スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird   作:風人Ⅱ

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スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダーthird⑦

 

 

―ガギイィィィィイッ!!バキッ、バキャアァッ!!―

 

 

バロンP『ゼェアァッ!!ハッ!!』

 

 

エンジン『チィッ!ウオォラッ!!』

 

 

thirdとV3が激突した一方、エンジンとバロンの戦いは一進一退の攻防戦を繰り広げていた。空手を扱って巧みな肉弾戦を仕掛けて来るエンジンに対し、バロンも鍛え抜かれた剣技を主にエンジンの打撃技を弾きつつ刃を振りかざして迎撃するが、エンジンもそれらを上手く捌きながらバロンの肩にハイキックを叩き込んで後退させ、バックルのギアを回しながら新たなシフトカー……黒い忍者のマークが描かれた黒いシフトカー、ブラックシノビーノを取り出し右腕のブレスに装填した。

 

 

ED『TIAAAAREKOU-KAN!BLACKSHINOBIINO!』

 

 

―シュンッ!―

 

 

バロンP『?!―ドゴォオンッ!―ウォオッ?!』

 

 

エンジンドライバーからの音声と共に、エクセリオンの前輪から手裏剣型のタイヤが射出されて宙を舞い、不意打ちでバロンに激突しながらエンジンの肩に装備されタイヤコウカンすると共に、エンジンはすかさずブレスに装填したシフトカーのレバーを素早く何度も倒していく。

 

 

―ガチャンッガチャンッガチャンッガチャンッ!―

 

 

ED『BLA• BLA• BLA• BLA• BLACKSHINOBIINO!』

 

 

―シュババババババババババババババァアッ!!―

 

 

バロンP『グッ……ッ?!何ッ?!』

 

 

シフトブレスに連動してエンジンドライバーが叫び、直後にエンジンの身体から無数の赤い影……ブラックシノビーノの能力によりエンジンの分身が出現して横一列に並び、それぞれの両手に手裏剣型のエネルギー弾を形成し……

 

 

エンジン『『『『ハッ!!でぇえあぁッ!!』』』』

 

 

―バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ!!!―

 

 

バロンP『クッ!うぐぁあっ!』

 

 

一斉にエンジン達の腕から放たれた手裏剣の嵐がバロンに襲い掛かり、それを目にしてバロンも咄嗟に最初の手裏剣を幾つか剣で捌くも、そのあまりの数に徐々に対応が追い付かず手裏剣を浴びせられて吹き飛んでいく。その一方で……

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァアアアッッッ!!!!バキィイイイイイイイイイイイイイイイイインッッッ!!!!―

 

 

V3『ぜぇええああぁッ!!』

 

 

third『ヌゥウンッ!!』

 

 

二人から離れた場で激闘を繰り広げるV3とthirdの戦いは、より激しさを増しながら激突していた。互いに振るう拳と蹴りを全く同じ威力、角度とタイミングでぶつけ合わせて拮抗した後、V3が飛ばす鋭いブローをthirdが搦手で払い除けると同時にV3の胸に掌底を叩き込み、V3を後退りさせながら瞬時に流麗な後ろ回し蹴りを放つも、V3はそれらを上手く避けてthirdが放った拳を受け止めてしまう。

 

 

―ギギギギギッ……!―

 

 

third『――大した戦闘力だ、流石にあの二人の後継機なだけはある……』

 

 

V3『当然さ、旧式タイプの君と僕とじゃそもそもの格が違う……!つまり万が一にも、君が僕に敵う勝率はないという事だ!』

 

 

―ギュイィィィィィィィィィィィィィィイッ!!!―

 

 

自信に満ちた雄叫びと共に、V3の腰のベルトのダブルタイフーンの風車が勢いよく回転して複眼に光が灯り、先程とは比にもならないパワーでthirdの拳を押し返しながらミドルキックを放つ。だが、thirdは瞬時に後方へと飛び退いてV3の蹴りを避けると共に、V3と同様に自身のベルトのタイフーンの風車を回転させ複眼に光を灯らせた。

 

 

third『――どうかな……その傲りが、逆にお前の足を掬うかも分からんぞ……?』

 

 

V3『笑わせるなッ!』

 

 

thirdの言葉を戯言だと鼻で笑って一蹴し、力強く地を蹴ってthirdへと殴り掛かるV3。

 

 

しかし、それに対しthirdもV3の拳をかわすように俊敏に身を屈めると共にV3の脇腹に左拳を叩き込んで怯ませ、すかさず膝蹴りを打ち込み巨大なコンテナの下にまで吹き飛ばすと、息を吐かせる間も与えまいとその後を追うように追撃を仕掛けようとしたthirdを見て、V3も態勢を立て直そうと後退しコンテナとコンテナの間に逃げ込むが……

 

 

―バッ!―

 

 

V3『っ?!―バキィイッ!!―グゥウッ?!』

 

 

