スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird   作:風人Ⅱ

2 / 17
スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird①

 

―海岸付近・荒れ地―

 

 

first『はぁあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!』

 

 

second『うらぁああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!』

 

 

 

その頃、場所は戻ってfirstとsecondが激突する海岸付近の荒れ地。二人の決闘は徐々に激しさを増していき、secondが放った後ろ回し蹴りが岩を粉砕し、それを回避したfirstもすかさず拳を振り上げて攻撃後の隙を狙いsecondに殴り掛かるが、それを分かっていたかのようにsecondも腰の後ろにいつの間にか拳を握って引いていた右腕を飛ばし、クロスカウンターに持ち込んだ。

 

 

―バゴォオオオオォッッッ!!!!―

 

 

first『ぐうっ!!』

 

 

second『グハッ!!』

 

 

互いに顔に重い拳が突き刺さり、その威力に思わず足がふらつきそうになるのを堪えて互いに距離を取ると、firstはクラッシャーの汚れを拭いながら思う。

 

 

first(十文字の奴……前よりいい動きをしている……)

 

 

以前に戦った時と比べても、secondの身体能力は格段に上がっている。これ程の力を見に付けたとなると、向こうもそれだけ血の滲む特訓の日々を重ねてきたのだろうと考える中、secondはボクシングに似たフットワークから、一瞬にして間合いに飛び込んできた。

 

 

first(ッ!加えてこのスピードかッ……!!)

 

 

second『シュッ!!』

 

 

驚く暇すら与えまいと、鞭の様に鋭い右のローキックがfirstに襲い掛かる。だがfirstも反射的に左足を上げて膝近くでガードし、同時に反撃の拳を放とうとするも、

 

 

second『せぇえやァっ!!』

 

 

―ビュオオオッ!!!―

 

 

first『ッ、チィイッ!!』

 

 

その手も読んでいたのかのようにsecondは右足を踏み込みながら回し蹴りを放ち、反撃を封じられたfirstはsecondの蹴りを紙一重で避けながらバックステップで後ろへ素早く下がるが、firstが後退した同時にsecondが追撃を掛けようと一息で迫り拳を引く。が……

 

 

first『らぁああァッ!!』

 

 

―シュッ……!ズドォオオオオオォッッ!!!―

 

 

second『ッ?!ぐっ、ぬぅっ!?』

 

 

一定の距離までsecondを逆に誘い込み、firstの肘打ちがsecondの鳩尾に炸裂したのだ。その予期せぬカウンターにsecondも驚愕するも足を止めず、カウンターの反動と全身のバネを使って後方に飛び退いていく。

 

 

first『――随分と鍛えたみたいだな。前より遥かに強い……』

 

 

second『当然だ……お前を倒すのは俺だからなァ!』

 

 

そう言って首の骨を鳴らすsecondにはまだまだ余裕が残っており、対するfirstも息を乱す様子もなく手首をスナップさせるが、それもそのハズ。先の一連の動きは互いの実力の読み合いをしていただけであり、二人にとって本番は此処からなのだ。そして……

 

 

first『――ハアッ!!』

 

 

ダンッ!と、firstは地面を爆発させる勢いでいきなり間合いを詰め、えぐり込む様な右ストレートを放った。だがsecondは咄嗟に態勢を低くして紙一重で避けるとカウンターでボディブローを叩き込み、強烈な一撃を貰ったfirstは仮面越しに苦悶で顔を歪めながら慌てて後退するが……

 

 

second『うるぁああああああああああああァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァアアッッッ!!!!!―

 

 

first『グッ……!ぐぅうッ!!』

 

 

それを追ってsecondは更に踏み込み、鋭い蹴りを織り交ぜた連続技を弾丸の雨の如く打ち込んでいき、そのあまりの猛攻にfirstも防戦一方に追いやられてしまい、そして……

 

 

second『まだまだァああッ!!―ドゴォオオッ!!―ぐふぁああっ!?』

 

 

更なる連撃を叩き込もうとしたsecondだが、鋭い連続技を甲斐潜ったfirstがsecondの腹部にミドルキックを突き刺し、更に……

 

 

first『ぜぇえやぁああァっ!!』

 

 

―バキャアアアアァッッ!!!―

 

 

second『ぐううッ!!?』

 

