wonderlandwars 妄想置き場 作:Guilty EX
ここは常に雪の降る街…
常に凍てつくような寒さの街の通りに、創造主に生み出されしキャスト【ミクサ】は今日もいた。
「マッチ…いりませんか?」
通りにてマッチを買ってくれる人を求め、声を掛け続けるミクサ。
彼女は創造主の物語を守る為、毎日マッチ籠を持ち通りに立つ。
そう、いつ闇の残滓が街の人に被害をもたらすかわからない。
創造主の物語、自分の物語の住人(かぞく)を見守るために…
そんな、日々の中もう一人のこの物語のキャスト【リン】が訪ねて来た。
「毎日そんな事をしていては、いつか身体を壊してしまいましてよ?」
自身の身を案じての言葉をかけられたミクサ
「んん…大丈夫…私、助けたいから…」
ミクサは小さく首をふる。
「で、ですが…」
リンはどうしたものかと、アワアワしてしまう。
「心配してくれてありがとう…ちゃんと休憩してるから…心配しないで…」
「…わかりましたわ」
ミクサの表情を見たリンはそれ以上何も言えませんでした。
〜後日〜
「マッチ…よく燃えるマッチ…いりませんか?…」
今日も雪降る大通りに立つミクサ。
彼女がこの場でマッチを売っている。
いつの間にかそれは闇の驚異がない平和の象徴のように認識されていた。
街(物語)の住人はミクサに感謝と尊敬をしていた。
しかし、彼らがミクサからマッチを買うことは、余りなかった。
創造主の物語の強制力とでも言うのだろうか…
彼女と会話や接触には一定以上の行動が起こせなかった…
特に彼女がマッチを売っている時は…
そんな日々を過ごし、住人はミクサの前を通る度に自分達の行動に悔しさを感じていた…
街の教会(夜)
若い男
「くそっ!創造主の物語とはいえ、俺達は彼女に何も恩を返せないのかよ!」
紳士
「まぁまぁ、落ち着いて…」
若い男
「あんたはまだいいよな、マッチを買ってやれるし、声だってかけてやれるからな!」
紳士
「私だって無力です、たくさんは買ってあげられない…声も決まったようなセリフしか言えないのですから。」
婦人
「なんたって創造主様はアタシ達にこんな枷みたいな事を…」
住人達
「「「…………………」」」
御伽の世界には時間の概念はない…
それでも月日は進んだある日の朝。
大通りにミクサの姿は無かった。
街の人は困惑したが、すぐにリンが馬車に乗って駆けて来た。
「闇が現れましたわ!皆さん、早く家に入って下さいな!」
リンの声にハッとなる住人
皆、慌てて建物へと戻る中一人の男が叫んだ。
「みんな!待ってくれ!」
ピタリと止まる住人達の動き。男は続けて言った。
「このままでいいのか?俺達…あの娘が闘ってるのに…」