Fate/Grand Order 東方人理奪還戦線   作:シントウ

11 / 21
遅くなって申し訳ありません。
戦闘シーンもお粗末なものかもしれませんが楽しんでいってください。


約束された勝利の剣

セイバーの魔力が爆発したロケットの推進力のようにマシュたちに突撃してきた。咄嗟に盾を構え防御をとるマシュだがその威力に耐えきれず吹き飛ばされてしまった。

 

「がっ………!!」

 

「マシュ!?」

 

吹き飛ばされたマシュを見て声をあげる立香。セイバーはマシュに追撃しようと再びマシュの元に突撃しようとするが……

 

「俺たちのことを忘れて貰っちゃあ困るぜ、セイバー!!」

 

「食らいなさいっ!!」

 

セイバーに向かってルーンの火炎弾とお札による射出攻撃を放つクー・フーリンと霊夢。しかしセイバーは防御の姿勢をとることなく、二人の攻撃はセイバーに到達する前に消失した。

 

「今の……もしかして対魔力!?」

 

「違うわ、あれはただ魔力放出で攻撃を掻き消したのよ」

 

『はあぁ!?そんなことありえるのかい!?それはつまり、ただの魔力の壁で君たちの魔術攻撃を無理やり封じ込めたと言うことだろう!?』

 

「ええそうよ、私もこんな簡単に防がれるなんて思っても見なかったわよ!」

 

やけくそ気味に答える霊夢は再びお札を取り出し詠唱を始める。

 

「人に仇なす異形のものよ、その力、我が力を持って封じ込める」

 

そして再びお札をセイバーに向けて投擲する。セイバーは先程のように動かず、魔力放出で掻き消そうとする。

 

「魔を封じろ、『封魔針』!」

 

しかし放たれた札はまるで針のような形になりセイバーの魔力の壁を突き抜け、彼女にダメージを与える。

 

「っ!?これは………」

 

「ふふん、驚いたでしょ……この『封魔針』は魔力などの力を一時的に封じるのよ」

 

『封魔針』

 

それは博麗霊夢が使う技の一つ。その名の通り『魔を封じる針』。普段はお札の形をしているが霊夢が魔力を込めることで針の形になり、それを敵に投げつけることで攻撃する。その利用方法は今回のように魔力の塊を消す、簡易的な結界の破壊などに多く使用される。

 

もしもセイバーがただの魔力の壁ではなく結界などを張っていれば少し結果も変わっていたかもしれない。

 

「ルーラー!貴女は万全の状態じゃないのだからあまり前に出ない!一撃でもまともに喰らえば行動不能もありえるのだから!」

 

アーチャー戦で負傷した霊夢をあまり前に出したくないオルガマリーは霊夢に向かって叫ぶ。確かに霊夢は表面上平気そうな顔をして戦っているが実際は『封魔針』を出すのも通常より多くの魔力を消費するほど弱っていた。特にアーチャー戦で宝具を出したことで霊夢には宝具を出すほどの魔力は残されていなかったのだ。

 

セイバーはそんな弱った霊夢を見逃すことはなく、霊夢に向かって突っ込んできた。霊夢は咄嗟に自身に強めの結界を張り、向かってきたセイバーの剣を防ぐ。

 

「貴様からは何か不思議なものを感じる。先程の札といい、この結界といい……主流は恐らく東洋の魔術である陰陽道だが、あらゆる流派のものを取り込み既存のものとは全く違うものを生み出している……さすがは『忘れられたものたちの楽園』の守護者」

 

「……あら、遠い異国の王様にまで知られているなんて光栄ね。(ああああああっ!何この力!?萃香といい勝負じゃない!?結界貼らなかったら今頃真っ二つよ、私!てか、肩痛すぎてお粗末な結界になっちゃったじゃない!!そもそも召喚された初日から二回も真っ二つになりかけるなんてどんだけついていないのよぉぉ!!!!)」

 

余裕そうに答える霊夢だが内心かなり焦っていた。

 

結界を押しつぶそうと力を入れるセイバーに対し霊夢は結界が破られないように魔力を注ぎ、その状態を保つ。しかし霊夢の結界に少しづつ罅が入り初め霊夢は焦り出す。

 

