Fate/relation   作:パープルハット

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本日で、Fate/relationは3周年!

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深層編3『巧一朗Ⅲ』

【深層編③『巧一朗Ⅲ』】

 

「なあ」

「はい?」

「酷く、つまらない。」

「………そう言われましても」

 

ガンマが運転を努めるオフロード改造車の座席で、気まずい空気が流れている。

俺の隣に堂々と足を組み、腰かける少女。

この地ではあまり見かけない白髪を指で弄びながら、時折舌打ちをする。

彼女はセイバークラスで現界した『ディートリヒ・フォン・ベルン』だ。

まだ乗車して三時間あまりだが、苛立ちを隠せないでいる。

一面が砂世界のこの場所に嫌気がさしているようだ。

そんなもの、俺だってそうだよ。

 

「貴殿の名は、巧一朗。遠い異国の地からやってきた魔術師。そうだな?」

「えっと、まぁ、そうですね。」

「汝の願いは何だ?何が目的だ?」

「俺の願いは……」

 

人間になりたい。

間桐桜の、本当の子どもになりたい。

そんな願いを、俺はサーヴァントに話すことが出来なかった。

 

「根源への到達……かな。」

「ふん、くだらないな。」

 

セイバーは鼻で笑った。

聖杯戦争に参加するマスターの九割は『根源への到達』を叶えたいと思っている。

彼女はきっとそんな彼らとも折り合いが付けられないだろう。

関係の破綻は目に見えている。

ならば、俺はどこまでこのサーヴァントを利用できるだろうか。

勝利をもぎ取れる圧倒的な力を有した大王。

俺が指示するまでも無く、勝鬨を上げるに違いない。

 

「もう間もなくテルジットに到着です。お疲れ様でした。」

 

ガンマは俺とセイバーの間に流れる沈黙を破り、アナウンスする。

外を見やると、これまでの景色から一変、ヤシの木の緑色が辺りを彩り始める。

テルジットはモーリタニアでも有数のオアシス兼、観光地だ。

十五世紀にホッジ家の者たちがメッカ巡礼の際にこのオアシスに途中滞在したところ、あまりの美しさから、巡礼を取りやめ、永住を決め込む一派と分かたれたらしい。その子孫は今なおテルジットの村長として、このオアシスを守り抜いているのだとか。

まぁ、ガンマの受け売りなんだけど。

他の場所と異なり、ここに流れる水は比較的清潔で、かつ美味だそうだ。

ヌアクショット市場で先に購入していたマンゴーやバナナを冷やすには丁度いいかもしれない。

 

「テルジットは、とても居心地のいい場所です。つまりは、同じ考えの元、集う敵もいるやもしれません。どうかお気をつけて。」

「監督役の元に尋ねるだけだよ。このキャンピングカーが、一番居心地がいい。」

 

そうして、俺とセイバーは森林地帯へと降り立った。

サハラの目とは違い、息苦しさは緩和されているようだ。

現地住民たちの逞しさを見るにつれ、己の肉体が如何に虚弱か思い知らされる。

隣の芝生は……なんて言葉もあるが、俺には青色どころが金色に輝いて見えるよ。

 

「行かないのか?」

「あ、あぁ。ごめん。」

 

セイバーはずかずかとオアシスに乗り込んでいく。

俺は彼女の背に張り付くように、密林地帯を歩いて行った。

聞いたことの無い羽音の虫たちが、俺を歓迎しているようだった。

だが、人間になると夢見る俺にとって、彼らから同胞と祝福されるのはあまり良い気がしない。

 

「よもや、このディートリヒの主人とあるべき男が、ヒトではないとはな。」

 

セイバーは溜息と共に声を漏らす。

俺はそれを聞き逃さなかった。

サーヴァントの召喚は初めてだが、彼女は俺の正体に気付いているのか。

聖杯から与えられる知識、とは違うだろう。きっとそうだ。

万物の理を見抜く眼、なんてものが備わっているかもしれない。

 

「知っているのか、俺のこと。」

「虫だ。どれだけ人の皮を被ろうと、その心臓部位に汝の『核』がある。まだ幼虫だ。空へ飛び立つ羽も無い。」

「……そっか、知られているのか。そりゃあそうだ。」

 

俺はがっくりと項垂れる。

彼女はこの地に呼び出された時、どれだけ残念がっただろう。

召喚者が虫風情。正直に、殺されてもおかしくはない。

 

「魔力の供給が安定していれば文句は無い。だが貴殿のお守りまでは勘弁願いたい。」

「え?」

「自分の身は自分で守れ、ということ。」

 

セイバーは振り向くと、俺の髪をクシャクシャと撫でまわした。

軽蔑されていない?

