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開発都市第一区地下、『彼』以外の何者も立ち入れぬ場所。
災害のライダーは今日も今日とて、一人の少女に、否、彫像に会いに来る。
「リンネ」
「〇〇〇、貴方はとても暇人?」
「こう見えて、今は少し忙しいのさ。第三区にて、恐ろしい存在が目覚めようとしている。」
「あぁ、桃源郷に発現した、ガイアの抑止力『ファフロツキーズ』ね。来たるエックスデイとは、明日のことだったかしら?」
「いや、まだ猶予はある筈だ。サハラの『アレ』を地の災害と称するならば、ファフロツキーズとは即ち天の災害だ。」
「『アレ』は地というより、海、じゃないかしら?」
「現地民的に言うならば、そうだね。バーサーカーが第六区で暴れていなければ、止めようはあるんだけど。オレには制御不能だ。」
「焚きつけたのは何処の誰なのかしらね、全く。ダイダロスが消えてから、ろくでもないことばかりが起こるわ。」
「絶対的な存在が死んだんだ。世界の均衡が崩れるのは容易に想像できたさ。アサシンとバーサーカーは、暴走するだろうと思っていたよ。」
「アーチャーもね」
「そうかな?彼は意外と冷静だと思うが?」
「いやいや、災害の中では一番自由でしょう。少し遊び過ぎな気もするけれど。」
輪廻は溜息をついた。
〇〇〇はあらゆる物事に対する許容量が常軌を逸している。彼を殺し得るナナの存在ですら、受け入れ、自身の船に乗せようとする。
彼女は彼のマスターとして、少し心配している。
「それで、ファフロツキーズに対しては、どう対処をするつもり?」
「オレが行く。災害の中では最弱だろうが、人々を守ることには貢献できそうだ。」
「向かうのね、開発都市第三区へ。」
彼にとってはアウェー過ぎる土地。だが、人間を守る為に、躊躇なくその一歩を踏み出せる。
〇〇〇は人間の味方だ。そのことをリンネが一番に知っている。どれだけ恨まれようと、恐れられようと、彼は帽子を傾け、にこりと笑みを浮かべるのだ。
「気を付けてね、私のライダー。エックスデイを前に死ぬなんて、許しませんから。」
「あぁ、勿論さ。あ、今日の花束はアンタの下に置いておくから!」
「いつもいらないって言っているでしょう?薄暗い洞窟をお花畑にするつもり?」
輪廻の苦情を聞き入れず、ライダーは第三区を目指し、歩き出した。
彼女はまた深く溜息を零す。現在桃源郷で発生している異常事態に、ライダーはきっとまだ気付いていない。
オアシスそのものと一体化した輪廻だからこそ、知り得ることもある。
「さて、彼には申し訳ないけれど、私も動くことにするわね。」
彫像はひび割れ、瞬く間に砕け散る。
中から裸体の少女が飛び出し、その全身に彼の贈る花を纏った。
〇〇〇がファフロツキーズ討伐へと向かったならば、現場は彼に任せることにする。
輪廻が相対すべきは
「言峰クロノ、彼の正体に気付いている者は果たしているのかしらね?」
遠坂輪廻をコピーし、ROADを生み出した彼に、『世界を救済』させる訳にはいかない。
彼女はかつての、砂世界での悪夢を思い出しながら、洞窟の外側へと歩み出た。
いま、世界の命運をかけた戦いが始まろうとしていた。
【キングビー編⑩『エピソード:ファフロツキーズ』】
『EEEEEEEEOOOOOOOOO』
サンコレアマル闘技場に出現した『タイプキメラ』は、会場内にて派手に暴れ回る。
三メートルをゆうに超える巨人に相対するのは、グローブの棟梁であるフゴウ。彼は黄金により生成されたバリアで会場内から逃げられない人々を守り続ける。
だが、度重なる戦闘を経て、彼の身体は限界を迎えている。
彼を構成するオートマタが部分的に欠損し、機能が著しく制限されていた。
客席で人々を守るダストと黄金街道は、フゴウの異変に気付いている。
膨張を続けるタイプキメラに対し、持久戦などもっての外。シュランツァの血中ヴェノムが底をつきた時には活動停止に陥るが、スパルタクスの権能が起動し、サンコレアマルごと大爆発を起こすだろう。
導火線に火が灯っている今、この怪物を何とか処理しなければ、革命軍はゲームオーバーである。
黄金街道はダストにアイコンタクトを送る。シュランツァによりこじ開けられた穴から、彼女も闘技場内部に突撃し、フゴウと共に戦う選択をした。彼の行いを知ってなお、彼を放ってはおけなかった。
