白騎士物語 覚醒する魂の物語   作:神無 龍希

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今回はバトルがない代わりにシズナの回帰イベントを一気に進めたよ


復活の白騎士3

 

 

                  ◇クライマックス1◇

 

 

 シャブールが撤退した後でシズナは泣きそうな笑顔でヴァルドス王に抱きついた

 

 (シズナ)

 「お父様、無事で…、ご無事でよかった」

 

 一年前の襲撃では父親を守ることが出来ないどころか守られるしかない無力な存在だった上に死に別れてウィザードに攫われてしまったシズナである

 

 それに襲撃前は襲撃よりも10年前の戦争で母親が死んだことが原因で心が深く傷ついて言葉を無くしヴァルドス王の死が確定したところを目の当りにしてショック療法で言葉を取り戻したという経緯がある

 

 つまりはシズナは父親とゆっくり話す機会がなかったことになる

 

 シズナは11年という時間を埋めるように今まで話せなかったことを涙混じりに抱きついたまま色々と話していた

 

 

 この場にいるのは回帰の書を使ったレティシアとエルドアとカーラ、そしてシズナとヴァルドス王である

 

 その二人の想いの重さとか深さとかを理解出来ないほど鈍いわけでもないし空気が読めないほどKYでもない

 

 シズナが満足するまで二人が話しているのを微笑ましく見守っているだけだった

 

 

 しばらくしてようやくシズナが納得いくまでお話しすることが出来たのかヴァルドス王からそっと離れた

 

 

 それを確認してからエルドアが一歩ヴァルドス王の方へ進み出て臣下の礼をとって発言する

 

 (エルドア)

 「無粋な発言をお許しください、しかしながらこの世界は、今という一時は夢のようなもの、そして今でなくては出来ないことがございます」

 

 (ヴァルドス)

 「そうか、そうであろうな、私はあの時に死んでいたはずなのだからな」

 

 (エルドア)

 「はっ、そして今という時だからこそ代々伝わる証を姫様に継承していただきたい、がその前に白騎士について知っていることがあれば教えていただきたい」

 

 (レティシア)

 「代々伝わる証も一万年前の予言とか白騎士とかと関わりが深いしの」

 

 (ヴァルドス)

 「あの白騎士がいつからあるかは知らぬが最古の記録まで遡っても既に封印されている状態で宝物庫にあったとしか伝わっておらぬ」

 

 (エルドア)

 「そうか…(レティシア達がかけた封印が解かれたことはなかったようだな)」

 

 (ヴァルドス)

 「だが”宝物庫”に”封印”されている”未知なる存在”というのはそれだけで徹底的に調べる理由になる」

 

 (ヴァルドス)

 「それに17年前の大異変で出てきた遺跡の調査には我が国も参加していたからのう」

 

 (カーラ)

 「もしやそれで?」

 

 (ヴァルドス)

 「ああ、ドグマホールで出てきた資料と合わせて調べてみたところ冷凍睡眠で眠っておった赤子達が契約者であることがわかったのだ」

 

 (ヴァルドス)

 「古代史などの研究によって騎士とか契約者のことはわかっていたのでミディアスの『契約者を一か所に纏めない方がいい』という意見に異論は出なかったな」

 

 (エルドア)

 「それにしては白騎士と契約者の二人はバランドールとパーム村という近い場所に固まっていたようだが」

 

 (ヴァルドス)

 「信用第一で探していたからな、それはしょうがない」

 

 (ヴァルドス)

 「それと封印されていた白騎士は様々な方法で研究してみたが情報になるようなことは何も出てこなかったな、だから私の知る情報はこれで全てだ」

 

 (レティシア)

 「そうか…、ならシズナ姫に証を譲渡してもらえぬか、彼女はこの夢から覚めた後で汝の残したバランドールを支えてゆかねばならぬからの」

 

 (ヴァルドス)

 「ああ、わかっている、シズナよこっちへいらっしゃい」

 

 (シズナ)

 「はい」

 

 

 ヴァルドス王はシズナの目の前で両手を翳すとそこら光が集まり光の中から一つの紋章が現れた

 

 (ヴァルドス)

 「受け取るが良い、これが代々バランドール家に受け継がれてきた『草原の王の証』だ」

 

 (シズナ)

 「お父様、『賢者の王の証』確かにこの手に」

 

 シズナが証を受け取ると世界が歪みはじめて回帰の終了を知らせる

 

 気がついた時には城の謁見の間にいた

 

 

 (エルドア)

 「戻ってきたのか」

 

 カーラが何かに気づいて声を上げる

 

 (カーラ)

 「シズナ女王はどうした」

 

 (レティシア)

 「あれを見ろ」

 

 レティシアが指さした先では回帰の書が起動状態のまま宙に浮かんでいた

 

 (レティシア)

 「おそらくシズナ女王にはまだやるべきことがあるのであろう」

 

 (カーラ)

 「ならどうする」

 

 (レティシア)

 「少しでも犠牲を減らすために戦場へ向かうのが良かろう」

 

 (カーラ)

 「だが回帰の書とシズナ女王をこのままにするわけにも」

 

 (レティシア)

 「そうだったな、ならどうするか」

 

 (???)

 「シズナ様が戻るまで私が見ておきましょう」

 

 皆が声のした方へ振り向くとそこにはフォーリアの正装に身を包んだ数人の人達がいた

 

 その中から声をかけてきたのは大公の地位を継いだミウであった

 

 (カーラ)

 「ミウ様」

 

 (エルドア)

 「遠路はるばるお越しいただけたことは心から喜ばしく思いますが今は時間がない故お構いすることも出来ずに申し訳なく思っております」

 

 (ミウ)

 「いえ、同盟として参戦するために来たのですからしばらくはここにいることになります」

 

 (ミウ)

 「お互い積もる話はあるでしょうがそれは後にいたしましょう、回帰の書のことは私に任せてやるべきと思ったことをなさってください」

 

 (レティシア)

 「それではシズナ様へのご説明はよろしくお願いします」

 

 レティシア達は転移の魔法で主戦場になりそうなクレイドール平原の西の孤島へ転移した

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