スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird   作:風人Ⅱ

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スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird④

 

 

―ショッカー警視庁地下・エンジンピット―

 

 

――ショッカー警視庁地下に設立された特事課から、更に地下深くに存在する基地・エンジンピット。

 

 

エクセリオンの整備を始め、エンジンに関する装備や新たなシフトカーの開発等が行われる施設であり、謎のライダーとのレース対決に敗れた進は飛鳥の行方先に真っ先にこの場所が考え付き、エクセリオンでこの場所に戻ってきていた。そして、進の予想通り……

 

 

進「―――やっぱり此処に居たかっ……」

 

 

飛鳥「……シンさん」

 

 

誠「…………」

 

 

ピットの一角に備え付けられたベンチに横たわる、敵である筈の誠の腕に包帯を巻く飛鳥の姿が其処にあり、エクセリオンから降りた進は険しい表情で飛鳥に詰め寄った。

 

 

進「飛鳥っ、何やってんだお前はっ?!敵のライダーを勝手に匿うだなんてっ、ショッカーにバレれば立派な反逆行為になるんだぞっ?!」

 

 

飛鳥「……分かってます。でも、私は――!」

 

 

この事が露見すれば間違いなくショッカーに粛清されると分かっていながら、誠を匿った事を問い詰める進に飛鳥が立ち上がって反論しようとするが、その時、誠がベンチから徐ろに起き上がり、進を真っ直ぐ見据えて口を開いた。

 

 

誠「早斑進、さん……ですよね?飛鳥さんから貴方について、幾つか話を聞かせてもらいました」

 

 

進「……話?俺が今までどれだけのライダーを逮捕して来たとか、そんな武勇伝でも延々聞かされたのか?そいつはご苦労さんだな……」

 

 

飛鳥「シンさんっ!」

 

 

先程謎のライダーに言われた事を引きずっているからなのか、何処かやさぐれた様子で手を振る進に飛鳥が咎めるように叫ぶが、誠は若干苦笑いを浮かべて首を横に振った。

 

 

誠「別に、貴方が今までライダーを捕らえてきた事を攻めるつもりはないんです……ただ、飛鳥さんから話を聞いていく内に、貴方も決して悪い人じゃないって分かって……だから、疑問に思ったんです。貴方は、何故ショッカーに……?」

 

 

進「何故って……そんなの、ショッカーが築いた平和を守る為に決まって―――」

 

 

誠「じゃあ、どうしてさっきの戦いで、ショッカーの命令に従わなかったんですか?」

 

 

進「……それ、は……」

 

 

ショッカーの命令は絶対。なのに何故、自分はあの時その命令に従わおうとしなかったのか。未だその理由が自身でも良く分かっていない進はその事を指摘され思わず口を閉ざしてしまうが、誠はそんな進から視線を外し、ピットの中を見渡しながらポツポツと語る。

 

 

誠「俺……ショッカーと戦いながら、この世界で生きる人達の姿を幾つも見てきたけど……皆、心の底から笑っているのを見た事がないんです……。自分の気持ちを押し殺しながら、ショッカーに四六時中監視されている今の生活を仕方のない事だと受け入れて……その中でも、自分の子供がいずれ改造人間になる運命だからって、せめてそれが正しい事なんだと、子供達にそう言い聞かせて偽りの希望を抱かせる光景が……どうしても正しいとは思えなくて……」

 

 

進「…………」

 

 

そう語るだけの光景を幾度も見てきたからなのか、やり切れない口調の誠の言葉に進も先程現場で居合わせたショッカーユーゲントの子供達……改造人間になる事が名誉ある事だと信じ切っている彼らの姿を思い出し、一瞬何かが胸の内に引っ掛かるような違和感を僅かに抱くも、すぐにそれを振り払うかのように首を横に振った。

 

 

進「……だからって、お前に何が出来るって言うんだ?ショッカーってのは、世界を牛耳るだけの力を持った強大な組織なんだ。たかがお前一人が立ち向かった所で、さっきみたいに返り討ちに合うのは目に見えてんだろ」

 

 

誠「……そう、ですね……でも、それも覚悟して、俺はショッカーと戦う決意をしたんです……嘗て、ショッカーと戦ったfirstとsecondがそうであったように」

 

 

進「?firstと、secondって……」

 

 

その名には聞き覚えがある。確か、嘗てはショッカーが作り上げた改造人間でありながら組織に反旗を翻し、幾度もショッカーと渡り合った伝説の存在であるらしく、その活躍はショッカーの中でも『敵ながら見事な仇敵達』と語り継がれていたハズ。

 

 

誠「俺が戦う決意を決めたのも、firstとsecondの話を聞いたのがきっかけでした。……その二人も結局、ショッカーとの戦いの中で死んでしまったらしいけど、最期まで自分の信念に基いてその命を散らした……だから俺も、皆の希望を守る為に最期まで戦うと決めたんです。自分が死ぬ時、せめて、後悔するような死に方だけはしたくないから……」