 

secondが中段に攻撃を喰らい態勢が僅かに低くなった所へ、すかさず鮮やかな跳び回し蹴りをsecondの頭部に打ち込んで吹き飛ばすfirst。そして、firstの蹴り技をマトモに喰らって吹き飛ばされたsecondは地面を何度も転がり、起き上がらずに仰向けになって寝転がってしまうが……

 

 

second『―――くくく、くく……ハァーハッハッハッ!!』

 

 

突然、secondは身体を揺らしながら大声で笑い出した。

 

 

『……流石に打ち所が悪かったか?』などと、倒れるsecondを見据えたままfirstがそんな心配を少し覚える中、secondはガバッ!と勢いよく跳び起き、首筋に手を当てながら首の骨を軽く鳴らした。

 

 

second『ククッ、楽しい……楽しいぞ……!そうこなくてはなぁっ、本郷ォ!!』

 

 

first『……チッ、要らぬ心配だったか……生粋のバトルマニアめ……』

 

 

戦いの中でコイツの心配をするなんざ野暮だったなと、歓喜の声を上げるsecondを見てfirstも呆れるような呟きを漏らし、手首を軽く振ってから再び拳を握り身構える。そして、secondも次の一手を攻めようと僅かに腰を屈め、firstに目掛け飛び掛かろうとした。その時……

 

 

 

 

 

 

 

―ブォオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオォォンッッッッ!!!!!!―

 

 

first&second『――っ!?』

 

 

カツラ「なにっ!?」

 

 

firstとsecondが再度激突しようとした直前、突如何処からか耳の鼓膜を破らんばかりのエンジン音がその場に響き渡った。

 

 

互いに決闘に意識を向けていたfirstとsecond、そしてその二人の戦いを見守っていたカツラがその激音に釣られるように振り返ると、其処にあったのは……

 

 

 

 

 

 

―ギュイイイイィッッ……ブォオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオオッッッ!!!!!―

 

 

 

 

 

 

―――地平線の向こうから、信じられない速さで迫り来る白い車型のマシン……。

 

 

サイクロン号の配色を落としたようなカラーリングに、マシンの前部には二丁のマシンガンユニットが武装されており、そのマシンの頭は、明らかにfirstとsecondに目掛けて突っ込んで来ていた。

 

 

second『あれは……?』

 

 

first『な、何だありゃっ……?』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァアアッッッ!!!!―

 

 

second『ッ!チィイッ!!』

 

 

first『なっ、ウォオオオオッ?!』

 

 

―チュドォオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!ドッガァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッッッ!!!!!―

 

 

カツラ「っ?!た、滝ィッ!!」

 

 

突如前触れもなく現れた謎の白いマシンに疑問を抱く間もなく、白いマシンの前部に搭載された二丁のマシンガンユニットから無数の弾丸が発泡された。

 

 

その突然の攻撃にfirstとsecondも動揺しつつも咄嗟に反応して降り注ぐ弾丸の雨を飛び退いて回避するが、その破壊力を物語るように無数の爆発が二人の周囲に巻き起こり、白いマシンはそのまま爆発の中を潜り抜け、耳をつんざくようなブレーキ音と共にドリフト回転しながら停車していった。

 

 

first『クッ……!クソッ、何なんだいきなりっ?!』

 

 

second『人の喧嘩の邪魔をしやがってっ……何モンだっ?!』

 

 

辺りを覆う黒煙を払い退けながら突然の事態に困惑を隠せない様子のfirstと、待ちに待ったfirstとの決闘を邪魔されて苛立ちを隠そうともせず乱入して来た白いマシンを睨み付けて怒鳴るsecond。

 

 

するとその時、白いマシンのドアが開き、ゆっくりとマシンの搭乗者が地に足を付けて降り立ち、その姿を露わにしていくが……

 

 

first『……なっ……』

 

 

second『なん……だとっ……?』

 

 

マシンから姿を現したその人物の姿を目にし、firstとsecondは我が目を疑うように目を見開き、驚愕した。何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

―ジャラッ……―

 

 

『…………』

 

 

 

 

 

 

 

白いマシンから現れたのは、二人と同じく、仮面を身に纏った戦士……。

 

 

風に揺れる首に巻いた黄色のマフラーと、顔に纏った仮面の複眼の色は黄色。

 

 

コンバーターラング、手足のグローブとブーツ、上下に鋭い牙が覗く形状のクラッシャーが青に近い緑色に染まり、肩から脚に掛けては生成色のライン三本が伸びており、何より際立つのは、手足に身に付けている、鎖を引きちぎったような手枷と足枷。

