俺と男勝りの妹と幼なじみと   作:石ころ革命

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記念すべき第十話です。
ここから本格的に動き出します(前話とかどう考えても不要だろっていうツッコミはNG)


第十話 入学したからには

ー兄妹は帰路についた。

 

「・・」

「・・」

 

さっきから魔理沙は無言だ。俺も特に話すようなことはないから、黙って歩いている。日が沈みかけていた。

 

「・・なぁ、兄貴。」

「なんだ?」

 

魔理沙が突然口を開く。

 

「入学式の時さ、兄貴、ずっと妖夢さんと喋ってたじゃん。」

「あぁ。」

「なんの話をしてた?」

「何って、特に何も。お前のことと、俺の知り合いのことだけ。」

「知り合い?あぁ、同級生の?」

「うん。文が偶然居合わせたから紹介した。またネタを探してた。」

「あの人凄いよなぁ。ずっとネタ探ししてるんだから。その点兄貴は・・」

「俺は何もしてない、と?」

「いや、そうじゃないけどさ。文さんは・・趣味を仕事にって訳じゃないけど、楽しんで生きてる気がする。でも兄貴は違うだろ?」

「まぁな。趣味は趣味だ。魔理沙もだがな。」

「それに、にとりさんだっけ?ずっと機械をいじってる人。あの人もそうだろ。」

「あいつは家がそういう店だから、そうなるのも分かる。将来は家を継ぐって前から言ってるしな。」

「じゃ、兄貴は?」

「俺?俺はまだ決めてない。楽なことだけやって生きていければ一番いいんだけど、そうはいかないから。何かしらの仕事には就かないと。」

 

しばらく二人とも沈黙した。

 

「・・妖夢さんのこと、どう思ってるんだ?」

「え?誰だって?」

「妖夢さん。」

「どうって・・幼なじみだし、仲良くやっていきたいさ。」

「そうじゃなくて。妖夢さんが好きか嫌いか。」

「好きに決まってる。友達として。」

友達として?

「あぁ。だって、まだ付き合ってないし。」

「じゃあ可能性はあるんだ。」

「もちろん可能性はある。」

「ふーん・・妖夢さんはたぶん、兄貴に告白されるのを待ってると思うけど。」

「なんで?」

「見てれば分かる。」

「そう。でも俺は告白する気にはならないな。」

「え、なんで?」

「妖夢は俺よりピッタリの人がいるだろ。」

「そんなの理由にならないだろ。」

「どうだか。それより、魔理沙はどうなんだよ。」

「兄貴はバカか?入学式で彼氏見つけろっての?」

「そりゃそうだ。さっさと俺から離れろ。」

「嫌だね。男と付き合う気はない。」

「そうか。俺は知らんぞ。」

「どうぞご自由に。」

 

その後は、俺も魔理沙も黙った。

家に入ってしばらくしてからも無言のままだ。先に口を開いたのは俺だった。

 

「飯は手っ取り早いやつな。」

「あぁ。荷物置いてくる。」

「俺のも持ってけ。部屋入った所置いとけばいいから。」

「はいよ。」

「俺明日は昼からバイトだから。」

「はいはい、いつもの奴ね。始業式だから早く終わるし、また霊夢ん家でも行くわ。」

「分かった。」

 

ー夕食後。

 

「魔理沙、本は返したの?」

「本ってどの本だよ?」

「全部だよ!借りた本全部!」

「あー・・たぶん二冊くらいは返したかな。」

「二冊って・・しかもお前去年の春休み前に友達に借りた本、何冊かそのままだろ。早く返せよ。」

「面倒なんだよ。怒られるし。」

「返さないお前が悪い。」

「中学でも同じことやったら飯抜き。」

「カップラーメンあるからいいけど。」

「じゃあカップラーメンは金庫に入れる。」

「じゃあなんかお菓子でも食べる。」

「じゃあ買ってこない。」

「私一人で買うからいいですよ~だ。」

「相変わらず口が減らないな。」

「そりゃどうも。」

「褒めてねぇ。とにかく、さっさと本を返せ。友達いなくなるぞ。」

「霊夢達に借りた本は返してる。」

「そういう問題じゃない。」

「んじゃあ、本渡すから、返してきてくれよ。家知ってるだろ?」

「アホか。なんで俺が行く必要があるの?お前の問題だろ。」

「わぁーったよ。返す、返します。」

「明日で全部返してこい。」

「はーい。じゃ風呂入ってくる。」

「あまり長く入るなよ。お前は長風呂だから。」

「兄貴の方が長いだろ。何だよ、出るのが40分くらい経ってからって。」

「俺は後だからいいんだよ。」

「じゃあ兄貴が先に入れ。」

「風呂掃除するならいいぞ。」

「あ、やっぱパス。」

 

そう言うと、魔理沙は部屋を出た。

 

「全く、もう中学生なのに・・あいつは掃除くらい自分からやるようにならないのかな・・」

 

俺はそう呟いたのだった。




年内にもう一話上げる予定です。いや上げたい。上げます(多分)。
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