扉間小隊の活躍めっさ書かれてないのが悪いんや
眼鏡を掛けキセルを吹かす見た目、忍びらしい黒装束を着た中年の男が居た。
周りには、四人の対魔忍が彼を取り囲んでいる。ほとんどが女性であり、その顔立ちは美女でスタイルのいいモノばかり。それぞれ、彼女らに見合う獲物を携え臨戦態勢で、彼の動向を伺っている。
「これより、試験を開始する」
男、水戸門ホムラは煙管を咥えながら片手で印を結びながら足を使い、円を描くように舞い始める。
指先で描かれた円は、曲りも無く歪みも無い完璧な円であった。舞と印が結び終わると同時に、描かれた円はぼんやりと光り出すとホムラの身体を包み、額には木の葉の里のマークと黒染の隈取が浮かび上がった。
その姿を見た対魔忍たちは、全員驚愕の表情を隠せていない。
それもそのはず、ホムラの姿はまさに、最高位の忍びが習得できるとされる仙人モードを思わす姿であったのだから。
「さすがは…水戸徳川御庭番衆前筆頭頭、水戸門ホムラさまね。仙人モードがお手の物って事かしら」
対魔忍の内の一人がそう、零した。
濃い菫色で左目を隠したショートカットの女性、羽鳥志津香。彼女は邪眼持ちの対魔忍と知られ、その目は “恐慌疑心”と呼ばれる恐怖を煽る性質を持ち、見たものは恐怖と猜疑心に蝕まれ、精神を崩壊するとされる代物。
そんな邪眼を持つ彼女は、サディスティックとされ新人はおろか同じ対魔忍からも恐れられている。実力も高く、かつ仕留めると言う意味では彼女は一線級の実力者でもあった。
強敵を前に、武者震いを隠せない志津香の傍で鞭を構える一人の対魔忍。
蓮魔零子、透視の忍法の使い手であり的確に相手を鞭で仕留めると言う苛烈ながらも、公平であり堂々とした姿勢は、生徒と共々慕われているほど。
「気を抜くと、持っていかれそうだ」
「うふふ…。滾ってきちゃうわ…その頑固な顔を歪ませてみたいもの、ね!!」
志津香は投擲用の小さな刃を三枚、ホムラへと投げ先制。勢いよく迫る刃にホムラは動じることなくクナイを投げ、一枚を残しすべて射ち落す。
残った一枚はホムラへと迫るが、ホムラはその刃を掴み身体を捻らしながら志津香へと返した。
「秘術・手裏剣分身」
数秒のちに印を結び終える。一枚だった刃は瞬く間に分裂を繰り返し、百を超える程の数へと増えた。零子は迫る刃に向け、鞭を振るい多くを撃ち落とすが残った刃は迫りくることは変わらない。
零子は持ち手の部分のスイッチを一つ押す、すると鞭は稲光を発生させバチバチと音を立てる。そのまま、迫りくる刃に向けもう一振りすると稲妻が広がるように走り出しすべての刃を落とした。
志津香はそのまま突進し、ハイキックを入れる。
ホムラは蹴りを片腕で制し、片足を掴み上げハンマー投げのように回転を入れ零子へ向け放り投げる。さらに両手で印を結び片足で地面を叩けば真っ直ぐに亀裂が走りだす、土遁・裂土転掌(れつどてんしょう)と呼ばれる忍術。
亀裂が広がり、零子の足元まで迫りバックリと開いた。足元を崩し、そのまま投げられた志津香と共にバウンド。
何事も無かったかのように、余裕を崩さないホムラだったが…零子の持つ忍具に僅かに笑みを浮かべた。
「…忍具雷光鞭か。いやはや、ご息女様の道具を間近で見る羽目になるとはな」
「く!」
「うおぉおおおおっ!!」
その時、雄叫びとと共に二刃の斧が豪快に振りあげられホムラへと振り下ろされた。
素早く退避するホムラ、彼が居たはずの地面は抉れ小規模なクレーターが出来ていた。クレーターを起こした対魔忍、八津紫と呼ばれる原作でも有名な女性対魔忍だ。怪力と不死身の能力を持ち、パワータイプで言えば右に出る者はいないだろう。
すぐさま斧を振りかざし、その怪力を生かした連撃をホムラへと入れる。
紫の迫りくる重圧を纏った攻撃に、ホムラは一つ一つ躱すが攻撃の隙を与えられずにいた。
「はぁああああ!これで、どうだ!!」
身体全体で斧を振り上げ、勢いよく真っ直ぐに振り下ろせば地面を抉り、衝撃で地面が割れ土の塊が周囲に浮き上がった。
「く、とんでもない怪力娘じゃ。…綱様並みじゃあないか」
