スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird   作:風人Ⅱ

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スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird⑪(後編)

 

 

―SHOCKER TOWN・採石場―

 

 

―ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―

 

 

ソニック『キャアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

 

エンジン『ぐぅうううっ!!野郎ぉっ……!!』

 

 

 

レース場から離れた場所に位置する採石場。

 

 

Caerusとショッカーライダーの猛攻に押されるエンジン達は此処に戦場を移し、シフトカー達の援護を借りながら何とか多勢に無勢という不利な状況に対応していた。

 

 

シフトカーを蹴り返しながらエンジンとクロノスの動きを抑えようと拘束するアギトとラムダをソニックが背後からシューターで射撃で退け、そんなソニックに上空からライダーキックで不意打ちを仕掛けようとしたマグスとオーズをウィザードが重力魔法で地面に叩き落として阻止する。

 

 

互いに互いをカバーし合いながら敵の猛攻に耐えるエンジン達にショッカーライダー達が容赦なく襲い掛かる中、エンジン達を追ってきたキャンセラー、レイヤ、ディケイド、そしてディジョブド達がリザード達と戦いながらその場に駆け付けた。

 

 

キャンセラー『進さんっ!』

 

 

エンジン『?!祐輔っ、ミユっ!そっちも無事だったかっ!』

 

 

レイヤ『当然!あたし達も加勢するよ!ショッカーとの決着は、兄ちゃん達の代わりにあたしが付ける!』

 

 

firstの世界で唯一残ったライダーとして、滝達に代わってショッカーとケリを付けると意気込み、無数の手裏剣を放ちながら肉薄して量産型コマンド達を刀で斬り捨てていくレイヤ。

 

 

そんな彼女の後に続くようにキャンセラーとディケイドもキャンセラーソードとライドブッカーを手に突き進んで量産型シャドー達を次々と斬り裂いていき、ディジョブド達もショッカーライダー達を抑え込むなど奮闘していく中、Caerusは眼下で繰り広げられるエンジン達の戦いを見下ろしながらほくそ笑み……

 

 

ジェノバ『未だ抵抗を続けるとは、涙ぐましい事だ。ならば見せて上げようじゃないか、本当の絶望を……Time wave Paradox(タイム・ウェーブ・パラドクス)!』

 

 

―ギュイィィィィィィィッ……!!!―

 

 

CB『ッ!不味い……お前ら!避けろッ!』

 

 

クロノス「えっ?!」

 

 

―バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウウウウウゥゥゥゥッッッッ!!!!!!!!―

 

 

『『『ッ?!ウッ、ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!?』』』

 

 

胸部ユニットに膨大なエネルギーを収束させるCaerusを見て何か嫌な予感を感じ取ったのか、クロノスブレイドが声を荒らげて叫んだと同時にCaerusの胸部から巨大な緑色の波動が放出され、エンジン達に目掛けて降り注いだのである。

 

 

クロノスブレイドの警告によりそれに気付いたエンジン達は咄嗟に緑色の波動の射程外へと飛び退きギリギリで回避するが、緑色の波動はそのままショッカーライダーや量産型ライダー部隊に直撃し、光の中で無数の粒子と化し消滅してしまった。

 

 

ウィザード『なっ……ライダー達が、消えたっ……?!』

 

 

ジェノバ『フッフフフフッ、これがCaerusの力さ……嘗てのブレイク・ザ・ワールドとは比べ物にならない、ライダーの歴史そのものを消し去る究極の過去改変だ!過去も、現在も、未来も!今この瞬間、ショッカーは全ての時空を手にした支配者となったのさァッ!!』

 

 

ディケイド『ッ……ようするに奴はライダーの歴史を自由に消せるって訳かっ』

 

 

レイヤ『何それっ、反則過ぎでしょっ?!』

 

 

あの光に当たった瞬間、この改変された歴史のようにそのライダーの歴史が存在ごと消滅させられる。

 

 

ただでさえ戦力差やサイズ差でもこちらが圧倒的に不利だと言うのに、そんな即死級の攻撃まで繰り出されては何れこちらが全滅してしまう。

 

 

予想だにしていなかった強力過ぎる武器を前に動揺を露わにするエンジン達だが、その隙を逃すまいとリザード達とショッカーライダー達が一斉にエンジン達へと再び襲い掛かっていき、何とか応戦するエンジン達に目掛けてCaerusが再び胸部ユニットにエネルギーを再装填していき、

 

 

ジェノバ『先程のは軽い見せしめだ。次は逃しはしないよ……Caerusを完成させてくれた君達の働きに敬意を表し、一思いに楽にしてあげようッ!!』

 

 

ディジョブドD『クッ!』

 

 

CB『チッ、エネルギー量が先程の比ではない……コレは避け切れそうにないかっ……』

 

 

エンジン『ッ……!冗談じゃねぇっ!こんな所で終われるかよっ!俺達は、まだっ──!!』

 

 

Caerusが完成した今、最早エンジン達を生かしておく義理はジェノバにはない。

 

 