その先に回り込むように、thirdが素早く先回りしてV3の真上から現れ、V3の顔を殴り付けたのだ。更にそれだけで終わらず、V3が怯む隙にthirdが左腕に力を込めていくと、エネルギー充填の影響により左腕の内部構造が露出されてき、そして……

 

 

―ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオォォンッッッッ!!!!!―

 

 

V3『グッ……ぐぁああああああああああああああああああああああッ?!!』

 

 

振り放たれたthirdの左腕がコンテナの大部分を抉りながらV3に叩き込まれ、無数のコンテナの破片と共にV3を吹っ飛ばしたのだ。コンテナの破片と共にゴロゴロと地面を転がるV3の身体。そんなV3の下に、thirdが手足の枷の鎖の音を鳴らして歩み寄ると、V3はくぐもった声を漏らしながら徐ろに起き上がり……

 

 

V3『ッ……旧式なりに中々やる……だったらっ……!』

 

 

―ギュイィィィィィィィィィィィィィィイッ……バチィイイイイイイイッ!!―

 

 

third『……!』

 

 

V3のダブルタイフーンが再度回転し始める。だが、その様子は先程とは違い、ダブルタイフーンの二つの風車から電流が放出されてV3の右腕へ辿り、そして……

 

 

V3『消し飛べっ……!V3サンダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

 

third『!』

 

 

―ドグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオォンッッッッ!!!!!―

 

 

電流を身に纏う右腕をV3が高らかに掲げた瞬間、右腕から放たれた凄まじい雷撃が天雲に登り、雲の中で雷鳴が鳴り響いた直後、天雲からthirdに目掛けて凄まじい威力の落雷が襲い掛かり、巨大な爆発を起こしたのだった。

 

 

エンジン『……?!く、黒井ィイイッ!!』

 

 

V3『……呆気ないね。もう少し楽しめるかと思ったけれど、まぁ、旧型には難題過ぎる高望みだったかな……』

 

 

そう言って軽く鼻を鳴らし、thirdが飲み込まれた黒煙をつまらなそうに見つめるV3。だが……

 

 

 

 

 

 

―……バチッ……ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!―

 

 

V3『――ッ?!なっ……?―ズガァアアアンッッ!!!―グァアアアアッ?!』

 

 

エンジン『……え?』

 

 

突如、黒煙の向こう側から僅かに稲妻が走り、直後に目にも止まらぬ速度の雷撃が放たれてV3に直撃したのである。思わぬ一撃を喰らい、吹き飛ぶV3を見てエンジンもバロンと対峙しながら黒煙の方に振り向くと、其処には……

 

 

 

 

 

 

―バチバチ……バチィッ……バチィイイッ!―

 

 

third『…………』

 

 

 

風に吹かれて徐々に薄まり始めている黒煙の向こうから姿を現したのは、V3の一撃を受けながらも全くの無傷で佇み、V3に右手の人差し指を向けるthirdの姿だった。更にそれだけでなく、勢いよく回転するthirdのタイフーンの風車からは電流が放たれ、thirdの右腕へ流れ残滓が火花を撒き散らしていたのだ。

 

 

V3『グッ!ブ、V3サンダーっ?何で君が……ッ?!まさか……?!』

 

 

third『……擬似型のラーニング能力……firstのようにキングストーンもエンペラーストーンも持たない以上、所詮は劣化版に過ぎないが、それでも真に迫るだけの性能はある……』

 

 

V3『馬鹿なっ、そんな……!旧型の改造人間にそんな機能が搭載されてる筈が……!』

 

 

third『知らなくて当然だ。寧ろ知る由もないだろう……旧型のお前達の戦法を、俺が全て既視(し)っている事もッ!』

 

 

―ダァンッ!―

 

 

V3『!』

 

 

驚愕するV3を他所に、地を蹴り上げて空高く跳び上がるthird。それを目にしたV3もthirdを迎撃するように跳び上がり、二人は互いに空中できりもみ回転から勢いを付けて飛び蹴りの態勢を取り……

 

 

 

 

 

V3『V3スクリューキィイィィィィィィィィッックッ!!!』

 

 

third『ライダァァァァァァキィイィィィィィィィィィッックッ!!!』

 

 

―ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァンッッッッ!!!!!―

 

 

 

 

 

互いに目掛けて放たれた二人の技……V3のV3スクリューキックと、thirdのライダーキックが宙で激突し、二人の必殺技が激突したと共に閃光が放たれて二人を呑み込んでしまったのだった。そして、その勝敗は……

 

 

 

 

 

 

―ドサァアアッ!―

 

 

V3『ぐぁあっ!ゥッ……グッ……!』

 

 

third『――――』

 

 

 

 

 

 

背中から地に倒れ、苦しげに呻くV3と、そんなV3に背を向けて着地するthird……。

 

 

勝敗の行方はその光景だけで一目瞭然であり、勝利の女神はthirdに微笑んだのである。だが……

 

 

V3『ッ……ま、だ……まだ、だっ……まだっ、負けてはっ……!』

 

 