ダストは、出入り口を塞ぐ『CUBE』の破壊を試みるが、黄金街道の宝具でさえ通用しなかった結界に、どのようなアプローチも効くはずが無い。だがそれでも諦める訳にはいかないだろう。
「ダスト、ごめんなさい、私たちは貴方に何てひどいことを……」
「アイドルとしてステージに立つ姿に惚れちまった!」
「悪いのはフゴウだったのよ、騙されていたわ!」
人々は思い思いにダストへ贖罪の念を述べる。
ダイヤモンドダストの名を守り続けた彼女には有難い反面、今度はフゴウに対し迫害の意思を見せることに、どこか違和感を覚えていた。
確かに彼は全ての元凶だったかもしれない。でも、今はきっと、一人でも多くの命を救う為に戦っている。
だがダストにそれを口にする勇気は無かった。
「ダストに、何か力を与えられれば……」
「そうよ、アレがあるじゃない!投票による、配布令呪!」
「そうか、その手があった!」
区民たちはデバイスから接続し、革命聖杯戦争の投票を行う。
瞬く間にダストは一位に登り詰め、令呪一画を手にする権利を得た。
だが、それはその瞬間的に授けられるものでは無い。さらに言えば、単純な魔力増幅で、このCUBEを突破できるとも思えなかった。
——恐らくサンコレアマル外にいらっしゃる、巧一朗様を呼べば……
ダストは彼に託そうと考えたが、首を横に振り、邪念を取り去った。
革命軍では無い、彼をこれ以上巻き込むわけにはいかない。きっと彼は彼で、何かと戦い続けているに違いないのだから。
ダストはダストの力で、最期まで踏ん張らなければならないのだ。
一方、戦闘フィールド内に落ちて行った黄金街道は、フゴウと合流を果たす。
タイプキメラ体表から棘のように伸びた剣を叩き割りながら、彼のサポートを行った。
「黄金街道……すまな……」
「ここは生き延びて、後でしっかり土下座しやがれ!でも今はコイツの対処だ!」
黄金街道は自慢の鉞を豪快に振るい、タイプキメラへ攻撃を仕掛ける。
だが柔らかいと思われた皮膚は鋼のように厚く、そして硬い。形成された筋肉と、十二の英霊の刀が入り混じっているのだろう。
生半可の攻撃では、傷一つ付けることが出来ない。
「くそ!王サマ!令呪を頼む!四画はある筈だろ!」
「無い。」
「は?」
「無い。既に譲渡した。」
「はぁ!?ジョウト!?誰に!?」
「第四区博物館館長『間桐桜』だ。取引を持ちかけられて、な。」
「博物館ってーと、巧一朗の上司か!?てか何で!?」
「話せば長くなる。とりあえず、今は無いし、使えない。るる子は我らで止めなければならない!」
「マジかよ畜生!」
タイプキメラの体内から、四本の足が生え出た。
そして大きく跳躍したかと思うと、彼らを踏み潰すべく急降下を行う。
ギリギリのところで回避するが、サンコレアマルは大きく揺れ、人々は更なるパニックに陥った。
「この闘技場の外へ出して、ヒトのいない場所で自爆させるしかない。」
「王サマ、でもそれじゃ、アンタのダチは……」
「……一人では逝かせない、我も一緒だ。」
フゴウは自らの過ちを認めた。
そして彼が生み出してしまった新たな被害者、るる子を孤独にはしないと誓った。
もう彼女の魂がこの世には存在しないとしても。
その亡骸だけは美しいままに取り戻す。そして、共に心中する。
「てめぇ、まだ皆に、三人のガキどもに謝っていないだろう。勝手に死ぬのは許されないぞ。」
「すまない、金時。」
「アタシに謝ってどうなる!?アタシも、きっとてめぇの共犯者だ。何も知らなかったとはいえ、一緒にグローブって組織をまとめ上げてきたんだからな。てめぇが謝るのは第三区のみんなと、そして、ダストだ。アタシも一緒に謝る!」
「金時……」
「だから何かイイ感じに美しく最期を迎えようとしてるんじゃねぇよ!認められるか!その額を泥に擦り付けながら、謝って、謝って、そうやって償っていくんだろ!生きていくんだろ!アタシも傍にいる、アタシは仲間だから!」
黄金街道は目に涙を浮かべながら、必死に訴えた。
彼女は彼を、愛していた。それは恋愛感情からなるものではない。戦友として、家族として、彼を『信頼』していたのだ。
そして彼らが言葉を交わす間にも、タイプキメラは暴れ続ける。その巨大な手でドラミングしながら、怒りを、喜びを、悲しみを、叫び続けた。
サンコレアマル闘技場は上部が開かれたスタジアム形式だが、外に戦闘の余波が漏れ出ない為に、薄い膜のような保護バリアが施されていた。これがあるおかげで、タイプキメラは外に出たくても出られない状態だったのだ。
