俺と男勝りの妹と幼なじみと   作:石ころ革命

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はい、例のごとく遅くなりました。
週末までにもう一話出せるかな・・?


第十四話 タクシー

「買ってきたよ。」

「よし。他に何か買う物はある?」

「あとは身の回りの物を買いたいなって。」

「雑貨屋は2階だな。あと書店も2階。」

「下の階で助かったね。ここのデパートって6階まであるんでしょ?」

「あぁ。5階はゲーセンとか、子供用の服とか。あとはスポーツ用具。6階は高級品だったかな。」

「3階は?」

「3階はレストラン街と化粧品がメイン。」

「じゃあ行かなくていいね。口紅はもう持ってるから。」

「・・口紅なんか付けなくても、可愛いのに。」

「え?」

「いや、何でもない。行こう。」

 

聞かれなくて助かった。こんなこと、口に出すことは出来ても、聞かせるなんて出来ない。

 

「ほら、あの店。色々あるよ。」

「すごく大きいお店だね。」

「老舗だからね。40年くらいずっとやってるよ。」

「歴史がある店っていいなぁ。」

「文房具はあっちだけど、何買う?」

「文房具だけ。そんなに長くはならないけれど、着いてくる?」

「他の人の邪魔になるといけないから出てるよ。店の前にいる。」

「分かった。待っててね。」

 

 

 

「お待たせ~。これあげる。」

「キーホルダー?」

「私とお揃い。嫌だった?」

「まさか、そんなことない。嬉しい。」

「良かった。じゃあ、帰ろっか。」

「だな。」

「あ、服持つよ。」

「いいよ、自分で買ったんだから。」

「でも重いから。」

「いいって。」

「そう言うなよ。」

「じゃあ、今日だけね。」

「いや、それは本来俺の・・まぁいいか。ここまではどう来たの?」

「お母さんが送ってくれた。帰りは歩いて帰るよ。」

「歩くの?かなり遠いけど。」

「でも、お母さんは今から仕事だよ。」

「だからって歩かなくても。タクシー使おう。金は持ってきてるから。」

「いいよ、健介君はカフェでも払ってくれたじゃん。」

「もうすぐお金入るから大丈夫。どうせもらってもあまり使わないし。」

「そうだ、学校はどうしてるの?」

「助成金で。先生も分かってるからさ。」

「魔理沙ちゃんも?」

「あいつも助成金。だから学校で面倒を起こされると困る。あいつ、やんちゃだから。」

「大丈夫だよ、きっと。それで、タクシー乗る?払うけど。」

「俺が払うって。ほら、あれにしよう。」

 

ー二人は手近なタクシーに乗り込む。

 

「毎度ありがとうございます。どちらまで?」

「住宅街って言ったらわかりますか?」

「えぇ、よく行きますから。住宅街のどのあたりへ?」

「入口の近くの小さい駄菓子屋分かります?その辺で。」

「あぁ、あの店ね。小さい頃よく行きましたよ。」

「じゃぁ、この辺りの出身ですか。」

「えぇ、今もね。シートベルト締めましたか?出発しますよ。」

「はい、お願いします。」

 

ータクシーに揺られながら、健介は景色をぼんやりと眺めていた。妖夢は黙って座っている。

何か話そうかと思ったが、話すことがない。まだ学校が始まっていないから当たり前ではある。

その空気を感じ取ったか、運転手が話しかけてきた。

 

「お二人は高校生ですか?」

「はい、今年入りました。」

「私の娘も高1なんですよ。ひょっとして同じ学校かな。南高校ですが。」

「南?なら同じです。」

「あー、そうでしたか。」

 

俺が運転手の名前を見ると、そこに書かれていた名前は十六夜だった。

 

「あの、人違いだったらすみません。その娘さんって、以前は別の中学でしたか?」

「えぇ。2年の秋に引っ越してきました。もしかして同じ中学でしたか?」

 

間違いなかった。この人は、咲夜の父親だ。

 

「たぶん。僕の通っていた中学に、名字が十六夜で、転校生の、女子がいましたから。」

「それならば、同じ高校でしょう。もしそうなら、仲良くしてやって下さい。」

「はい。勿論です。」

「そちらの方は同じ学校でした?」

「あっ、いえ。この間、引っ越してきました。中学は別です。」

「おぉ、それなら幼馴染ですか?随分仲がいいようですね。」

「そうですか?」

「えぇ、仲良くくっついて出てきましたから。買い物ですか?」

「そんな所です。僕は付き添いですけど。ね、妖夢。」

「はい。ちょっと付き合ってもらったんです。」

「そうでしたか。にしても、よくお似合いですよ、お二人は。」

「そんなこと・・ないです。

 

文がハッパをかけた時のように、妖夢の顔が真っ赤になった。

 

「あまりいじめてもいけませんね。もうすぐ着きますよ。」

「どうも。妖夢、俺が出すから先に降りてて。」

「そこまで言うなら、よろしくね。」

 

「・・娘は銀髪で手先が器用です。当たりですか?」

 

支払いをしていると、突然尋ねられた。

 

「・・はい。僕の知っている”十六夜”は。」

「彼女の過去は?」

「・・いえ。」

「そうでしたか。分かりました。」

 

俺が降りようとすると、その運転手が俺のポケットにメモを入れてきた。

〈月曜日、4時にここで会いましょう。十六夜〉

 

「怪しいことではありませんから。」

 

彼はそう言うと、すぐに走り去った。

 

「何かあった?」

「・・いや、何も。」

 

俺は初めて妖夢に嘘をついた。

 

「もう暗いし、家まで送るよ。」

「いいよ、すぐそこだから。」

「春は犯罪者が多いっていうじゃん。」

「そうだね。・・よろしくお願いします。」

「うん。・・体、寄せたいんでしょ。」

「うん。」

「いいよ。」

「ありがとう。」

 

妖夢の言葉をよそに、俺は噓をついたことを悔やんでいた。




今休校中なので家にいますが、皆さんは体調は大丈夫でしょうか?
僕は中学から風邪を引いたことがないのですが、やはり一度風邪をひくと辛いものがありそうですね。
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