勝敗が決して尚、V3は傷付いた身体を奮い立たせて立ち上がろうと拳を握り、顔を上げてthirdを見据えていた。それに対し、thirdはゆっくりと身を起こすと共に振り返り、徐ろにV3へと歩み寄った直後……

 

 

―バキィイイイイッ!!!―

 

 

V3『――がっ?!……ァ……』

 

 

誠「?!なっ……響、志郎さんっ……?」

 

 

なんと、thirdは既に動けない筈のV3の顔に目掛けて右足を振り上げ、容赦なくトドメの一撃を見舞わったのだ。それにより意識を刈り取られ、完全に崩れ落ちるV3。その様子を離れて見ていた誠は突然のthirdの行動に絶句する中、それを他所に、thirdは倒れるV3を見下ろして首を横に振る。

 

 

third『違う……勝者は俺だ……オレの……勝ちだっ……』

 

 

―ググググッ……!―

 

 

エンジン『……?黒井……?』

 

 

V3を見下ろし、そう呟きながら拳を作るように震えながら右手を力強く握り締めるthirdだが、その様子は何処か可笑しい。エンジンもバロンと戦いながらその違和感に気付き、戦闘中にも関わらず思わずthirdに意識を向けてしまうが……

 

 

バロンP『余所見をしている余裕があるのかァッ!』

 

 

―シュバァアアッ!!!―

 

 

ED『進ッ!!』

 

 

エンジン『ッ?!しまっ……?!―ズバァアアアアッ!!―ガハァアアッ?!』

 

 

thirdに気を取られるそんなエンジンの隙を見逃さず、バロンはすかさず剣を振るって炎の斬撃破を飛ばし、エンジンドライバーの呼び掛けでハッとなるエンジンを吹き飛ばしてしまった。そして、バロンはそんなエンジンにトドメを刺すべく何処からか一本の日本刀……バロンの愛剣である幻想剣アヴァンシェルを出現させて握り締め、力を溜めて必殺の剣を見舞わせようとするが……

 

 

―バッ!―

 

 

third『ォオオアアッ!!!』

 

 

バロンP『……ッ?!―ズドォオオオオオオンッ!!―グッ、うぁああああっ?!』

 

 

それを阻止するかのように、thirdが横合いから飛び出してバロンの胸に容赦ない一撃の跳び蹴りを打ち込んで吹き飛ばし、バロンはそのままアヴァンシェルを手放しながら勢いよく壁に叩き付けられてフェニックスフォームから通常形態、更に変身が強制解除されて翔へと戻ってしまった。

 

 

third『フンッ……それで断罪の神の弟子とは笑わせるッ……!』

 

 

エンジン『ッ……!黒井……お前っ……?』

 

 

やはりthirdの様子は可笑しい。先程とは打って変わり、まるで狂気にでも取り憑かれたかのように興奮状態で倒れる翔に毒を吐くthirdのその姿にエンジンの中の違和感が更に強まるが、そんなエンジンの心情も露知らず、thirdはまだ翔に何かをすべく歩み寄ろうとするが、その時……

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!―

 

 

third『……!』

 

 

エンジン『ぐっ?!な、何だッ?!』

 

 

thirdとエンジンに向かって何処からかエネルギー弾が飛来し、二人の足元を無数の火花が撒き散った。突然の攻撃に思わず二人も驚愕し、エネルギー弾が放たれてきた方に振り返ると、其処には……

 

 

 

 

 

リノベーション『フッフフッ……』

 

 

Eロード『フン……』

 

 

インフィニティ『…………』

 

 

エンジン『ッ!アイツ等は……!』

 

 

誠「増援のショッカーライダー?!」

 

 

third『……リノベーション、Eロード、インフィニティか……』

 

 

そう、エンジン達が目にしたのは新たな増援のショッカーライダー……"高町 琴音"が変身する『仮面ライダーリノベーション』、"緋凪 宗介"が変身する『仮面ライダーE(エンシェント)ロード』、"御薙煌一"が変身する『仮面ライダーインフィニティ』が肩を並べて歩み寄って来る光景だったのだ。

 

 

そんな新たな増援の登場と思わぬ連戦にエンジンも仮面の下で険しげな表情を浮かべる一方で、thirdは新たな獲物を見つけた獣の如く鋭い目付きで三人を見据え、まるで幽鬼のようにユラリと三人のライダーに立ち向かおうとした、其処へ……

 

 

―ブゥオォオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオォォンッッッッ!!!!―

 

 

インフィニティ『ッ?!ウォオッ?!』

 

 

リノベーション『ウアッ?!』

 

 

エンジン&third『『……?!』』

 

 

誠「こ、今度は何だ?!」

 

 

エンジンとthirdが迎撃態勢を取り、今正ぶつかり合おうとしたショッカーライダー達の背後から轟音のようなエンジン音を轟かせて一台の黒いバイクが現れ、ショッカーライダー達を退けながらエンジンとthirdの前に止まっていったのだ。

 

 

