俺の迷い込んだ世界が… 完結   作:月島柊

4 / 32
今回の登場人物
月島柊
日野森志歩
星乃一歌
以上3名


第4話 嫉妬

 俺は志歩と一緒にカフェに来ていた。そこで渡されたのはハートの形をしているストロー。さらにそれを交換した。要するに、これって間接キスじゃないか?

 

「飲まないの」

「あ、飲むか…」

 

俺は少し戸惑ったが、いざ飲んでみると、ただの飲み物だった。しかし、心なしか志歩の口の中の味がしたような気がした。口の中の味もたった一回キスしただけ。その味がした。

 

「柊くん…あんまりすると、恥ずかしいから…」

「ん、あぁ、悪い」

 

また交換した。もともと俺が使っていたストローに戻るが、なんかドキドキした。一回志歩の口が触れているんだ。

 

「ん」

 

なんかストローが異常に暖かかった。結構咥えてたんだろう。俺は全て飲み終わると、カフェから出て、学校に戻った。

 

 学校に戻ったときにはもう16時を過ぎていた。学校から丁度各自の家に帰っている時間だった。俺は部屋が学校の中にあるため、みんなとは逆に、学校に入っていった。

ドン

俺の肩が誰かとぶつかった。

 

「あ、ごめん」

「……」

 

相手はペコリと頭を下げて歩いていった。灰色っぽい髪で、色は俺に似ていた。なんだろう、あんな人いたっけ。俺は学校の中に入り、俺の部屋に向かった。

ガチャリとドアを開けると、そこには一歌がいた。

 

「一歌?」

「…浮気…」

 

浮気って、冗談じゃない。浮気なんてしないだろ。

 

「浮気?してないさ」

「志歩とデートしてた」

 

げっ、見られてたか…いやでも、一歌がいやな訳じゃ…

 

「……」

「…もういい。さよなら」

 

一歌は俺の横を通り、ドアの方に向かった。その時、俺のなかでなにかスローモーションになった。俺はその間に手を動かし、一歌を止めた。一歌に手が届くと、スピードは戻った。

 

「待てよ」

「なんで。私より志歩の方がいいんでしょ。だったら私なんていらないじゃん」

 

なんだ、嫉妬かなんかしてるのか?

 

「俺は誰より一歌がいい。志歩と一緒に歩いてたのはただ仲良くしたいってだけだ。なんなら明日にでもデートしよう」

 

俺は一歌に言った。志歩と一緒にしたことよりも過激なことをしてあげよう。俺はそう思った。

 

「絶対、なんだよね」

「絶対だ」

 

俺は一歌に約束して、2段ベットの上に上った。窓からみんなが帰っていくのが見える。

 

「じゃあ、“またね”」

 

いや待て、またねって、一歌はもう帰るんだろ。

 

「おっ、おい待て!」

 

俺が言ったときにはもう一歌は部屋を出ていっていた。今日は早く寝ようかなぁ。

 

 俺はなかなか寝付けずにいたが、結局自然に22時頃に寝付けた。23時くらいだろうか、俺のベットがなんか揺れた気がした。地震かなんかだろうと思い、そのまま寝ようとしたが、すぐ近くに温もりを感じた。

 

「すー、すー」

 

寝息だ。誰かが横にいるんだ。俺は重い目を開き、横にいる誰かの方を見た。

 

「…なんだ、一歌か…」

 

最初は冷静だった。しかし、よく考えたらとんでもなかった。

 

(いや待てよ…なんで一歌がいるんだ!?)

 

すぐに焦りだした。すると、一歌が寝ぼけながら俺を寄せた。

 

「柊くん…デート…」

 

よっぽど楽しみにしているのか、寝言はデートのことだった。

 

「キス…ハグ…ふふっ」

 

本当に寝言なのか疑うくらいの勢いだった。一歌は俺に顔を近づけてスリスリしている。

 

「全く、嬉しいけど、そんなに楽しみなのか」

 

俺はまた少し寝た。

 

 俺が起きると同時に、一歌も起きた。

 

「おはよう、一歌」

「うん。おはよう」

 

俺は一歌の前を歩き、学校を出た。行くときはバスに乗る。この学校とは違う高校に向かうからか、通学する生徒で座席は埋まっていた。

 

「立ってられるか?」

「うん。」

 

一歌は俺に抱きつきながらも耐えている。

次のバス停に着くと、一気に学生が乗ってきた。俺と一歌は苦しいほどにくっつく。

 

「大丈夫か、苦しくない?」

「ちょっと苦しい…」

 

まだ乗ってきて、最終的には壁に押し潰されるようになっていた。身動きなんてとれるはずがない。

 

「デートなのに…」

「苦しいとはな…」

 

一歌に俺は触った。なんとなくかわいそうだったから。

 

「うぅ…気持ちいいけど苦しい…」

 

そうだよな。まだ苦しい。俺はバスの揺れで一歌にまたくっついた。そして、口が当たりキスする。

 

「んんっ!」

 

一歌は焦ったようだった。俺は一旦口を離した。

 

「少しはわざとの気もあった」

「わざと!?」

「半分不可抗力」

 

したいって気持ちもあった。俺は目的地に着くまで、ずっとキスしては話して、またキスする繰り返しだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。