安全装置である筈が、今は人々を脅かすシステムとなっている。CUBEによって脱出が出来ない以上、システムダウンさせ、上空を解放させる手段はとれない。ならば、直接破壊し、怪物を誘導するのが最善手。
まずは黄金街道の宝具『黄金衝撃(ゴールデンスパーク)』を空に向かって発動し、その見えない壁を壊すしかない。
タイプキメラに邪魔される可能性が高い為、怪物を引き付ける役割はフゴウが担う。
グローブのエース二人による作戦が決行された。
客席からこれを見守っていたダストだが、ふと、反対側客席の出入り口、透明なCUBEの外側に、ヒトの影を見た。
外側にいる区民なのか、はたまた、この状況を生み出した悪しき者なのか。
彼女は客席側にいる芸術家サーヴァントなどに人々の保護を託し、影の元へ走り向かった。
「そこにいる方、聞こえますかしら」
結界を隔てているというのに、ダストの耳にはハッキリと声が届く。
彼女に話しかけているのは、虫のようにフワフワと飛ぶ、青白い光だ。
この光はひび割れた壁面の僅かな穴から内部へ侵入したもの。ダストはその正体を知るべくも無い。
「聞こえています、貴方は?」
「わたくしは革命軍ハンドスペードのサーヴァント、ロンリーガールこと『細川ガラシャ』。そこに飛んでいるのは細川忠興です。」
「え、あ、忠興、はい、ガラシャ姫、いま内部が大変なことに……」
「知っています。わたくしがここに辿り着いた時点では、もう出入口どころか壁一面に結界が張り巡らされていました。この僅かな隙間を利用し、わたくしに取りつく『呪い』の一部を飛ばしたのです。わたくしにこのような才能があったとは……!」
「はい?」
「コホン!内部の状況を伝えて頂けますか?ハンドスペードが力となりましょう。」
ガラシャの存在に心を救われたダストは、彼女にありのままを伝えた。
タイプキメラに留まらず、アヘル教団や、フゴウの裏切りについても。
「成程、わたくしはフゴウをどうにもきな臭いと感じていたのです。だから対話を拒否し続けた。でもきっと彼は、自らの罪を認めた上で、革命軍を一つにしようとしている。それは間違いないでしょう。」
「ガラシャ姫、吾はどうすれば……」
「まずは黄金街道とフゴウがやろうとしていることを見届ける必要があります。タイプキメラが会場外に出れば、人々のことを気にせず、戦いを挑むことが出来る。敵は力に溺れ、暴走しているようですが、まだ取り込んだ英霊の力を抽出できていないのだと思われます。己の力を制御されれば、そこまで。……とりあえず、貴方はスタジアム客席の皆様の安全を守るべく行動してください。」
「ガラシャ姫はどうするのですか?」
ガラシャは淡路抗争での戦いをモニタリングしていた。
大部分は都信華の虐殺ムービーだったが、ごく一部は、ヘラレウスと交戦するシュランツァ、アダラスのデータであった。
タイプキメラがヴェノムセイバーであるならば、その能力の一部は分かるかもしれない。
光の粒子が零れ続けるガラシャは、自らの胸に手を置いた。
果心居士が、ジョンが、繋いでくれたその命、無駄にするつもりは無い。
「わたくしはこのまま外へ出て、タイプキメラを待ち構えます。グローブと、ハンドスペードの共同作業です。勿論、ダイヤモンドダストも。そうでしょう、『枡花女』。」
「吾に気付いて……?」
「勇敢な方だもの。間違える筈がありませんわ。」
言の葉を交わす二人を尻目に、黄金街道は宝具を解き放つ。
サンコレアマル会場の上空に、稲妻が走った。
彼女の鉞による投擲は、見事バリアに直撃し、巨大な穴を生成する。
フゴウは自らその穴へと飛び上がり、タイプキメラを誘導した。
「我を殺したいのだろう、るる子!ならば来い!」
『EEEEEAAAAAAA』
タイプキメラは柱に摑まりながら、二本の手と四本の足でよじ登っていく。
その間も人々や戦士たちを嗤い続けていた。
そして新体操のような軽快な動きで、サンコレアマル外壁に辿り着き、カサカサと動き回る。
その巨体が爪を食い込ませるたびに、サンコレアマルは揺れ、悲鳴を上げた。
フゴウと黄金街道は共に外へ出、怪物を荒野へと誘い込んでいく。
だが当然、思い通りに動いてくれる訳では無い。
激しい流動を繰り返しながら、それでいて、サンコレアマルの楕円壁に張り付いて離れない。
まるで自らが時限爆弾であると認識しているかのようだ。