そして、その黒いバイクに跨がるのは、仮面ライダーマッハと造形が酷似し、黒いボディーに黄色のライン、そして仮面ライダーアクセル寄りのヘルメットの中に単眼がキラリと光る黒のライダー……進の世界のフェイト・T・ハラオウンが変身する『仮面ライダーソニック』、その人だった。

 

 

エンジン『ソニック……?!フェイトか?!』

 

 

ソニック『進……!漸く見付けたっ、飛鳥も無事なの『話は後にしろっ!来るぞっ!』……?!』

 

 

ソニックの登場に驚愕するエンジンと、そんなエンジンに質問を投げ掛けようとしたソニックだが、thirdの怒号と共にリノベーション達が襲い掛かり、背後からアマノハバキリでソニックに斬り掛かろうとしたリノベーションをthirdが抑え、残るEロードとインフィニティをエンジンとソニックが迎え撃って戦闘を開始していく。

 

 

『SLOT!SONIC!』

 

 

ーブォオオオオォンッ!!バキィイッ!!ドグォオオッ!!―

 

 

ソニック『ハァアアッ!!セェエアッ!!』

 

 

インフィニティ『グッ……!がふぅッ!』

 

 

Eロード『うっ、ウォアアッ?!』

 

 

最初はエンジンと共に二人のショッカーライダーを相手にしていたソニックだったが、度重なる連戦で疲れが目立ち始めたエンジンに代わってEロードとインフィニティを単独で相手し、得意の素早い速さを活かした戦法で二人を撹乱しながら圧倒して隙を作ると、自身の腰のベルト……ソニックドライバー烈風のスロットを持ち上げ、スイッチを押し元に戻した。

 

 

『HISATU!FULL THROTTLE!SONIC!』

 

 

―バッ!―

 

 

Eロード&インフィニティ『『?!』』

 

 

電子音声が響くと共にベルトのメーターが七色に発光し、周りを吹き荒れる風に身を乗せてソニックが空高く跳び上がり、空中で車輪のように回転しながら飛び蹴りの態勢を取って落下し……

 

 

ソニック『ハアアアアアアアアアッ!!ダァアアアアッ!!!』

 

 

―ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオォンッッッ!!!!!―

 

 

インフィニティ『グッ……うぐぁああああああっ!!?』

 

 

Eロード『ガハァアッ!!』

 

 

車輪の回転から弾き出されたように放たれたソニック必殺のドロップキック……マッハスピナーが二人に見事炸裂し、インフィニティとEロードはそのまま変身が解除されながら地面を転がり倒れ込んでいった。

 

 

ソニック『……チェッカーフラッグ……』

 

 

エンジン『フェイト!』

 

 

気を失う二人の安否を確認しつつ決め台詞を口にするソニックの下にエンジンが駆け寄り、ソニックもエンジンの姿を見て漸く安堵の吐息をこぼした。

 

 

ソニック『進……無事で良かった……。何処も怪我はない?』

 

 

エンジン『あぁ、すまねぇ、助かったっ……。ところで、お前何で此処に……「し、進さんっ!」……え?』

 

 

漸く再会したソニックと落ち着いて話をしようとしたエンジンの耳に、突然誠の悲痛な声が届く。その声に釣られて思わず二人が誠の方に振り返ると、何故か誠が焦った様子である方向を指差す姿があり、その指先を視線で追うと、其処には……

 

 

 

 

 

 

―バキィイイッ!!バキィイッバキィイイッ!!ドゴォオオッ!!バキッ、バキャアアァッ!!―

 

 

リノベーション『ごぶぅッ!!がっ、ごばぁああぁッ!!ァッ……!!』

 

 

third『フゥーッ、フゥーッ!フゥーッ!フゥーッ……!』

 

 

 

 

 

 

倒れるリノベーションに馬乗りし、頭を鷲掴みながらその顔に、荒々しい拳の雨を容赦なく浴びせていくthirdの姿があったのだ。

 

 

抵抗する素振りを見せないリノベーションの顔にthirdの拳が打ち込まれる度に、ヒビ割れる仮面に更に亀裂が走り、マスクの破片と共に鮮血が飛び散ってthirdの拳と仮面に返り血がねばり付く……。

 

 

リノベーションの方は明らかに戦意が喪失している。だがそれでも、thirdの拳は止まる様子はなく、再びリノベーションの顔面に拳が突き刺さると共に地面に新しく血を撒き散らした。

 

 

エンジン『……ぁ……お、おいっ、おい止めろ黒井ッ!!もういいっ!!勝負はとっくに付いてんだろッ?!』

 

 

third『……いイや……まだだッ……!完膚無キまで相手ヲ叩き潰すマデッ……!勝ッタとはッ……!イエナイッ!!』

 

 

―ゴキャアアアァッ!!!―

 

 

リノベーション『アグッ……っ……ぁ……』

 

 

そう言って、"狂気"を顕わにリノベーションを再び殴り付けるthirdに、最早エンジン達が知る響志郎の面影は何一つない。エンジン達の戸惑いを他所に、thirdは仮面の下の血走る瞳で血塗れのリノベーションを見据え、血に濡れた拳をもう一度振り上げて殴り掛かろうとし……