 

 

進「……お前……」

 

 

包帯に覆われたボロボロの掌の上のウィザードリングを見つめながら、強い決意を秘めた言葉を紡ぐ誠に何か感じ入るような様子を浮かべる進。飛鳥はそんな進に歩み寄り、進の目を真っ直ぐ見据えて口を開いた。

 

 

飛鳥「シンさん……一つだけ聞かせて下さい。貴方は、何故エンジンとして戦う事を選んで、今までずっと戦って来たんですか?」

 

 

進「は?何故ってそんなの、ショッカーの為……に……っ……?」

 

 

自分がエンジンとして戦うのは全てショッカーの為。当たり前のようにそう言おうとして、進は思わず口を噤んだ。

 

 

違う。そうじゃない。そうじゃなかった筈だ―――。

 

 

何故かそんな声が胸の内から響き、頭を抑える進の脳裏を目の前に映る景色とは別の光景……時間が止まった世界の中で、誰かに向けて必死に声を荒げる記憶が過ぎった。

 

 

飛鳥「――シンさん?」

 

 

進「ッ!……なんでも、ない……ってか、なんで今更そんな話……?」

 

 

飛鳥「……知ってるからです。貴方が何故、エンジンとして戦い続けてきたのか……ショッカーの為なんかじゃない。貴方も、本当は―――」

 

 

進「……飛鳥?」

 

 

胸に当てた手を握り締め、真っ直ぐな眼差しで見つめて来る飛鳥に怪訝な表情を浮かべる進。だが……

 

 

 

 

 

 

―ガッシャアアアアアアアアァンッ!!!!!!―

 

 

誠「?!」

 

 

飛鳥「えっ?!」

 

 

進「な、何だっ?!」

 

 

飛鳥の次の言葉を遮るかのように、突如ピットの扉が何者かの手によって打ち破られてしまったのだ。進達も突然の事態に驚愕する中、打ち破られた扉の奥から現れたのは……

 

 

『イーッ!!』

 

 

『イーッ!!イーッ!!』

 

 

進「ッ!戦闘員っ?!」

 

 

黒い全身タイツを纏った無数のショッカーの戦闘員達と、ショッカーの怪人であるクラブ、マンティス、バタフライが続々と扉の奥から現れ、更に怪人達の奥からゆっくりと扉を潜って強化スーツ姿の女……先の現場でレルドと共にウィザードを追い詰めたアベルが現れた。

 

 

誠「アベル……?!」

 

 

アベル「ハァイ、さっきぶりね指輪の魔法使い?まさか捕獲した矢先にいきなり雲隠れするとは思いもしなかったわ。……其処の女に、まんまと一杯食わされたってワケよねぇ?」

 

 

飛鳥「っ……!」

 

 

ギロッ!と、飄々とした口調とは裏腹に飛鳥を横目で睨み付けるアベルの瞳には、睨まれた飛鳥を思わず震え上がらせるほどの凄まじい殺意が秘められており、アベルは飛鳥を睨み据えたまま懐からマスクを取り出す。

 

 

アベル「何にせよ、ショッカーの命令を無視してライダーを匿うだなんて反逆行為をすればどうなるか……分かっててやったのなら、殺されても文句は言えないわよねぇ?」

 

 

進「ま、待ってくれっ!飛鳥が命令に背いたのは俺も謝るっ!だから今回だけは―――!」

 

 

アベル「ハッ、アンタ馬鹿なの?私はレルドみたく甘ちゃんじゃない。加えて、こっちはネズミ探しの途中だったのを邪魔されてんだからね……仕事の手間を無駄に増やしてくれたのだから、八つ裂きだけで済むと思うなよ……?」

 

 

苛立ちを含んだ口調でそう言いながらアベルは取り出したマスクを頭部に被り、トカゲをモチーフとした怪人……リザードへと変身すると、右腕からチェーンソーの刃を展開して勢いよく刃を回転し出していく。

 

 

―キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―

 

 

『―――裏切り者には死を。とォっても分かりやすくてシンプルな罰よねぇ……指輪の魔法使い共々、揃って首を切り落としてあげるわ……捕えろ!』

 

 

『ヌゥアアァッ!!』

 

 

飛鳥「クッ!」

 

 

火花を散らしながら回転する右腕のチェーンソーをウットリと眺めながらリザードが怪人達にそう指示した瞬間、戦闘員と怪人達は一斉に飛鳥と誠へと飛び掛かっていき、誠はすぐさまボロボロの身体を引きずりながらも戦闘員と怪人達に反撃していくが、飛鳥は咄嗟の判断が遅れて次々と迫り来る戦闘員達に圧されてしまい、更にその背後から腕のハサミで殴り掛かろうとクラブが迫るが……