 

 

そしてその姿は、正しく……。

 

 

カツラ「――バカな……滝達と同じ姿の……仮面ライダーだとっ……?!」

 

 

そう……、手足の枷の鎖を鳴らしながら現れたその謎の戦士の姿は、firstとsecondと寸分違わぬ姿をした"仮面ライダー"であり、firstとsecondは突如現れた自分達と同じ姿をした謎のライダーに警戒心を露に身構える。

 

 

first『何だ、コイツ……十文字、奴は……?』

 

 

second『……俺も知らん。姿からして俺達と同じ系統の改造人間らしいが、こんな奴は……テメェ、何モンだ……?』

 

 

『―――何者?この体を見れば一目で判る筈だぞ、十文字隼人……』

 

 

ジャラッ……と、謎のライダーは鎖の音と共にゆっくりと右腕を胸の前に持ち上げ、左手で右腕の手首の手枷をなぞりながら静かに語る。

 

 

『俺は、お前達の兄弟……。firstとsecondを倒す為に生まれ、裏切り者のV3に代わり、新たな"3号"の名を授かった―――』

 

 

 

 

 

 

『仮面ライダー……"third"……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

first『third……だと?』

 

 

 

 

 

複眼に光を灯し、謳うように自らの名を名乗る拘束具のライダー……『仮面ライダーthird』の名を聞き、firstが警戒心を強めたまま険しげに眉を潜める中、thirdの名を聞いたsecondは何かを思い出したようにハッと顔を上げた。

 

 

second『"third"……てめぇ、まさかthirdシリーズの系統の改造人間か?』

 

 

first『……?thirdシリーズ?何の話だ十文字……?』

 

 

secondが口にした聞き慣れぬワードに疑問を抱き、思わず質問を投げ掛けるfirst。しかしsecondもthirdを警戒してソレに答える余裕はなく、代わりにthirdがソレに答える形で語り出す。

 

 

third『thirdシリーズ……強化改造型の改造人間か……その読みは悪くないが、残念ながら少し違うな……』

 

 

second『……どういう意味だ?』

 

 

third『そのままの意味だ。お前も知っての通り、thirdシリーズの生産は今現在もショッカーで続いている。……それに、"結果"だけを見れば他のシリーズ同様に失敗作でしかないthirdシリーズの技術など、この身体には必要がない……』

 

 

first(……?"結果"……?)

 

 

淡々と感情の起伏を感じさせない口調でそう語るthird。しかし、何処か引っ掛かるものを感じるthirdのその奇妙な話し方に違和感を感じるfirstだが、それを他所にthirdは左足に力を込めていき、エネルギー充填の影響により左足の内部構造が露出されていく。

 

 

―ギュイイイイィッッ!!―

 

 

first『ッ!来るぞ十文字ッ!!』

 

 

―ダァアアアアアアアアァンッッ!!!―

 

 

third『ぜえぇやぁああァッ!!』

 

 

second『クッ、クソッタレめッ!!』

 

 

左足に充填したエネルギーをバネに一息で飛び掛かって来るthirdに対し、先手を取ろうと飛び出してthirdの着地の瞬間を狙い殴り掛かるsecond。しかし、thirdはsecondの拳を片手で捌きながらクルリと回転してsecondの背後へ回り込み、secondの奇襲の失敗に備えて後ろから追撃を試みようとしていたfirstに後ろ回し蹴りを打ち込み後退りさせた。

 

 

first『グッ……!!コイツッ……!』

 

 

second『何してる本郷ッ!さっさとコイツ片付けて、喧嘩の続きをやるぞッ!』

 

 

咄嗟にガードした左腕に走る痺れと激痛に顔を歪めるfirstにそう叫び、再びthirdに挑み掛かるsecond。それに対し、thirdも最小の動きで回避すると共にsecondの右腕を掴んで引き寄せながら膝蹴りからの上段蹴りを打ち込んで怯ませ、其処へfirstもsecondを援護しようと加勢に入るが……

 

 

―ズガァアアッ!!バキィイイッ!!バキャアァッズガァアアッズシャアァッッ!!―

 

 

second『がぁあっ?!ぐっ、このッ……!!』

 

 

first『十文字ッ!』

 

 

third『ヌゥンッ!!』

 

 

―ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッッ!!!!―

 

 

first『ぐぅッ?!がァああああああああああっっ!!!!』

 

 

カツラ「ッ!滝ッ!!」

 

 