 

 

 

 

 

 

エンジン『止せッ!!それ以上やればホントに"死んじまうぞ"ッ!!それでもいいのかぁッ?!』

 

 

third『―――ッ?!』

 

 

 

 

 

 

その一言と共に、止まる筈のなかったthirdの動きが不意にピタリと止まった。

 

 

エンジンが何気なく口にした『死』の一言。そして、自分の目の前に映るのは、手足をグッタリと力無く投げ出した血塗れのリノベーションの姿……。

 

 

その二つが偶然にも頭の中で合わさり、thirdの脳裏に"炎の記憶"がフラッシュバックする――。

 

 

 

 

 

 

――事切れた人形のように、スローモーションで倒れていく二人の戦士……。

 

 

 

――巻き起こる爆発、それを背に佇む自分の姿……。

 

 

 

――そして、燃え盛る炎の中に佇み、血塗れの左腕を掲げる"傷付いた男"の姿……。

 

 

 

 

 

 

―……third……お前も仮面ライダーを名乗るなら、覚えておけ……―

 

 

 

 

 

 

third『――――……ッ……グッ……ゥッ……!!』

 

 

 

 

 

 

―俺達の……名は……―

 

 

 

 

 

 

third『ッ…………オ、れッ――――俺、はっ…………!!』

 

 

 

 

 

 

脳裏に響き渡る"声"に右拳を震わせながら自身の仮面の左眼の傷痕を左手で抑え、そのまままるで掻き毟るようになぞり、傷痕の上をリノベーションの返り血が塗り潰す。

 

 

……奇しくもソレは、まるで涙を流しているかのようにラインを描き、其処で漸く、thirdは我を取り戻した。

 

 

エンジン『……黒井……?』

 

 

third『……なんでも……ない……大丈夫だ……いこう……次の追手が来る前に……』

 

 

エンジン『あ、あぁ……誠、エクセリオンに乗れ!フェイト、話は後だ、今は此処を離れっぞ……!』

 

 

誠「は、はい……!」

 

 

ソニック『わ、分かった……』

 

 

のろのろと何処か覚束ない足取りのthirdの様子も気になるが、これ以上此処に留まっていては何時また新たなショッカーライダーが現れるかも分からない。そうなる前にと、エンジンはthirdの様子を気にしつつ助手席に誠を乗せたエクセリオンに乗り込んで発進させ、thirdのトライサイクロンとソニックの黒いバイク……インパクトソニックと共にその場を離れ、トライサイクロンの案内を下にライダータウンを目指し走り出していくのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

―山中・森林―

 

 

―――数時間後。ショッカーの追撃から逃れるように街を出て、ライダータウンを目指す道中のとある密林の中。

 

 

長い長い長旅で辺りはすっかり夜となって暗くなり、これ以上の運転は疲労が重なるだけだと踏んで野宿の為に人目を避ける森の中に隠れ、夕食の為にキャンプを起こし、その食事の合間、進は途中で合流したフェイトにこれまでの経緯とこれからの目的についての説明をしつつ、フェイトからも彼女の身に今まで起きた出来事を詳しく話してもらっていた。

 

 

ED『――そうか……君はシグナルバイクの力で光の影響を免れ、歴史改変に巻き込まれずに済んでいた訳か』

 

 

フェイト「ええ……その後、変わり果てたこの世界の事を探ってる内に、進と飛鳥のボディーガード役に見張っててもらっていたこの子から進達の事を聞いて駆け付けたの……」

 

 

そう言いながらフェイトが懐から取り出したのは、一台のバイク型のミニカー……進と飛鳥が緑の光に飲み込まれる寸前に飛鳥のシフトホルダーに引っ付いていたシグナルバイクであり、それを見下ろし、フェイトは沈んだ表情を浮かべて俯いた。

 

 

フェイト「でも……結局飛鳥は助けられなかった……私がもっと早く駆け付けていればっ……」

 

 

進「お前のせいなんかじゃねぇよ……それに、まだアイツを救えるチャンスはあるんだ。その為にも、フェイトの力も俺達に貸してくれないか?」

 

 

フェイト「……うん、勿論……」

 

 

少ない言葉。だが、その言葉の中に含まれた力強さと決意は進だけでなく誠にも伝わり、フェイトの了承に二人も満足げに頷き返す中、響志郎は自分の右手の掌を見下ろしたまま先程から一言も発さずにいた。

 

 

進「なあ黒井……さっきから何も喋んねぇけど、ホントに大丈夫なのか……?」

 

 

響志郎「……ああ……心配はいらない……。お前達が気にするような事じゃないさ……」

 

 

誠「いや、でも……」

 

 

そうは言いつつも、あの時の響志郎の異常な様子を見てしまってはとても大丈夫そうには思えない。

 

 

敵のライダーを一切の容赦なく痛め付ける。その時のthirdの姿が頭にこびり付いて離れない誠が響志郎に心配と不安が入り混じった眼差しを向けるが、響志郎は何も語ろうとはせず無言を貫き、そんな響志郎を横目に、進が意を決したように口を開いた。