 

 

進「飛鳥ァッ!!」

 

 

―ドゴォオッ!!―

 

 

『ヌォッ?!』

 

 

飛鳥「っ?!シンさんっ!」

 

 

飛鳥に襲い掛かろうとしたクラブの真横から、進の放った跳び蹴りがクラブを吹き飛ばして飛鳥を庇い、進はそのまま飛鳥の手を引き自分の後ろに下がらせるが、直後にリザードが飛び掛かって右腕のチェーンソーで進の片腕を引き裂き、進の腕から玉状の血飛沫が飛び散った。

 

 

飛鳥「シ、シン先輩ッ!!」

 

 

進「グウゥッ!!て、めっ……!」

 

 

『ふーん、その女を庇おうってわけ?それならそれで構わないわよ?此処まで来たら裏切り者が一人増えるぐらい、別に大した違いもないしねぇえッ!!』

 

 

―ドゴォオオオオォンッッ!!―

 

 

進「ガハァアアッ?!!」

 

 

そう言ってリザードは飛鳥を守ろうとする進の胴体に向けて一切の容赦なく後ろ回し蹴りを叩き込んで吹っ飛ばし、改造人間の脚力で打ち込まれたキックに進も壁に叩き付けられ床に倒れ伏してしまう。そして、リザードはそんな進にトドメを刺そうとチェーンソーが火花を散らす右腕を振りかざしながら迫り、それを目にした飛鳥はすぐさま進の傍に駆け寄って進の身体に覆い被さり、リザードの凶刃から進を守ろうとした。その時……

 

 

『Bind!Press!』

 

 

―ジャラアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!―

 

 

『ヌゥッ?!』

 

 

『イッ?!』

 

 

『ッ!これ、はっ……!』

 

 

飛鳥「……えっ?」

 

 

不意に鳴り響いた電子音と共に、リザード達の周囲に出現した無数の赤い魔法陣から鎖が伸びてリザード達を拘束し、動きを封じたのである。そして飛鳥はその光景と聞き覚えのある電子音から背後へ振り返ると、其処には、誠がリザード達に右腕を伸ばして鎖を操る姿があった。

 

 

飛鳥「誠君……!」

 

 

誠「ッ……その人を車にっ!早くッ!!」

 

 

飛鳥「っ……!シンさんっ、エクセリオンにっ!」

 

 

誠がリザード達の動きを封じている隙に、血が流れる進の腕にハンカチを巻いて止血しながら身体を支え、進をエクセリオンに乗らせていく飛鳥。そしてそれを確認した誠もリザード達を拘束したまま二人の後を追うようにエクセリオンへと乗り込むと、エクセリオンの運転席に搭乗した飛鳥はマシン内の機材を操作してエンジンピットのハッチを引いていくが……

 

 

―ウイィイイイイイイイッ……ガコォンッ!―

 

 

『イーッ!!イーッ!!』

 

 

『イーッ!!』

 

 

飛鳥「っ?!ショッカーっ?!」

 

 

ピットのハッチが開かれた瞬間、扉の向こうには無数の戦闘員達が三人を捕えるべく迫り来る光景があったのだ。それを目にした飛鳥は思わず怯みアクセルを踏もうとした足を硬直させてしまうが、その間にもリザードが右腕のチェーンソーで自身の身体に巻き付く鎖を引き裂き、徐々にだが自由を取り戻し始めていた。

 

 

『クッソがァああッ……!!お前等ァあああああああああああああああッ!!!!』

 

 

誠「飛鳥さん急いでッ!!もう拘束が持たないッ!!」

 

 

飛鳥「ッ!しっかり捕まってて下さいッ!!」

 

 

―バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ!!!―

 

 

『イィッ?!』

 

 

『イーッ?!』

 

 

煩わしげに激昂の雄たけびを上げるリザードと悲鳴にも似た声を荒げる誠の絶叫を聞き、飛鳥は奥歯を噛み締めながらアクセルを一気に踏んで加速し、エクセリオンから乱射した圧縮エネルギー弾で前方の戦闘員達を薙ぎ払いながら急発進してエンジンピットから脱出していくのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

―特事課―

 

 

カツラ「―――進が飛鳥と手配犯と共に逃げただと……?」

 

 

一方その頃、進と飛鳥が誠と共に逃亡した知らせは特事課にも届き、数人の部下を引き連れ特事課に訪れたショッカーの幹部の一人である大柄な男……ゼノン・グラベルトは進の事務机の上に腰掛け、進の私物を適当に弄りながら気だるげに話を続けていく。

 

 

ゼノン「あぁ。ウィザードを匿った女を庇って、我々ショッカーに歯向かってな……ライダー狩りのエリートも地に墜ちたものだ。まさか犯罪者を野に放つ手助けをするとは、特事課はどんな教育をしているのだか……」

 

