Fate/Grand Order 東方人理奪還戦線 作:シントウ
投稿が遅れてしまい本当に申し訳ありませんでした!!
前回の投稿した後の数週間自分にとって色々と大変な時期だったので頑張った分その反動で集中出来ず全然進む事ができませんでした。
久しぶりの投稿なので少し変な部分もあるとは思いますが楽しんでいってもらえると幸いです。
それではどうぞ!
襲いかかる兵たちからなんとか逃げ切ることが出来たカルデア一行は夜の森の中で今後の事を話していた。そして、成り行きで連れて来てしまった謎のサーヴァントの正体がこの特異点で猛威を奮っている『ジャンヌ・ダルク』だということが判明した。しかし……
『今、フランスを襲っているのは自分ではない………と?』
「はい、私がこの時代に限界した時には既に『もう一人の私』がフランスの各所を襲っていました。さらにこれに関係あるのかは分かりませんが『ルーラー』としての私の力も殆ど行使出来ないのです」
「?ルーラーとしての力?」
「先輩、ルーラークラスは本来、聖杯戦争に異常がきたした時に召喚されるサーヴァントであり、聖杯戦争の裁定者。その為、クラススキルには『真名看破』と『神命裁決』と呼ばれるスキルがあります。『真名看破』はその名の通りサーヴァントの真名を見破ることができ、『神命裁決』は聖杯戦争に参加している全てのサーヴァントに二回の令呪を使うことが可能です」
ルーラーは聖杯戦争では常に中立の立場でいなくてはいけない絶対的な存在。その為、聖杯からある程度の権限を譲渡されており、聖杯戦争の行末を見守る存在なのだ。
「へー、あれ?じゃあ霊夢も『真名看破』と『神命裁決』を使えるの?」
霊夢のクラスもルーラー、ならば先ほどのスキルも使える筈だが…………
「悪いけど使えないわ。言い忘れていたけど私のクラススキルは全く反応しない」
カルデアに戻ってから霊夢のスキルの確認のためにトレーニングルームで使おうとしたが全く使えず、恐らく霊夢自身が聖杯戦争と関係ない別の世界の英霊であり、聖杯ではなく『
「にしても、『竜の魔女』ねぇ〜」
「同じ顔、同じ名を持つサーヴァントが二体、しかしその性質は正反対だ。今我々の目の前にいる彼女は人々を助け、鼓舞し、希望を与えた。正に後世に伝えられた『ジャンヌ・ダルク』像そのものだが、各地を襲撃し回っている『竜の魔女』はワイバーンたちを使い、人々を襲い、恐怖や死、絶望を与えている。つまり別側面ということか……」
「性質が反転してるっつうことは、冬木で見たセイバーと似たような存在になってるつうことになるな」
「えぇ、私もアーチャーやランサーと同じ意見です。言うなれば、今このフランスを襲撃しているジャンヌは『ジャンヌ・ダルク・オルタナティブ』というものでしょう」
オルタナティブ、別側面、つまり『竜の魔女』と呼ばれているジャンヌは魔女と罵られ、祖国に裏切られ、火あぶりにされてしまったことに対しての『恨み』をもつ心の闇というものが前面に出て来たということになる筈だ。
『とにかく、一旦この話は置いておこう。もう一人のジャンヌが暴れ回り、各地を襲撃。この時代でフランスという国家が崩壊・消滅するも同然だ。歴史上、フランスは人間の自由と平等などを謳った最初の国であり、この先の革命の歴史を作り出したと言っても過言じゃ無い。フランスの消滅、それは即ち、この先の『自由』の歴史が消滅するということだ。僕らのこの特異点での目的は『もう一人のジャンヌ・ダルクの討伐』、そして『この特異点を作り出した聖杯の回収』だ』
ロマンから言い渡された任務に立香たちは再び気合いを入れ直す。
『まあ、今日はいきなり大変なことが起きたからもう休むと良い。立香君の疲れが溜まっているだろう、暗闇の中で動くのは危険だからね』
==========
一同は夜の森で交代しながら焚き火の側で見張りをしており、今の時間はマシュの番だ。
(この特異点に来て、私は余り先輩の役に立っていません………)
マシュは今までに無い程悩んでいた。自分を必要としてくれる人の力になりたい。しかし、この特異点に来て、他のサーヴァントたちに比べると余り活躍できていないと感じていた。勿論、マシュ自身、自分はデミ・サーヴァントであり、周りのサーヴァントとたちとは違い英霊の混ざり物、ある程度スペックが落ちていて当然なのだ。