ヴェノムとして、仇為す革命軍を全滅させる。シュランツァの意識がそこにあるように思われる。
「黄金街道、雷撃宝具は打てるか?」
「クールタイムが必要だ!そもそも奴を引き剥がさないと!」
「下手な攻撃は悪手か。我では食事としては不足しているらしい。ならば……『アレ』の出番だ。」
「『アレ』か!任せろ!」
黄金街道は両手を掲げ、そして叫んだ。
彼女はライダークラスのサーヴァント。跨るのは愛用のバイク、そして。
グローブが総力を挙げて開発した『兵器』である。
『三区式大具足・鬼熊野(ゴールデン・トライ・ベアー)』
それは坂田金時が生前有していたとされる、超巨大兵器。
だがオアシス式召喚において、彼女はそれを持ち込むことが許されなかった。
そのため、彼女とフゴウはグローブの『兵器』として、黄金を用い、これを組み上げた。
継ぎ接ぎだらけの模造品、なれども、革命聖杯戦争において果心居士の技術に匹敵する力を秘めていたのは確実だ。
フゴウが『芸達者』を欲した理由も、この大具足にある。
統合英霊ヘラレウスや氷解のヴァルトラウテ同様、災害への解答札として存在していたのだ。
「アタシに任せろ!」
この決戦兵器は、坂田金時が乗り込むことで初めて起動する。
黄金のボディに彼女の瞳のような青いラインが浮かび上がり、機体はその場で立ち上がった。
両手を伸ばし、タイプキメラを引き剥がし、荒野へと投げ飛ばす。
「良し!」
黄金街道はコックピットにてガッツポーズを決める。
彼女の魔力を注ぎ込み動く機体。黄金街道自身が動力源となることから、長時間の使用は困難である。
故に、急ぎ決着を付けなければならない。
フゴウはタイプキメラへ向けて走り出した。
鬼熊野は転がるキメラにのしかかり、動きを封じる。
ダストや区民たちは、空の観測艇カメラに映し出された映像に、釘付けとなった。
『これが、これがグローブの隠し持っていた『兵器』だったのか!このリンベルも知り得なかった情報だぜ!』
リンベルの言葉に、人々はざわつく。
昨日までならば、グローブの派手さと強さに、心を躍らせていたことだろう。
だが今は、フゴウという裏切り者がトップを務める悪しき組織という印象しかない。希望である筈の大具足も、第三区に害をもたらす戦争兵器にしか捉えられない。
ダストは口を噤んでいた。
事実、彼らの内部抗争は、アヘルと、そしてフゴウの所為で発生したのだ。
彼を認められる筈が無い。たとえ罪を清算しようと動いていたとしても、だ。
そんな中、突如、リンベルの観測艇のカメラは切り替わる。
土埃が舞う外の景色に映り込んだのは、一人の可憐な少女だ。
少女はメディアの飛ばすドローンに気付き、カメラの向こう側にいる人々に話しかける。
「皆さま、ごきげんよう。ロンリーガールこと、細川ガラシャですわ。皆さまもご存じでしょうが、我々のチームのエース、芸達者こと『果心居士』は既に命を落としました。それどころか、ハンドスペードの領地は壊滅、仲間は皆、殺されました。わたくしも、もう永くは無いでしょうね。」
サンコレアマルの巨大モニターに映し出されたガラシャ、その身体から光が永続的に漏れ出ている。
英霊としての死を迎える前兆。専属従者の死に立ち会った者たちは、ガラシャの最期を悟る。
「皆様に謝らなければならないことがあります。わたくしは、アヘル教団に対し憎しみを抱くあまり、革命軍の敵である筈の『災害のアーチャー』と手を組みました。」
会場にどよめきが走る。ダストもまた、複雑な顔を浮かべていた。
「わたくしは災害の力を借りて、アヘルを壊滅させたかった。でも、不可能でした。災害は災害。招いたら、その大地が、海が、壊滅する。彼とわたくしの暴走の果てに、ハンドスペードの仲間たちはみな命を落としました。それは、果心居士も、同様に。全てはハンドスペードの王として存在したわたくしの独断が招いたこと。わたくしは償っても償い切れない罪を犯しました。」
ガラシャの独白は続く。
一羽の折り鶴を手にしたあと、災害のアーチャーを止める為に動いたこと。
そしてまたもや、大切な仲間を失ったこと。
それは区民にとって、フゴウが犯した罪と同じものであった。
愚かな王の判断により、多くの人間が命を落とし、時代は狂い始めるのだ。