 

すずか「ちょっとっ……!そんな言い方―――!」

 

 

カツラ「すずか。……申し訳ない、進と飛鳥に関してはこちらの完全な監督不行届だ。此度の件は我々も責任を取り、あの二人の捜索に全力を注がせてもらう」

 

 

ゼノン「…………」

 

 

特事課を代表して謝罪し、責任を取る為に二人の捜索に全力で協力すると申し出て、ゼノンに向けて深く頭を下げるカツラ。だが、ゼノンはそんなカツラを見て僅かに目を細めると、掌の中で弄んでいた進の私物を机の上に雑に投げ捨てながら立ち上がり、

 

 

ゼノン「責任を取る、か……ならばカツラ・ヨウラン―――その責、今此処で、"貴様の命を持って償ってもらおうか"?」

 

 

カツラ「……?!」

 

 

冷淡に、カツラ自身の命を持って償えと、ゼノンは特事課の誰もが予想だにしなかった命令を投げ掛けたのだ。それを聞いたカツラは勿論、すずかと鳰も驚愕を露わに身を乗り出した。

 

 

鳰「な、何なんスかそれッ?!何で課長がそんな事しなきゃならないんスかッ!」

 

 

すずか「彼女の言う通りです!幾ら幹部とは言え、そんな横暴がまかり通るワケ―――!」

 

 

ゼノン「―――通るんだよ。この男の場合はな」

 

 

そう言って二人の抗議の声を一蹴し、ゼノンは懐から束になって重なる紙を取り出してカツラの事務机の上に投げると、其処に書かれてある内容にカツラは目を剥いた。

 

 

カツラ「これは……」

 

 

ゼノン「我々は既に知っているんだよ、カツラ・ヨウラン……貴様が今までこの特事課で捕えたライダー達をショッカーに引き渡し、洗脳したフリをさせて密かに裏で逃していた事はな」

 

 

すずか&鳰「「……えっ?」」

 

 

カツラがショッカーに従うフリをして、密かにライダー達を手助けしていた。始めて聞かされたその内容にすずかと鳰も一瞬理解が追い付かず呆然としてしまうが、険しげに眉を潜めて机の上に投げ出された書類の束を睨み付けるカツラの様子を見て、ゼノンの言う事が本当なのだと悟った中、ゼノンは机の上に腕を乗せながら固まるカツラに顔を寄せる。

 

 

ゼノン「貴様の反逆行為は大分以前から認知していたが、姑息にも証拠を一切残さない故に確信を得られず、此処へ踏み込むきっかけも中々得られなかったが、今回の件のおかげで貴様を追い詰める良い機会になった。……その点で言えば、貴様の部下達はある意味有能と言えるかもしれんなぁ」

 

 

すずか「……か、課長……」

 

 

鳰「う、嘘っスよね?そんなのって……」

 

 

カツラ「…………」

 

 

何かの間違いであって欲しいと、僅かな願望を秘めてそう問い掛ける二人だが、カツラは瞼を閉じて俯いたまま何も答えず、僅かに顔を上げて浅く溜め息を吐いた。

 

 

カツラ「潮時、という奴か……俺も此処までのようだな」

 

 

すずか「課長……?!」

 

 

ゼノン「……随分と潔いな。白を切るなり暴れるなり、もっと抵抗するモノだと思っていたが」

 

 

カツラ「どんなに言を重ねても、お前達の言及からは逃れられないと悟っただけだ。何より此処はショッカー警視庁の真下……逃げられる場所など何処にもありはせんだろ」

 

 

だからだ、と、カツラは特に抵抗もせず、投降の意志を示すように素直に両腕を上げる。それを見て、ゼノンはつまらなそうに鼻を鳴らしながら部下達にカツラを捕えろと顎で指して指示し、ゼノンの部下達の手によって拘束の為に両腕を後ろに回されていくカツラだが、その時、カツラは自身の左腕の服の裾の裏側……其処に仕込まれたレバー式のボタンのスイッチを、親指で弾いた、次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

―……ピー!チュドドドドドドドドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオオォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!―

 

 

「ッ?!な、何だっ?!」

 

 

「グァアアアアアアアアアアアアアッ?!!」

 

 

 

 

……地上のショッカー警視庁の各所にて、突如立て続けに爆発が発生し、何も知らないショッカーの局員達を次々と飲み込んでいったのだった。その突然の事態に他の局員達も驚きを隠せず動揺ばかりが広がる中、局員の数人が突然バリアジャケットを身に纏い、起動したデバイスで近くの局員達を纏めて切り裂いた。

 

 

「ギャアアッ?!」

 

 

「っ?!き、貴様、突然何を……?!」

 

 

「カツラさんからの合図だッ!!行くぞ皆ァああッ!!」

 

 

「今こそショッカーへの反逆の時ィッ!!突撃ィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!」

 

 

