そして今回はホロライブゲーマーズのメンバーが登場します。
大神ミオ
白上フブキ
猫又おかゆ
戌神ころね
の四人になります。よろしくお願いします!
ここはホロライブ保育園。縮めて〝ホロ育園〟──と言ったり言わなかったり。
とあるヴァーチャル世界にあるそこには、個性豊かな子ども達が預けられています。
一風変わった
黒髪のロングヘアーにオオカミを思わせる耳と尻尾。黒を基調としたセーラー服に紅白のしめ縄をあしらった和風テイストの服を着ています。
この
とある英才教育とは──ゲームです。
まだ幼い子ども達に積極的にゲームを遊ばせることによってどのように成長するのか、ゲームがどのような成長を促すのかを確かめる場……という噂があるような、無いような。
そんなふわふわした立ち位置にある
「ぉがゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
ものすっごい元気な声を上げて猫耳の女の子に飛びついたのは
垂れた犬耳と尻尾、骨の髪飾りを着けたとっても元気な女の子。一度動き始めたら暴走列車のごとく止まることを知りません。
ゲームを始めたら終わりはなく、付き合い切れなくて
「ころさんはきょうもげんきだねぇ」
ころねちゃんに抱き着かれた猫耳の女の子、
黒のパーカーに淡い紫色のショートヘアー。ぴょこんと尖った猫耳にひょろりと伸びた尻尾は左右にふらふらと揺れています。
猫のようにとってものんびり屋さんで、気まぐれで、いたずらが好きな女の子です。
「ころね、おかゆ、これいっしょにやらない?」
そう言って、手の平サイズの箱を持ってきたのは
白い髪に白いケモミミ、白いお洋服と⭐︎マーク付きの筆先のようなもふもふ尻尾が特徴的な女の子。
……あれ、確かフブキちゃんは
「フブキちゃんそれは……かるた?」
ころねちゃんに抱き着かれたままのおかゆちゃんが首を傾げました。
〝ヴァーチャルかるた〟と書かれた箱の中には、五十音の頭文字から始まる文章が書かれた札がたくさん入っています。
読み手が読み上げた札を素早く取り、取った枚数が多い方が勝ちというシンプルなゲームです。
「おしいれでみつけたんだ」
「かるたかぁ、いいねぇ。やろーやろー」
おかゆちゃんはのんびりと答えます。
「かるたやるぅ! ミオしゃもやろー?!」
「ウチも?!」
よくゲームに巻き込まれることはありますが、ころねちゃんの勢いしかないお誘いにミオ先生は驚きの声を上げてしまいました。
「ウチはほら……読み手をやってあげるよ。必要でしょ?」
誰かが文章を読み上げなければかるたはできませんから、ミオ先生が自ら買って出ました。
「じゃあミオせんせーおねがい」
「はいはい任せて」
フブキちゃんから読み手用の札の束を預かります。
フブキちゃん達は残った取り札をバラバラに床に広げました。
おかゆちゃん、ころねちゃん、フブキちゃんの三人はかるたを囲むように四つん這いになって構えます。
……猫、犬、狐、ついでに狼、とこの場にいる全員がケモ耳ケモ尻尾なので、獲物を狙う動物のようで可愛らしいです。
「よーし、ひさびさにかんばっちゃおうかなー」
「こぉねもまけんでな!」
「わたしだってまけないよ!」
三人ともやる気に満ち溢れているようです。ゆらゆらと左右に動く尻尾が良い証拠です。
しばし配置された札の位置を覚える時間を置いてから、ゲームスタートです。
「それじゃあ一枚目ね。ンンッ──『
「おらよー!!!」
ズザー!
