嫉妬とテストと召喚獣 作:陸鷲
「秀吉は友香をお願い」
「わかったのじゃ」
「ほら恵子。もう大丈夫よ。立てる?」
「は、はい」
少し震えながら差し出された手を強くつかみ、私は彼女を立たせた。
「しかしアイツら酷いことするのね」
「・・・・・・そうですね。とても怖かったです」
「・・・・・・二人ともゴメン」
振り向くと友香が秀吉に肩を支えられながら立っていた。
もはや自力で立つ元気もないようだ。
その証拠に彼女の顔に生気はなかった。
「・・・・・・私がアイツに、二人に謝らせようとしたのが間違いだったわ」
「ゆ、友香は悪くないよ!」
「そうよ。あなたは悪くないわ」
「そうじゃぞ。小山は全く悪くないぞい」
私たちは友香を擁護する。
そう。友香は悪くない。
悪いのは全部根本だ。
しかし彼女は首を横に振った。
「ううん。私がアイツの頼みを断ったからきっとアイツはあんなことをしたのよ」
「何じゃ?その頼みとは」
「BクラスがFクラスに勝つように手伝えって」
「・・・・・・そんなことまでしてたのね」
私は呆れてしまった。
根本は本当に人間なのだろうか。
自分のためなら彼女も利用するなんて。
私には彼が人間の皮をかぶった悪魔にしか思えなかった。
「ほんとどうしてあんな奴を好きになったのかしらね・・・・・・」
友香は自嘲の笑みを浮かべながら呟いた。
私は何も言えなかった。
今の彼女は酷く傷ついており、触れただけで壊れてしまいそうだったのだ。
ずっと信頼していたものに裏切られたのだから無理もない。
「でも友香、よかったじゃない。これを機に根本と別れることができて」
「・・・・・・だけどその代わり私は恵子とパルスィに怖い思いをさせてしまった」
恵子のポジティブな意見に対し、友香は力なく言った。
いや、私は全く怖くなかったんだけど。
まぁ、でもほんとなんていうか友達想いすぎるというかなんというか。
「私も恵子ももう気にしてないから。ほら、早く帰りましょう。こういう日は早く帰って寝たほうがいいわ」
「でも・・・・・・」
「『でも』は禁止。私は少なくともさっきのことがあってよかったと思ってるわ。あんな奴にあなたをまかせられないもの。それが分かっただけでもいいじゃない」
私は優しく彼女に笑いかける。
「私も同じだよ友香。それに私は友香のためなら何度も怖い思いをしても平気だよ」
恵子も友香に笑いかける。
「ふ、二人とも・・・・・・ヒック・・・・・・ありがどぅ・・・・・・!!」
それを見て友香はとうとう耐え切れなくなり泣き始めた。
「の、のぅパルスィ。わ、ワシはどうすればいいのじゃ!?」
いきなり隣で友香が泣き出したことで秀吉は焦っているようだった。
・・・・・・仕方ないわねぇ。
助け舟を出そうかしら。
「友香は私たちが何とかしとくわ。だから悪いけど秀吉は教室に置いている私たちのカバンを取ってきてくれない?三つとも私の机に置いてあるわ」
「わ、わかったのじゃ」
秀吉は私たちに友香を預け教室に向かって走っていった。
残された私たちは二人で友香を慰めた。
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「皆、今日はBクラス戦二日目になるわけだがやる気は充分か?」
『おおーっ!』
なんで二日連続でこんなに元気でいられるのかしら。
妬ましいわね。
私はチラッと友香を見る。
昨日のことで少し心配だったが彼女はもう大丈夫のようだ。
今も私と目が合って微笑み返している。
「・・・・・・(トントン)」
「お、ムッツリーニかどうしたんだ?」
気が付くと土屋が坂本のそばに来ていた。
いつ来たのかしら。
その忍者みたいな能力妬ましいわね。
「・・・・・・大変なことになった」
「どうしたんだ?」
「CクラスがBクラスに試召戦争を申し込んだ」
『えっ!?』
私たちはそれを聞いて驚いた。
どうしてCクラスが?
もしかして恵子がBクラスを倒すように仕向けたのかしら。
「しかし、なんでCクラスがBクラスに?」
「それは私から説明させてもらおう。Fクラス代表坂本雄二」
教室の入り口に長身・長髪で黒髪をポニーテールに束ねた女が立っていた。
それをみたFクラスの男どもはその美しさに見とれていた。
妬まs「何見とれてんのよ!」「ちょ、ちょっと美波!?僕の関節はそっちにまがらな・・・・・・」・・・・・・彼女の嫉妬を抑えないといけないわね。
あといつの間に吉井は島田を下の名前で呼ぶようになったのかしら。
昨日は確か島田さんだったと思うけど。
もしかしてそういう関係?