二人の攻撃が確かに打ち込まれているにも関わらず、thirdは微動だにしない所か即座に反撃して二人の攻撃を次々と叩き伏せていき、更にはthirdに圧されるsecondの助けに入ろうとしたfirstの動きを読んでいたのかのように、firstの鳩尾に振り向き様のミドルキックを打ち込み吹っ飛ばしてしまう。

 

 

first『ぅっ、ッ……こうなったらっ……避けろ十文字ッ!!エレクトロッ、ファイヤーッ!!』

 

 

―シュウゥゥッ……ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッッッッ!!!!―

 

 

second『っ!クッ!』

 

 

肉弾戦では埒が明かないと踏み、咄嗟に態勢を立て直したfirstはthirdに目掛けて最大出力の雷撃を右腕から放った。それを目にしたsecondも直ぐさまthirdから離れるようにその場から飛び退き、雷撃はそのままthirdの背中に向かって直撃しようとした。が……

 

 

―……スッ、ズガァアアアアァンッッッ!!!!―

 

 

first『……なっ?!』

 

 

second『な、何っ?!』

 

 

thirdは振り返りもせず、ただ静かに右手を伸ばし雷撃をその手だけで受け止めてしまったのだ。更にそれだけで終わらず、thirdの右手で防がれた雷撃はそのまま吸い込まれるように右腕に吸収されて雷を身に纏いながら、一息でsecondの間合いへと滑り込み……

 

 

third『ぜぇええやぁァああああッッ!!!!』

 

 

―ズドォオオオオオォッッ!!!―

 

 

second『ガァッ……?!うぐぁあああああああああっっ!!!』

 

 

first『ッ?!十文字ッ!!』

 

 

稲妻を帯びたthirdの強烈なブローが無数のスパークを撒き散らしながらsecondの胸に炸裂し、firstの下にまでsecondを吹き飛ばしてしまったのだ。ゴロゴロと地面を何度も転がり、thirdに拳を打ち込まれた胸を抑えて苦しむsecondを見てfirstも動揺を浮かべる中、thirdはバチバチと稲妻の残滓が残る右腕を下ろし、

 

 

third『言った筈だぞ……俺はお前達を倒す為に生まれたのだと……』

 

 

―ギュイィイイイイイイイイイイイイイイッッ!!―

 

 

淡々とそう語るthirdの右足の内部構造が露出し、先程とは目に見えて違うエネルギー量がthirdの右足に充填されていく。

 

 

third『……俺は今までの怪人達のように、お前達の力を侮り掛かったりはしない。……持てる力の全てを用いて、此処で必ず、お前達を殺す……』

 

 

first『ッ……!(マズイ……コイツの実力は間違いなく本物だ……このままじゃっ……)』

 

 

カツラ「くっ……逃げろ滝ッ!今のお前達だけでソイツと戦うのはムリだッ!」

 

 

thirdの全身から放たれる、ジリジリと肌を刺激するような圧倒的なまでの殺気から、奴が本気である事は明確だ。このままでは確実にやられる。そんな確信めいた嫌な予感からカツラも堪らず叫び、firstもこの場はそうするべきかと悩み、仮面の下で冷や汗を流す中……

 

 

second『―――本郷、話がある……』

 

 

first『――っ!十文字……?』

 

 

撤退すべきかどうか。そう悩んでいたfirstの真横から突然、地に膝を付くsecondが重苦しい口調でそう切り出し、胸を抑えたままふらつきながら起き上がった。

 

 

second『お前も分かってるかもしれんが、奴は本気だ……本気で俺達をこの場で仕留めるつもりでいやがる……』

 

 

first『……ああ。どうやら久方ぶりに、ヤバい奴に目ぇ付けられちまったようだな……』

 

 

second『ショッカーは暫く手を出して来ない。……確かな情報源を頼りにそう確信してお前とのケリを付けるつもりだったが、向こうには筒抜けで、しかも裏切り者を一網打尽にする機会を与えちまった……これは、俺の誤算だ。だから―――』

 

 

改めて拳を力強く握り締め、secondはthirdを見据えたまま告げる。

 

 

second『ケジメを付けたい……だから手ぇ貸せ、本郷……それまでは一時休戦だ』

 

 

first『……珍しいな、お前からそんならしくない提案して来るなんて……いや、この状況を考えるなら寧ろ妥当な方かっ……?』

 

 

