ちょっと、なんかこう……、R15程度の表現があります。
あと吸血注意。
カップリングとして、出久×お茶子。
黒い血に気をつけろ。悪事の果てに黒くなった血に。その血を飲んだら終わりだ。
そんな都市伝説めいた噂が流れ出したのは、ヴィランチーム『SMASH』が世間を騒がし始めた頃だろうか?
「ん…ぅちゅ……はぁ…、おいヒィ…。」
「……あのさぁ…、お茶子さん…、すごくヤバいと思うんだ。」
「…なんで?」
「その…血を飲むのはいいけど、声が…。」
「あー、デク君ってばエッチなこと考えてんの?」
ウラヴィティこと、麗日お茶子が口元を黒い血で汚しながら人懐っこく笑う。
なお、口を汚す黒い血液は、デクこと、緑谷出久の手首の傷口から出た物だ。
感染者の悪を増長させるウィルス兵器。
そんなウィルス兵器がどこからか漏れ、それが雄英校の郊外授業をしていた1-Aクラスの近くで起こっていたことが発覚。
そのため国は極秘任務を軍を動かし、感染者の疑いがある1-Aクラス全員を隔離した。
感染が確認できなければ解放ということだったのだが……。
緑谷出久に感染しており、血液が黒く染まっていたのだ。
出久を抜く者達が解放されると、出久は隔離研究施設へ護送された。
しかし、程なくその研究施設が破壊された。緑谷出久により…。
そして行方をくらました。
その事件から緑谷出久は、指名手配された。
隔離研究施設の破壊だけじゃなく、あることないことを報じられたヴィラン事件の犯人に仕立て上げられた。
1-Aクラスは、この事態に現役ヒーローの教師達にどういうことか!?と問い詰めたが、話にならなかった。
明らかにおかしい、出久がそんなことをするわけがない。彼らは出久がヴィランになるなんてあり得ないと思ったし、信じていた。
特に麗日お茶子は、心配していた。
そんな中、雄英校に誹謗中傷のメールや書き込みがされるようなった。
極秘にしていた謎のウィルス兵器の情報が漏れたのだ。
結果、1-Aクラスは、出久だけが隔離施設へ送られた理由を知り、そして今、ヴィランにさせられて追い立てられている。
彼らは独自調査でウィルスの特性を調べた。
感染すると血が黒くなる。
本体となる宿主が出来ると、その周囲にいる人間に感染する。
感染した人間の悪意が増幅され、犯罪を誘発する。
現在、本体宿主は、緑谷出久。
感染から発病までの期間は不明。
悪意を増幅し、犯罪に走らせる恐怖のウィルス。
それが今、緑谷出久に感染しており、彼を本体としてウィルスが出久をヴィラン犯罪に走らせているのか…。
麗日お茶子は、いてもたってもいられず、学校を飛び出して出久を探しに行ってしまった。
残ったクラスメイト達は、自分達の変化に気づき始めていた。
頭と感覚が冴えて、いつもより調子が良い。
そして……血が…黒く染まった。
すでに感染していたのだ自分達は。それを不思議と冷静に受け入れることが出来た。
ああ、緑谷出久は…こんな状態で…。
そこからは早かった。
出久と行動しているお茶子の元へ集まり、自分達がすでに感染していたことを出久に告げた。
当然だが、出久は泣いた。みんなに迷惑を掛けたくなくて…、死ねないから治す方法を探していたのに…、結局僕のせいでみんなが…!っと。
しかし、お茶子は出久を抱きしめた。
「あたし後悔なんてしてないんや。きっとみんなも…。ね?」
「!」
「…ったくクソナードがテメーひとりで抱え込みやがって…。」
「素直になれよ。心配してたって。」
「うるせー!」
「緑谷。麗日さんの言うとおりだ。」
「飯田君…? 分かってるの? このウィルスを受けるって事は…。」
「頭が酷く冴えていてな。むしろ感染前より調子が良いぐらいだが?」
「轟君…。」
「今戻ったところで、私達も隔離するなり、始末されるなりするでしょうね。見てください。」
「血が…。そんな…。」
「情報だと本体宿主がいる限り治らないらしいケロ。」