野球選手のヘッドスライディングのように頭から腕を伸ばしてころねちゃんが飛びつきました。
掴んだ札を頭上に掲げて誇らしげな
「へへーん、どぉよ! こぉねすごい? すごい?!」
「おー、さすがころさんだねぇ」
「でへへ……」
大好きなおかゆちゃんにパチパチと拍手を貰って嬉しそうなころねちゃん。
言わずと知れた
どうやらこの〝ヴァーチャルかるた〟はヴァーチャル業界の定番やあるあるが書いてあるようです。
「まずはころねが一枚だね。じゃあ次読むよ。──『
ぺしーんとミオ先生は読み札を床に叩きつけました。
全く意味が分かりません。『てぇてぇ』とは一体何なのだ、とぷんすかするミオ先生。
「はい!」
その裏ではフブキちゃんが奇麗な姿勢で一枚の札を押さえています。この札はフブキちゃんの取りになりました。
ちなみに『てぇてぇ』とは『
すっ……と取ったカードを脇に置くフブキちゃんの仕草はなんだか様になっていました。
「おー、フブキちゃんかっこいー」
「ふふん……〝ちはやふる〟でべんきょうしたからね!」
フブキちゃんは嬉しそうに鼻を鳴らしました。
良くも悪くも影響を受けやすいフブキちゃんは、どうやらそれでかるたを持ち出してきたようです。
「それかるたというより百人一首の漫画じゃん?!」
読まれた札を誰よりも早く取る、という点においては同じルールなのでフブキちゃんの中では同じなのでしょう。むしろかるたの方が子ども向きの内容なのでちょうど良かったです。
「じ、じゃあ次ね──『
「ほいっと」
まさに猫パンチのごとく、おかゆちゃんが素早く一枚の札を場外へ弾き飛ばしました。しかもまだミオ先生が読んでいる最中でした。
「ぉがゆはやい!」
「へへーん。ボクからちかかったし、じつはねらってたんだよねー」
弾いた札を拾ってきたおかゆちゃんは、見せびらかしながら定位置に戻ります。
これで全員が一枚ずつになりました。勉強してきたと言っていたフブキちゃんもほっぺたを膨らませて、ちょっぴり悔しそうです。
「それじゃあ次読むね──」
ミオ先生はどんどん札を読んでいきました。
5枚、10枚、15枚──床に広げられた札の枚数が減っていき、三人の脇に置かれる札の厚みが増していきます。
三人の実力は完全に互角で、それぞれ取り札は15枚の同数。そしてかるたは全部で46枚なので、残り一枚となりました。
「…………」
「…………」
「…………」
三人は無言で完全に集中モードに入っています。
読むだけのミオ先生ですら緊張してしまうほどの
ゆっくりと深呼吸するかのように息を吸い込みます。その音ですら大きく感じました。
息を吸い込む気配を感じて、獲物に飛びかかる直前のように、三人の姿勢が深くなります。
あと一枚しかありませんから、何が読まれるかは関係ありません。読まれた刹那で勝負が決まります。
「……………………s」
「「「はい!!!」」」
とんでもない反射神経で、息が音になる前に三人完璧に同時のタイミングで飛び出しました。
一枚の札に三人の小さな手が乗っかっています。これは自分の取りだと視線がぶつかってバチバチと火花が散ります。
「わたし!」
「こぉね!」
「ボクでよくなーい?」
激しく飛び散る視線の火花はホロライブ保育園を炎上させそうなほどです。
「ミオせんせー! わたしだよね?!」
「ミオしゃ! こぉねでしょ?!」
「ミオちゃんせんせー、ボクでいいよねー?」
「うっ……」
三人の真剣な視線が一斉に集まって、ミオ先生は困ってしまいました。ミオ先生から見ても完全に同時に見えたからです。
乗っている手の面積で決めようにも、やっぱり三人とも同じくらいで指が乗っかっています。
「さ、三人の勝ちってことで、いいんじゃないかなー? なんて」
冷や汗を垂らしながら苦し紛れに言った一言。
これが通れば平和的解決になりましたが──
「ならもういっかい!」
「こんどはまけんでな!」
「いぎなーし」
「またやるの?!」
勝ってなんぼの〝ゲーム〟ですから。
──
その後、何度も何度もかるたを取り続けましたがいつになっても決着は着かず、勝敗がつく前に喉の限界がやってきたミオ先生が根を上げてお開きになったのでした。
──おしまい。
GAME→がめ→亀で、かめちゃん組です。相変わらずのネーミングセンスの無さには乾いた笑いしか出ません!
今回のお話はいかがだったでしょうか? ほっこりとしたり、楽しんで頂けたのなら幸いです。
次回もよろしくお願いします!