「いま我々が戦っているのは、贖罪の為ではありません。そんなことを経ても、許してもらうことなど出来ぬでしょう。最初から、もし、最初から革命軍が一つになれていれば、変わっていてかもしれない、イフの話に過ぎませんが。……わたくしがいいたいのは、これから先のことです。マンサ・ムーサを、細川ガラシャを、悪しき王と語り継ぎ、皆さまは手を取り合って、助け合ってください。悪いのは、貴方の隣にいる方じゃない、悪いのは、愚かな王たち、なのですから。わたくしが言うのもなんですが、決して災害を認めてはなりません。革命の旗印を掲げ、決して屈しないでください。どうか、それだけ、それだけを伝えたかったのです。」
ガラシャは懸命に語る。己の愚かさを、そして、生存した者たちへの願いを。
間違いだらけの人生。もう二度と、間違える王が現れてはならない。
ガラシャは黒き獣を止め、彼らの尊い命を守る為に、ドローンから背を向け、歩き出した。
彼女が向かうその先で、フゴウと黄金街道はタイプキメラと交戦中である。
鬼熊野が怪物を抑え込み、フゴウが持ち前の黄金剣と鋳造兵士たちで僅かながらダメージを与えていく。
荒野へと投げ飛ばしたそのときは、圧倒的に鬼熊野が有利だったが、このタイプキメラは時間経過と共に、着実に成長していた。
そして遂に、ヘラクレスやスパルタクスに留まらず、取り込まれた新たなアンプルの力を行使し始める。
まずは円卓の騎士ランスロットの力が配合され、キメラは聖剣アロンダイトを手にした。
指定文化財の中でも特級レベルの聖遺物をアンプルに抽出していたのだ。他の災害が黙っていない筈だが、アヘル教団のバックには災害のアサシンが付いており、誰も踏み込めないでいた。
聖剣を手にしたキメラは上昇する魔力を込め、大具足を切り裂いた。怪音と共に、鬼熊野の右腕が消滅する。
巨躯の兵器は、格好の的である。タイプキメラはフゴウのことなど忘れ、鬼熊野を壊す快楽に酔いしれていた。
「くそ、どうすればいいんだ!?」
「黄金街道、損傷率五十パーセントで離脱しろ。急激な魔力消費に、オートマタ自体が耐えられない。」
「分かっているぜ!でも、たとえ壊れても、止めてやる!」
彼らは成長するキメラに対し、やがて手も足も出なくなる。
二人の英霊では、十二の英霊の力に太刀打ちできない。いやでもそれは証明された。
だが、フゴウに裏切られた革命軍が助っ人に来るとは思い難い。
彼らの額に止めどなく汗が流れる。ギリギリの攻防は、数分間続いた。
そして、キメラはついに宝具を起動する。詠唱は獣の慟哭。誰も理解することは出来ない。
『ÅOOOOOOOOOOOOO』
振り下ろされる巨大聖剣。
黄金街道は死を覚悟するが、彼らの間を縫って現れた存在に、彼女は救われた。
一瞬の出来事だった。キメラの振り下ろされる腕の間をすり抜け、一太刀。怪物の腕は只の一閃に砕け堕ちる。
大きく跳躍した青年は、天下五剣を握り締めていた。鬼を斬るに相応しい得物。彼はつい先ほどまで戦闘していたが、何とか駆けつけることが出来た。
「巧一朗!」
「巧一朗か!」
フゴウと黄金街道は同時に声を上げる。
源頼光と身体を共有する青年、間桐巧一朗が、この場に駆け付けた。
彼はフゴウの裏切りも、何もかもを知らない。もし知っていたとしても、彼の味方をしただろう。
それは彼が、頼光の言葉を信じたから。
虚数の海での出会いを思い出す。
「巧一朗、お前さんは『ヒト』と『妖怪』の違いが分かるか?」
頼光は問うた。
巧一朗は熟考し、種別という当たり障りのない答えに辿り着く。
頼光は対して豪快に笑うだけだ。
「人を殺すと、ヒトは化物になる、なんてのはよくある話だが。」
「なら英霊なんざ九割が妖だ。この俺もまた例外なく妖となってしまう。」
「じゃあ何だ。源頼光はどう定義する?」
頼光はにんまりと笑みを浮かべると、巧一朗に渡したものと同じ、升を十数個用意した。
そして彼らの中央、存在感を放つ巧一朗の升の上に、ひとつひとつ重ねていく。
「お、おい!?」
「見てな、巧一朗。」
正四面体という構造上、最初の数個は安定して積み上げられていく。
だが十を超えた辺りで、置き方の問題か、それはぐらぐらと左右に揺れ始めた。
「なにを……」
「箱の形状であっても、数が増えればバランスを失う。」
「それ以上重ねると……」
巧一朗の危惧は現実となり、全ての升が積み切る前に、タワーは崩れ落ちた。
畳に転がっていく四角を、彼は茫然と眺めている。
頼光は笑いながら、全ての升を回収した。
「分かるか、巧一朗。」
「さっぱりだ。」
「なら次は、こうしよう。」
頼光は全ての升に酒を注いだ。
そして再度、それらを重ねていく。