「「「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!!!!!!」」」」

 

 

局員の一人がデバイスを掲げて高らかに雄叫びを上げたと共に、それに応えるかのように彼と同じようにバリアジャケットとデバイスを起動させた他の局員達……カツラが密かに潜り込ませていた反ショッカー同盟の構成員達もそれぞれの武器を高らかに掲げ、地を揺るがすような咆哮と共に警視庁の最上階を目指して進軍を開始したのである。そして……

 

 

ゼノン「――何?クーデターだと?!」

 

 

その知らせは直ぐにゼノンの下へ届き、突然鳴り響いた無線の向こうから聞いたその驚愕の内容にゼノンの表情にも動揺の色が浮かび上がっていた。

 

 

ゼノン「どういう事だ……何故突然……っ!まさかっ―――?!」

 

 

―ズシャアアアァッ!!―

 

 

「がぁああっ?!」

 

 

「ギャアッ?!」

 

 

このタイミングで起きたクーデターに違和感を抱いたゼノンが何かに気付いたと同時に、突然背後から部下達の悲痛な悲鳴が響き渡った。そしてその声に釣られてゼノンが慌てて振り返ると、其処には、バリアジャケットを纏い、瞬時に起動させた自身のデバイスであるスピリットを手にゼノンの部下達を斬り伏せた男……カツラが悠然と佇む姿があった。

 

 

ゼノン「カツラァ……貴様っ……!」

 

 

カツラ「―――逃げられる場所など無くて当然だ……何せ、"俺達"は最初からこの地を死地と決めて、今まで汚名を被って貴様等に尽すフリをして来たのだからな……」

 

 

そう言って鋭い眼光でゼノンを見据え、カツラはスピリットの切っ先をゼノンに突き付ける。

 

 

カツラ「ショッカー政府と言う後ろ盾を逆に利用し、未だショッカーに反抗するライダー達を影で支援する……。それが失敗した以上、俺達に出来るのは最早この警視庁を潰し、少しでもショッカーの戦力を削ぎ、ライダー達の負担を減らす事だけだ……」

 

 

ゼノン「……ハッ。何を言い出すかと思えば、ただの人間のお前達がショッカーの戦力を削ぐ?笑わせるなよカツラ。貴様等如きの力でショッカーをまともに相手出来る筈がない……貴様が今やろうとしているのは、ただ無為に死人を増やすだけの暴挙に過ぎん」

 

 

カツラ「そんな事は百も承知だ。……それを分かった上で、アイツ等は俺の無謀としか言いようのないこの策に乗り、俺も奴等の命と罪を背負い、非道にも『死ね』と命じた……全ては、いずれ彼等がお前達の手から、人間の自由を奪い返すと信じているからだっ……」

 

 

ギリッ……と、唇を噛み締めるカツラの唇から一筋の血が流れる。此処が警視庁の地下であるにも関わらず、遠くから僅かに響いて来る悲痛な悲鳴を耳に、カツラは静かに語り続ける。

 

 

カツラ「その為だけに……此処までの地位に上り詰める代償に、俺はあらゆるモノを捨てて来た……信念も、プライドも、志も……守るべき者のある筈の、市民達の信頼も……」

 

 

ゼノンと対峙してそう語るカツラのその表情には、何処か、多く物を失ったかのような沈痛の念が秘められているように見える。だがそれも一瞬。カツラは直ぐに真剣な眼差しに変わり、得物を握り締める手に力を込める。

 

 

カツラ「だが、そんな俺にも唯一残されたモノ―――魂だけは、今もあの"馬鹿"と共にある……それだけは決して……決してっ……!貴様等ショッカーに売り渡しなどしないッッ!!!」

 

 

ゼノン「……フンッ……張り合いのないつまらん負け犬かと思っていたが、最後の最後に骨のある所を見せてくれるという訳か……面白い……!」

 

 

顎に手を添えながら不敵な笑みを浮かべて、ゼノンは両手の革手袋を嵌め直すと共に戦闘態勢を取る。それに対しカツラもスピリットを両手で構えたと同時に、勢いよく地を蹴ってゼノンへ挑み掛かっていくのだった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

――そして、エンジンピットから何とか脱出を果たしたエクセリオンは地上へ抜け出し、そのままショッカー警視庁の前を全速力のまま過ぎ去ろうとしていた。が……

 

 

―ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッ!!!!!!―

 

 

飛鳥「ッ?!くっ!!」

 

 

―キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイイィッッッッ!!!!!!―

 

 

進「ッ!な、何だっ?!」

 

 

誠「うわあぁッ?!」

 

 

突然ショッカー警視庁から発生した爆発によって崩れ落ちた無数の瓦礫がエクセリオンの進行方向へと落下して激突しそうになり、飛鳥は咄嗟にブレーキを踏み込みながらハンドルを切って瓦礫を避けるが、スピードを減速し切れていない状態で曲がった為にエクセリオンの車体が横滑りしてしまい、中に乗っていた進と誠は危うく前にぶつかりそうになった。

