名前はもはや言い訳はしません。あのゲームの女神から、そして違和感がない名前にしたらこうなりました
あとダンゾウは普通に犠牲者する回
好きだぜ、ダンゾウ
「何でじゃああ!私は、私はただの農家ぞぉおお!!こんな里出ってやるぅうう!」
何とも情けなく、赤の他人のふりをしたくなるような程の声を出す一人の女性が居た。
端正な顔立ちで、身体つきも十分なほど美しい女性だ。見た所、対魔忍スーツを纏った対魔忍ではあるが…普段見かけるような対魔忍とは程遠い、小心者の印象が伺えられる。様子からして、まるで癇癪を起し駄々をこねる子供の姿。
「サクナ、里を出るのですか?」
「だってぇえええ、ご息女ざまぁあああ!!私はなんで対魔忍なんぞさせられているんですがぁああああ!農家ですぞ、農家ですぞぉおおお…対魔忍志望では、無いんですよぉおお!!」
「伺っていますよ、サクナ。あなたの言い分は、しかと理解しています」
「だったら、なんでぇええ!」
「サクナ、あなたのその力は農家であっては危険なのです。解ってくれとは言いません、けれど…ご家族に被害が及ぶ可能性も捨てきれないのですよ」
彼女の名は、はたけサクナ。その名字からしてカカシ先生の祖先にあたる人物であろう。
そのサクナと言う女性は、先ほど自身が宣言した通り…農家の出であった。農家の出でありながら、対魔忍として活動する稀な例の代表だ。それに対魔忍は死と隣り合わせである為、彼女が恐れる事は十分理解できる。出来れば、私自身も彼女の希望通りに農家へと戻させたい…しかし、彼女の素質に問題があった。
彼女は所謂、先祖返りに当たる。
先祖返りと聞いて、どこぞのオカルト…妖怪と言った存在を思い浮かべるであろう。
しかし、彼女はそれに収まる事は無かった。彼女は、かつてこの地に生まれ偉業を成し遂げた英雄の先祖返りともいえるモノであった。しかも、その英雄はかつてこの地に土着する土地神でありながら神の天敵である百足を射抜き…はては関東の支配者である猛将を討ったとされる英雄。
俵藤太(たわら とうた)こと、藤原秀郷(ふじわら ひでさと)公の先祖返り。
大袈裟な事言ってしまっているが、その力はまさに秀郷公を思わせるほど。彼女は幼い頃、実家の農地に竜種である魔族が侵入したことがあるらしい…一時期、木の葉の里でもその情報で緊迫していたこともあった。
その竜種を、彼女は一人で退治したと言う。無論、証拠は在った…実際現場に居合わせた柱間さまの前には竜種である魔族の首と泣きわめく血まみれの子供、サクナが居たと言う。何とも、信じがたい話だが…彼女の対魔粒子、他の者達と比べて極めて低い…それだけでは対魔忍としては成り立たないだろう。
だが、チャクラに関しては…尋常ではない程の量を持ち合わせていた。
魔族との対峙し、覚醒へのトリガーが発動したのか…爆発的にチャクラが増したのだろう。幼い身体で、一気に大量のチャクラが流れてしまえば破裂寸前の水風船の状態になる…彼女の両親は苦渋の末、アカデミーへと通わせた。
以前、マダラさまや柱間さまのような転生者が居る…それは大筒木一族だけには、当てはまらないと言う事だ。
かつての英雄の転生者、それは居ないとは限らないのだから。
「アカデミーを卒業し、チャクラのコントロールは出来た。ですが、あくまでコントロールは出来たに過ぎません…保有数が違う以上、それは奇異の目で見られる事は確定されている。
何時、あなたを含め家族が…魔族や、米連などに狙われないとは限らないのですよ」
「うぅう、なんで私なんですか…」
「あなたの家系は、龍神の血が入っているそうですね。それが、原因かもしれません」
龍神の血が入っているならば、対魔粒子の方が多くなるはずだった。
だが、対魔粒子ではなく…チャクラの方が多いとなると、魔族覚醒を抑える為に祖先の誰かが仕組んだ、そう思わせられる。
「…私は、どうすればいいんですか」
そう、サクナは酷く絶望したような顔でこちらを見つめている。
目じりには涙を溜め、今にでも泣きそうだ…いや、もう泣いている。人は死に対しての耐性は無い、死は何よりも恐ろしいものであった。
悲痛な彼女の姿を見ても…私は、酷い言葉を彼女に問いかける事しか出来ない。
「……逃げても、そのツケは必ず返ってきます。ツケを見越してでも逃げるか、家族の為に自らの力を振るうか。
後悔が無いようになさい、後悔はずっと付き纏いますよ」
それでも、彼女にとって最善なのは…己で選択するほか、無いのだから。
「ダンゾゥウウ、私はもう嫌じゃああ!!お主男であろう、か弱き乙女に何させとるんじゃあああ!!!」
そう言いながらも、敵の中級魔族相手にストレートを叩き込み顎と頬の骨を粉砕させている彼女、サクナ。そんなストレートの破壊力は、あの紅い血潮の対魔忍と言われるミトを思わせるほど。
周りの下っ端と思わしき魔族は、その光景に畏怖を刻まれる事になった。その中には気絶する者や失禁と脱糞を同時に行う、哀れな存在まで出るほどだ。PTSD、トラウマを患っても可笑しくはないだろう。
そんな様子を間近で見るダンゾウは、酷く淡々としている。
しかし、目は死んでおりその顔は有り金を全てどぶに捨て尚且つ、終末が訪れると知ったような仏頂面であった。
「か弱き乙女は、そんな特攻はしないと思うぞ」
「何で、だってミトさまは言っていたぞ。殲滅するなら、真正面から特攻すれば相手の意表を突く事が出来るって」
「あれはうずまきだから良いんだよ。もうちょっと穏便な方法あるから、まぁ…お前をけしかけるけど」
「き、きさまぁああああ!!!!」
サクナはその言葉に怒りを露わにさせながらも、魔族をプロレス技である背中に乗せ首元と足を掴み、くの字のように相手の背骨を粉砕させるバックブリーカーから、そこから頭を真下に突き落とすブレーンバスターのコンボを叩き込む。
何がか弱い乙女か、もはや女子プロである。
悲痛な叫びを抑えつつダンゾウは、下唇を噛みしめながらサクナの雄姿を見届ける羽目になった。
この雄姿を目の当たりにし、迫りくる死を直前にした下っ端魔族は言う。
「あれは、鬼神だ。…白い鬼神が現れたんだ!!」
その後の、下っ端はどうなったか…理解できよう。
「私は、後悔はしたくないぞ。…家族が怖い思いをするくらいなら、私は…対魔忍になる。
こんな力、要らないものじゃが何よりも家族の為じゃ。
しばし、付き合ってやるとしよう…本当に、嫌なんじゃがのぅ」
何かと仏頂面の表現が京極堂並なのは大げさで楽しいと思ってやっちゃってる
ヤダ、木の葉の里の女子強すぎ…?