酒を注いだことで何かが変わることは無い。積み重ねれば重ねる程に、崩壊の時は近付いていく。
「おっと、危ない危ない」
「頼光、貴方の思考が理解できない。」
「そうか?」
そして最後、升は再び崩れ去る。
巧一朗は手を伸ばし、その二つを掴んだが、それ以外は畳へ散らかり、藺草を濡らした。
そして彼の手もまた、アルコールに塗れる。
酷く虚しいものだ。だがなお、頼光はケラケラと笑っている。
「虚数の海のモノだ。『勿体ない』なぞ思うべくも無い。」
「……貴方は何がしたいんだ。」
「逆に聞こう。巧一朗よ、お前さんはその両手にある升を以て、何をする?」
頼光は一転、口を結び、巧一朗を睨みつけた。
試されているのか、それすらも分からない。
万物を慈しむ心こそがヒトの構成材料だとでも言いたいのか。
巧一朗は訝しげにも、二個の升を重ね、再び中央に積んでみせた。
「ほう?」
「あとの升は貴方が拾ってくれ。酒臭くてかなわない。」
「くくく、そうか、お前さんはそうなのだな。」
頼光は巧一朗の肩を叩くと、口角を上げた。
「これが、『ヒト』と『妖』の違いだ。一言で言うならば、『積み重ね』さ。」
「『積み重ね』だと?」
「ヒトは、いつの世も、必ず罪を犯す。軽いものから、重いものまで。その時代のルールにより裁かれる。お前さんの時代では人殺しは重い。だが源頼光の生きた時代では、敵に摑まっておいおいと生き延びたりしちゃ、そいつは罪だろうな。己の不始末を己で清算できねぇ不届き者だ。価値観、環境、道徳、あらゆる物事によって、法は変わり、ヒトの生き方も変わる。中には、ルールを破って妖の道に落ちるものもいるだろうよ。」
「あぁ、そうだな。」
「だからこそ、なのさ。己が犯した間違いにどう向き合うかが重要なんだ。ヒトは生存において、家族を、友人を、恋人を、仕事を、趣味を、夢を、構築する。升のように一つ一つ積み上げていく。だが、ふとした瞬間にこれは簡単に崩れ去る。何十年と積み上げたものが、一夜にしてパァになることもあるんだ。じゃあ、その後どうするか。そこからが重要だ。」
「だから、『積み重ね』?」
「そうだ。ヒトは積み重ねられる生物だ。間違いを認め、失った全てを取り戻すために、或いは、新たなものを構築するために、また升を積み上げ始める。これが出来なくなっちまったら、長く険しい道のりに嫌気がさして、踏み外しちまったら、そいつは妖怪なんだ。壊すことに悦を覚えちまう奴もいる。」
「重ねる……」
「愚かでいいんだよ。だが、台無しにはしちゃいけねぇ。一つずつ、ただ、一つずつ、積み上げる。積み重ねる。それが出来る内は人間だ。巧一朗、お前さんもな。」
巧一朗は頼光と真に一体化した。
ヴェノムのような効率の良さは無くとも良い。世界を滅ぼす恋をした青年は、このオアシスで、成長し始めている。
彼には既に、失いたくない仲間が出来た。
キャスター、鉄心、充幸、桜館長、そして———
「美頼」
きっと彼女は、彼の知らない場所で、戦っている。
そう信じられる。そして、また、再会できることも。
巧一朗は空からタイプキメラを強襲。聖剣を握る腕をその刀で切り裂いた。
フゴウや黄金街道が地道に削り取っていた肉体を、圧倒的な一撃でねじ伏せる。
『招霊継承』は巧一朗の新たな境地、災害を殺すための切り札だ。
その性能が遺憾なく、この戦いに発揮される。
「すげぇぜ、パパ!巧一朗!」
「これがダイヤモンドダストの兵器か。」
そして巧一朗に続き、ガラシャもこの場に参戦した。
ガラシャは唯一、アヘル教団のヴェノムについて多く知識を有している。
彼女はフゴウ、黄金街道、巧一朗に、タイプキメラの対処法を伝えた。
「体内にある核の部分に、ヴェノムアンプル使用者の少女がいる筈です。アンプルは人間の血中に特殊成分を流すことで英霊の力と接続しますが、たとえ息を引き取っていたとしても、血は巡り続けています。もし彼女の肉体のみを救出できれば、キメラの膨張は止まり、徐々に息絶えるでしょう。オアシスにおいて英霊がオートマタを媒介にしなければ基本的に生存できないのと同じ原理です。」
「るる子を、取り戻せば……」
「そのために、タイプキメラの肉体に穴を開ける必要があります。内部と、外部、両方から、です。」
「何で両方から必要なんだ?」
「ヘラクレスの再生能力と、スパルタクスのダメージを魔力に変換する能力を、同時に止めなければならないからです。ただ腹部を蹴破れば良いというものではありません。見てください!」