 

 

進「――『相手を完膚無きまで叩き潰すまで、勝ったとは言えない』……あの時のお前はそう言っていたが、アレは……お前の中の本心なのか?」

 

 

響志郎「…………」

 

 

真剣な顔付きでそう問い掛ける進に、やはり響志郎は何も答えないが、誠とフェイトが進の質問を咎めようとする声もない。

 

 

恐らく二人も進と同様に響志郎の真意を知りたいのだろう。

 

 

四人の間を沈黙が支配し、焚き火の音だけが辺りに響き、闇に揺れる炎を見つめ、響志郎が薪を炎の中に投げ入れながら重い口を開く。

 

 

響志郎「だとしたら、どうする……?非難するか?俺の事を」

 

 

進「……其処まで言う気はねえよ……でも、幾らなんでもアレは度を越してんだろ……。別に彼処まで勝ちに拘る必要は―――」

 

 

響志郎「それは勝てない奴が口にする言い訳だ」

 

 

ピシャリッと、進の言葉を遮って響志郎が語尾を強く吐き捨てる。一切の容赦もなく、まるで先の戦いの時のように……。

 

 

響志郎「自分という存在を証明し、確立させる為には勝ち続けるしかない……一度でも敗れれば、一瞬にして歴史の闇に葬りさられて消え去る……それが敗者の辿る末路だ……」

 

 

誠「消え去るって、そんな大袈裟な……」

 

 

響志郎「……本当にそうか?」

 

 

そう呟き、誠に目を向ける響志郎の目はやはり冷たく据わっている。そんな眼差しを向けられて一瞬背筋が凍るような錯覚を覚える誠だが、響志郎は目の前の炎を見つめて淡々と言葉を続ける。

 

 

響志郎「この間違った歴史と、本来の正しい歴史の構図も似たようなものだろう……俺達が勝利しなければ本来の歴史は消え去り、この世界が正しい歴史としてこれからも存在し続ける……その逆も然りだ。守りたいもの、取り戻したいものがあるのなら、勝利に固執するのは当然の事だろ」

 

 

進「それは……そうかもしれねぇけど……」

 

 

響志郎「……負けた連中の事を気にする必要なんてない。外史のライダーを相手に加減が出来る筈も無し。何より奴等が俺達に敗北したのは、俺達が正しく、奴等が間違っていたから……ただそれだけの話だ……」

 

 

バチッ……と、響志郎が見つめる焚き火から火の粉が跳ねる音が鳴り響き、それを目にした響志郎は思わず右手で拳を握り、左手で右拳を覆うように握り締める。

 

 

響志郎「そうだ……正しいから勝利し、間違っているから敗北する……それを証明する為に勝利を追求し続ける……勝てば正義、負ければ悪、今までの歴史もそうやって築かれてきた……だから―――」

 

 

 

 

 

 

―俺達の……名は……―

 

 

 

 

 

 

響志郎「―――だから俺が勝った……奴がじゃない……俺が正しかったから……奴が間違っていたから……そうでなければ―――」

 

 

進「……黒井……?」

 

 

拳を強く握り締め、まるでうわ言のように呟きながら髪に覆われた自身の左眼……縦一線に刻まれた傷痕に触れる響志郎の言葉の違和感に、進も訝しげに眉を潜める。

 

 

"正しいから勝利し、間違っているから敗北する"

 

 

"勝てば正義、負ければ悪"

 

 

響志郎が口にしたその二つの言葉は、どちらも意味が相反する全く真逆の言葉……矛盾しているのだ。

 

 

正しいから勝利し、勝利するから正義となる。

 

 

間違っているから敗北し、敗北するから悪となる。

 

 

そう語る響志郎はその矛盾に気付いているのか、それとも、その矛盾に気付く余裕もないほどの"大きな何か"を抱えているのか……。

 

 

……考えてもみれば、自分は響志郎の過去について何一つ知らない。

 

 

此処はその矛盾の正体を探る為にも、もっと響志郎の内に踏み込むべきか。

 

 

そう考え、進は響志郎を見据えながら再び口を開こうとした。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

―…………ンッ…………シンッ…………ズシンッ…………ズシィインッ…………!!―

 

 

響志郎「……!」

 

 

進「ッ?!な、何だ?」

 

 

フェイト「じ、地震……?!」

 

 

 

突如、地を揺るがすよう巨大な地震が発生し進達は思わずバランスを崩し掛けてしまう。そして突然の地震に進達が思わず立ち上がり、辺りを見渡していく中、巨大な山の向こう側から重たい震動と共に姿を現す巨大な黒い影……"要ヒカル"が変身する『Gディケイド』が全守護者達とデジクロスした姿である『ジークローバーX8』が木々を掻き分け、ゆっくりと姿を現した。

 

 

誠「な……何だアレッ?!」

 

 

ED『amazing……!巨人なのかッ?!』

 

