・・・・・・・・月宮心愛の為に組んだ、デッキだ。
きっと・・・・・・キミに馴染むと思う。》
それがあまりにも嬉しくて・・・・・・
《・・・・・・・・・そっか。》
《・・・・・・・・・》
それからまた話さなくなったけど
《・・・・・・そんな声してるんですね。お兄さん》
ボクは、このデッキを受け取って、昼も夜もこのデッキと向き合う日々を送った。
その結果が、全戦全勝。完全無敵な【ワンキル姫】なんて少しかっこ悪い二つ名が付いた理由だった。
ハクオロ「ヤツの組んだデッキは、生半可な相手ではキズ一つキミに付けられない。
それが、ヤツの答えだろう」
心愛「兄さんの・・・答え?」
ハクオロ「そして、今。私と言う生半可では無い相手と戦い、キミがそのデッキを更に使いこなせるかが問われる。」
心愛「ボクがまだこのデッキを使いこなせていない?
そんなバカな。だってボクは!!」
ハクオロ「カードを一枚伏せて、エンドフェイズだ。
エネミー・コントローラーの効果で、借りていたガイアをキミに返そう。」
心愛「ーーッッ。」
月宮心愛 LP5000
手札4枚
場 竜魔導騎士ガイア ATK2600
走破するガイア(場) 螺旋槍殺(永)
菓子田琶白尾蛇 LP6600
手札2枚
場 魔法の筒(裏) 破壊輪(裏) 伏せ×1
ハクオロ(さあ、キミの才能を見せて貰うぞ。月宮ココア)
ハクオロ「ターンエンドだ。否定したくばデュエルで示すと良い。
お兄ちゃんがいくらでも時間を取ってやろうとも。」
心愛「絶対、倒す。」
この小説に何を期待しましたか?
-
JS同士の緩いデュエル
-
女児だけの世界
-
本家さながらのカオスなストーリー