用済みとなった一同の奮闘を嘲笑いながらCaerusに膨大なエネルギーをチャージしていくジェノバを憎々しげに仰ぐエンジンに対し、遂にCaerusの胸部ユニットから二発目の歴史改変の凶光が放たれようとした、その時……

 

 

 

 

 

―シュウウゥゥゥゥゥゥッッ……バチィッ……バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチィッッッ!!!!―

 

 

ジェノバ『……厶……?』

 

 

エンジン『?!』

 

 

ソニック『な、何……?』

 

 

 

不意に突然、Caerusの胸部ユニットから青白い火花が巻き散り、直後、胸部ユニットからロボの全体に激しいスパークが駆け走り、Caerusの動きが急にぎこちなくなっていったのだ。

 

 

キャンセラー『ロボの様子が、変わった……?』

 

 

ジェノバ『ッ……!何だこれは……何故急にCaerusがっ?……まさかっ──?!』

 

 

何故か突然不調を起こしたCaerusの姿を見てエンジン達だけでなく、Caerusを動かすジェノバ本人も一瞬困惑を浮かべていたが、何か原因に気付いたのかハッとなり、Caerusの内部に意識を集中させ始めた。其処には……

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 

―Caerus内部・ジェネレーター中枢―

 

 

―バチバチバチバチバチバチィイイイイッッ…………!!!バチィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッ!!!!!―

 

 

third『───ぅッ……ぐぅッ……っぁぁあああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!』

 

 

──Caerus内部に存在するジェネレーター中枢。

 

 

其処には今、ジェノバによってCaerusのパーツの一部となった筈のthirdが、手足や身体の半分が機械に取り込まれながらも、全身から火花を撒き散らして悲痛にも聞こえる雄叫びを上げる姿があったのだった。

 

 

ジェノバ『third……!馬鹿な、まだ意識が残っていたというのか?!』

 

 

third『ぁッ、っ……!!!!当然っ、だっ……俺は貴様が「最強」と謳ったライダーだぞっ……?例え首領であろうとっ、この俺を好きに出来るとは思わん事だっっ……!!!!』

 

 

仮面の下で歯を食いしばり、何処からともなくジェノバの声が響き渡る虚空を見上げて睨み付けるthird。

 

 

そんなthirdの思わぬ反抗にジェノバも一瞬驚きを禁じ得ない反応を浮かべるが、すぐに落ち着きを取り戻しその姿をほくそ笑んだ。

 

 

ジェノバ『成る程、どうやら君の事を少々甘く見過ぎていたようだ……しかし、今更君一人が抵抗した所で意味などないよ。Caerusがこうして起動した今、最早彼らに太刀打ちする術などない!勝利は既に、我々のこの手中にあるのだからねぇッ!』

 

 

third『……それは……どうかなっ……』

 

 

ジェノバ『……何?』

 

 

―バチバチッ……ギュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイッッッ!!!!―

 

 

高らかに勝利宣告をするジェノバに対し不敵に笑ってみせるthird。その笑みにジェノバも訝しげに聞き返した瞬間、thirdのバックルの風車が火花を撒き散らしながら激しく回転し始めていき、Caerus内部に流れる緑色のエネルギーがthirdへと逆流し集まり始めたのだ。

 

 

ジェノバ『こ、これは……Caerusのエネルギーがthirdに……?一体何をするつもりだ……?!』

 

 

third『ッ……お前は二つ過ちを犯したな……一つは俺にラーニング能力を搭載したこと……そしてもう一つは、firstとsecondの電子頭脳と、rebornの残骸をCaerusに積んだことだっ……!!』

 

 

ジェノバ『何だってっ?……まさか……!』

 

 

thirdが何を企んでいるのか気付いたのか、ジェノバの声音が驚愕の色に染まり、対するthirdは全身から火花を散らしながらも仮面の下の笑みを更に深めた。

 

 

third『そうだ……rebornの超速再生を俺の力でラーニングし、firstとsecondの電子頭脳を元に彼等を……そうすればっ──!!』

 

 

ジェノバ『馬鹿な……!君のラーニング能力は所詮擬似型でしかない!そんな奇跡のような事が可能の筈が──!』

 

 

third『例え奇跡だとしても、可能にしてみせるっ……!!それが俺の知るっ、俺が憧れ焦がれたっ────!!!!』

 

 

 

 

 

 

―勝とうが負けようが、大切なのは今だっ!!何を残す為に今っ、何をするかだっ!!―

 

 

―俺達の……名は……―

 

 

 

 

 

 

third『それこそがっ──仮面ライダーだッッ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

―ギュイィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ……バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウウゥゥゥッッッッ!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

複眼が眩く発光し、エネルギーを吸収して臨界点を突破したバックルの風車から無数の閃光が放たれた。青白いスパークと共に全てを白に染めるように、thirdの全身から光が溢れ──

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

―バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウウウウウゥゥゥゥッッッッ!!!!!!!!―

 

 

ウィザード『ッ?!』

 

 

クロノス「こ、今度は何よっ?!」

 

 

ソニック『Caerusから……光が……?』

 

 

