嫉妬とテストと召喚獣 作:陸鷲
「はぁ。疲れたわね・・・・・・」
とりあえず午前中の4教科が終了。
幸運にも昨日の西村先生の課題でやった範囲が出たためかなり問題を解くことができた。
これなら今度こそ補習を受けなくてもよさそうだ。
召喚獣の操縦方法も分かったし。
「お疲れパルスィ」
筆記用具を片付けて弁当を机に出したところで友香がやってきた。
手には弁当と水筒があるのが見える。
「えぇ。そっちもお疲れ。どうだったテストは?」
「まぁまぁね。ここ数日勉強していなかった割には解けたと思うわ。そっちは?」
「私はこの前よりかは点が取れたと思うわ」
「そうなの?よかったじゃない」
「ありがとう。ところで弁当を持ってきたってことはここで食べるつもりなのね」
「・・・・・・」
「?どうしたの?」
「いや、最初はそのつもりだったんだけど・・・・・・」
彼女は気まずそうに言った。どうしたのかと思い彼女の視線を追うと・・・・・・なるほどね。
今教室にいるのは私たち以外みんな男だった。
確かになんとなく居づらい。
「それじゃあ恵子も誘ってどこかで食べる?」
「うーん・・・・・・本当はそうしたいんだけどそうするとCクラスの人の彼女への態度が冷たくなっちゃう気がして嫌なのよ」
「どうして?」
「この学園は学力でクラス分けするでしょ?それで学園全体で学力主義みたいな傾向があるのよ。だからよく上位クラスは下位クラスや下位クラスの人と仲良くする人を馬鹿にしたりするのよ・・・・・・私もその一人だったんだけどね」
友香は顔を曇らせた。
私は今の彼女しか知らないがそれでいいと思っているので何も聞かなかった。
しかしなるほど。
そうなるとそうなると恵子は呼ばないほうがいいわね。
あと、Cクラス前での集合の件考え直したほうがいいわね。
Fクラスの私と一緒にいるのを見られるとマズイだろうし。
「なら私と友香だけでどこかに食べに行きましょう」
「そうね。なら屋上にしない?今日は晴れているし気持ちいいと思うわよ」
「じゃあそれで決定ね」
私たちは弁当と水筒を持って腐った畳と男の匂いしかない教室を出た。
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「おう。水橋に小山。お前たちも屋上に行くのか?」
私たちが屋上に向かって階段を上っていると下から声をかけられた。
振り返ると坂本と
私は思わず眉を顰めそうになったがなんとか平常を装った。
「えぇ、屋上で弁当でも食べようと思って」
「そうか。俺たちも今から屋上で食べようと思ってるんだが。どうだ?一緒に食わないか?」
そう物おじせず簡単に人を誘えるなんて妬ましいわね。
思わぬ誘いを受け私は友香に目をやった。
「私は別にいいわよ?」
「そう。じゃあ坂本。私たちも一緒に食べるわ」
「そうか。なら一緒に行くか」
こうして私と坂本たちは合流した。
「自己紹介の時にも行ったけど私は島田美波よ。よろしくね」
「よろしく島田さん」
「・・・・・・よろしく」
私の返事が若干遅れたことに友香はいぶかしげに私の顔を見た。
島田はとくに何も気にしているようではなかったが。
島田美波。
彼女はFクラスの中で今最も私が注意している人物だ。
というのも、彼女からはかなり激しい嫉妬が感じられるからだ。
だが私には一つ理解できないことがあった。
彼女の激しさなら今目の前で嫉妬心が暴走してもおかしくない。
それにもかかわらず彼女にはその気配が全く無いのだ。
これは私も今まで見たことがなかったので不思議だった。
それで本当は昨日から彼女のことを調べる予定だったのだが、友香と恵子のことがあり予定が伸びてしまった。
二人のことが終わり次第彼女のことは調べなければならない。
私は彼女の緑色の瞳を見つめがらそう思った。
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屋上に上がるときれいな青空が頭上に広がっていた。
やっぱり教室にいるよりかは気持ちいいわね。
「外の方がやっぱりいいわね」
私と同じことを思っているのか友香の表情もどことなく明るいものだった。
ちなみに彼女の方が私よりも身長が高いので、話すときに自然と見上げる形になってしまう。
・・・・・・妬ましいわね。
「おう、待たせたな!へー、こりゃ旨そうじゃないか。どれどれ」
声の下方を見ると坂本が今まさに誰かの弁当をつまみ食いするところだった。
誰かが止めるような声を発したように聞こえたが気のせいだろうか?