淡い期待が渦巻く。

 

「なんだ、その目は。捨てられた子犬のような目をして。」

「え、いや……その……」

「全く。まさか自らが人間でないことで我が絶望するとでも思ったか。たわけ。我にとって、人間も、動物も、植物も、雲も、月も、太陽も、当然、虫も、等しく同価値だ。我という絶対的な王を前に、ただ服従すればよい。」

「月?太陽?」

「いいか、我の願いはただ一つ。『我がこの人類史における最上の王であることの証明』だ。故に、我はこの地に呼び出されたサーヴァント六騎に宣戦布告する。心ゆくまで命を削り合い、そして最後には我だけが勝利に美酒に酔いしれている。その邪魔さえしなければ何でもいいのだ。」

 

ふむ、成程。

セイバーは絶対的な王。他の追随を許さない。

このサーヴァントにとって、自分自身以外の全てが無価値なのだ。

俺も、他の英霊も、このモーリタニアも、全てが同質存在。

究極のナルシスト、なのだろう。

ならば、こちらも思い悩む必要は無い。

人間になるという願いを叶える為に、ディートリヒの力を存分に使わせてもらう。

 

「ほら、着いたぞ。このテントに監督役がいる。」

「確か、監督役はルーラーのサーヴァント、だったよな。」

 

セイバーは先陣を切って、テントの中へ侵入した。

そしてその場で立ち止まる。

俺は彼女の後に続こうとするが、彼女はそれを制した。

 

「セイバー?」

「汝は、女性経験はあるか?」

「は?何だよ急に。」

「ふん、無さそうだな。ならばここで待っていろ。我が話をしてくる。」

「?俺も行くぞ?」

「辞めておけ。酷い雌の悪臭だ。貴殿の精神そのものが崩壊しかねん。」

 

俺は頭に浮かぶ疑問符を払うことが出来なかった。

まぁ、女の子に耐性が無いのは、その通りだけど。

亜弥を含め、俺が作って来たのは、俺の理想像であり、どこまでいっても人間そのものでは無い。

自分好みのキャラクターを作成するゲームに近い、と思う。

ルーラーのサーヴァントは、聖杯戦争の監視者であり、中立公平でなければならないが、どんなサーヴァントが呼ばれているのだろうか。

セイバーが中に入った隙に、俺はテント内部を覗き見、そして後悔する。

赤い髪の美しい女が、あられもない姿で、男の上に騎乗していた。

ふむ、宛らライダークラス、のようだ。

確かに、これは多分、見ちゃいけないんだろうな。

俺はそっと入口を閉め、外の爽やかな空気を吸い込んだ。

そして俺の知らぬところで、セイバーと女は会話をしている。

 

「汝は、何をしている?」

「何って、『ナニ』?」

「戯言は良い。汝がルーラーで間違いないな。」

「ええ。私がルーラーです。貴方はセイバーね。」

「そうだ。こんな陳腐な場所で行われる戦争で、裁定者が呼び出されるとはな。世界に歪みが出るほどのものなのか?」

「さぁてね。私はこの第二の生で気ままに現代を楽しむだけ。」

 

裁定者は願いを有さない者が選出される。

そして赤い髪の女は、日々を惰性のままに生きていた。

暴力とセックスに飢えるファムファタール。セイバーにとってみれば、至極どうでもいい存在に違いない。

 

「ディートリヒ、貴方も良ければ、ここで少し休んでいかないかしら?貴方なら歓迎よ。」

「我は女だが?」

「美しさと気高さに、男も女もありゃしないわよ。私、貴方になら全てを曝け出しても良いのかも。」

「ふむ、断る。我も女は好きだが、そこに転がっている『死肉』のようには成りたくないのでな。」

 

セイバーの視線の先、先程までルーラーと交わっていた男が寝ている。

その下半身に全身の血液が巡ってきているかのように、逞しささえ感じる。

だが彼女から見て、この男は半分死んでいる。

植物人間、というべきか。

文字通り、全てを搾り取られた後、のようだ。

高ランクの対魔力スキルを持ち合わせるセイバーからしても、ルーラーの『雌の香り』は異常だ。

人間であるならば、光源に吸い寄せられる蛾のように、彼女の胸元を目指して行くだろう。

サーヴァントも、もし異性であれば、容易に取り込まれたかもしれない。

生前から、この赤髪の女はどれだけの性を貪って来たのだろう。

計り知れない愛欲の蜜壺に、セイバーでさえむせてしまった。

 

「あらま、残念。」

「裁定者としての仕事を全うしろ。それが汝に与えられた使命だろう。それで、戦争はもう始まっているのだな。」

「ええ。貴方が最後のサーヴァントです。これより、戦いの火蓋は切って落とされる。」

「それが聞けたなら安心だ。悪いがさっさと勝たせてもらう。汝のお楽しみは、そう長くないだろうな。」

「えー、つまらないの。でも頑張ってね。サーヴァントだけが貴方達の敵では無いのだから。」

 

