週末までにもう一話出せるかな・・?
「買ってきたよ。」
「よし。他に何か買う物はある?」
「あとは身の回りの物を買いたいなって。」
「雑貨屋は2階だな。あと書店も2階。」
「下の階で助かったね。ここのデパートって6階まであるんでしょ?」
「あぁ。5階はゲーセンとか、子供用の服とか。あとはスポーツ用具。6階は高級品だったかな。」
「3階は?」
「3階はレストラン街と化粧品がメイン。」
「じゃあ行かなくていいね。口紅はもう持ってるから。」
「・・口紅なんか付けなくても、可愛いのに。」
「え?」
「いや、何でもない。行こう。」
聞かれなくて助かった。こんなこと、口に出すことは出来ても、聞かせるなんて出来ない。
「ほら、あの店。色々あるよ。」
「すごく大きいお店だね。」
「老舗だからね。40年くらいずっとやってるよ。」
「歴史がある店っていいなぁ。」
「文房具はあっちだけど、何買う?」
「文房具だけ。そんなに長くはならないけれど、着いてくる?」
「他の人の邪魔になるといけないから出てるよ。店の前にいる。」
「分かった。待っててね。」
「お待たせ~。これあげる。」
「キーホルダー?」
「私とお揃い。嫌だった?」
「まさか、そんなことない。嬉しい。」
「良かった。じゃあ、帰ろっか。」
「だな。」
「あ、服持つよ。」
「いいよ、自分で買ったんだから。」
「でも重いから。」
「いいって。」
「そう言うなよ。」
「じゃあ、今日だけね。」
「いや、それは本来俺の・・まぁいいか。ここまではどう来たの?」
「お母さんが送ってくれた。帰りは歩いて帰るよ。」
「歩くの?かなり遠いけど。」
「でも、お母さんは今から仕事だよ。」
「だからって歩かなくても。タクシー使おう。金は持ってきてるから。」
「いいよ、健介君はカフェでも払ってくれたじゃん。」
「もうすぐお金入るから大丈夫。どうせもらってもあまり使わないし。」
「そうだ、学校はどうしてるの?」
「助成金で。先生も分かってるからさ。」
「魔理沙ちゃんも?」
「あいつも助成金。だから学校で面倒を起こされると困る。あいつ、やんちゃだから。」
「大丈夫だよ、きっと。それで、タクシー乗る?払うけど。」
「俺が払うって。ほら、あれにしよう。」
ー二人は手近なタクシーに乗り込む。
「毎度ありがとうございます。どちらまで?」
「住宅街って言ったらわかりますか?」
「えぇ、よく行きますから。住宅街のどのあたりへ?」
「入口の近くの小さい駄菓子屋分かります?その辺で。」
「あぁ、あの店ね。小さい頃よく行きましたよ。」
「じゃぁ、この辺りの出身ですか。」
「えぇ、今もね。シートベルト締めましたか?出発しますよ。」
「はい、お願いします。」
ータクシーに揺られながら、健介は景色をぼんやりと眺めていた。妖夢は黙って座っている。
何か話そうかと思ったが、話すことがない。まだ学校が始まっていないから当たり前ではある。
その空気を感じ取ったか、運転手が話しかけてきた。
「お二人は高校生ですか?」
「はい、今年入りました。」
「私の娘も高1なんですよ。ひょっとして同じ学校かな。南高校ですが。」
「南?なら同じです。」
「あー、そうでしたか。」
俺が運転手の名前を見ると、そこに書かれていた名前は十六夜だった。
「あの、人違いだったらすみません。その娘さんって、以前は別の中学でしたか?」
「えぇ。2年の秋に引っ越してきました。もしかして同じ中学でしたか?」
間違いなかった。この人は、咲夜の父親だ。
「たぶん。僕の通っていた中学に、名字が十六夜で、転校生の、女子がいましたから。」
「それならば、同じ高校でしょう。もしそうなら、仲良くしてやって下さい。」
「はい。勿論です。」
「そちらの方は同じ学校でした?」
「あっ、いえ。この間、引っ越してきました。中学は別です。」
「おぉ、それなら幼馴染ですか?随分仲がいいようですね。」
「そうですか?」
「えぇ、仲良くくっついて出てきましたから。買い物ですか?」
「そんな所です。僕は付き添いですけど。ね、妖夢。」
「はい。ちょっと付き合ってもらったんです。」
「そうでしたか。にしても、よくお似合いですよ、お二人は。」
「そんなこと・・ないです。
文がハッパをかけた時のように、妖夢の顔が真っ赤になった。
「あまりいじめてもいけませんね。もうすぐ着きますよ。」
「どうも。妖夢、俺が出すから先に降りてて。」
「そこまで言うなら、よろしくね。」
「・・娘は銀髪で手先が器用です。当たりですか?」
支払いをしていると、突然尋ねられた。
「・・はい。僕の知っている”十六夜”は。」
「彼女の過去は?」
「・・いえ。」
「そうでしたか。分かりました。」
俺が降りようとすると、その運転手が俺のポケットにメモを入れてきた。
〈月曜日、4時にここで会いましょう。十六夜〉
「怪しいことではありませんから。」
彼はそう言うと、すぐに走り去った。
「何かあった?」
「・・いや、何も。」
俺は初めて妖夢に嘘をついた。
「もう暗いし、家まで送るよ。」
「いいよ、すぐそこだから。」
「春は犯罪者が多いっていうじゃん。」
「そうだね。・・よろしくお願いします。」
「うん。・・体、寄せたいんでしょ。」
「うん。」
「いいよ。」
「ありがとう。」
妖夢の言葉をよそに、俺は噓をついたことを悔やんでいた。
今休校中なので家にいますが、皆さんは体調は大丈夫でしょうか?
僕は中学から風邪を引いたことがないのですが、やはり一度風邪をひくと辛いものがありそうですね。