「ルーラー!!真横に跳びやがれぇ!!」

 

しかしそこでクー・フーリンの大声が洞窟に響き渡り、それに気を取られたセイバーの隙を付き霊夢はセイバーを蹴り飛ばし、命令通りに横へ跳んだ。蹴り飛ばされたセイバーは体勢を少し崩したがすぐに持ち直した。

 

「とっておきをくれてやる 。焼き尽くせ木々の巨人。

 

『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)! !」

 

しかし、そこに燃え盛る木で作られた巨大な巨人がセイバーの前に立ちはだかる。

 

これこそキャスターのクー・フーリンが持つ宝具、『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)

本来はケルト神話に伝わるドルイドたちが儀式のために使われていた道具であり、ルーンの奥義ではなく、クー・フーリン自身も生前に使った事が無い。これはクー・フーリンがケルトのキャスターとしてドルイドの側面を獲得したため、ドルイドの象徴である『灼き尽くす炎の檻』が宝具に昇華したのだ。

 

「食いやがれっ、セイバァァー!!」

 

クー・フーリンの怒号とともに燃え盛る巨人はその巨大な腕を振り下ろす。

 

咄嗟のことに反応が少し遅れたセイバーであったが防御の構えをとり自身に振り下ろされる巨腕を受け止めた。

 

「宝具による一撃を受け止めた!?何よあれ!?規格外すぎるわよ!?」

 

彼女が宝具を受け止めそれに耐えたことを見たオルガマリーは驚愕するが立香はそれを見てここに来る少し前のことを思い浮かべていた。

 

 

_______________________________________

 

 

「作戦はこうだ。まずは俺とルーラーがセイバーの気を引き続ける」

 

数時間目に行われた作戦会議でクー・フーリンは立香たちに石を使って作戦概要を伝えていた。

 

黒い石をセイバーと見立て青っぽい色合いの石を自分、灰色の石を霊夢に見立ててその二つの石を黒い石の近くに置く。

 

「互いにあいつを攻撃し、どちらかが危なくなったらフォローに入る。んで、奴の隙を見計って俺が『宝具』を放つ」

 

『ランサーの君なら間違いなく『あの魔槍』なだろうけど、キャスターとして現界した君の『宝具』とはいったい?』

 

「まぁ、そこそこ使い勝手が良いやつだ。問題ないぜ」

 

不安そうなロマニにクー・フーリンは口角を上げる。

 

「で、あんたの宝具はセイバーを倒すことはできるの?」

 

「無理だな」

 

「即答!?ちょっと、どういうことよ!?セイバーを倒す為にこうやって作戦立てているのよ!それなのに倒せないってどういうことよ!?」

 

クー・フーリンの一言に騒ぐオルガマリーを宥めながら立香は話を聞く。

 

「騒ぐな騒ぐな、正確にはダメージを負わせれるが倒すまでは行かないってことだ」

 

『なら、どうするんだ?君の宝具もトドメをさせない、霊夢くんはそもそも全力を出せない。君はいったいどうやってセイバーを倒すんだ?』

 

ロマニの問いにクー・フーリンは直ぐに答えた。

 

「あいつに『宝具』を使わせるんだよ」

 

 

_____________________________

 

 

「舐めるなよ、アイルランドの光の神子!」

 

セイバーの黒い聖剣が魔力を纏い『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)の腕を切り裂く。腕を無くしたことでバランスを崩し前屈みになりながら倒れそうになるがセイバーの黒い魔力を纏った斬撃によりバラバラにされてしまった。

 

「そろそろ終わりにしよう。貴様らの命運はここで潰える」

 

黒き聖剣に魔力を込め出したセイバーを見て立香は自身のサーヴァントを呼び出す。

 

「マシュ、来るぞっ!!」

 

「はい!!マシュ・キリエライト、これより擬似宝具を展開します!!」

 

『「あいつが宝具を撃ってきたら、そこから先は嬢ちゃんの番だ。あいつ自身の攻撃があいつ自身を滅ぼす一撃になる」』

 

「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め………! 『約束された勝利の剣』(エクスカリバー・モルガン) !!!』