 

 

進「っ……あっぶねぇっ……おい飛鳥危ねえだろっ!いきなり何やってっ―――」

 

 

飛鳥「……シ、シンさん……あれっ……」

 

 

進「はっ……?」

 

 

あと少しで頭をぶつけそうになり思わず運転席の飛鳥に怒鳴る進だが、当の飛鳥は目の前を凝視したまま声を震わせて前を指差し、進と誠が訝しげな表情で飛鳥が指差す方を目で追うと、其処には……

 

 

 

 

 

―ズシャアアァッ!!―

 

 

「ごばぁあッ!!?がぁ……ァ……!」

 

 

「ぐぁあああああああああああああああッ!!!」

 

 

「ァあああああああああああああッ!!!」

 

 

誠「……なっ……」

 

 

進「……な、なんだ……これ……」

 

 

 

 

二人が目の当たりにしたのは、業火で燃え盛る警視庁の中や外で、反ショッカー同盟の構成員達がデバイスを振るって無数の怪人達へと挑み、しかし、誰一人怪人達に傷を負わせられぬまま返り討ちに合い、血を撒き散らしながら断末魔と共に倒れていくと言う凄惨な光景が広がっていたのだ。

 

 

そんな地獄絵図としか言いようのない光景を前に三人も我が目を疑って固まってしまうが、その時、エクセリオンの近くに倒れる血塗れの男が僅かに身じろいだのが見え、進と飛鳥は重傷でまともに動けない誠をエクセリオン内に残してエンジンドライバーを手に慌てて降り、男に駆け寄り抱き抱えた。

 

 

進「おいっ、おいしっかりしろアンタっ!!おいっ!!!」

 

 

「…………っ…………?あん、た…………カツラさん、が…………言ってた…………?」

 

 

進「……えっ?」

 

 

意識が朦朧としているのか、焦点の合っていない目で見上げて来る男の言葉に進が思わず聞き返すと、男はガタガタと震える血塗れの手で懐に手を伸ばし、其処から一枚の写真を取り出した。

 

 

「…………妻も…………娘も、殺された…………奴ら、に…………生きる希望なんて…………この世界にないと……思って……………………でも…………アンタ達が…………いて、くれれば…………」

 

 

クシャッ……と、力無く胸に押し付けられる男の手から進が受け取ったのは、男の血で濡れたボロボロの古びた写真……まだ赤ん坊の女の子を夫婦で笑って抱き変える姿が、其処には映し出されていた。

 

 

進「これ……」

 

 

「代わり…………に……………二人の…………かた、き…………たのむっ…………かめん、ら……………………ァ――――――――」

 

 

進「……!お、おい……!アンタッ!!おいッ!!!」

 

 

両手で抱き抱える男の身体から力が抜けたのが伝わり、進は慌てて男の身体を揺さぶって必死に呼び掛けるが、男から返って来る言葉は何もない。それで、彼はもう手遅れなのだと否が応にも思い知らされ、進と飛鳥は何も出来なかった無力感に苛まれて項垂れてしまうが、その時……

 

 

 

 

―……ジジジッ……ジジジィッ……ジジッ……!!―

 

 

『――――シ――――すか――――聞こえ――――』

 

 

 

 

飛鳥「――っ!?な、何っ?」

 

 

進「……通信……?」

 

 

項垂れる進と飛鳥の無線に突然、酷いノイズ混じりの通信が届いたのだ。最初はあまりに酷いノイズに二人も一瞬顔を歪めてしまうが、ノイズの向こうで僅かに聞こえる声に気付き、集中してノイズの向こうの声を聞き取ろうとすると、徐々にだがノイズが収まって声を聞き取れられるようになっていく。その声とは……

 

 

カツラ『―――進……飛鳥……聞こえるか……?』

 

 

飛鳥「ッ!こ、この声……?」

 

 

進「課長っ?!」

 

 

そう、無線の向こう側から聞こえた声の主とは、このクーデターを起こしたリーダーであるカツラだったのだ。その突然届いたカツラからの通信に二人も思わず驚くが、それを他所に、カツラは何処か気だるげな口調で口を開いた。

 

 

カツラ『ピットから無事に脱出したのなら、そのままショッカー警視庁を離れて何処かに身を隠せ……お前達が逃げる時間は、こっちでどうにか稼ぐ……』

 

 

進「稼ぐって……いや、それより一体どうなってんですかッ?!課長今何処にいるんですッ?!すずかや鳰は……?!」

 

 

カツラ『心配するな……二人はとっくに逃がして無事だ……だが、俺は……ごぶっ……!』

 

 

進「ッ?!か、課長……?」

 

 

