俺は一歌の家に着くと、もうベットに向かった。一歌はちょこんとベットに座っていた。
「柊くん、となり座って」
俺は一歌のすぐ横に座る。俺は一歌の近くに行った瞬間に、くっつきたいと思った。
「あ、手繋ぐ?」
俺は返事なしに一歌の手を繋いだ。
「へっ!?」
一歌は驚いたようだった。
「あ、嫌か?」
「いや、あの、違う……」
俺は手を繋いだまま離さずにいた。俺はそのまま話し始める。
「一歌はかわいいな」
「そう?言われたことない」
「かわいい。髪も俺のタイプだし」
ロングヘアーは俺が1番好きな髪型。一歌が理想。
「性格もちょうどいい」
「わ、私は……」
「責めないで。俺は一歌が好きだ」
現実世界ではブラック企業にただ社畜として通う日々だった。女性になんて興味を持たない。会社に行ってもブラックな会社のせいで色気や艶やかさがなくなった人ばかり。
しかし、今は違う。かわいい女性がいて、ブラックじゃない。いい世界だ。
「柊くんと、ずっと一緒にいたい」
「俺も一歌とずっと一緒にいたい」
俺と一歌は抱き合った。一歌はもう離さないかのように強い力だった。
そのまま寝てしまったらしく、起きたのは俺が6時、一歌が6時を1分過ぎた辺りだった。俺は一歌が起きると、寝ぼけていたのか、一歌のおでこに俺のおでこを軽く付けた。
「うん……?」
「一歌……」
俺はしばらくして、今していることが頭のなかに入ってきた。
「あ……」
「いいよ、このままで」
吐息の混じった声がよりかわいく聞こえる。俺は一歌のことを撫でていた。
「一歌、髪、サラサラしてる」
「柊くんも……髪、きれい……」
俺は調子にのって一歌とキスした。これまでの言葉に耐えられなかったのだろう。
「ん……」
俺が離れようとすると、一歌は俺の頭の後ろを押さえた。
「ぷはっ、ダメ、離れないでっ」
一歌は俺を思いっきりハグした。すると、あの時の歌を口ずさみ始めた。
「ああ夜空がしらけだしている♪」
「なんでその曲歌ってるんだ?」
「柊くんと歌ったなかで一番印象深かったから」
かなり嬉しかった。そんなこと言われたら泣いてしまう。
もう一生記憶に残ることだろう。
俺は一歌をハグしたまま泣いてしまった。とても嬉しく、今までにないほどだった。
「柊くん?どうしたの?」
「嬉しかった……そんなこと言われたことないから」
「そう?いつでも言うよ?」
「……っ」
俺は一歌の肩で泣いた。涙が熱く感じてくる。一歌、そんな一歌が好きだ。
俺は一歌にとって、大切な人になりたい。