ルーラーは別れ際に意味深なことを告げた。

セイバーは気にする素振りも無く、テントを後にする。

俺は出てきた彼女に、洗いざらい確認した。

セイバーは心底うんざりした表情をしている。

ルーラーの女とは接触を控えた方がいい。そのニュアンスだけが確かに伝わった。

 

「では、これよりどこへ向かう?」

「そうだな。セイバーから見て、ここは危険か?」

「いや、そうでも無い。無論、気配遮断をした暗殺者には注意を払うべきであるが。」

「なら、せっかくだし一時間だけ滞在してみるか。この場所ならゆっくりできそうだ。」

 

俺は一度キャンピングカーへと戻り、各種フルーツを持ってきた。

そしてそれを川の上流付近に持っていき、一つずつ冷やす。

セイバーはその光景を不思議そうに眺めていた。

 

「車にも冷蔵機器が備わっていたと見受けられるが?」

「まぁな。でも、味わうだけじゃなく、見て楽しむ、ってのも醍醐味だ。みずみずしさが段違いだとは思わないか?」

「そうだな。悪くない。」

 

俺はバナナを一つ手に取り、口に含む。

やはり読み通り、車中で食したそれとは一味違うように思える。

あっという間に一本を食べ終えたが、セイバーはただその様子を眺めているだけだった。

 

「?食べないのか?」

「サーヴァントには不要なものだ。貴殿が平らげると良い。」

「いやいや、そんな寂しいこと言うなよ。こういうのは一緒に食べた方が、きっと、美味い。」

「そうか、そうさな。」

 

セイバーはおずおずとバナナへと手を伸ばし、小さな口でそれを齧った。

その姿は、恐ろしいサーヴァントとは到底思えない程、小動物みに溢れていた。

ゆっくりと咀嚼し、飲み込んでいく。

そして目を輝かせながら、次々と果実に手を伸ばしていく。

バナナも、ブドウも、マンゴーも、全てが彼女にとって初めて食べるもののようだった。

ディートリヒの時代にも果実はあると思うが……えらく新鮮な反応だな。

 

「どう?」

「ふむ、五感から得るデータも代えがたきものだ、と感じる。」

「生前食べたことないの?」

「…………」

 

押し黙ってしまった。

聞いちゃまずいことだっただろうか。

でも、財を尽くした王が、一つの果実も知らないなんてこと、あるだろうか?

俺はその疑問をとりあえず置いておき、着用していたトップスのポケットからボトルを取り出す。

黄金色に輝く神秘に、俺自身にやけが止まらない。

不審物として手荷物検査に引っかからなくて良かった、本当に。

 

「何だ、それは。」

「これは『メイプル』だ。ハチミツ。リンゴと相性がいいんだが、どれにかけても大体美味い。」

「ほう?」

 

セイバーは興味津々だった。

俺は彼女の手にある食べかけのスイーツに、適量振りかける。

そして自身のものには、零れ落ちる程の量を絞り出した。

 

「あ、狡いぞ。我にももっと寄越せ。」

「いや、あまりかけすぎると微妙だぞ。俺は、まぁ、何というか、舌が壊れているからな。」

「そういうものか。」

「そういうものなんだよ。」

 

セイバーはメイプルを零さないように、残った果実を丸々食べ干した。

そして目を大きく開き、その圧倒的甘さに驚愕していた。

サーヴァントは虫歯なんかとも無縁だろう。まぁ、俺もそうだが。

そんなことを思いながら、俺もしゃくしゃくと音を立てて食していく。

 

「どうだ?」

「ふむ、甘い。甘すぎると言っていい。だが、確かに適量だ。これぐらいならば美味だ。汝はかけすぎだな。」

「ごもっともで。」

 

俺たちは談笑しながら一時間あまりをテルジットにて過ごした。

密林地帯を抜け、ガンマの待つ車両へと戻る。

敵襲を警戒するが、どうやらこの地にはサーヴァントが誰もいないらしい。

まぁ、それもそうか。ルーラーが根城にしているからな。

 

「お帰りなさいませ、間桐様、そしてセイバー様。」

 

扉が自動で開かれ、ガンマが軽く会釈する。

セイバーは彼に返答することなく、先に乗り込み、足を組んだ。

 

「そういえば、ガンマはどこまで俺たちのサポートをしてくれるんだ?召喚して、陣地まで運んでくれたら終わりなのか?」

「それは間桐様次第かと。運転手が必要とあらば、今しばらくはお供させて頂きます。」

「甘えたいところだけど、俺たちの戦いに巻き込むわけにはいかないからなぁ。セイバーには騎乗スキルがあるだろ、それで運転とか、出来ない?」

「当然可能だが、我はやらん。」

「えぇ……」

 

俺はまだ、車両の運転は未経験だ。

ならば必然的に、ガンマに助けを乞う形となる。

それはいかがなものかと思うが。

 