 

漆黒に染まった聖剣から放たれた極光が立香たちに向かってきた。

 

「宝具、展開します!『疑似展開/人理の礎』(ロード・カルデアス)!!」

 

マシュの盾から放たれた光が模様を描き、巨大な結界が姿を現し、『約束された勝利の剣』の極光と衝突した。

 

「クッ………うぅ……」

 

最初の衝突による衝撃でわずかに後退したものマシュは何とかその場に踏み止まった。しかし……

 

「うぅぅ………!!」

 

再びマシュの体は徐々に後退し始めた。いくらマシュの宝具がセイバーに相性がいいとはいえ、不完全な宝具ではサーヴァントとして最優であり、彼の有名な騎士王___アーサー王の宝具をマシュ一人で受け止められるはずがない。

 

しかし……

 

「マシュ!!」

 

「フォウ、フォーウ!!」

 

彼女は一人(・・・・・)ではない。

 

「!?せ、先輩っ、フォウさん……!?危険です、離れてください!!」

 

「後輩の君に任せてばかりじゃ、先輩としてカッコがつかないよっ!!」

 

彼女の盾を支える手をとったのは彼女のマスター___藤丸立香、そして不思議生物のフォウだった。立香はマシュと共に盾を支える。そこにさらに盾を支える手が現れる。

 

「しょ、所長!?」

 

「オルガマリー所長……何故、あなたまで……」

 

「貴方たちが無茶するからよっ!!いいから集中しなさい!!これを防げなければここで全員死ぬのよっ!!それと藤丸っ!!」

 

「えっ、は、はい!!」

 

「『令呪』を使いなさいっ!!」

 

オルガマリーの言葉の意味が分からず混乱する立香。

 

「ああ、もう!!貴方の手の甲にある赤い模様の様なものよ!!それは自身のサーヴァントに三回までの命令を出せる絶対命令権よっ!!令呪はサーヴァントのステータスを一時的に底上げすることができるのよ、それを使ってマシュを強化しなさい!!」

 

周りの轟音にも負けないほどの声でオルガマリーは説明する。立香は自身の右手に出来た翼を広げた様な模様の令呪を見る。使い方は分からない、だがするべきことは分かる。

 

「『令呪』よっ!!」

 

右手を握り拳にして力を入れる。自身の中で何かがカチリという音がした様な気がした。カルデア礼装の魔術を使用する時とは違う。全身の力が令呪に注がれる様な感覚になる。

 

しかし、セイバーにも令呪を使用する為の魔力を感知しさらに聖剣に魔力を込める。漆黒の極光はさらに威力を上げ、マシュたちに襲いかかる。

 

「クー・フーリン、準備はいい!?」

 

「おうよっ!!いつでもいけるぜっ!!」

 

マシュの宝具の前に小さい無数の結界が姿を現し、マシュの宝具を補助するかの様に宝具の周りに配置された。

 

「何……これ……」

 

これらの結界が展開されてから盾にかかる重圧が軽くなった。

 

「これは私たちが貼った魔力封じの結界よ。正面からの魔力を吸収して胡散させるのよ」

 

「だが長くはもたねぇ。俺たちの魔力もこいつを貼ったことで底を尽こうとしている。急げ!」

 

二人の言葉に頷き立香は再び令呪に魔力を込める。

 

「マシュに騎士王の一撃を跳ね返す、絶対的の守りをぉぉ!!!」

 

令呪から発せられた赤い光が輝き、マシュは自身に力がみなぎるのを感じ取る。

 

「ハァァァーーーッ!!!」

 

マシュは自身の体に力を込め、盾を前に突き出す。セイバーの宝具は徐々に押され始めた。

 

「これは……!」

 

宝具が押され始めたことを察したセイバーはさらに魔力を込めようとするが霊夢たちが貼った結界に邪魔されうまくいかない。

 

「行けっ、マシュッ!!!」

 

「はいっ!!!」

 

そして漆黒の極光が跳ね返され、セイバーに向かって行った。

 

「……………見事だ……」

 

そう言ってセイバーは自身が放った極光の中に飲まれた。




冬木市編終盤です。お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。