(私は先輩を守る盾。しかし今回の戦闘では先輩と逸れてしまい、もう少しで先輩が危険な目に遭わせてしまった……)
小さなため息を出し、マシュは顔を俯かせてしまった。
そこに………
「おいっ」
「!!?」
突然後ろから声が聞こえ慌てて振り返るとそこにはいつもの黒い帽子を外している魔理沙とエミヤが立っていた。
「魔理沙さん、エミヤさん………どうしたんですか?まだ交代時間では無い筈ですが…………?」
「いや、マシュの元気が何となくなさそうだったからな。だから声かけたんだよ」
「私は霧雨魔理沙に『暇だろ、来い』と言われて強制参加させられただけだ」
小さなため息を吐たエミヤをスルーし、魔理沙は笑いながらマシュの隣に座った。
「まあ、なんだ、お前がそんな浮かない顔をしているのは今回の戦闘で立香を危険な目に遭わせちまった事だろ?」
その言葉にマシュは一瞬体を強張らせた。
「なんでわかった?って顔してんな?そりゃあ、あからさまに落ち込んでそうな感じだったし、今日のことでそこまで落ち込む出来事って言えば立香のことぐらいだぜ」
そう言いながら魔理沙は目を細めて怪しく笑う。エミヤはそんな態度の魔理沙を横目に見ながら焚き火を挟んでマシュたちの反対側に座る。
「………はい、私はマスターを守る盾です。いついかなる時も私はマスターの側にいなくてはいけません。しかし、私は今までの戦闘を省みてもマスターをしっかりと守れていたとは思えません。あの時も霊夢さんやクー・フーリンさんに助けられてましたし、今日のこともそうです。私はやっぱり皆さんの足手まといなのでしょうか………」
マシュの独白を魔理沙とエミヤは静かに聞いていた。
「……マシュ・キリエライト、それは違う」
「えっ……?」
エミヤのその発言にマシュは顔を上げる。その視線の先にいるエミヤは真っ直ぐな目でマシュを見ていた。
「確かに、君はサーヴァントとしてはっきり言えばまだまだ未熟だ。サーヴァントはマスターが居なければ成立しない。我々がマスターの指示で他の敵と戦っていようとも常にマスターの事を気にしなくてはいけない。特に君は立香と本契約しているサーヴァントだ。我々は契約こそしているがあくまでもカルデアのバックアップがあってこそ成立しているサーヴァントだが君は違う。今回の戦闘では君と立香が離れ過ぎてしまったのが原因だろう。間違いなくそこは君の落ち度だ」
エミヤの言葉に再び落ち込んでしまうマシュ。だがエミヤは「しかし」と言葉を繋げる。
「君は自身の戦闘が終わるや否や真っ先に立香の元に駆けつけた。我々は周囲の警戒が必要だった為にすぐには動けなかったが君は真っ先に終わらせ行動した。前回の冬木での戦闘もそうだ。君という絶対的な盾が立香の側に居たからこそ他のサーヴァントたちは心置きなく戦えたんだ」
少し優しい口調で話すエミヤに困惑しつつもマシュはエミヤに質問した。
「えと、それは、つまり……?」
「つまり、君はサーヴァントとしては未熟だが、『立香のサーヴァント』としては君が一番適任なんだ」
「私……が……?」
「ああ、私でも無く、他のサーヴァントたちでも無く、君だからこそだ。通常の聖杯戦争ではマスターは基本前に出ることはないが今回は状況が違う。サーヴァントを倒すだけでなく、その原因を探り、人理焼却を解決しなくてはいけない。その道中、我々は敵から立香を守らなくてはいけない。立香が倒れてしまえば我々はその時点で敗北だ」
カルデアで動けるマスターは現在立香ただ一人。正に立香は世界を救う最後の希望なのだ。敵も恐らくそれを理解している。立香を直接狙ってくるなんて事もあるかもしれない。
「君のサーヴァントとしての強みは『守る事』だ。敵を倒すのでは無く、マスターを守り、我々前衛が敵を倒すまで耐え切る。『シールダー』はその名の通り、『守り』に特化したサーヴァント、常に危険が蔓延る立香を守るには正に君は適任だ。まあ、今回のことは立香がかなり無茶をしたから私から厳しく言っておこう」
「あっ、えと……お、お手柔らかにお願いします………」
「おいおい、エミヤの旦那。私が言いたい事全部言っちまうなんてひどくねぇか?完全に空気だったぞ、私?」