「危険が伴うと思うけど、ガンマはいいのか?主催者の元へ帰るべきじゃないのか?」

「ふむ、もしや間桐様は、私が『人間』であるとお思いですか?」

「え、違うの?」

「ははは!そうでしたか!気付いておられませんでしたか!私は主人の手により生まれた、人間の姿を宿した『自動人形』でございます。割り当てられた職務と、想定される会話をシュミレートされただけの、マリオネットです。他のマスター達にも私と同じ形をした個体が送り込まれております。故に、お気になさらずとも結構でございます。」

「そ、そうだったのか……」

「気付いていなかったのか?」

「あ、あぁ、精巧すぎて……」

 

だからといって、じゃあお願いします、とは言い辛い。

俺も人間じゃない以上、似たようなものだ。

だが、セイバーは話に飽きたのか、窓の外を眺めている。

俺が運転して、事故を起こすよりは、ガンマに託す方がいいかもしれない。

 

「えっと、じゃあ、すみません、お願いします。」

「承知しました。貴方がたの美しき旅のお供をさせて頂きます。」

 

ガンマはそれが己の仕事とばかりに、誇らしい笑みを浮かべている。

なるべく、彼を守って戦うようにしよう、そうしよう。

俺はそう心に決めたのだった。

 

「ところで間桐様はどちらに陣地を構える予定でしょうか?お連れ致します。」

「え、あ、えっと、まだ決まってないや。」

「はぁ?」

 

セイバーは呆れている。

仕方ないじゃないか、モーリタニアなんて今まで聞いたことすら無かったんだから。

 

 

俺たちは一先ず、テルジットからシンゲッティの方角へと向かった。

道中、ガンマからシンゲッティの情報を与えられる。

十一世紀ごろに、イスラム貿易商の桃源郷として建設された集落で、今なお歴史的遺産が保存された場所である。

礼拝施設であるモスクなどもあるらしい。世界遺産に登録されていることを知った時には驚いた。

そんなオアシスで戦いが巻き起これば、この世界において俺とセイバーは汚点そのものになり兼ねない。

故に、留まるのはあくまで今日だけだ。そして明日の朝には北へと進み、ズエラットを目指す。

実は候補地として、ワダンも取り上げたのだが、セイバーが否定した。

ガンマも、口にはしないが、険しい表情を浮かべていた。

後に知ることだが、ワダンはこの戦争の立役者であるテスタクバルと、最強無慈悲の英霊『蛇王ザッハーク』が占拠していたのだった。

もしワダンの地に足を踏み入れようものなら、一日目にして残酷な殺し合いに発展していただろう。

 

「分からないけど、シンゲッティは大丈夫なのか?」

「それは不明だ。ワダンよりは幾ばくかマシだろう。」

「セイバーがそう言うなら、信じるよ。」

「シンゲッティまではもう二時間程かかります。間桐様は睡眠をとられた方がよろしいかと。」

「そう、だな。もう夜か。早いな。」

 

一日が、とても短く感じる。

外の景色はずっと砂漠なのに、俺にとっては全ての事柄が新鮮に感じられる。

なんだかんだで、このオフロードも居心地がいいしな。

食料にも、水分にも困っていない。これはガンマというか、主催者様様だろう。

俺は後部座席で横になろうとするが、ふと、セイバーの視線に気付いた。

彼女は俺をじっと見つめている。

 

「な、なに?」

「こうしてみると、貴殿は人間のように見える。」

「有難う……でいいのか。」

「作り物、とは思えない、綺麗な肌、そして綺麗な瞳だ。貴殿自らが用意したのか?」

「まぁ一応、そうだ。まず最初に『殻』を作って、俺が内部で縫合した。この皮膚や内臓は、人間を真似たものだ。でも炎に溶けたら、忽ち数百の虫が霧散するだろうな。まさに俺にとってみれば『虫の息』さ。」

「炎に溶けたら死ぬのは人間と変わりあるまい。」

 

俺にとって渾身のボケをつもりだったが、流されてしまった。

それはさておき、俺も彼女を見つめ返してみる。

白銀の髪に、赤色の眼、氷のように透き通る肌、奇跡と言っていい造形をしている。

俺が知るディートリヒとは真逆の姿をしていた。

彼女は本当にディートリヒ・フォン・ベルンなのだろうか。

まだその戦いを知らないが故に、俺は困惑する。

俺は彼女の完璧な美しさに、言葉を失っていた。

 

「美しい、そう感じているな?」

「え、えっと、うん。」

「良い。我は美の女神にも引けを取らん。地上あらゆる生物が我に見惚れ、我を崇める。そういうものさ。」

「そうか、そうだな、おう。」

 

