短編  1-Aクラス全員ヴィラン!?   作:蜜柑ブタ

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ネタ切れと言いながら、感想欄とかでネタが思い付いたりする。



今回は、キャラひとりにスポットを当てて、少し過去話?



口田の家族については捏造です。口田を裏切ってます。

あと、原作未読で、口田のしゃべり方も分からないため、これも捏造しています…。



それでもOKって方だけどうぞ。










いいですね?





短編8  口田甲司の場合

 ヴィランチーム『SMASH』の構成する子供達が、何も後悔せずにヴィランに堕ちる道を選んだわけではない。

 

 元担任として彼らを指導し、見てきた相澤から言わせれば優しすぎるほど優しかったのだ。

 

 

 その中で、口田甲司という元男子生徒にスポットを当ててみよう。

 

 

 ヴィランとしての通り名、『アニマ』。

 個性:生き物ボイス。

 

 

 声を使い、人以外のあらゆる動物を操ることが出来る能力である。

 いやゆる洗脳系とも取れる能力であるが、本人の使い方もあり、意思の疎通も可能であるらしい。

 しかし普段の性格は、引っ込み思案で、口数が少ない。だが個性を使うために声を使うのだが、その際は呪文のように超早口かつよく喋る。

 ……実は、大規模犯罪というか、大規模な自然災害のような犯罪をおこせることから、『SMASH』の中では規模的に一番ヤバいのでは?っと噂されている。

 なぜなら、口田の個性は、声が届く範囲…、つまり声さえ届けば状況次第では広範囲にいるあらゆる動物…、大量の虫さえも一度に操れるのだ。

 その昔、北海道などで起こっていたバッタやらの大量発生による自然災害を想像してみてほしい。

 バッタの群れは、通り過ぎる際、あらゆる植物…、そして、紙や人間の衣服(植物性素材)まで食い尽くした。後に残されるのは、ぺんぺん草も残らぬ荒れ地のみ。

 たかが虫、されど虫。当時、軍まで出撃し、大砲での駆除まで実行されたほどの大災害なのだ。

 自然のバッタでこんなだから…、もしそれをコントロールし、意図的に起こせるとなったらどうだ?

 車の前が見えぬほどの羽虫を街中にばらまかれたら?

 病原菌の塊である、ゴキやネズミを大量に送り込まれたら?

 ようは、使い手次第で動物を使ったバイオテロが自由自在なのだ。

 

 そんな風に今やバイトテロを警戒されている口田であるが……、実のところ最後まで出久のところへ行くか迷ったのである。

 動物の中で唯一虫だけが苦手であるものの、心優しく、ヴィランとは無縁と言っていい性格の彼は、ウィルス兵器に感染しても悪の心の増幅はそれほどでもなかった。

 むしろ頭がスッキリ冴えたからこそ、ヴィランの道を選ぶことや、自分達が置かれた状況のヤバさを理解した。

 まず第一に助けを求めるべきだと考えた。

 ウィルスを漏らしたのが大人の誰かであるのなら、治す方法も大人が知っていると考えた。それは間違いではない。

 気が弱い彼は、まず実家にまず助けを求めようと連絡をした。

 現在いる場所を聞かれたので、きっと迎えに来てくれるのだと考えて指定された場所へひとりで向かった…。

 

 しかし……、彼を待っていたのは、防菌装備をした軍だった。

 

 遠目に彼らの存在を認識してウィルスで冴えた頭で瞬時に理解した。

 

 裏切られた。自分は家族に売られたのだ。

 

 街郊外だったため、たくさんのカラスがいたので、カラスを操り、目くらましをして難を逃れたが、この仕打ちに口田は、酷く傷ついた。

 しかし追撃され、あわや殺処分という最悪の手を使われかけた時、耳郎響香が助けに入り、防菌装備では防げるはずのない音の攻撃で立ち止まった軍人達が砂藤によって殴り飛ばされ壊滅、応援が来る前に逃げた。

 愛する家族に裏切られたという事実は、その後合流した出久の調べで本当であったことが分かり、捕まっていれば治療と称した実験台にされていただろうと。

 その日口田は、出久達の住処でたくさん泣いて、やがて眠った。

 翌日起きた口田を、元クラスメイト達が前まで雄英であった普通の平和な光景と同じような気安さで迎えてくれた。それが嬉しくて酷く懐かしく感じて涙が出た。

 久しぶりに見る出久は、少しやつれたように見えた。なんというか疲れたような顔をしていた。

 出久は、別にヴィランの道を強制するわけでも、勧誘するわけでもなく、ただ…『これからどうしたい?』っと問うた。

 てっきりこのままヴィランとして取り込まれると思っていただけに、口田はとても驚いた。

 出久は、口田に、自分の身に起こったことを語った。

 

 ウィルス兵器の本体宿主なってしまったこと。

 ウィルスの影響で、死ぬに死ねず、このままだと感染状態は治せないこと。

 治療か、死ねば、口田達の感染も治ることも。

 しかし、ウィルス兵器の開発元は、未完成の開発であったため治療法を持っていないことなど。

 

 自分がウィルスの本体だから、解析できれば治療法を見つけられたはずだが、身の危険を感じたウィルスが暴走し、出久が最初に収用された隔離研究施設を破壊してしまったのだと言う。

 そこまで語ると、出久はドヨ~ンと落ち込んだため、お茶子達にメッチャ慰められた。

 耳郎は、口田に聞いた。

 なにも無理してヴィランになる必要は無い。昨日の話し合いで、オールマイトに保護を頼むっていうのも考えているから、自分達のことは気にしないでいい、と。

 口田は、冴えた思考で考える。

 家族という居場所も何もかもを失った自分に帰る場所なんてない。それは、出久達も同じことだ。むしろ最初に感染者となった出久はもっと居場所がないだろう。自分が家族に裏切られただけでこれほど辛いのだ、理由も聞かされず隔離され、引き離されたあの日から…、出久はお茶子と合流するまでずっと独りぼっちだったのだろう。

 世間は、謎のウィルスによるヴィラン堕ちだと思っている。

 しかし…、出久達は選んだのだ。自分の意志で。ウィルス感染はきっかけに過ぎない。

 裏切られるのも、裏切るのも、独りぼっちも辛いことだ。

 治す方法を求める出久達にできることはなんだろう?

 

「僕も…、連れてって。」

 

 引っ込み思案で、喋るのが苦手な口田が、手話や身振り手振りでもなく、自分の声でそう言った。

 

「僕らに合わせる必要なんてないんだよ?」

 

「こ、怖いよ…、裏切るのも裏切られるのも…。でも、僕…、みんなを置いてきぼりにしたくないんだ…。」

 

「…後悔するよ。」

 

「うん…、でも…それで、いいと思うんだ。」

 

 だって、後悔しなかったら、立ち止まれず坂道から転がり落ちるばかりだから。

 

 

 

 こうして、口田甲司を最後に、1-Aクラス全員がヴィランへの道を選び、ヴィランチーム『SMASH』が発足されることとなる。

 

 

 

 

 

 




口田は、能力の効力に反して、増幅される悪意に勝る優しさを持つということにしました。


後悔する気持ちがなければ、歯止めが利かなくなる…。
っというのは、あくまで筆者の持論です。
漫画版のキカイダーとか見てると、悪の心に不完全の良心があって人の心となってたので。


悪意が増幅されても、あくまで出久達は『人』という感じで書きたかったけど…、あれ?
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