「むっ、すまない……」
今まで空気だった魔理沙が不機嫌そうな顔でエミヤに文句を言う。
「まあ、なんだ……今回はジャンヌがあの場にいた為何とかなったから結果オーライって、思っておけば良いと思うぜ。人生に失敗は付き物だ、重要なのはその失敗をどう活かすかだ。マシュなら次は同じ様な失敗をしない様に出来ると私は思うぜ?」
ニヤリと笑いながらウィンクをする魔理沙と優しげに微笑むエミヤの言葉に少し気が楽になったのかマシュの表情は先程よりも和らいでいた。
その後、ジャンヌと霊夢、アルトリアの3人が加わり、半ばガールズトークの様な雰囲気になったため、エミヤは静かにその場を去った。
__________________________________________________________________
エミヤは焚き火の場所から少し歩いたところで立ち止まり正面にいる人物達に声をかける。
その人物達とは………
「それで、君たちはこんなところで一体何をしているんだ?」
「……アハハハ、ば、バレた?」
「何って、マスターが盾の嬢ちゃんが元気なさそうっていうからその様子を見にきただけだぜ?」
マスター、藤丸立香とランサー、クー・フーリンの二人である。
「では何故、草むらの茂みで身を隠しているのだ?側から見ればタダののぞきだぞ」
現在男3人がいる場所は草むらの茂みであり、焚き火の場所が見え、会話の内容がギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいしか離れていない。
「いや、最初はマシュの様子を見ていてあまりにも思い詰めていそうだったら声でもかけようかなぐらいな感じで見ていたんだけど、そのあとエミヤ達が来て、残りのメンバーも来たから出るに出れない状況になって……」
「今に至ると……」
フゥ……とため息を吐くエミヤに曖昧に笑いながら誤魔化す立香だった。(因みにクー・フーリンは面白そうだったから付いてきただけ)
「取り敢えず此処に居るとあらぬ疑いをかけられるぞ。女性を怒らせると後が怖いからな……」
「へぇ、中々言葉に重みがあるじゃないか……生前に何か女関係でやらかしたのか?マスター、こいつの様にならない内に引きあげようぜ」
「女関係で盛大にやらかした貴様にだけは言われたくはないぞランサー」
二人の間に火花が散るのを横目で見ながら立香はこの場から離れようとする。しかし………
「あれ?」
何か違和感を感じた。この時間や場所なら対して気にならないだろうが何かがおかしい。
「ねぇ、エミヤ、クー・フーリン………」
「ん?」 「なんだ?」
「俺の気のせいだとは思うんだけど、何か違和感を感じない」
立香の言葉に二人は周りを見ると、その眼の色が変わる。
「立香、君の違和感は気のせいではない」
「ああ、間違いないぜ。まさか俺たちに気付かれずにここまでやるとはな………」
違和感を最初に感じていた立香だがその正体が未だに分からず、それを察したエミヤが立香に違和感の正体を話す。
「立香、君が感じた違和感は正に今目の前にある。森が暗いものだとしても
そう、立香が感じた違和感は森の異様な暗さだった。3人が居る場所は焚き火の灯りが十分見える。しかし、周りを見てみると焚き火の灯りは見えず、見えているのは互いの顔が辛うじて見えるほどだった。
「俺たちに気配を悟られず、魔術を行使するとはかなりのやり手だな」
「出来るとすれば、気配遮断を持つアサシンクラスか、隠蔽の魔術を得意とするキャスタークラスだろうが……それでもこれは異様だ……」
3人が現在の状況を少しづつ飲み込んでいる中、ある声が聞こえてきた………
「お前らは………食べてもいい人間かぁ〜〜〜?」
最後のセリフは東方知識に自信がない人でも分かるあのキャラクターのセリフです。
大分前の後書きで出てくるキャラのヒントとして『第一作』と言った覚えがあるのですが分かりましたか?
エミヤ達が何故立香に言われるまで気付かなかったのは次回以降で明らかになると思います(目そらし)。
ぜひ、お気に入り登録や評価、コメントなどをしてくれると幸いです!作者は単純なのでコメントやお気に入り登録するとはしゃぎます。
それでは、次回もお楽しみに!!