何せ、冗談抜きでこちらの命が掛かっている状況だ。こんな所で死んでしまっては喧嘩の続きも何もない。自身のプライドよりも、この場を乗り切る事を優先して手を貸せと言うsecondの提案に逃げ腰だったfirstも腹を括り、肩を並べてthirdと対峙していく。そして……

 

 

first『――行くぜ、十文字っ……!ちゃんと合わせろよッ!!』

 

 

second『吐かせっ……!合わせるのはお前だッ!!』

 

 

―ダァンッッ!!!―

 

 

third『!』

 

 

憎まれ口を叩き合いながらも、息の合ったタイミングで同時に地を蹴って空高く上空へと跳躍するfirstとsecond。それを目にしたthirdも、即座に二人を迎え撃つように同じく跳び上がり、互いに上空で空中回転からキック態勢に入り……

 

 

 

 

 

 

first&second『『ライダァアアアアアアアアッ!!!ダブルッ、キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッックゥウウッッッ!!!!』

 

 

third『破ァああああああッッ!!!!』

 

 

―ガキィイイイイイイイイィッッ!!!!!!!ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアアァァァンッッッッッ!!!!!!!―

 

 

カツラ「ッ!ぐっ……うぁああああっ!!」

 

 

 

 

 

 

firstとsecondの合体技であるダブルライダーキックと、thirdのライダーキックが上空で激突し、直後に大気を揺るがすような衝撃波と閃光と共に巨大な大爆発が巻き起こったのだった。そのあまりの爆風の威力に、三人の戦いを見守っていたカツラも思わず身を伏せて爆風に耐え、どうにか目の前の戦いに視線を戻すと、其処には……

 

 

 

 

 

 

―ズシャアァアアアアアッ!!―

 

 

third『――グッ……!』

 

 

first『…………』

 

 

second『…………』

 

 

 

 

お互いに立ち位置が入れ替わる形で着地したfirstとsecondは悠然と背中を向けて佇み、対してthirdは着地に失敗して滑り込み、此処に来て初めて苦悶の声を漏らしたのであった。

 

 

カツラ「ッ!勝った、のか……?滝っ……!!―パラッ……―……え?」

 

 

勝敗は目に見えてthirdの敗北。二人の勝利を確信したカツラは喜びを露わにfirstとsecondの方へと振り向くが、その時、何かが目の前の視界を遮るように舞い落ちてきた。ソレに気付いたカツラは思わず足を止め、足元を見下ろすと……

 

 

カツラ「……黒い……羽根……?」

 

 

そう、カツラの足元に広がり、今も尚空から降り注ぐソレの正体とは、不吉な黒の色に染められた"黒い羽根"だったのだ。

 

 

何故こんなものが?と、カツラが舞い落ちる無数の黒い羽根を見上げて訝しげな顔を浮かべた、その瞬間……

 

 

 

 

 

 

―……バチィイイイイイイッッッッ!!!!―

 

 

first『―――があッ……!!?』

 

 

second『ァッ……?!!』

 

 

カツラ「っ?!なっ……?」

 

 

 

 

……thirdに勝利した筈の二人の身体から、突如無数の火花が噴き出したのだ。そして、二人に敗北したかに思われたthirdが徐ろに身を起こす共に、firstとsecondの身体が事切れるように倒れ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

first&second『『グァアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァッッッ!!!!!!?』』

 

 

―ドッッッッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァァンッッッッッ!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――空から無数の不吉な黒い羽根が降り注ぐ中、二人の悲痛な断末魔の叫びと共に大規模な爆発が巻き起こり、firstとsecondは巨大な爆炎の中に姿を消していったのだった……。

 

 

カツラ「…………ぁ…………た、滝っっ…………!!十文字ぃいいいいいいっっっ!!!!」

 

 

third『…………』

 

 

炎の中に飲み込まれたfirstとsecondの敗北に我が目を疑い、信じられぬと悲痛の雄叫びを上げるカツラ。

 

 

そして、それとは対象に二人に勝利したthirdは無言のまま左手で右腕の手枷に触れていくが、不意に右手に震えが走り、それを抑え込むように左手で押さえ、そのままその場を後にしようと歩き出す。が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――待ち…………やがれっ…………」

 

 

third『……!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

thirdを呼び止めるように、掠れた声がthirdの背後から響き渡った。その声に顔を上げ、thirdが振り返ると、其処には……

 

 

 

 

 

 

 

 

―ボォオオオオオオオオオオオオオオッッッ……!!!!!!―

 

 