俺は何故かどぎまぎしてしまう。

よく分からない感情だ。

確かに見惚れているが、あくまで美術館で目にする彫像のような美しさというか。

兎に角、一線を画した美に対して、俺はどう反応すればいいか分からない。

俺は人間になって、女の子と恋をしたい。そう考えているが、セイバーは全くもってその対象外だ。

まぁ俺がそう思う事さえも烏滸がましいことこの上ないのだけど。

 

「ガンマよ、この車両は天井の部分が簡易的な荷台になっているな?」

「はい。そうですね。間桐様は荷物が多くなかったので、トランクに収まりましたが。」

「今から彼と共に登る。構わないな?」

「ええ。勿論です。」

 

セイバーはガンマに了解を取ると、俺の手を引いた。

車両は道中でゆっくりと停止し、彼女は扉の外へと誘う。

そして簡易的な梯子を上った先、荷台に腰かけると、またゆっくりとオフロードは動き出した。

俺たちは振り落とされないスピードで、夜闇を突き進んでいく。

心なしか、先程よりヘッドライトの光量が抑えめになっている気がした。

 

「セイバー?」

 

俺は風に乗って飛んでくる砂を防ぐ為、顔に布を巻き、サングラスをかけた。

だが、セイバーは俺のかけたサングラスを取り払う。

 

「ちょ、何で?」

「そんなものを身に付けたら、登った意味があるまい?」

 

セイバーはそう言い、空の方を指さした。

俺は彼女の動きに合わせて、上を向く。

そして、彼女が俺の手を引いた理由をようやく理解した。

 

拡がっていたのは、余りにも美しい、満天の星空だ。

 

「すげ」

 

俺は心の声が漏れ出ていたように思える。

でも、それだけ、凄かった。素晴らしかった。

冬木でも同じ空を見上げていた筈なのに、こんなにも、違うものなのか。

 

「ビルなどの遮蔽物も、人工的な光の海も、ここには存在しない。砂の世界にある宝は、きっとこれだろう。」

「宝、か。セイバーの時代にもあったのか?」

 

俺が生きている現代よりもはるか昔の物語。

きっとこの星空より、もっと、もっと美しいものがそこに在った筈だ。

俺はそう思った。

だから彼女の返答には驚きを隠せなかった。

 

「我は星空を見たことが無い。」

 

そんなはずは、という言葉を押し留める。

そして彼女の口から何かが語られるのを待った。

ディートリヒとは、何者なんだろう。

何者であっても、俺ならば受け入れることが出来そうだ。

彼女は長い沈黙の末、口を開いた。

 

「かつて、文明を滅ぼす存在が、現れた。大昔の話だ。白き巨人『セファール』。彼は、否、彼女は、先史文明や、神々を滅ぼした。最期には、とある聖剣使いの放つ一撃に倒れたがな。どうやらセファールはこのサハラで死んだようだ。アルジェリアの方にはなるが、巨人を模した壁画も残されているのだぞ。」

「うん。」

「今では伝説と言われるアトランティス大陸の人間たちは、滅びゆくその前に、セファールを殺すためのプランを創造していた。それが凍結機体『ディートリヒ・フォン・ベルン』、つまり我だ。」

「え?」

「結局、別の聖剣使いが巨人を倒してしまったものだから、我は我としての人生を歩む前に、再び凍結された。そして我への弔いとして、彼らは『シズレクのサガ』という物語に乗せて、我を語り継いだ。巨人エッケのモデルは、きっとセファールだったろう。」

 

ドイツの叙事詩として残された物語に、そのようなルーツがあったとは、知らなかった。

だが、ここで俺は首を傾げる。

もしディートリヒが呼び出されるとしたら、それは語り継がれた大王としてのディートリヒである筈だ。

今のセイバーは忘れ去られた凍結機体、なのだとしたら、英霊の座に登録されている筈が無い。

彼女は『何もしていない』のだから。

だが、セイバーは俺の疑問を理解しつつも、解答を出すことはしなかった。

彼女もそれを不思議に思っているらしい。

ディートリヒとしてのドラマティックな人生は、記憶に存在するものの、他人事であるように思える。

そして自身がセファール打倒のネクストプランであることもまた、知っていたのだ。

二人の人間の人生を内包した、特異な英霊。

俺はかける言葉も見つからず、茫然と空を眺めていた。

 

「我は、多くの剣を持つ。」

「うん。」

「友であるアルテラの剣、勝利の聖剣、失墜の魔剣、何本も、何本も、輝く刃を持ち合わせている。」

「戦況に応じて変えられそうだな。」

「あぁ。だが、エッケザックスは、どうだろう。持っているし、使えもする、でも、巨人を屠る大剣を、我は満足に振るうことが出来るだろうか。我はそれで、幾人も斬ったことが無いというのに。」

 

セイバーは寂しげな顔をしていた。

啖呵を切って現れた大英雄の素顔は、酷く落ち着いた、物悲しさすら感じるものだった。

俺はそんな彼女に追い打ちをかけるかのような質問を投げかける。

聞いておかねば、ならないと思った。

 

