月島柊
花里みのり
桐谷遥
日野森雫
桃井愛莉
山上
以上6名
俺は遥と一緒にみんながいる部屋に戻った。しかし、みんないるわけではなく、みのりしかいなかった。
「愛莉は」
「どっかいっちゃった」
「雫は」
「志歩ちゃんに会いに行ったよ」
そうか…元気にやってるんだろうな、一歌たちも。
俺は遥から離れ、雫のところに向かった。志歩に会いたい訳じゃない。ただ、癖で。
雫は途中にある階段から降りたらしく、降りてすぐのところに雫はいた。そこには、雫に抱きつかれた状態で顔を赤くしている志歩がいた。
俺は雫に近づいた。
「雫」
「あらぁ、柊くん」
雫はいつも通りおっとりした話し方で言った。雫が言った言葉に志歩も気付いたらしく、志歩はこっちを見た。
「っ!」
志歩は少し驚いたようだったが、驚いた顔をしていたのは一瞬だった。すぐにいつもの顔に戻り、こっちを見つめた。
「柊くん、何してたのさ」
志歩は少し起こった口調で言った。俺はそれに答える。
「何してたって、モアジャンの付き添いで──」
俺が途中まで言うと、志歩は食い気味に言った。
「たまには会いに来て。一歌、元気なくなる」
そんな状態になっていたことに、俺は今さら気付く。
「分かった。明日くらいに行くって伝えておいてくれるか」
「うん」
志歩は雫から力ずくで抜け出し、第二棟に戻っていった。志歩も口に出さないだけで、実は俺に会えて嬉しかったんだろう。
「雫、明日は副担当の山上に代わるって言っておいて」
「分かったわ」
「12:00~13:00の昼だけだからさ」
俺は雫にそう言ってゆっくり空を見上げた。昼間で、真っ青に透き通っている空は、まるで大海原のようだった。俺がLeo/needのメンバーと集合写真を撮った日もこんな真っ青な空が広がっていた。
俺は空から目を雫の方に向けた。雫の水色の髪が風によって靡く。俺は雫の横を通ってモアジャンの個室に戻った。雫からはいい匂いがして、雫も微笑んでいた。気付いているのか、たまたまか、分からなかったが、俺は個室に戻った。
個室は俺だけしか入ることができないため、最後に出た時のままだった。俺は個室にあるカレンダーに「一歌と会う」と書き、個室から出た。そして、みんなが集まっているダンスの練習場に向かった。みんながいるかは分からないが、いることが多いためそこに行くことにした。
「みんな、入るよ」
俺は予告してからドアを開けた。しかし、中はもぬけの殻。しーんとしていた。
「どうしました、月島さん」
そう言ったのは副担当の山上だった。明日の手伝いで先に入っているんだろう。
「あー、えっとね、モアジャンのみんなどこいるか分かるかな」
俺は山上に聞いた。山上は俺の横から練習場を見た。中にいないことを見ると、山上は言った。
「さあ、どこでしょうね」
山上も知らなかったらしい。じゃあどこにいるって言うんだ。
「サンキュ。探してみるよ」
俺は練習場から離れ、俺も含めた休憩室に向かった。ここにいるかな。
「あ、柊くん」
俺が入ろうとすると、後ろから愛莉が話しかけてきた。
「愛莉。みんなここにいるか」
「えぇ、みんないるわ」
愛莉は俺の代わりにドアを開けた。みんなが中にいた。珍しいな。
「みんな、明日の12:00~13:00まで副担当の山上に代わるから」
「分かった!」
みのりが言った。別に今までの傾向から見ても不安な人材ではないし、役立っているような話は聞いている。山上もLeo/needは担当してたし、そこで何の問題も起こしてないから山上にした。
「じゃあ、今日はみんな帰ろうか」
俺は休憩室から自分の個室に移動した。明日はそこまで早く起きなくてもいいだろう。
【山上視点】
月島さんも気付いてないらしいな。俺がやろうとしている計画に。この計画が成功すれば、モアジャンもろとも吹っ飛ぶ。俺が前から計画していたことだ。成功するに違いない。もうモアジャンの様なバンドの癖にアイドルは不要だ。そんなグループなんて、失くなればいい。迷惑だしな。さて、まずは誰を苛めてやろうかな。血も流してやる。
【月島柊視点】
俺は何か寒気がした。だが、嫌な予感がしたと思っても何もないから、俺は眠った。