パク
バタン-ガシャガシャン、ガタガタガタガタ
「「・・・・・・」」
私と友香は顔を見合わせた。
「さ、坂本!?ちょっと、どうしたの!?」
その様子を見た島田が坂本に駆け寄る。
「あ、足が・・・・・・攣ってな・・・・・・」
坂本が震えながら立ち上がった。
私たちはヒソヒソ声で今見た光景について話し始めた。
「ね、ねぇパルスィ。坂本、食べた瞬間に倒れなかった?」
「・・・・・・倒れたわね。あの弁当どれだけ不味いのかしら」
「不味いだけならいいけど・・・・・・。とりあえず私はこの場から去るのがいいと思うんだけど」
「私もそう思うけど無理そうよ?」
「ほらアンタたちも早く座りなさいよ。昼休み終わっちゃうわよ」
島田が私たちを手招きして呼ぶ。
この時点で私たちは後に引くことができなくなってしまった。
「今行くわ」
「ちょ、ちょっと!?」
「大丈夫よ。いざとなったら私があなたの分も食べてあげるわ。妖怪の胃はそんなにやわくないわよ」
そう言って私と友香はビニールシートの上に座った。
「あっ、水橋さんと小山さんも来てくれたんですか?知ってるかもしれないですけど私
「私たちのこと知ってたの?」
「はい!Fクラスって女の子少ないので昨日のうちに全部覚えちゃいました」
友香が少し驚いたように言うと姫路は笑顔で答えた。
・・・・・・誰でも虜にそうな笑顔ね。妬ましいわ。
「ねぇ二人は僕のこ「「
茶髪でどちらかといえば美男の部類に入る男が叫ぶ。
「えーと、それでどうして二人は僕のことを?あっ!!もしかして僕に気が「「それはない」」一刀両断!?」
今度も友香と声が被った。
「だって昨日あれだけ目立ってたら・・・・・・ねぇ」
「そうね。むしろあれで好意でも抱いたらよっぽどの変人だわ」
友香に促され私は両腕を組みうんうんと頷く。
どうやら彼女と私の考えていることは一緒のようだ。
別にそのことが嬉しいと思ってたりはない。うん、断じてない。
「うぅ、秀吉・・・・・・!!二人が僕をいじめるよ・・・・・・!!」
「うーむ、でも二人の言うこともあながち間違ってないからのぅ」
「ひ、秀吉までがぼ、僕を見放した・・・・・・!?」
吉井は絶望した顔でそうつぶやくと体育座りで顔を伏せさめざめと泣きだした。
私と友香は互いにグッとサムズアップしあった。
彼っていじりがいがあって楽しいわね。
「水橋さん。よかったらこれどうぞ」
「あら。ありがとう」
姫路に手渡されたのはおいしそうな卵焼きだった。
形は非常にきれいだった。
・・・・・・妬ましいわね。
とりあえず問題は味ね。
私は箸でつまんで口に放り込んだ。
「ぱ、パルスィ!?」
秀吉が何か慌てた顔をしているがどうしたのだろうか。
ふむ。
食感はネチョッとして味は舌がピリピリするほど・・・・・・あれ?目の前が真っ暗になって・・・・・・・
私の意識は闇に沈んだ
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