「セイバーは、生まれてきて、良かったか?────そう、思うか?」

 

俺は真剣な表情をしていたと思う。

いつの間にか星々から目を外し、セイバーを捉えていた。

彼女は一瞬、目を丸くする。

俺が変なことを聞いたせいか。それとも、サーヴァントに対して偉そうだったか。

だが、彼女は予想に反し、柔らかな笑みを浮かべた。

 

「我は生まれていない。だから、良かったかどうかは、この旅の先で決まるだろうな。」

 

彼女はそれ以上、言葉を発しなかった。

俺も再び、この星空を眺めてみる。

確かに、サングラスをするのは勿体ない。

この戦争の果てで、命を落とすことになったら、その時、この星空を思い出すだろう。

どれがどの星で、やれ星座だ何だ、判別はつかないけれど。

ただただ、美しい、それだけが、虫である俺にも理解できた。

理解できたことが嬉しかった。

 

「綺麗だな。」

「あぁ。我と同程度には美しいと言えよう。」

 

それはきっと、彼女なりの、最大限の誉め言葉だ。

 

 

車に揺られること一時間。

俺はすっかり車体の固さに慣れ、眠りこけていたらしい。

セイバーに頬を叩かれ、覚醒する。

 

「あ痛っ!」

「起きろ。敵襲だ。」

「……何?」

 

俺は眼を擦るまでも無く、即座に起き上がり、セイバーの瞳の先を追った。

彼女は俺の肩に手を置き、屈ませる。

 

「聞こえるか、ガンマよ、一度停車しろ。敵の位置を図りたい。」

「承知しました。」

 

よく車の中から聞こえるな、と感心する。

だが、この遮蔽物の無い砂漠の真ん中ならば、敵の位置も容易く分かりそうなものだが。

実際、俺の視界に映る景色は、先程と何ら変化が無かった。

 

「セイバー?」

「静かにしていろ。我の傍から一歩も離れるな。」

「わ、分かった。」

 

セイバーは一体、何を見ているんだ。

俺もガンマも理解できない。

アサシンの気配遮断による攻撃?

俺はそんなことを能天気に考えていた。

 

「お二人とも、大丈夫でしょうか?」

 

ガンマは車の外に出、俺たちを気遣う。

一度外した梯子を、再度設置してくれるらしい。

敵が暗殺者ならば、俺やガンマは車中に潜んだ方が安全だろう。

そしてガンマがオフロードの後方へと向かう。

 

その時だった。

 

「え?」

 

一秒も無かった。

ほんのわずかなその瞬間に、俺たちを『風』が吹きつけた。

砂漠の風は、目鼻や喉を潰す。俺も当然、それは理解している。

だから俺は軽く目を閉じた。

そしてそんな俺を、何かが柔らかく包み込んだ。

次の瞬間には、風は止み、俺は瞬きを繰り返していた。

 

「あ、えっと」

 

俺を包み込んでいたのは、セイバーの豊満な胸部だった。

俺は恥ずかしくなり、彼女から距離を取る。

だがセイバーはそんな俺に見向きもせず、彼方を見つめ続けていた。

女性の温かみに触れるのは、母親以外で初めてだ。

緊急事態、ながら、どこか役得感を抱いている。

頬が赤らんでいる気がするので、両手で顔を揉み解した。

 

「マスター、先に謝っておく。」

「な、なにが?」

 

セイバーは星空を眺めていたときから一転して、神妙な顔つきだった。

淡々と、ありのままの事実を告げる。

 

「我としたことが、少々油断していた。貴殿は無論、保護したが、『ガンマは救えなかった』。」

 

え?

 

俺は彼女の発言の意味が理解できなかった。

ほんの少しの風が、通り抜けただけだろう?

ガンマは今、梯子を取り付けてくれている、その筈だ。

そう思い、俺は恐る恐る車の下へ視線を向けた。

 

「…………え……………………?」

 

オフロード車のすぐ隣。

ガンマ『だったもの』が、遺されていた。

顔の判別がつかない程に、全身が焼き尽くされ、黒い灰の塊と化している。

これは、冗談などでは無い。

さっきまで、俺たちと旅をしていた一人の男が、呆気なく命を落としたのだ。

 

「なん……で…………?」

 

俺は愕然とし、その場で項垂れた。

訳が分からない。

死んだ?

死んだって?

なんで、死んだ?

さっきまで、そこにいたじゃないか!

どうして死んだ?

俺に、サハラのうんちく話を教えてくれたガンマは、もうこの世には存在しないのだ。

その事実が、俺の呼吸を激しく乱す。

 

「は…………はぁっ……………あぁ……………っ…………」

 

目と鼻から液体が零れ落ちる。

これは悲しさに依るものか、それとも、恐怖か?