 

響志郎「ジークローバーX8……!守護者達もショッカーの手に落ちていたか……!逃げるぞっ!」

 

 

月を背にゆっくりと迫り来るジークローバーX8のあの巨体に真っ向から挑むのは無謀過ぎる。此処は夜の森に紛れて逃げるべきだと、響志郎は自分達の居場所を隠す為にすぐさま焚き火を消して進達と共にそれぞれのマシンに乗り込み、マシンを発進させて森の中を駆け抜けていくが、ジークローバーX8は森の中を走るライトの光を目で追いながら巨大な剣を手にし……

 

 

ジークローバーX8『クロスバーニング……ブレイカァァァァァァアッッ!!!』

 

 

―ドゴオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーオォンッッッ!!!!!―

 

 

響志郎「グウゥッ!」

 

 

進「クッ!ウォオッ?!」

 

 

ジークローバーX8が振り下ろした剣から巨大な斬撃破が放たれ、地面を抉りながら森の木々を吹き飛ばして進達に襲い掛かっていく。そしてそれを目にした一同もそれぞれのマシンを操りどうにか斬撃破をかわすが、エクセリオンは斬撃破をかわす拍子にハンドルを逆に切ってしまい、トライサイクロンとインパクトソニックから離れてしまった。

 

 

フェイト「っ!進ッ!!」

 

 

誠「進さんッ!!」

 

 

響志郎「分断されたっ……!進ッ!!」

 

 

進「グッ……!し、心配すんなッ!寧ろ好都合だっ、このままバラバラに逃げて敵の目を撹乱させるッ!こっちは後から合流するから、お前達はそのまま逃げろッ!」

 

 

分断されて入り込んだデコボコの坂道を必死に駆け抜けつつ、車内の通信機で響志郎達にそう伝えながら暗闇に紛れる木々に激突せぬようにハンドルをせわしなく切り続ける進。

 

 

そうしてエクセリオンは闇の中を進み続ける中、月明かりの導きで拓けた道を発見し、「しめた!」とハンドルを切りながらアクセルを一気に踏み込み、猛スピードで木々の間を駆け抜け拓けた道に飛び出すが……

 

 

 

 

 

 

ジークローバーX8『――オォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』

 

 

―ズシィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイイイィンッッッ!!!!!―

 

 

進「ッ?!な、何ッ?!!」

 

 

 

エクセリオンが駆け込んだ拓けた道の上空から、なんと、エクセリオンの進行先へと一息で跳躍したジークローバーX8が落下して着地と共に地面を吹き飛ばしたのである。

 

 

その凄まじい揺れと自分の目前に現れたジークローバーX8に驚愕しながらも、進は即座にハンドルを操作して頭上から降り注ぐ巨大な土砂の波を避けていき、そのまま止まる事なくジークローバーX8の足の間を走り抜けて逃げようとするが、ジークローバーX8は既にエクセリオンをロックオンしてエネルギーをチャージし……

 

 

―ギュイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!―

 

 

ジークローバーX8『セブンビクトライズ……』

 

 

ED『マズイッ……!!来るぞ進ッ!!!』

 

 

進「クッソォオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

 

―バシュウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウゥゥッッッッ!!!!!―

 

 

最早逃げ切れはしない。既にすぐ背後にまで迫る死神の足音を感じ取った進はたまらず絶叫し、そんな進とエクセリオンに目掛けて、ジークローバーX8から放たれた巨大なエネルギー破が骨も残さず焼き尽くそうと迫り、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

―……ボフゥウンッ!!!ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァンッッッッ!!!!!―

 

 

ジークローバーX8『――っ?!何っ……?』

 

 

 

ジークローバーX8のセブンビクトライズがエクセリオンに直撃する寸前、突如エクセリオンとビクトライズの間に煙が発生し、その中からくの一をモチーフにしたかのような巨大な風船が飛び出しセブンビクトライズを受け止めたのである。

 

 

その突然の妨害にジークローバーX8が戸惑うのも束の間、セブンビクトライズを受け止める風船は拮抗もままならず直ぐさま爆発し、ジークローバーX8の視界を黒煙が覆って遮ってしまい、巨大な腕を振るって突風を起こし黒煙を消し去ると、其処には……

 

 

ジークローバーX8『……逃げられたかっ……』

 

 

先程まで捉えていた筈のエクセリオンの姿は既になく、其処で漸く先の妨害が囮と時間稼ぎが目的だったのだと気付き、ジークローバーX8は忌々しげに舌を打ったのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

――そして……

 

 

―ガシャアアアアァンッ!!―

 

 

進「…………はえ?」

 

 

ジークローバーX8の下から数キロほど離れた地の森林の中。数を消したエクセリオンは何故かその場に瞬間移動するように現れ、車内の進も自分の身に突然起きた出来事に理解が追い付かず、瞬きばかりを繰り返していた。

 

 

進「え……え、え?な、何だ……?今、何が起きて……?『ばあっ!』ウワァアアアアアアアアアアッ!!?」

 

