あれから数ヶ月が経った。
改修工事もおわり、全ての棟が行き来自由になった。俺専用の部屋も用意され、楽な生活が送れるようになった。俺はほとんどLeo/needの場所にいたが。
「柊くん、今日も来たんだね」
「まぁな。行く場所もないんで」
俺は壁により掛かった。ルカがちょうど咲希にキーボードを教えているところで、邪魔にならないようにするためだ。
「一歌は練習行かなくていいのか」
「咲希のが終わってからかな。今は柊くんと一緒がいい」
俺は一歌の横で練習を見ていた。すると、一歌は俺の顔を見て言った。
「なんか、疲れてる?」
たしかにずっと重いものを運んでたりしてたから少し疲れているし、肩凝ってるし。
「肩凝ってるかな」
「揉む?」
「お願いできるかな」
一歌は早速俺の肩を揉み始める。
「あ、気持ちいい」
「そう?これくらいがいいんだ」
一歌は同じ強さで揉み続ける。そこに、練習が終わった咲希が戻ってきた。
「あっ、柊くん!マッサージ中?」
「あぁ。咲希は練習終わりか」
「うん。疲れたぁ」
「妹よ!この俺がマッサージしてあげよう!」
あ、司だ。なんとなく雰囲気だけで分かる。
「お兄ちゃん!」
司は咲希の肩をマッサージするもの以外と兄っぽいところもあるんだよな。正直うるさいけど。
「柊くん、ぐったりだね」
そこに穂波がやって来た。穂波は一歌と二手に分かれて俺の肩をマッサージし始めた。
「なんかいいなぁ。ずっとしてたい」
疲れが一気にとれそう。
「あ、柊くんだ」
げっ、絵名だ。
「どうしたんだ」
「暇だからちょっと遊びに来たの。そしたら、ねぇ」
含みのある言い方だなぁ。けど、俺がやっていることはいけないことではない。
「なんだよ、いいだろ?別に」
絵名は鼻歌を歌いながら戻っていった。ただ煽りに来ただけじゃないのか?
「柊くん、落ち着いて」
一歌は頭を撫でる。はぁ、幸せ。至福の時間だ。いつかお返ししよう。
「一歌は優しいな。よしよし」
俺は一歌のことを撫でる。一歌は笑っていて、嬉しそう。
「一歌ちゃん、ペットみたい」
穂波が笑った。言われてみればそうだ。というか、ペットそのものだ。
「やっぱり似てた?」
「うん。けど。多分一歌ちゃんと柊くんのペアじゃないと無理だと思うよ」
繋がりは確かにそうかもしれない。ただ、関係だったら、穂波もできるはず。俺は穂波を俺の横に来させた。
「よしよし、穂波、いい子だねー」
「ふふ、ペット扱いされちゃってる」
してるし。ペット扱い。俺の両手は女の子を撫でている。実質、「両手に花」の状態かもしれない。しかも一歌がかわいすぎる。穂波もだが、嬉しそうに目を瞑っている。
「かわいいペットだな」
「すっかりペットになっちゃった」
これで誰かが来たら羨ましいとか言うんだろうな。
「あ、一歌、ペットになってる」
志歩だったか。けど、多分志歩もいうだろう。
「終わったら私にもして、柊くん」
してほしいんだな。別に構わないけど。
「最後にハグしようか」
「ふふっ、柊くんにくっつけてる」
穂波は嬉しそう。一歌はいつも通りだからか結構慣れていた。
「よしっ、志歩も待ってるからな。練習行っておいで」
俺は一歌と穂波を離した。志歩は入れ替わりで俺のところに来る。俺は志歩のことを撫でようとする。
「志歩、髪結構短いんだな」
「ショートだし」
そう言われてみればそうなのかもしれない。一歌たちが長すぎたのか。
「撫でても崩れないね」
「だからもっと撫でてもいいって」
俺は犬を撫でるときのように少し強く撫でた。志歩は俺に軽く抱きつき、気持ちよさそうにしていた。