『死』があまりにも近くにある。そのことが、怖くて仕方が無い。

俺は嗚咽しながら、ほんの数日前のことを思い出す。

 

間桐家の蟲蔵。

俺が右足で蹴飛ばした亜弥の声が、何故か今、響いて来る。

あの時は、只の羽音にしか聞こえなかったのに。

 

『助けて』

『ごめんなさい』

『助けて』

『助けて』『助けて』『助けて』

 

亜弥が解体される音。

俺が、自身のお遊びで作り出した人形。

ただ虫だったものが、元の虫に戻っただけ。

桜の怒りの意味が、理解できなかった。

 

本当に、そうか?

もしかして俺は、とんでもないことをしてしまったのでは無いか?

亜弥は、間違いなく、生きていた。

罪なき命を奪う欠陥品、だとしても、俺の恋人になるべく、懸命に生きていた。

あの伸ばした手の意味。

俺は、それを理解していたか?

 

俺はついには、その場で嘔吐してしまう。

テルジットで行った食事、それらは全て体外へと排出される。

分からない、何故気分が悪いのか。

分からない、何故心が折れそうになっているのか。

 

「セイ…………バー」

 

俺は彼女の傍に駆け寄った。

いま俺にとって、この地球上で一番安全な場所。

俺は救いを求めるべく、彼女の衣服を摘まんだ。

だが俺の手は、彼女にはたき落される。

 

「傍に居ろ、と言ったが、触って良いとは一言も言っていない。」

「あ、……ごめん。」

「汝、泣いているのか。そろそろサングラスで目を覆った方が良さそうだな。その嘆きや悲しみは戦いに不要なものだ。」

「っ……」

「マスター、汝がいま立っているのは戦場だ。一秒後には命を落としているやもしれぬ場所。覚悟し、集中しろ。サーヴァントのバックアップが、マスターの務めであろう。」

「…………あぁ、悪かった。」

 

そうだ。

俺はモーリタニアに観光しに来た訳じゃない。

戦争で、勝ち残り、人間になる為にはるばるやって来たのだ。

どこか呆けていた自分がいた。情けないにも程がある。

命のやり取りというものを、理解できていなかったのだ。

 

「セイバー、敵は、誰なんだ……?」

「判別は不能だ。サーヴァントの攻撃に依るものか、それとも……」

 

セイバーは黄金の柄を取り出した。

そして彼女がそれを振るうと、瞬く間に剣先が伸びてくる。

鋼の煌びやかな聖剣。その研ぎ澄まされた切先に目を奪われる。

 

「かつて我が戦った……とされる、竜殺しの英雄、その失墜剣だ。」

「バルムンクか?」

「よく知っているじゃないか。我の個人的な感情として、これは扱いやすい。」

 

彼女はグリップを握り締め、剣を前に突き出した。

そして実体すら掴めない敵に足して、堂々と、自らの名を名乗った。

 

「我が名はディートリヒ・フォン・ベルン!セイバーのクラスを以て現界した、王の中の王だ!姑息な攻撃を辞めろ。誇り高き戦士ならば、姿を見せ、その名を我に名乗るがいい!」

 

こと聖杯戦争において、自らの真名を告知するのは自殺行為だ。

いかに完璧な英霊でも、弱点はある。

彼女も名を明かすことによって、大きなリスクを負うかもしれない。

そして、敵が彼女の声に応え、名乗りを上げる筈が無い。

 

でも、俺には彼女の堂々たる佇まいが、カッコよく思えた。

過去の英雄。生まれることさえ許されなかった凍結機体。

たとえ空想の物語だとしても、セイバーはそれを武勇として語り、その役割を全うする。

サーヴァントは、魔術師の使い魔に過ぎない、と誰かが言うだろう。

でも、本当にそうだろうか。

俺には彼女が、俺の進む道の先に佇む導に思えてならない。

 

「どうした!我が名に恐怖し、声も出ないか!」

 

セイバーの咆哮は、夜の砂風に掻き消えた。

まぁ、当然だ。暗殺者のクラスの不意打ちならば、今頃は撤退しているだろう。

俺はそう、思っていた。

だからこそ、俺は驚愕する。

キャンピングカーの数メートル先で、砂嵐が巻き起こり、そして。

 

「誰だ…………?」

 

何者かが、姿を現したのだから。

 

俺は対象の特徴を捉え、脳内データベースと照合する。

敵は、男、のように見える。

黒い髪に、茶色く焼けた肌、そして胸元から首筋にかけて描かれたタトゥー。

身長は百八十あまり、筋肉は程よくついているが、細身だ。

モーリタニアでよく見かけた『ブーブ』に酷似した衣装を纏っている。

静脈血のごとき黒ずんだ赤色の眼で、セイバーをギロリと睨みつけていた。

武器は所持しておらず、互いの手指の関節を鳴らしていた。

外見から判断できる情報は少ない。

 

「サーヴァント、だよな。」

「あぁ、そのようだ。」

 

セイバーもまた、男を睨み返す。

数秒間それが続いたうちに、男は両手を挙げ、豪快に笑いだした。

 

「アハハハハハ!お前、目力強すぎ!降参だよ!」

 

男はそのまま両手を後頭部に回し、不敵な笑みを浮かべる。

こいつが、ガンマを殺害したのか?