 

何故か一瞬で見知らぬ場所にエクセリオンが移動して混乱が収まらないまま進が車内から外の景色を見回していた中、目の前の窓の上から勢いよく誰かが顔を出して進を驚かせたのだ。そして、そんな進の反応に顔を見せた何者かは機嫌よく笑い、徐ろにエクセリオンのボンネットの上へと移動してその姿を露わにした。それは……

 

 

進「……っ?に……忍、者……?」

 

 

そう、進の第一印象の通り、その人物の外見は忍者をモチーフにしたかのような姿の仮面ライダーであり、忍者のライダーは戸惑う進の反応を他所に、ボンネットの上で屈みながらコンコンと窓をノックする。

 

 

『おーい、そろそろ出て来て話ぐらい聞かせてよー。せっかく危ない所を助けてあげたんだからー』

 

 

進「……はっ?助けて、って―コンコンッ―……え?」

 

 

どういう意味だ?と思わず聞き返そうとし、それを遮るように真横から聞こえた軽めのノック音に進の目線が真横に向けられる。

 

 

すると其処には、何やら人当たりの良さそうな茶髪の青年が苦笑いを浮かべて立つ姿があり、進はいつの間にか現れたその青年を見て「うおおっ?!」と僅かに身じろぎしつつ、恐る恐るドアのウィンドウを下げて青年と顔を合わせていく。

 

 

「えーっと……いきなり驚かせてすみませんっ。何だか危なそうだったから助けに入ったんだけど、こっちも余裕がなかったからちょっと乱暴な助け方になってしまってっ……」

 

 

進「……?助け……まさか……アンタ等が俺を助けてくれたのか……?」

 

 

『そっ、アタシの忍法と、兄ちゃんのタイムクイックのおかげでね、っと!』

 

 

首を傾げる進にそう答えながら、忍者のライダーはエクセリオンのボンネットの上から飛び退いてバックルにセットされた携帯を抜き取り、変身を解除して身体の所々に包帯や絆創膏などの治療の後が見られる黒のセミロングの少女へと戻りながら、軽やかな足取りで青年の隣に立った。

 

 

「まあ、取りあえず自己紹介から。アタシはミユ・ナカジマ!で、こっちが……」

 

 

「……阿南 祐輔。一応元の歴史じゃ知り合いなんだけど……覚えてないんですよね?進さん……」

 

 

進「ミユ・ナカジマ……阿南祐輔……?」

 

 

二人並んで進に自己紹介する少女と青年……firstの世界のライダーである『仮面ライダーレイヤ』の装着者である"ミユ・ナカジマ"と、祐輔の名を聞いた進は訝しげな反応を浮かべながらも、何処か聞き覚えのある響きに何か引っ掛かるものを感じていたのだった。

 

 

 

 

 

 







黒井 響志郎


本作の主人公の一人。ショッカーによる改造手術を受け、firstとsecondを抹殺した最強の改造人間・仮面ライダーthird。


狂的なまでに『勝利』への執着が強く、『正しいから勝利し、間違っているから敗北する』という考えを強く抱いている一方で、『勝てば正義、負ければ悪』という矛盾した考えを抱いており、その相反する二つの信念を抱くようになったのは"一人の男"の存在が深く関係しているらしいが……。


また、『thirdシリーズは結果的に失敗作』、『first達の戦法を既視(し)っている』など、firstの世界の歴史や滝達について知っているような素振りを見せたり、その出自も謎に包まれている。


嘗てfirstとsecondを抹殺した事で歴史改変・世界統合を引き起こし、ショッカーによる世界征服を確固たるものにした元凶であるが、現在はショッカーを抜けて正義派のライダーとして戦い続けている。


また、普段長い髪で隠している左目には、変身時の仮面と同様に痛ましい傷跡が刻まれている。


名前の元ネタは仮面ライダー3号の黒井響一郎と、仮面ライダーV3の風見志郎から。





仮面ライダーthird


仮面ライダーfirst、secondの系統を受け継ぎ、離反したV3の代わりとして生み出された新たな3号。


外見は仮面ライダー3号と同じだが、左目の複眼には、嘗てZERO driveとの激闘の末に傷付けられた深い傷痕が残っている。


戦闘力はこれまでショッカーで生まれた改造人間を遥かに凌駕し、firstとsecondの二人掛かりを相手に圧倒した上に時間軸上未完成だったとは言え、ZERO driveを敗る程の驚異的な力を持つ。


更には擬似型のラーニング能力も搭載されており、オリジナルのfirstと比べて劣っている部分は多々にあるものの、使い方次第では真に迫るだけの可能性を秘めている。


本来の歴史ならば、存在しない筈のライダーだが……?


必殺技は仮面ライダーの伝家の宝刀である、ライダーキックとライダーパンチの二つのみだが、響志郎の戦闘力も相まって従来の怪人・ライダーをも一撃で粉砕するほどの威力を持つ。


専用マシンは仮面ライダー3号と同じく、トライサイクロンを駆る。




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