ここから本格的に動き出します(前話とかどう考えても不要だろっていうツッコミはNG)
ー兄妹は帰路についた。
「・・」
「・・」
さっきから魔理沙は無言だ。俺も特に話すようなことはないから、黙って歩いている。日が沈みかけていた。
「・・なぁ、兄貴。」
「なんだ?」
魔理沙が突然口を開く。
「入学式の時さ、兄貴、ずっと妖夢さんと喋ってたじゃん。」
「あぁ。」
「なんの話をしてた?」
「何って、特に何も。お前のことと、俺の知り合いのことだけ。」
「知り合い?あぁ、同級生の?」
「うん。文が偶然居合わせたから紹介した。またネタを探してた。」
「あの人凄いよなぁ。ずっとネタ探ししてるんだから。その点兄貴は・・」
「俺は何もしてない、と?」
「いや、そうじゃないけどさ。文さんは・・趣味を仕事にって訳じゃないけど、楽しんで生きてる気がする。でも兄貴は違うだろ?」
「まぁな。趣味は趣味だ。魔理沙もだがな。」
「それに、にとりさんだっけ?ずっと機械をいじってる人。あの人もそうだろ。」
「あいつは家がそういう店だから、そうなるのも分かる。将来は家を継ぐって前から言ってるしな。」
「じゃ、兄貴は?」
「俺?俺はまだ決めてない。楽なことだけやって生きていければ一番いいんだけど、そうはいかないから。何かしらの仕事には就かないと。」
しばらく二人とも沈黙した。
「・・妖夢さんのこと、どう思ってるんだ?」
「え?誰だって?」
「妖夢さん。」
「どうって・・幼なじみだし、仲良くやっていきたいさ。」
「そうじゃなくて。妖夢さんが好きか嫌いか。」
「好きに決まってる。友達として。」
「友達として?」
「あぁ。だって、まだ付き合ってないし。」
「じゃあ可能性はあるんだ。」
「もちろん可能性はある。」
「ふーん・・妖夢さんはたぶん、兄貴に告白されるのを待ってると思うけど。」
「なんで?」
「見てれば分かる。」
「そう。でも俺は告白する気にはならないな。」
「え、なんで?」
「妖夢は俺よりピッタリの人がいるだろ。」
「そんなの理由にならないだろ。」
「どうだか。それより、魔理沙はどうなんだよ。」
「兄貴はバカか?入学式で彼氏見つけろっての?」
「そりゃそうだ。さっさと俺から離れろ。」
「嫌だね。男と付き合う気はない。」
「そうか。俺は知らんぞ。」
「どうぞご自由に。」
その後は、俺も魔理沙も黙った。
家に入ってしばらくしてからも無言のままだ。先に口を開いたのは俺だった。
「飯は手っ取り早いやつな。」
「あぁ。荷物置いてくる。」
「俺のも持ってけ。部屋入った所置いとけばいいから。」
「はいよ。」
「俺明日は昼からバイトだから。」
「はいはい、いつもの奴ね。始業式だから早く終わるし、また霊夢ん家でも行くわ。」
「分かった。」
ー夕食後。
「魔理沙、本は返したの?」
「本ってどの本だよ?」
「全部だよ!借りた本全部!」
「あー・・たぶん二冊くらいは返したかな。」
「二冊って・・しかもお前去年の春休み前に友達に借りた本、何冊かそのままだろ。早く返せよ。」
「面倒なんだよ。怒られるし。」
「返さないお前が悪い。」
「中学でも同じことやったら飯抜き。」
「カップラーメンあるからいいけど。」
「じゃあカップラーメンは金庫に入れる。」
「じゃあなんかお菓子でも食べる。」
「じゃあ買ってこない。」
「私一人で買うからいいですよ~だ。」
「相変わらず口が減らないな。」
「そりゃどうも。」
「褒めてねぇ。とにかく、さっさと本を返せ。友達いなくなるぞ。」
「霊夢達に借りた本は返してる。」
「そういう問題じゃない。」
「んじゃあ、本渡すから、返してきてくれよ。家知ってるだろ?」
「アホか。なんで俺が行く必要があるの?お前の問題だろ。」
「わぁーったよ。返す、返します。」
「明日で全部返してこい。」
「はーい。じゃ風呂入ってくる。」
「あまり長く入るなよ。お前は長風呂だから。」
「兄貴の方が長いだろ。何だよ、出るのが40分くらい経ってからって。」
「俺は後だからいいんだよ。」
「じゃあ兄貴が先に入れ。」
「風呂掃除するならいいぞ。」
「あ、やっぱパス。」
そう言うと、魔理沙は部屋を出た。
「全く、もう中学生なのに・・あいつは掃除くらい自分からやるようにならないのかな・・」
俺はそう呟いたのだった。
年内にもう一話上げる予定です。いや上げたい。上げます(多分)。