滝「…………はぁあッ…………はぁあッ…………はぁあッ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

―――燃え盛る炎の向こうで、死に体同然であるハズの身体を奮い立たせて立ち上がる、一人の男の姿……。

 

 

全身に重度の火傷を負い、血に濡れた身体を引きずりながらも起き上がるその姿を目にし、thirdは仮面の下で目を見張った。

 

 

third『貴様……まだ……?』

 

 

カツラ「た、滝っ……!?」

 

 

滝「はぁあッ……はぁあッ……何処に行くってんだっ……?勝負はまだっ―――ごぶぅっ!!……終わってねえぞっ…………!!」

 

 

血の塊を吐き出しながらも、そう啖呵を切ってボロボロのジャケットを翻し再度変身を試みようとする滝だが、既にその肉体は限界を超え切っていた。

 

 

重度の火傷と致命傷の傷に加えて、破けた肌から露出する改造された機械部分は完全に破損して機能を失い、thirdとの技のぶつかり合いの際に損傷し、最早使い物にはならない右足……。

 

 

―――もう助からない。素人目から見てもそう断言出来る程の傷を負っていながら、それでも、滝は戦う意志を示してthirdと対峙していく。

 

 

third『―――何故まだ立ち上がる?今の戦いで、俺とお前達には絶対的な力の開きがあると、分かったハズだろう……?』

 

 

滝「…………ああ…………悔しいが、確かに今の俺達じゃ、お前には勝てねぇかもしれねぇ…………けどなァあっ…………!」

 

 

thirdとの実力差を分かった上でなお、滝の闘志は未だ衰えてはおらず、火傷と血に覆われたボロボロの片腕を力強く斜めに突き出す。

 

 

firstへの変身時の構えとは対象の構え。

 

 

そう……この時点ではまだ未完成であった、"ZERO"の構えだった。

 

 

滝「守るもんが……背負うものがある限り、誰が相手だろうと、俺は絶対に倒れやしないっ……お前だろうと……ショッカーだろうとォッ!!!!」

 

 

―バチバチバチバチイイイイイッッッッ!!!!バチィイッ……ギュイィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイイイイィィンッッッッ!!!!!!―

 

 

腰に巻いたfirstのベルト……タイフーンの風車が、無数の火花を散らしながら回転していく。

 

 

―――遠退く意識。逆流し始める体内の血液。

 

 

暗転する目の前の視界と、再び込み上げてくる吐き気のあまり僅かに俯く。

 

 

だがその時、足元に転がる残骸―――無数の黒い羽根の中に埋もれる"半壊したsecondの仮面"を瞳に捉え、手放し掛けた意識を繋ぎ止め、吹き荒れる風を巻き起こすと共に、滝はゆっくりと片腕を回していく。

 

 

third『何だ……firstのパワーが……上がっていく……?』

 

 

カツラ「滝……?!何をするつもりだっ?!」

 

 

滝「―――third……お前も仮面ライダーを名乗るなら、覚えておけ……俺達は――――」

 

 

―バチチチチチィッ!!!バチバチィイイイイイッ!!!バチィイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイイイイイッッッッ!!!!!!―

 

 

バックルの風車が更に回転を増し、それと共に、巻き散る火花が激しさを増して滝の身体を駆け巡る。

 

 

目に見えて明らかな異常。

 

 

最早死を待つだけの肉体で、耐えられるだけの負荷ではないハズ……。

 

 

だが滝は、それでもthirdを見据えたまま決して視線を逸らさず――――

 

 

滝「俺達の、名は……人間の自由の為に、守るべきものの為に戦う……戦士の証……!それがっ―――!!」

 

 

―バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウウゥゥッッッッッッ!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

滝「それが―――"仮面ライダー"だッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

死をも覚悟した咆哮と共に、タイフーンの風車から放たれた眩い極光が、全てを白く覆い尽くしていったのだった――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――そして、この日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の自由の為、守るべき者の為にショッカーと日夜戦い続けていた英雄―――仮面ライダーfirst/本郷滝と、仮面ライダーsecond/十文字隼人の二人は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッカーが送り込んだ最新鋭の改造人間・『仮面ライダーthird』の襲撃により

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その命を散らした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この最悪の改変をきっかけに、突如firstの世界から発せられた"緑色の光"が他の平行世界を包み込み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

firstの世界を起点に突如融合を始め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな一つの世界を形作り、人類がショッカーに支配された世界が誕生されたのであった――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。