ホムラは苦言を零し、両手で印を結ぶ。
が、それをさせまいと零子の雷を纏った鞭が迫りくる。印を中断し、後退し間合いを取り体勢を立て直すホムラ。
間合いを取り、息を切らさず三人の対魔忍を見つめる。
ホムラは一息吐くと、こう呟いた。
「さて、残るはアサギか…」
そう呟いた瞬間、ホムラの背後からキラリと一つの光と共に一陣の風が駆け抜ける。
「燕の舞」
一閃、まるでソレはレーザービームが如くホムラの胴体を貫いた。
音もなく、ただ真っ直ぐに一線が入る。その一閃を放ったアサギによって胴体を貫かれたホムラ…が、ポンと乾いた音ともに土くれが地面へと落ちた。
アサギは、直ぐさま刀を構え再度忍法を繰り出そうとする。
「アサギ様!!」
紫が声を荒げる、アサギは自身の獲物に起爆札が張られている事に気付く。しかし起爆札は既に爆発一歩手前、アサギすぐさま退避すると大きな爆発が起きた。
アサギは苦い顔で爆発を見届け、予備の脇差を抜く。紫、零子そして志津香は集まり再度獲物を構える。
大きく膨れ上がった煙の中から、無傷だが爆風の余波で煤を被ったホムラが現れた。
咥えていた筈の煙管は、根元からボッキリと折れている。
「…ふむ、全員合格じゃ」
ホムラは咥えていた煙管を放り投げる、その時に小さな爆発が起きた。
あのまま加えていたら、口は大惨事となっていただろう。
「あら、とっくに気づいていたんですね」
明らかにわざとらしく残念そうなリアクションを取り、志津香はそう呟いた。
「これにて、昇級上忍二級の試験を終える」
ホムラは衣服に付いた煤と埃を払い終え、その場を後にした。
結界とされる膜が割れ、周囲は多くの人がかたずを見守っていた。上忍ニ級と成ったアサギと紫、志津香、零子の四人の対魔忍たちの戦闘を彼女たちには見えない形で、始終を見届けていたのだ。
そんな観客の中に、ふうま小太郎と興奮気味の上田鹿之助が居た。
「…これが、水戸門ホムラ。流石はあの扉間小隊の出だな」
「す、すっげぇな!ふうま、アレってアレだよな…仙人モード!!」
「いや、あれは仙人モードじゃない。疑似・仙人モード“クラマ”だ」
「え、なんだそれ?」
「あぁ、俺も詳細は詳しくはないが…何でも仙人モードに似た、自然チャクラエネルギーを取り込んだ強化法らしい。精霊の加護を受け、その属性だけを限定的に大きく強化できる忍法らしい。
“クラマ”は山の化身とされる天狗であり、鞍馬山のクラマテングの加護を受けた人のみが発動できるそうだ」
ふうまは、とても興味深そうな顔つきでホムラの背を見つめている。
「しっかし、木の葉の里の英雄さまがなんで五車町に居るんだろ」
「まぁ、台湾危機で木の葉の里が半壊しその避難場所として近場の五車が選ばれたからな。
本人は、木の葉の里で活動したいんだろ…。それが出来ないから、こうやって五車の対魔忍を鍛えてくださっているのだろうな」
そう、ふうまは感謝と共にいたたまれない気持ちを含ませ呟いた。
今から三十余年ほど前に、台湾危機と呼ばれる米連と中華の代理戦争が勃発した時代。
この危機と同時に、エドウィン・ブラックと名乗る魔族が侵略を開始東京キングダム含む、裏社会の情勢を大きく塗り替える事件が発生した。今では、ブラック率いるノマドと言う組織は、知る者はいないとされるほど強大となった。
この五車町より少し古い隠れ里、かつてホムラが所属していた木の葉の里はこの危機によって半壊すると言う悲惨な出来事を負った。ノマドの構成員率いる、魔族が木の葉を襲撃…のちに木の葉襲撃、そう呼ばれた事件は多くの犠牲者を出す。
ホムラにとって親友とも言える仲間と、恩師を失うほど大きな事件であった。
生き残った木の葉の里の忍び含め住人は、五車町の好意で一時避難する形と成り、生活している。今の木の葉の里は、復興作業が進んでおりかつての栄華とは比べ物にならない程、小さな隠れ里と成った。
え、若い?
気のせいだよ、対魔粒子かチャクラを上手くコントロールしてるだけだ
波紋の応用みたいなものだろう、きっと
(ろくに考えていない)
襖間ちゃんまじでどないしよ