「だから大人達は、緑谷を殺すためにあることないことニュースやら新聞に載せて社会の敵にしたんだ。ウィルス兵器が国が極秘裏に研究していた物のプロトタイプだとは大衆は知らないのさ。」
「ただ…素直になればいいだけの話だったのだ。」
「常闇君?」
「このウィルス…、共生自体は可能だ。頭と感覚がクリアとなり、少しばかり悪いことをしたくなるだけで、我慢すれば我慢できる程度。だが黒い血が分かりやすすぎる。いずれ魔女狩りのごとく淘汰が行われるだろう…。真実を知らない、隠蔽した大人達により…。」
「ウィルスの影響で悪に染まった俺達を雄英は切り捨てたんだ。」
「そんな…。雄英校が…。」
「しょせんはただの学校だ。ヴィランが大量発生したなんて不祥事は公に出来ねーだろうさ。」
「……私達には、もう帰る場所もなにもないんだ。だから…、君の所へ。」
「僕は本体宿主だ。だから、みんながそんなことになったのは僕のせいなんだよ!? どうして責めないのさ!?」
「……おめーは悪かねぇよ。」
「!?」
「悪いのはウィルス兵器なんざ漏れさせたクソな大人共だ。」
「このウィルスは、本体宿主から長く接していないと移らないらしい。俺達はクラスメイトだった。しかも同じ場所に長く隔離されていた。だから移ったんだ。」
「…!」
「デク君…自分を、責めすぎないで。だいじょうぶ、だいじょうぶだから。私達は、ウィルスだとかそんなの関係なく、この道を選んだんだよ。だから仲間だよ?」
「う、うわあああああああああああああ…!!」
出久は声を上げて大泣きした。
そんなこともあったなぁ…、っと出久がお物思いにふけている。
「……。」
「ふう…。」
「頻繁だね。轟君。」
「感染者の血液の口径摂取…。それが身体能力と個性を強化する。あのクソ親父を殺せるまであと少しだ。」
出久の首筋から直接血をすすった轟がグイッと腕で黒く濡れた口元を拭った。
「ねえ、轟君…、君は実の父親を殺すのにためらいは…。」
「ない。むしろ今までウジウジ長引かせていたことが悔やまれる。もっと早くそうしていればよかった。」
「ふーん。」
「デーーーク! 血ぃ寄越せ!」
「かっちゃん…、昨日もだったじゃん。っていうか他のメンバーにもらったら?」
「ああ? 誰が何が悲しくて、切島共と血のすすり合いっこなんざできるか!」
「いや…それ言ったら、僕に頼むのもおかしくなるよ?」
「いいから寄越せ!」
「痛い痛い痛い!」
爆豪は乱暴に出久の手首を引き寄せると、傷口に噛みついた。
「おい、乱暴にするな。」
「……プハッ。やっぱテメーのがしっくりくる。」
「もう…。」
血をすすり終えると、さっさと爆豪は去って行った。
口径摂取で感染者の黒い血を飲むと、身体能力や個性が強くなると知ってからは、仲間内で血を貰いあったり、あげたりしている。だが中にはウィルスの本体宿主である出久のがしっくりくると言ってすすりたがる者もいる。味が違うとかなんとか? あと手首と首筋でも味が違うらしい。
出久は、血をあげることには躊躇はない。
しかし…。
「ん…ん…、ちゅぅ、んぷ…。」
「……お茶子さん。」
なんか…こう男として反応しなかったらダメな声を漏らすお茶子に、出久はだいぶやられていた。
何が書きたかったんだろう……、ただただ血をすすってるだけじゃん。
ウィルスがもたらす悪の心の増幅に身を委ねた結果、ヴィランチームとして社会を震撼させつつ。
いっそ他のみんなもウィルス感染させれば、もう怖くないんじゃない?みたいな危ない思考も持ち始めている出久達です。
ウィルス兵器は、AFOとは無関係です。国が極秘裏に研究していた未完成のウィルス兵器です。
感染者間で、血液交換(口径摂取)を繰り返した出久達は、凄まじい勢いでパワーアップしていったため、ヴィラン連合ともタメ張るレベルの組織になっています。
ウィルス案は、前回書いた短編で焦凍が短期間でやたら強くなっている理由付けとして考えたような気がする。