嫉妬とテストと召喚獣   作:陸鷲

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〈とある女子生徒の心情〉


私は身長が低いし才能もない。





誰からも期待すらされていない。





いつも先生や先輩に怒られて。





同級生からは笑われて。





でも彼女はその逆だ。





私に無いものすべてを持っている。





妬ましい。





小山友香が妬ましい。





妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬まシいネたまシいネたマシいネタまシいネタまシイネタマシイネタマシイネタマシイネタマシイネタマシイ・・・・・・





予想外の出来事

「・・・・・・マズいわね」

 

 

 

バレー部の練習場所である体育館から少し離れて私は今見てきた光景を思い出す。

離れていても分かるあの異常なほどの嫉妬と邪気。

間違いなく丑の刻参りによる影響だ。

今はまだ理性によって抑えられているがいつ爆発しておかしくない状態だった。

とりあえず嫉妬を落ち着かせておいたがすぐに戻ってしまうだろう。

 

「・・・・・・とりあえず彼女を監視しておく必要があるわね」

 

 

------------------------------

 

 

バレー部の練習が終わりぞろぞろと部員たちが出ていく中で、私は目的の人物を見つける。

 

綾野恵子(あやのけいこ)

二年Cクラスに所属。

身長は低めで子ども扱いされるのを嫌う。

また頑張り屋な性格で教師からの評価も高い。

 

バレーというものを私はよく知らないが他の部員たちの身長が高いことからたぶん身長が高いほうがいいのであろう。

確かに彼女の身長は目立っていた。

彼女の嫉妬の対象のほとんどが身長であることも頷ける。

さて、どうやって彼女を元の状態に戻そうかしら。

とりあえず丑の刻参りをやめるように説得しなければならないがあの状態では聞き入れてもらえないだろう。

少しでも普通の状態で小山友香への嫉妬が落ち着いたものになってもらわないといけない。

一体どうしたものか。

 

歩くこと数十分。

私は彼女の後ろをずっとつけて彼女の嫉妬が暴走しないように見張っていた。

同時に小山への嫉妬についての対策も考えていたが全くいい考えが浮かばずじまいだった。

って、あぁもう。また嫉妬が激しくなってきているわね。

 

私が嫉妬を落ち着かせようとした時だった。

突然、背後から殺気を感じた。

 

「!?」

 

慌ててしゃがみ込むと先ほど私の頭があった場所を何かが通り過ぎ近くにあった木をなぎ倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえー、それを避けるんだ」

 

声の下方に目を向けるとそこには緑色の目をした黒髪の美しい若い女が片方の腕を上げ、手のひらをこちらに向けて立っていた。

服装は今の流行に合わせたもので一見すればただの外の人間だ。

だが私には分かった。

コイツは妖怪だ。

 

「・・・・・・あなた橋姫ね」

「えぇ、その通り。あなたと同じよ」

 

私が同族だということを向こうも知っているのね。

私は立ち上がり彼女を睨んだ。

 

「いきなり攻撃するなんてここの橋姫は礼儀ってものを知らないのかしら」

「ふふふ。礼儀を知らないのはあなたの方だと思うわよ」

「どういう意味よ」

「勝手に私の所有物に手を出しておいて白を切るつもり?」

「あなたの所有物ですって?」

「えぇ、そうよ。だってあの子の嫉妬をあそこまで育てた(・・・)のは私なんだから」

「育てた?」

「そうよ。私があの子に丑の刻参りを教えた(・・・)んだから」

「・・・・・・あなたが教えたの?」

 

彼女に聞き返すと彼女は狂気に満ちた顔で答えた。

 

「あの子って馬鹿みたいに単純でねぇ。私が『こうしたら憧れの人みたいになれるよ』って言ったら本気にしてねぇ。おかしいったらありゃあしないよ」

 

ケタケタと笑っているその顔は先ほどまでの美しい女ではなかった。

非常に醜いものとなっていた。

ってことは彼女は自分の憧れの人を・・・・・・!?

 

「あなたいったい何が目的なの!?」

「目的?それはね・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子が嫉妬によって自分の憧れの人を自分の手で殺して罪の意識にさいなまれる姿を見るのが楽しみなの♪」

 

 

奴は同族の私ですら驚愕するようなとんでもないことを言い放った。

私は絶句した。

私はあくまでも嫉妬によって苦しむ人間を見て楽しむだけだ。

だが奴は違う。

いや、そもそも奴は橋姫なんかではないのではないか。

奴は悪魔ではないのか。

 

「まさに二重の楽しみってわけよ。私ってあったまいい!!」

「あ、アンタねぇ・・・・・・!!」

 

私は拳を握り締めた。

奴は生かしておけない。

すべての橋姫のためにも。

 

「おっと、そろそろ私は見たいものがあるから。じゃあねぇ♪」

「待ちなさい!!」

 

私は妖力弾を彼女に向けて放った。

が、彼女は忽然と消えてしまい、私の放った妖力弾は数本の木を薙ぎ払った。

あたりは先ほどの喧騒と打って変わり静まり返った。

西のほうを見ると今まさに夕日は沈もうとしていた。

・・・・・・奴はなんて言った?

見たいものがある?

奴の見たいもの・・・・・・まさか!?

 

私は慌てて飛んだ。

さっきのは時間稼ぎだったのだ。

近辺の嫉妬を視覚化し私は綾野の嫉妬を探した。

お願い!!見つかって!!

 

 

 

 

 

「・・・・・・あった!!」

 

一つだけ異常なほどの激しい嫉妬があった。

内容も当てはまる。

 

私は急いでその場に向かった。

まだ事件が起きていないことを祈って。




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