嫉妬とテストと召喚獣   作:陸鷲

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Fクラスにて

学園長は会議があるからと言いここで待つように私に指示をして部屋を出ていった。

私は暇になったので自分の所属する二年F組の生徒のプロフィールを見ることにした。

私がなぜこのクラスになったかというと、ここが一番嫉妬に狂っている人間が多いだろうと事前の調査で考えられていたからだった。

ところでこのクラス、女は私を含めて4人だけなのね。

写真を見ると私以外の3人とも美人だったので非常に妬ましくなった。

 

しばらくの間書類に目を通しているとふいにドアが開き藤堂と見知らぬ男が一人入ってきた。

 

「待たせたね水橋。福原先生、後は頼む」

「はい。それでは水橋さん行きましょうか」

「えぇ」

「あぁ、それと自己紹介がまだでしたね。二年F組担任の福原慎(ふくはらしん)です。一年間よろしくお願いします」

 

相手が軽く会釈したので私もし返し、私たちは二年F組に向かった。

 

 

 

 

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Fクラスの前に書くと中から騒がしい声が聞こえてきた。

・・・・・・一年間苦労しそうね。

 

「水橋さんはここで私が『入ってきてください』というまで待っていてください。それと・・・・・・」

 

突然、福原の纏う空気が変わり真剣な顔で私を見つめてきた。

それは先程までの冴えない風体とは全く異なっていたため、私は戸惑った。

 

「な、何よ?」

「一年間よろしくお願いします」

「は、はぁ」

 

・・・・・・さっきその言葉は聞いたばかりじゃない。

何を今さらと思った時にはもうF組に入っていき始めていた。

 

『えー、おはようございます。二年F組担任の福原慎です。よろしくお願いします』

 

Fクラスのホームルームで話している内容を外から聞いていると気が重くなっていった。

座布団に綿がほとんど入ってない→我慢

卓袱台の足が折れている→自分で直せ

窓が割れていて風が寒い→ビニール袋とセロハンテープで直せ

・・・・・・一体、どんな教室なのよ。

 

『それとこのクラスに転校生が来ます』

 

さっきまで静かだったクラスが急に騒がしくなった。

 

『先生!!それは女の子ですか!!』

『はい』

 

教室の騒がしさはさらに増した。

やっぱり男ばかりだから女に飢えているようね。

気を付けないと。

 

『えーと皆さん静かにしてください』

 

パンパンと手をたたく音が聞こえると同時に教室が静かになった。

そろそろ入る準備をしたほうがよさそうね。

 

『それでは入ってきてください』

 

私はドアを開けて教室に入り、福原の隣に立ち教室全体を見渡す。

・・・・・・うわぁ。

ある程度予想はしていたがこれはひどい。

教室の隅には蜘蛛の巣。壁にはひび割れや落書きがいたるところにあった。

何ここ。廃屋?

 

「それじゃあ自己紹介をよろしくお願いします」

「水橋パルスィよ。一年間よろしく」

 

私は名前だけ言って軽く頭を下げた。

頭を元に戻すと何やらみんな固まっているようだった。

・・・・・・何よ。期待外れで悪かったわね。

どうせ私は美人じゃないわよ。

 

 

 

 

「「「「「き」」」」」

 

き?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「キターーーーーーーーーーッ!!!!!」」」」」

 

 

 

 

突然大歓声が起こり私はびっくりした。

え!?な、何が来たの!?

 

『まさかの金髪美女キターーーーーッ!!』

『俺Fクラスで良かった!!』

『女神だ!!女神が舞い降りた!!』

『金髪最高!!ヒャッハー!!』

『もう俺、那珂ちゃんのファンやめます!!』

『生まれる前からあなたのことが好きでした!!結婚してください!!』

 

どこから突っ込めばいいのか私は分からなくなっていた。

き、金髪美女って・・・・・・//

そ、それより最後のは一体誰よ!?

お断りよ!!

 

「では水橋さんは空いてる席に座ってください」

「わかったわ」

 

とりあえず目の前にあいてる席に、いまだ聞こえる声を無視して私は逃げるようにして座った。

 

「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね。廊下側の人からお願いします」

 

 

 

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「はぁー、やっと午前中が終わったわ・・・・・・」

 

私は卓袱台に突っ伏してそう呟いた。

思い返せば午前中だけでいろいろありすぎた。

自己紹介では突然『ダーリン』の大合唱が起こったり女が一人遅れてきて騒がしくなったり。

なによりそのときに教卓が軽く叩いただけで壊れたことには驚いたわね。

そしてもうひとつ。

このクラスの代表がAクラスに試験召喚戦争を仕掛けると宣言したこと。

何せFクラスとAクラスの学力の差は天と地ほど違うのだ。

普通に考えればFクラスが勝利することはまずありえない。

そのため、彼が宣言した時にはクラスのあちこちで諦めの声があがっていた。

しかし絶対に勝てるという確信をこのクラスのほとんどに持たせることに成功し、今では士気が高い状態を維持していた。

そんなことができる彼の能力が妬ましいわね。

 

「お疲れのようじゃのう」

 

私が代表を妬んでいると突然隣から声をかけられた。

顔を横に向けると美形の男が座っていた。

・・・・・・男にしてそのかわいさ。妬ましいわね。

えーと、確か名前は・・・・・・

 

「木下秀吉、だったかしら?」

「うむ。秀吉と呼んでくれればいいぞい」

「なら私はパルスィでいいわ」

「それならパルスィ。一年間よろしく頼むぞい」

「えぇ。こちらこそよろしく」

 

まるで年寄りみたいな話し方をするわね。

どうしてかしら。

少し秀吉の嫉妬心を覗けばわかるかもしれないわね。

そう思って彼の嫉妬心を覗いてみた。

ふーん・・・・・・お姉さんと男らしい人に嫉妬しているわね。

となるとこんな話し方をするということは後者に関係していそうね。

つまり、男らしく見せるためにやっているってとこかしら。

ふふふ。かわいいわね。

 

「な、なんじゃ?わしの顔をじっと見て」

「いえ。何でもないわよ♪」

「?」

 

これくらいの嫉妬なら見ていて楽しいわね。

今までのつかれが少し飛ぶのを感じた。

 

「ところでどうじゃ?この学校は」

「そうね・・・・・・正直色々大変だと思うわ」

 

今こうして話している時でさえも感じるたくさんの嫉妬。

これらを抑え込むのには苦労しそうだ。

 

「確かにそうかもしれぬのう」

 

秀吉はうんうんと腕を組んで頷いた。

まぁでも、と彼は続けた。

 

「その分楽しいことも多いことは保証するぞい」

「そうなの?」

「うむ」

 

自信ありげに答える彼を見てとりあえずは信じようと思った

 

「それよりも早く昼食をとらぬとDクラス戦が始まってしまうぞい。わしは弁当じゃがパルスィは?」

「私も弁当よ」

「なら一緒に食わぬか?明久達は・・・・・・あぁワシの友達なんじゃがどこかに行ってしまったみたいでのう。一緒に食べる人がおらんのじゃ」

「私は別に構わないわよ」

 

こうして私は秀吉と一緒に弁当を食べながらDクラス戦前の昼休みを過ごした。

 

 

 




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