月島柊
日野森志歩
星乃一歌
以上3名
俺は志歩と一緒にカフェに来ていた。そこで渡されたのはハートの形をしているストロー。さらにそれを交換した。要するに、これって間接キスじゃないか?
「飲まないの」
「あ、飲むか…」
俺は少し戸惑ったが、いざ飲んでみると、ただの飲み物だった。しかし、心なしか志歩の口の中の味がしたような気がした。口の中の味もたった一回キスしただけ。その味がした。
「柊くん…あんまりすると、恥ずかしいから…」
「ん、あぁ、悪い」
また交換した。もともと俺が使っていたストローに戻るが、なんかドキドキした。一回志歩の口が触れているんだ。
「ん」
なんかストローが異常に暖かかった。結構咥えてたんだろう。俺は全て飲み終わると、カフェから出て、学校に戻った。
学校に戻ったときにはもう16時を過ぎていた。学校から丁度各自の家に帰っている時間だった。俺は部屋が学校の中にあるため、みんなとは逆に、学校に入っていった。
ドン
俺の肩が誰かとぶつかった。
「あ、ごめん」
「……」
相手はペコリと頭を下げて歩いていった。灰色っぽい髪で、色は俺に似ていた。なんだろう、あんな人いたっけ。俺は学校の中に入り、俺の部屋に向かった。
ガチャリとドアを開けると、そこには一歌がいた。
「一歌?」
「…浮気…」
浮気って、冗談じゃない。浮気なんてしないだろ。
「浮気?してないさ」
「志歩とデートしてた」
げっ、見られてたか…いやでも、一歌がいやな訳じゃ…
「……」
「…もういい。さよなら」
一歌は俺の横を通り、ドアの方に向かった。その時、俺のなかでなにかスローモーションになった。俺はその間に手を動かし、一歌を止めた。一歌に手が届くと、スピードは戻った。
「待てよ」
「なんで。私より志歩の方がいいんでしょ。だったら私なんていらないじゃん」
なんだ、嫉妬かなんかしてるのか?
「俺は誰より一歌がいい。志歩と一緒に歩いてたのはただ仲良くしたいってだけだ。なんなら明日にでもデートしよう」
俺は一歌に言った。志歩と一緒にしたことよりも過激なことをしてあげよう。俺はそう思った。
「絶対、なんだよね」
「絶対だ」
俺は一歌に約束して、2段ベットの上に上った。窓からみんなが帰っていくのが見える。
「じゃあ、“またね”」
いや待て、またねって、一歌はもう帰るんだろ。
「おっ、おい待て!」
俺が言ったときにはもう一歌は部屋を出ていっていた。今日は早く寝ようかなぁ。
俺はなかなか寝付けずにいたが、結局自然に22時頃に寝付けた。23時くらいだろうか、俺のベットがなんか揺れた気がした。地震かなんかだろうと思い、そのまま寝ようとしたが、すぐ近くに温もりを感じた。
「すー、すー」
寝息だ。誰かが横にいるんだ。俺は重い目を開き、横にいる誰かの方を見た。
「…なんだ、一歌か…」
最初は冷静だった。しかし、よく考えたらとんでもなかった。
(いや待てよ…なんで一歌がいるんだ!?)
すぐに焦りだした。すると、一歌が寝ぼけながら俺を寄せた。
「柊くん…デート…」
よっぽど楽しみにしているのか、寝言はデートのことだった。
「キス…ハグ…ふふっ」
本当に寝言なのか疑うくらいの勢いだった。一歌は俺に顔を近づけてスリスリしている。
「全く、嬉しいけど、そんなに楽しみなのか」
俺はまた少し寝た。
俺が起きると同時に、一歌も起きた。
「おはよう、一歌」
「うん。おはよう」
俺は一歌の前を歩き、学校を出た。行くときはバスに乗る。この学校とは違う高校に向かうからか、通学する生徒で座席は埋まっていた。
「立ってられるか?」
「うん。」
一歌は俺に抱きつきながらも耐えている。
次のバス停に着くと、一気に学生が乗ってきた。俺と一歌は苦しいほどにくっつく。
「大丈夫か、苦しくない?」
「ちょっと苦しい…」
まだ乗ってきて、最終的には壁に押し潰されるようになっていた。身動きなんてとれるはずがない。
「デートなのに…」
「苦しいとはな…」
一歌に俺は触った。なんとなくかわいそうだったから。
「うぅ…気持ちいいけど苦しい…」
そうだよな。まだ苦しい。俺はバスの揺れで一歌にまたくっついた。そして、口が当たりキスする。
「んんっ!」
一歌は焦ったようだった。俺は一旦口を離した。
「少しはわざとの気もあった」
「わざと!?」
「半分不可抗力」
したいって気持ちもあった。俺は目的地に着くまで、ずっとキスしては話して、またキスする繰り返しだった。