ゴポッ……と、無線の向こうで何か水っぽい音が響き、その奇妙な音に進も訝しげに眉を潜めるが、カツラは構わず僅かに咳き込みながらも喋り続ける。

 

 

カツラ『進っ……俺は……俺は、な……嘗て、firstと共に……ショッカーと戦った事があったんだ……』

 

 

進「……え……?」

 

 

何処か呼吸も荒く、か細い声でカツラが語り出したのは、特事課に所属する前の自身の過去。その初めて聞かされるカツラの過去の話に進も衝撃を受けて固まる中、カツラは何処か遠い記憶に想いを馳せるようにポツポツと語り出す。

 

 

カツラ『あの時、俺は……アイツ等が殺された時……俺は何も出来ず、ただ見ている事しか出来なかった……その事をずっと引きずったまま、今日まで生きてきたが……お前…………お前と…………出会っ、て…………』

 

 

進「課長っ……?課長ッ!どうしたんですか課長ッ?!」

 

 

やはりカツラの様子は何処か可笑しい。今にも気を失いそうな声音に進も不安に煽られて大声で呼び掛けるが、その声が届いているのかいないのか分からず、無線の向こうのカツラは先程よりも消え入りそうな声で、進に語り掛ける。

 

 

カツラ『進……もし……もしも、これから先の道行きに、迷った時には……お前は……お前の心のままに従い、戦え……アイツがそうだったように……お前も、きっと……見知らぬ誰かの為に戦える……馬鹿が付くほどの……優しい奴だ……』

 

 

進「っ……?課長っ……?」

 

 

カツラ『……こんな上司で、すまない……だが……せめてお前達だけは守ってみせる……それが俺の……俺に残された……最後の―――』

 

 

―ザザザァッ……ザザザザッ……ザザザァアアアアアアアアアアアッ!!!!―

 

 

進「ッ?!課長っ……?!応答して下さいッ!!課長っ、課長ォオッ!!!」

 

 

カツラが何かを言い切ろうとした直前、無線に先程の比ではない激しいノイズが発生しカツラの声を遮ってしまった。それでも何とかカツラに呼び掛け続ける進だが、返って来るのはやはり不快なノイズ音ばかりであり、このままでは埒が明かないと、進はカツラとの通信を繋げるのを諦めて警視庁の中に侵入出来る場所を慌てて探すが……

 

 

―ドゴォオオオッ!!!―

 

 

「グァアアアアアアアアアアアアアッ?!!」

 

 

飛鳥「?!」

 

 

進「な、何だっ……?!」

 

 

燃え盛る警視庁の硝子窓の一角から、窓を突き破って突然反ショッカー同盟の構成員が投げ飛ばされて来たのだ。それを目にした進と飛鳥は思わず立ち止まり、構成員が吹き飛ばされて来た方へと振り向くと、其処には……

 

 

 

 

 

ゼノン「―――チッ、カツラめ。警視庁のあちこちに此処まで仕掛けを仕込んでいたとは……このクーデターは何時でも実行出来るように念密に計画されていたというワケか……何処までも小賢しい」

 

 

 

 

 

建物内で燃え移る炎をものともせず、入り口から悠然とした足取りで歩み出ててくる男……ゼノンの姿があり、入り口付近で固まる進達の姿を見付けて足を止めた。

 

 

ゼノン「ほう……?これはこれは、誰かと思えば裏切り者御一行がノコノコと戻って来てくれたのか。こちらから探しに向かう手間が省けて助けるよ」

 

 

進「……お前は……」

 

 

ゼノン「うん?俺か?ショッカーの幹部の一角、ゼノン・グラベルトだ。……それなりに名は知れ渡っていると勝手に思っていたのだが、その様子から見るに、どうやらそうでもなかったらしいな」

 

 

ヤレヤレと、そう言って肩を竦めて戯けてみせるゼノンだが、進と飛鳥は決して警戒心を緩めようとはしなかった。何故なら、こうして話している間にもゼノンからは凄まじいまでの殺意が放たれ、完全にこちらを殺す対象として見ているのが本能的に伝わり、少しでも気を緩めば躊躇なくその隙を突いて殺しに掛かると否が応にも思わせるからだ。

 

 

その緊張感から進の額に一筋の汗が伝う中、ゼノンは二人の前に歩み出てて静かに対峙しながら、口端を僅かに吊り上げた。

 

 

ゼノン「カツラを取り逃がしたのは癪に障るが、まあ奴は放っておいても構わんか……此処で貴様等を始末すれば、自ずと裏切り者は全滅という事になるだろうからな……」

 

 

進「……?自ずとって……どういう意味だ、そりゃ……」

 

 

ゼノン「うん?どうもこうもない―――ただ、こういう事さ」

 

 

―ブォオッ……ジャギィッ!―

 

 