ガラシャの指さす方、つい今、巧一朗が切り落とした腕が再生されていく。
ここにきて、他の英霊たちの戦線維持スキルも起動し始めた。
「外部は皆さまに託します。内部は、この細川ガラシャにお任せください。わたくしの宝具は自死宝具であり、周囲一帯を燃やし尽くすことが出来ます。そしてわたくしの過去の通り、守護すべきものには一切の傷は負わせられません。」
「ガラシャの最期、侍女たちを守り、己だけが果てて行った逸話か。」
「待て、それでは貴様が……」
「ふふ、見て分かりませんか、マンサ・ムーサ。わたくしはもう死ぬのです。最期は華々しく、行こうではありませんか!」
ガラシャは巧一朗に近付くと、彼の刀を持つ手を、ぐっと握り締めた。
そして呆気にとられる彼をよそに、その刀で、自身の胸を貫く。
「お、おい!あんた、何して!?」
「これがわたくしの宝具の発動条件ですから。」
ガラシャは女神のように微笑むと、血に塗れながら、キメラの元へと歩いて行く。
怪物は新たな餌を見つけたとばかりに、彼女へ喰らい付いた。
何の抵抗も無く、あっさりと飲む込まれるガラシャ。
三人は暫く茫然と佇んでいたが、やるべきことを思い出し、武器を構える。
タイプキメラの胃袋に飲まれたガラシャは、自らの消滅を悟りながら、必死に『核』である少女を探した。
動き回り、内部を食い千切り、探索する。やがて、欠損の無い肉体の保たれた少女を見つける。
だが、血液が搾り取られ続ける結果か、皮膚のハリが失われ、ミイラのような身体となっていた。
ガラシャは我が子のように抱き留める。そして、詠唱を開始した。
『散りぬべき、時知りてこそ、世の中の、花も花なれ、人も人なれ』
それは彼女の辞世の句。
彼女の覚悟が、彼女の身体に火を灯す。
『煉獄純花(グレース・レイリリィ)』
白百合が咲き誇る。
体内から、体外へ、キメラの肉体そのものから、芽吹く。
そして百合の花は炎を宿し、次々と枯れていく。
ガラシャはるる子の亡骸を抱き締めながら、涙を零した。
「美しい百合の花……」
黄金街道は思わず見惚れてしまう。細川ガラシャは、最期まで美しいままだった。
「今だぞ、巧一朗!」
「あぁ、行くぞ頼光!」
巧一朗は刀を構える。
自ら死を選び、少女の尊厳を守ろうとするガラシャに、応えなければならない。
だが、彼と黄金街道の前に、その瞬間、聳え立つ壁が出現した。
金色の、無機質な壁。それを生み出したものが誰か、容易に想像できる。
「貴様らを巻き込むことは出来ない。我がやる。」
「フゴウ…………?」
「おい、王サマ!どういうことだ!?」
「我が黄金の波が築くのは、メッカへの道だ。無限に溢れ出す潮流が、いつかの希望を掴み取るだろう。」
黄金螺旋。
フゴウの周りに、金塊の山が築かれる。
そしてそれらは溶け、交じり合い、蛇のような形を成す。
フゴウの宝具が、起動するのだ。
「おい、フゴウ!」
「馬鹿か、王サマ、待てよ!てめぇ死ぬつもりで!?」
「すまないな、約束を破ることになる。だが、黄金街道、そなたは当然、人々に謝らなくていい、悪いのは我一人なのだから。」
フゴウは囁くように宝具を詠唱した。
もはや巧一朗、黄金街道には、その声は届かない。
黄金色の大蛇、彼の通った道そのものがタイプキメラへとぶつかり、螺旋状にその肉体を削り落としていく。
「王サマ!?」
「フゴウ!」
二人の声を背後に感じながら、フゴウはタイプキメラの元へ近付いていく。
途中、彼女の体表から突き出した剣が、フゴウの肉体を貫いた。だがそれでも歩みを止める気はないらしい。
そしてガラシャの内部爆発、フゴウの外部からの攻撃により、キメラの肉体ははじけ飛んだ。
フゴウは自らの身体が消えていくのを感じる。
結局、彼は何も成し遂げることは出来なかった。
今回もそう。畦道るる子は、彼の所為で命を落とした。
己の罪の清算もろくに叶わぬまま、彼は白い空間に取り残される。
彼の元へ投げ捨てられるように飛んできたのは、るる子の血が抜かれた皴の肉体だった。
フゴウは彼女の遺体を抱き、そしてガラシャ同様、涙する。
溢れ出てくるのは、後悔の念。もうどうしようもない。
彼はこの桃源郷にて、何も果たせぬまま無為に死ぬ。
せめて、最期は大切な者を抱き留めていたい。
「るる子、すまなかったな。もう大丈夫だ。このマンサ・ムーサが助けに来たぞ。」
返事はない。もう取り返しはつかない。
黄金の壁は消え、弱体化したキメラが取り残される。
