短編  1-Aクラス全員ヴィラン!?   作:蜜柑ブタ

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飯田編?


原作未読だから、飯田のキャラが掴めない!

そして飯田・兄のキャラはもっと分からない!


だからメチャクチャ捏造しております!!





それでもOKって方だけどうぞ。








いいですね?





短編10  飯田天哉の場合

 

 

 ヴィランチーム『SMASH』が発足される前。

 もっともヴィランの道を選びそうに無かったと評される少年がいた。

 

 飯田天哉。

 個性:エンジン。

 

 良くも悪くも真面目馬鹿。1-Aクラスで出久の推薦で学級委員長を務めていたといういわゆるメガネキャラの真面目生徒である。

 彼が誰よりもヒーローとして真面目に取り組むのには理由がある。

 それは、彼の家が親子三代続くヒーロー家系だからだ。

 兄もまたヒーローとして活躍している。だからこそ飯田は、そんな家族に習ってヒーローの道を志そうとした。

 

 規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー。

 

 それが彼が目指していたヒーロー像であった。

 

 

 そんな中、起こった悲劇が、校外授業で発生したウィルス兵器による感染だ。

 

 

 感染が分かったのは、出久が隔離研究施設に送られ、中途半端に漏れたウィルスのことで世間から誹謗中傷を雄英が受けることになった頃だった。

 血が黒く染まり、すべての感覚が冴えた。

 それが決して不快では無く、むしろすんなり受け入れてしまえることに当初飯田は不快感を露わにした。

 大人達が頼りにならないと判断した飯田達は、ウィルスのこと独自に調べた。

 

 感染すると血が黒くなる。

 本体となる宿主が出来ると、その周囲にいる人間に感染する。

 感染した人間の悪意が増幅され、犯罪を誘発する。

 現在、本体宿主は、緑谷出久。

 感染から発病までの期間は不明。

 

 そうして出久が本体であるため自分達に感染したのだと知った。

 しかし、出久を責める気にはならない。

 ウィルスが人工的に作られた物で、意図せず事故で校外授業先で漏らしたのは、大人達であり、その真実を隠しているのも大人達だと冴えた頭で考えることが出来た。

 むしろ今、本体宿主になってしまった出久は大人達に追われている。たったひとりで苦しんでいる。

 麗日お茶子がそのことを心配して真っ先に学校を飛び出して行った。

 それに続くように爆豪達も学校を出奔し、残る者達も出久の元へ急ぐように出奔し始めた。

 飯田も出久の元へ急いだ。

 ……ヴィランに堕ちるでのはなく、あくまで救うために。出久が本当にヴィランに堕ちたのかという真実を確かめるために。

 飯田が駆けつけたときに見たのは、お茶子達に看病されている黒い血塗れの出久だった。

 なにがあったのかと尋ねると、お茶子は泣きながら、ヒーロー・インゲニウムとたくさんいるサイドキックにやられたのだと話した。

 兄が…そんなことを? 兄は真実を知らない? 様々な疑問が良いだの頭を過ぎった。

 

「…いいだくん?」

 

「緑谷! 兄さんにやられたと聞いた!」

 

「…うん……。ごめんね…。」

 

「? なぜ謝るんだ?」

 

「インゲニウム…、君のお兄さんなのに…、体が勝手に…攻撃しちゃった…。それで…。」

 

「デク君は、正当防衛で攻撃しただけだよ! あんな一方的な攻撃されたのに!」

 

「兄さんが……。」

 

 恐らく上層部は、現場のヒーロー達に真相を教えていないのだろう。

 飯田の兄は、今追われている凶悪ヴィランを倒そうとしただけなのだろう。

 しかし、蓋を開ければ、出久はヴィランになることを望んでなんかいない。むしろウィルス兵器に感染したためウィルスに操られる自分を止めてくれと、助けてくれと、救いを求めていたのだ。

 

 その助けを求める声が…、兄に届かなかったのか!?