そう言いながら、ゼノンは何処か愉快げに笑いながら右手に持っていた"ナニか"を乱雑に放り投げ、進達の目の前に突き立てた。そして、"ソレ"を目にした進は最初は何か分からなかったが、その正体を理解していくと共にみるみる内にその表情が驚愕に染まり、飛鳥は思わず悲鳴を上げそうになる口を両手で抑えて絶句してしまう。何故なら、ソレは……

 

 

 

 

 

 

――――半壊し、赤い血で染まった"カツラのデバイスであるスピリット"と、そのスピリットを頑なに握り締め、夥しい量の血で汚れた、"肩口から切断されたボロボロのカツラの右腕"だったからだ……。

 

 

進「……なん、だよ……これ……」

 

 

ゼノン「改造人間を相手に良く戦ってはいたが、所詮奴も人間だ。真っ向から打ち合って俺に敵う筈もない……ククククッ……その傷では、放っておいても勝手に死ぬだろうさ」

 

 

クツクツと、額に手を当てながら傑作だと哂うゼノン。しかし、進はその耳障りな笑い声を聞きながら目の前に突き刺さるスピリットとカツラの右腕を目にし、今も警視庁の何処からか響き渡る断末魔の悲鳴を聞き、無意識に左手を強く、血が滲むほど強く握り締め、

 

 

進「……ざ……けんな……」

 

 

ゼノン「……何?」

 

 

進「――ふざけんなって……言ってんだっ……!!」

 

 

鋭い眼光でゼノンを睨み据える。その瞳に宿るのは、炎のように燃え盛る怒りであり、ショッカーのライダーとしてこれまで戦った時には一度も感じなかった、激しいまでの激情だった。

 

 

進「こんなのがっ……こんな簡単に、人の命を弄んで、奪ってっ……それで笑っているような奴が正しい筈がないっ……!!お前達みたいな奴等にっ、あの子達が望んでいた平穏な未来なんかが作れる訳がねぇッ!!」

 

 

ゼノン「……だからなんだ?そう言いながら、お前も元はショッカーの戦士だろう?その手で多くのライダーを屠ってきた貴様に、俺を非難する資格があるのか?」

 

 

進「……ああ、そうだな……お前の言う通り、今までの俺は間違ってたんだろうな……お前達に何も疑問を抱かず、今も迷って……だからっ――!」

 

 

ガチャッ!と、エンジンドライバーを腰に勢いよく巻き付けてバックルのギアを回し、響き渡るエンジン音と共に内なる闘志を燃え上がらせる。

 

 

進「―――もう、これ以上考えるのは止めた……課長の言う通り、俺は……今の俺の心のギアのままに戦うッ!!行くぜっ、ドライバーさんッ!!!」

 

 

ED『OK……!今の私の気持ちも君と同じだ!Start Your Engine!!』

 

 

カツラ達の無念とショッカーへの怒りの炎を胸に、進は懐から取り出したシフトソニックの車体の半分を回転させてレバーモードに切り替え、右腕のシフトブレスに装填し、腕の位置を入れ替えるように両腕を大きく回転させ、そして……

 

 

進「――変身ッ!!」

 

 

―ガチャンッ!!―

 

 

ED『ENGINE!TYAAAAPE!SONIC!』

 

 

エンジンドライバーからの音声と共に、進の足元から頭上へと上昇しながら出現した赤いタイヤのビジョンから発生したフィールドに包まれながら赤い装甲が進の全身に次々と身に纏い、最後にエクセリオンの前輪から放たれたタイヤが進の肩に装備されエンジンへと変身し、更にエクセリオンから射出されたホイール剣、そして赤いリボルバー式のような銃……エンジン専用の遠距離武装であるブーストトリガーを手に、ゼノンと対峙していく。

 

 

ゼノン「……面白い。カツラだけでは飽き足らないと思っていた所だ……せいぜい楽しませてもらうぞ?」

 

 

そして、ゼノンも変身したエンジンを見て不敵な笑みを深め、何処からか取り出した仮面を頭に被り、怪人へと変身していく。チーターとカタツムリを掛け合わせたような仮面に、左腕が徐々に変貌してまるで巨大なカタツムリの尻尾のように変化していき、ネチャッ……と大量の粘膜を垂らし、ゼノンは肩を揺らして仮面の下で不気味に笑う。

 

 

『俺は他の既存の怪人共とは違う……このチーターエスカルゴを前に何処まで耐えられるか、見せてもらおうかァああッ!!!』

 

 

エンジン『お前が何者だろうと関係ねぇ……ひとっ走り付き合えよォッ!!!』

 

 

ゼノンが変身した怪人……チーターとカタツムリを合成したチーターエスカルゴの挑発にそう叫び返し、エンジンはブーストトリガーを乱射しながら一気に距離を詰め、ホイール剣でチーターエスカルゴに斬り掛かり戦闘を開始していくのであった。

 

 

 

 

 

 

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