巧一朗が、黄金街道が、辺りを見回したときには、既にガラシャも、フゴウもいなかった。
彼らは桃源郷から退却した。
黄金街道は言葉にならない叫びを上げる。
そして巧一朗は、彼女の慟哭に胸を痛めた。
シュランツァという核を失ったキメラは、それでも生きていた。
じきに死ぬのは理解していたが、それでもこの場を離れ、生き延びる選択をする。
二人はこれを追うことが出来なかった。
絶句する巧一朗、嗚咽する黄金街道、二人の元に、スピーカーから声が響いた。
それはサンコレアマル会場内にいる、言峰クロノの声だ。
「いま、革命聖杯戦争は最終戦を迎える。既に、芸達者、リケジョ、ロンリーガール、フゴウが桃源郷から消滅した。残されたのは、ダイヤモンドダスト代表のダスト、そして、グローブの黄金街道二人だ。黄金街道、君が穴を開けた天井部位から、梯子代わりとなるロープを垂らしている。サンコレアマルに戻り、堂々の決着を付けるがいい。」
クロノの感情の籠らない声は、第三区に響き渡る。
黄金街道は俯き、声を出すことをしない。
巧一朗も同じく、反応を示すことも出来なかった。
「何をしている。ROADがあれば、君達が取り逃がした怪物も容易に殺すことが出来よう。区民の皆さまは、安全を欲しておられる。決着を付け、聖杯を潤せ。革命聖杯戦争の終結が、第三区の幸福そのものだ。生きたければ、ダストを殺害しろ。」
クロノの言葉に、黄金街道はついに叫んだ。叫ばずにはいられなかった。
「嫌だ!もう、嫌なんだよ!何だよコレ!何でアタシらは争っているんだよ!ダイヤモンドダストも、ハンドスペードも、王サマだって、たくさん間違いを犯して来たけれど、悪い奴らじゃねぇんだよ!必死に生きているだろ!何でだよ!」
「間違いを犯した者は、悪い人間だろう。何を言っている?」
「アタシは、ダストだって、きっと良いやつだって思った!アタシは殺したくない!アタシがこの兵器で、タイプキメラも、災害も倒してやる!それでいいだろ!」
黄金街道は泣き叫んだ。
巧一朗も同調の意思を見せる。頼光も同じ気持ちだ。
そもそも、ROADには裏がある。枡花女が、金時が、命を捧げた所で希望が達成されるとは限らない。
「そうか。その発泡スチロールのような鎧で、皆を救うと。」
クロノは溜息を零す。
フゴウの裏切り、そして黄金街道の駄々、予定外のことばかり起こる。
彼は『彼女』に合図する。
突如、サンコレアマル闘技場に、光り輝く『ソレ』は現れた。
人々はそれが革命聖杯であることを直ちに認知する。
そして浮かび上がった金の杯を手にしたのは、アイドル衣装に身を包む、ツキであった。
観客がどよめく中、ツキは聖杯を自らの胸部へ取り込む。
それは刹那の出来事だ。
第三区民も、ダストも、黄金街道も、巧一朗も、桜館長も、キャスターも気付かぬ一瞬の間に、ツキはサンコレアマルを飛び出した。
そして必死に逃げようとしていたタイプキメラを五十あまりのアロンダイトでめった刺しにする。
巧一朗がハッと気づいた時には、タイプキメラは無残に殺されていた。
ツキは広げた翼で空へ浮かび上がると、今度は空中に無限の鉞を創造する。
黄金街道が愛用する金刃の巨大アックスが、巧一朗と、黄金街道の元に降り注いだ。
「巧一朗!アブねぇ!」
黄金街道は鬼熊野のまま、巧一朗に覆い被さる様に、彼を守る。
彼女の決戦兵器に何度も叩きつけられる鉞。無限とも思えるような地獄の末、大具足は完膚なきまでに破壊された。
コックピットにいた黄金街道は、全身から血を噴き出しながら、巧一朗の元へ倒れ込む。
「な…………………………」
信じ難い状況だった。
グローブの決戦兵器として満を持して登場した大具足は、三秒と経たぬ間に分解された。
そしてタイプキメラも、弱体化していたとはいえ、こうもあっさりと死んだ。
彼は上空を見つめる。
一人の女が、人間を見下し、浮かんでいる。
「あれが『ファフロツキーズ』………………」
この桃源郷に存在する災害は六人である。
だが、何故だろうか。誰もが七人目の存在を空見した。
いま空にいる存在はヒトでも英霊でも無い。
『神』か『災害』のどちらかだ。
彼らはこのとき、シェイクハンズの悪夢を思い出した。
再び、あの悲劇が繰り返されようとしている。
悪夢のカウンターガーディアン、その名も『ファフロツキーズ』。
彼女は第三区の空に降臨した。
【キングビー編⑩『エピソード:ファフロツキーズ』 おわり】