 

 気がつけば飯田は飛び出し、事後処理を手伝っていた兄の元へ行っていた。

 そうして突きつけられるのは…、悪意を増幅させるウィルスに感染しているという事実だけを教えられているヒーローからの攻撃だった。

 

「どうしてだ、兄さん! なぜ、緑谷を一方的に…!」

 

「彼はヴィランだ! いったい何人が犠牲になったと思っている!? 仕方が無かったんだ!」

 

「緑谷はそんなこと望んでやったんじゃない! 助けを求めてたんだ! 攻撃したのだって体が勝手に…。」

 

「ウィルスは危険すぎる! 天哉! 大人しく捕まるんだ! お前はまだ戻れる!」

 

「話を聞いてよ、兄さん!」

 

 攻撃を必死に回避していたが、やがて攻撃を受けて口の端から黒い血が垂れた。

 それを見た他のヒーロー達や、現場にいた人間達が恐れおののく。

 

「血が…。」

 

「兄さん…これは…。」

 

「お前は…もう手遅れなんだな?」

 

「兄さん?」

 

「すまない…。もっと早く対処できていれば…。」

 

「違う…。僕はまだ…。」

 

「インゲニウム! ヴィランの言葉を信じるな!」

 

 そう叫んだのは、兄のサイドキックだ。

 

 ただ助けて欲しかっただけなのに。誰も聞いてくれない。

 

 こんなことが…。

 

 緑谷出久は…、こんな世界を…。

 

 ひとりぼっちで…?

 

 飯田の頭の中にそうした疑問が流れる。

 力無くへたり込んだ飯田に、コスチュームの下で泣いていた彼の兄が拳を振るおうとした。

 その兄の体が横へ吹っ飛ぶ。

 飯田が顔を上げて、見たのは…、出久だった。

 

「どうして、信じてあげないの?」

 

 出久も泣いていた。

 

「助けを求める声に…誰よりも早く駆けつけるのが貴方の信条じゃなかったんですか?」

 

「ぐ…、ヴィランの言うことは信用できない!」

 

「……どうする? 飯田君。このまま僕らと同じ道を選ぶか…、お兄さんに…殺されるか。」

 

 出久は、飯田の前に来て手首を噛むと、黒い血を流して、その腕を飯田に突きつけた。

 

「この血を飲めば…、君の力はお兄さんを越える。」

 

「……。」

 

 飯田は、黙ったまま、出久の腕を掴み、垂れる黒い血を飲んだ。

 分かる。

 肉体が、個性が強くなっていくのを。

 立ち上がり、黒い色で濡れた唇を腕で拭った。

 

「天哉…。」

 

 信じられぬ物を見る目で見てくる兄に、もう感傷は無い。

 

「ごめんなさい、兄さん…。僕は…行きます。父さんと母さんにも伝えておいてください。」

 

 そこからは、1対多なのに、飯田の一方的な蹂躙となった。

 僕らは、助けを求めていたんだ。

 その言葉は、受け入れては貰えなかった。

 

「真実を…知ってください。そうじゃないと、本当に救うべき者も救えないから。」

 

 意識がもうろうとしながらも手を伸ばしてくる兄に、飯田は涙を流しながらそう言い残して背中を向けて出久共に去って行った。

 

 

 その後、弟の言葉通り、真実を知ろうと奔走した飯田・兄であるが、下手に嗅ぎ回られると困ると判断した上層部の判断で暗部の攻撃を受け、下半身不全になってしまいヒーローを引退せざるおえなくなる。

 そのことを知った飯田は、絶望し、自分のせいだと思うと同時に、ウィルス兵器を作った国に対して深く失望した。そして復讐を決意すると同時に、ヴィランとして『インゲニウム』と名乗るようになる。

 

 

 

 




飯田が真面目馬鹿キャラなので、どうやってヴィランに堕ちたのかを書くのと、兄・インゲニウムとの決別をどう書くかかなり苦労しました。


結果、こんなことに……。
こんな話聞いてくれないキャラかな?
規律を重んじるってことは…、ましてやウィルスで悪の心が増幅されてるってことを知らされている状態で果たして話を聞いてくれるかどうか…、怪しいものです。


飯田は、復讐者としての意味で兄と同じインゲニウムを名乗ることにしたしました。
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