一秒にも満たない間に、彼の身体を焼き尽くした。

俄かには信じ難い事象だ。それがサーヴァントの力なのだろう。

 

「名乗る名は、持ち合わせているか?」

 

セイバーの問いに、男は頬を掻いた。

そして気まずそうに眉を顰め、口角を上げる。

 

「お前達に、俺はどう映る?男か、女か、若者か、老人か。」

「若い男だ。道化師の類にも見える。」

「なるほど!ピエロか!そりゃあ良い!気まぐれな風にはピッタリだ!」

 

男は不気味にも喜びを露わにした。

質問の意図が俺にはさっぱりだ。

セイバーは何か察しているのだろうか。

男はひとしきり笑った後、冷徹な表情に様変わりする。

人を殺す眼光、俺は心臓を撃ち抜かれたように錯覚した。

 

「俺はお前達の思うキャラクターでは無い。お前達の罪が導いた、この世界の自浄作用だ。」

「罪?自浄作用?」

「英霊、神霊、幻霊、精霊、俺はきっとどれでも無い。しいて言うならば『生霊』だ。俺は今も、このサハラで生きている。」

 

男は、今度は両手を大きく広げ、天に唾をかける勢いで嗤い始める。

一体、どういうことだ。

サーヴァントでは無いのか?

聖杯戦争にはイレギュラーがつきものだと言われている。

だが、最初に出会う敵が、サーヴァントですらない、何か、なのか。

サハラに今なお生きる霊魂。それが男の姿で現れた。

 

「成程、汝のことが理解できたかもしれない。」

「お、そうか?美しい女に見透かされるのは嫌いじゃないぜ。」

 

セイバーは車から飛び降り、そして、男を切り裂いた。

血液は飛び散らない。

男だった筈のものが、砂になって崩れ落ちる。

そして彼女の右方向数メートル先に、その肉体が再構築された。

死なないのか、こいつは……

 

「やはりな、貴様は実体が無い。只の『風』だ。」

「風?」

「おいおい、只の風がヒトを殺せるものかよ?」

「あぁ、只の風、ならばな。サハラには、大昔から原住民たちの命を奪ってきた自然現象がある。温度は五十度を超え、湿度は十パーセントを切る、突発的な殺人竜巻。それがこの戦争の所為で、何らかの形で実態を持ち、より凶悪に変貌を遂げた。」

 

俺はセイバーの言葉に、やっと理解が追い付いた。

ここまで言われれば、その正体は分かる。

モーリタニアに来る前も、来た後も、その話を調べていたし、聞かされていた。

 

「突発的殺人熱風、まさか『シムーン』か!?」

 

轟音と共に巻き起こり、飲み込んだ生物を窒息させ、殺し尽くす。

ヘロドトスが「赤い風」と称したことで認知された。

だが、有り得ない。ガンマはその肉体から何からを炎で燃やし尽くされたのだ。

シムーンにはそれ程の火力は無い。

そもそも熱砂であっても、焔では無いのだ。

 

「アトランティスの膨大なマナが、今このサハラの海を満たしてやがる。水夫たちは俺を『血の海』と称したが、文字通りの意味になりつつある。」

「アトランティスの魔力って……」

 

俺のまだ知らない事実。

戦争の立役者、テスタクバルはサハラの目を開き、沈んだアトランティス大陸へと接続した。

それによって現代へと噴き出した神話級のマナが、サハラ砂漠へと飛散。

そして、自然災害シムーンに、意思と身体を与え、簡易的な英霊召喚、否、生霊転生を果たしたのだ。

この個体はサーヴァントと同じように、クラスと、ステータスを与えられる。

当然ながら、シムーンもまた、セイバーたちと同様に、宝具を有する。

後に判明することだが、シムーンに与えられたクラスは『災害(ディザスター)』。

開発都市オアシスに至る六騎のサンプルケースとなった、この地における原初の災害である。

 

「さて、話はそこそこに、いざ一対一の決闘と行こうや。お前がそれを望んでいたんだろう?」

 

シムーンは一丁前にファイティングポーズを取ってみせた。

そしてセイバーも剣を構える。

意外な形でスタートした、サハラの聖杯戦争。

俺はただ、彼らの戦いを茫然と眺めることしか出来なかった。

 

【深層編③『巧一朗Ⅲ』 おわり】

 

 

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