妬ましいわね。
「お前は確かCクラス代表の・・・・・・」
「
「それでどうしてCクラスの代表さんがわざわざFクラスに?」
「なに、昨日うちのクラスの者がFクラスの者に助けられたからな。そのお礼を言いに来たのだ。水橋と小山と木下は誰だ?すまないが手を挙げてくれ」
そういわれて私は手を挙げた。
「改めて例を言わせてもらう。本当にありがとう」
そう言って九条は頭を下げた。
かなり礼儀正しい人物のようだ。
アイツに爪の垢を煎じて飲ませたい。
「・・・・・・驚いたな。上位クラスの代表が下位クラスに頭を下げに来るなんて。何か企んでいるのか?」
「何かしてもらったら感謝する。当たり前のことだろう。学力なんてものは関係ない。ましてや人を助けてもらったのだからな」
彼女は何でもないという風に言い放った。
確かに正論だ。
「・・・・・・そうだな。疑って悪かった。じゃあBクラスに試召戦争を申し込んだのは昨日の報復か?」
「あぁ。Bクラスには悪いが、根本とその仲間だけは許せないからな。徹底的につぶすつもりだ」
彼女の眼には強い決意が浮かんでいた。
この目は本当に
「しかしCクラスの全員が納得したのか?Fクラス戦中に攻めたなんてことになったらCクラスの評判が落ちるぞ?」
「その点については問題ない。なにせCクラス全員が今回の戦争に賛成だからな。それに評判なんてものは気にしていない」
「そうか。ならいいが」
「あと姫路を借りてもいいか?少し話をしたくてな」
「別に構わないが・・・・・・出来るだけ早く終わらせてくれよ?もう少しで始まるからな」
「あぁ、もちろん。すまないが、姫路。廊下に出てくれないか?」
「は、はいっ」
振り返ると、姫路は不安そうな表情をして出て行った。
・・・・・・いったいどうしたのかしら?
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「あ、あの、話ってなんですか?」
Fクラスから少し離れたところへ無言で連れて行くと、姫路は不安そうに尋ねてきた。
私が振り向き、姫路を正面に見据えると、彼女は身体をビクッと震わせた。
「単刀直入に聞く。姫路、何か盗まれてないか?」
「!? い、いえっ!!そ、そんなことは・・・・・・!!」
「嘘をつくな。正直に言え」
「・・・・・・ぬ、盗まれました」
うつむきながら弱弱しく彼女は返事をした。
まさか、と思っていたが本当にしていたとは。
どうやら根本は勝利のためなら手段を選ばない人物のようだ。
「それで何を盗まれたんだ?」
「そ、その・・・・・・て、手紙を」
「手紙か。それは大切なものなんだな?」
「は、はいっ!!もちろんです!!」
顔をバッと勢いよくあげ、力強く姫路は返事をした。
その様子から手紙がどれほど大事なものかが伝わってきた。
「・・・・・・わかった。手紙のことは私に任せておけ。あと、君は出来るだけ前線に近寄るな。きっと奴らは何かの拍子にそれを利用してくるだろう」
「で、でもっ、そんなことしたら皆さんに迷惑が・・・・・・」
「前線で戦うほうがもっと迷惑だ。正直、今の君では戦力にならない。それは君が一番分かっているはずだ」
「・・・・・・」
「なに、案ずるな。Fクラスは絶対に勝つ。私が保証しよう」
「・・・・・・そうですね」
少し安心したように彼女は笑った。
とりあえず彼女は大丈夫そうだ。
「ところで、どうして私が物を盗まれたことを?」
「それは・・・・・・ま、まぁ、秘密ということにしてくれ」
「はぁ・・・・・・」
不思議そうな顔でこちらを見る姫路から私は顔をそらした。
実は、姫路の物が盗まれたことはある人物の推測なのだ。
むしろ、私はそれを否定していた。
流石にそこまではしないだろう、と。
しかし、彼は諦めず私に姫路に聞くように促した。
結局、私は彼のしぶとさに折れて聞くことにしたのだが・・・・・・。
驚いたことに、彼の推測は全て当たっていた。
どうやらCクラスはとんでもない人材を手にしたらしい。
そして、このことはいまだ誰にも知られていない。
そう、彼の存在はCクラスにとって
「と、とりあえず話はこれで終わりだ。もう戻っていいぞ」
「あ、あのっ!!あ、ありがとうございますっ!!」
「礼は終わってからだ。今は目の前の戦に専念しろ」
「は、はいっ!!」
そういって彼女は教室に急いで戻っていった。
残された私は根本に対する怒りに満ちていた。
・・・・・・根本。貴様は許さない。
そんな決意を胸に、私も戦争の準備のため教室に戻ることにした。
そして彼に最高の作戦を作ってもらうとしよう。
このたび、不肖私こと陸鷲はなんとか大学に合格することが出来ました。よって、また執筆活動を再開しようと思っております。・・・・・・が、地元から離れることになり一人暮らしをしないといけないうえに、大学生なので勉強に励まねばなりません。よって、投稿速度が非常に遅くなると予想されます。予めご了承ください。あと、最近ツイッターを始めました。そちらで投稿の報告などもするので、よろしければフォローをお願いします→@rikuwashi