そして、Caerusから凄まじい勢いで溢れ出る光は、外でショッカーと戦い続けていたエンジン達も目の当たりにしざわめきが広がっていた。

 

 

Caerusからの攻撃が止んだかと思えば、突然発生した謎の光を見て事態が呑み込めずライダー陣営やショッカー側も困惑を浮かべ混乱する中、その時……

 

 

 

 

 

 

―シュウゥウウウウウウウウウウウッッ……バシュウゥウンッッッ!!!―

 

 

『──ライダァアアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

 

『ダブルっ、キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィーーーーーーーーーーーーイィィィッックッ!!!』

 

 

『……ッ?!んなっ―ドゴォオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!―うぐっ……キャアアアアアアアアアアアアアアアッッ?!!!』

 

 

量産型シャドー『!!?』

 

 

量産型コマンド『!!?』

 

 

―ズドドドドドドドドドドドドドドドォオオオオッッッッ!!!!ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアアァンッッッッ!!!!!―

 

 

ディジョブド『……え……?』

 

 

GA『な、何だっ……?!』

 

 

 

 

 

 

眩い輝きを放つCaerusの腰のベルトのバックル部分から突如何かが勢いよく飛び出し、そのまま戦場で呆然と佇むリザードに強烈な一撃をいきなり叩き込んでいったのだ。

 

 

その思わぬ不意打ちを前にリザードは意識が追い付かずに反射的に防御態勢を取ったが、あまりにも重い一撃に威力を殺せずそのまま背後に従えていた量産型ライダー部隊に凄まじい勢いで激突しながら吹き飛ばされていき、まるでボーリングのピンのように宙を舞う量産型ライダー部隊の爆発に巻き込まれて炎の中へと呑み込まれてしまったのである。

 

 

そんなあまりにも一瞬の出来事に敵陣営は勿論の事、エンジン達も一体何が起きたのか分からず、気が付いた時には自分達の遥か背後で舞い上がる爆炎を前に唖然となる中、直後にズサァッと、何かが地を踏み締めるような音を耳で拾い目の前に視線を戻すと、其処には白煙の向こうに着地した姿勢で佇む二人の戦士の姿があった。

 

 

片やダークブルーのマスクとブーツ、片やダークグリーンのマスクとブーツを身に纏うその姿はthirdと同様のバッタモチーフ。

 

 

お互いに首に巻いた赤く長いマフラーを風で揺らし、徐に身を起こしたダークブルーのバッタのライダーはグローブをハメ直し、隣に立つダークグリーンのバッタのライダーにニヤリと笑い掛けた。

 

 

『何だ、起き抜けだってのに思ったより絶好調じゃねえか?』

 

 

『……ハッ、そいつァこっちの台詞だ。寝起きを言い訳に遅れでもしやがったら、お前も奴ら諸共巻き込んでやろうかと思ったぜ?』

 

 

『そーかよ……ったく、久方ぶりに復活しても相変わらずの減らず口だな』

 

 

ウィザード『あ、あの二人は……確か……』

 

 

エンジン『……まさか……!』

 

 

互いに慣れ親しんだ口調で軽口を叩き合う二人のライダーを目にし、エンジン達は目を見張って驚愕を浮かべた。

 

 

その姿には見覚えがある。

 

 

それは嘗て、この複合世界の基盤となった世界でショッカーと戦い、大勢の人々の希望として有り続けた、今や風化しつつある伝説と化した戦士達。

 

 

黒井響志朗の手により命を落とした筈のその二人の姿を見てエンジン達が驚きのあまり言葉を失う中、爆炎の中からリザードが炎を乱雑に振り払って姿を現し、自分を蹴り飛ばした二人のライダーを忌々しげに睨み付け声を荒らげた。

 

 

『なんっ、なのよっ……!!人様にいきなり蹴りを入れてくるなんてやってくれんじゃないっ!!何なのよアンタらァッ?!』

 

 

『……うん?なんだ、最近のショッカーの若輩は俺らの名前も知らねェのか?』

 

 

『まぁそう言ってやんな……知らねぇのなら、改めて奴らの記憶に刻み込んでやりゃいい』

 

 

ジェノバ『ッ……まさか……馬鹿な……君達は──!』

 

 

怒りで吼えるリザードにも目もくれず、呆れて首を振るダークグリーンのライダーにそう言いながら、ダークブルーのライダーは信じられない物を目にするかのように動揺を露わにするCaerusをまっすぐ見据え、ダークグリーンのライダーと共に徐に構えを取っていき……

 

 

 

 

 

『──仮面ライダーsecond……十文字隼人』

 

 

『仮面ライダーfirst、本郷滝……地獄から戻って来たぜ……ジェノバ・スカリエッティッ!』

 

 

 

 

 

吹き荒ぶ風でマフラーを流し、力強く構え悠然と佇むその姿こそ、人々が語り継いできた伝説そのもの。

 

 

"本郷 滝"──『仮面ライダーfirst』

 

 

"十文字 隼人"──『仮面ライダーsecond』

 

 

嘗て失われてしまった希望が、再びこの世界へ舞い戻った瞬間だった────。

 

 

 

 

 

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