俺と男勝りの妹と幼なじみと   作:石ころ革命

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大変お待たせしました・・今日は喫茶店に入る所からです。


第十三話 買い物

ー少年は喫茶店に入った。

 

「そういえばメアド聞いてなかったな・・仕方ない、後で聞いとこう。」

「ご注文は?」

「あー・・コーヒー1杯。ミルク入れて下さい。」

「かしこまりました。他に何かございますか?」

「いえ、大丈夫です。」

「はい、かしこまりました。しばらくお待ちください。」

「どうも。あと、あとで一人来ると思うので、よろしくお願いします。」

「はい。分かりました。」

 

コーヒーが出された頃、ドアベルが鳴る音がした。

 

「いらっしゃいませ~。」

「えっと、男の子来てませんか?私と同い年の。」

「そうですね・・一人来ていらっしゃいます。あの方です。」

「あっ、あの人です。ありがとうございます。」

「ごゆっくりどうぞ。」

 

聞きなれた声と、店員が会話する声が聞こえる。

 

「お待たせ。」

「やぁ。何飲む?」

「ううん、いい。」

「何か飲まないと失礼だよ。1杯だけ飲んだら?」

「うーん・・ならカフェオレ。」

「おっけー。すいません、カフェオレ下さい。」

「かしこまりました。」

「ごめんね、待ったよね?」

「そんなに。さっき来た所だから。」

「そっか。」

「メアド教えてくれる?聞くの忘れてたから。」

「いいよ。・・はい、これ。」

「ありがとう。こっちからメール送るわ。それ俺のだから。」

「うん。」

「お待たせしました。カフェオレになります。」

「ありがとうございます。」

「ごゆっくり。」

「バイトはどうだった?」

「本当は13時からなんだけど、店長に呼び出されて12時からになった。あ、悪い話じゃないよ。」

「大変だね。」

「そうでもないよ。サボりが二人いるけど。」

「二人も?」

「ちょくちょく抜け出してタバコ吸ってる先輩が二人。だからいつも働いてるのは俺と、もう一人の先輩。」

「その先輩は良い人なの?」

「あぁ。真面目だし、パスタを作るのは店で一番上手い。」

「健介君は何作ってるの?」

「サラダとかスープとか。たまにピザ。」

「パスタは作らないの?」

「店長や田中さんがいるから。やらないことはないんだけど、まだ二人には及ばないよ。」

「そうなんだ。」

「うん。あ、無理に飲まなくていいよ。」

 

俺は飲み終えたのを見て、妖夢は残りを一気に飲もうとしていた。

 

「でも、待たせちゃうし。」

「いいよそれくらい。先に会計してくる。」

「うん。分かった。」

 

 

「すいません、先に会計いいですか。あのテーブルです。」

「はい、コーヒーとカフェオレなので980円です。」

「1000円で。」

「どうもありがとうございます。スタンプカードはお持ちでしょうか。」

「あぁ、これですか?」

「ありがとうございます。5個たまりましたので、次回は1杯無料です。」

「どうも。」

 

「ごめんね、お待たせ。」

「じゃあ行こうか。」

「待ってよ、カフェオレの分払ってない。」

「いいから。ほら、行くよ。」

「ダメだって。あの、カフェオレいくらでしたか。」

「530円ですが。」

「530円ですね。えっと、500円玉と・・」

「?もうお支払いは済んでおりますが。」

「えっ?」

「・・ほら、行くよ。」

 

俺は顔が赤くなるのを感じつつ、妖夢の手を引いて店を出る。

 

「ありがとうございました。またどうぞ。」

 

「払ってくれたなら先に言ってよ。」

「・・恥ずかしいじゃん。」

「そっか。ごめんね。」

「早く行こう。あそこだろ?」

「うん。まず服を見ていい?4階なんだけど。」

「いいよ。・・って、おい。」

「どうかした?」

 

妖夢は俺に体を寄せ、手を握ってきた。

 

「人が見てるだろ。俺らはただの友達なんだから・・」

「いいでしょ?」

「良くない。」

 

また顔が赤くなるのを感じた。しかし、妖夢はやめようとしない。

振りほどこうとも思ったが、逆に妖夢を傷つけるかもしれない。結局、そのまま4階まで来てしまった。

 

「何買うの?」

「上の服。一着だけだけどね。」

「ここで買わなくても、近くのスーパーにあるけど。」

「ううん、ちょっといい服が買いたくて。」

「買うのは妖夢だからいいけど・・気になってるのはある?」

「あれかな。あの黒いの。」

「あれ?あれは男物だろ。こっちだ。」

「違うよ、私の服じゃなくて。お父さんに買うの。」

「お父さんに?」

「うん。だからついてきてもらってるの。健介君なら分かるかなって。」

「俺はお父さんじゃないんだが。そもそも妖夢が引っ越してから会ってないし。」

「でも男の子でしょ。普段着てるものをイメージしてくれればいいから。」

「でも年の差がありすぎるだろ。・・さっきのはちょっと大きいんじゃないかな。それに、こっちのズボンを合わせた方がいいよ。セットみたいだから。」

「そうすると高いね。ならこっちは?」

「これは派手すぎない?もっとこっちのやつとか・・」

 

妖夢は服選びが苦手なのか、それとも俺が拘りすぎているのか、中々決まらない。結局、好みの服を聞かれ、俺が選んだものを買うことになった。

 

「これ意味ないと思う。」

「いいの。買って来るから外で待ってて。」

「分かった。」

 

ー少女は服を持ち、レジへ向かう。




偶然にもピッタリ2000文字になってました。今までで一番長いですね。
次回はまた来週末です(もうこの言葉も信用なくなってるけれど)

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