全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第228話「Pastel*Palletes映画大作戦!・3」

 

 

 前回までのあらすじ

 

 京都で映画撮影を行う事になったPastel*Palletesだったが、主演俳優・脛梶理太郎があまりにもクズで、彩に暴言を吐いた事から撮影が中断。突如現れた助監督が追い出したものの、スポンサーが完全に降りると脅して理太郎は退場した。

 

 果たして映画はどうなる?

 

***********************

 

「どうすんだよ…」

「スポンサーが下りるんじゃ、映画の撮影できないぞ…」

 

 と、スタッフ達や演者達が困る中、監督は…。

 

「撮影は続ける」

「!」

 

監督「すでに手は打ってある。さあ、時間は限られている! 続けるぞ!」

 

 監督の言葉に皆が困惑しながらも、信じて続ける事にしたが、理太郎がいなくなった事により、円滑に進んだ。

 

******************

 

「はい…はい…」

 

 助監督は撮影現場から離れた場所で、誰かと話をしていた。

 

助監督「脛梶の追い出しは無事に成功しました。私は彼の監視を続けます」

「ご苦労。こちらは奴の身辺調査を行う」

 

 助監督の声は古堂和哉だった。

 

和哉「引き続き脛梶の尾行を行え。飛鳥」

飛鳥「了解」

 

 助監督の正体は一丈字飛鳥だった。実はこんな事があったのだ。

 

*****

 

飛鳥「え!?」

 

 飛鳥は和哉に連れられて、居酒屋に来ていたが、和哉の横には監督がいた。

 

和哉「隣にいるのが今回の依頼人だ」

監督「宜しく」

飛鳥「よ、宜しくお願いします…」

 

 強面の老人で、いかにも仕事が出来そうな感じだったので飛鳥も萎縮していた。

 

和哉「依頼内容を簡単に説明する。この方が今度監督を務める映画の主演俳優を追い出す事だ」

飛鳥「追い出す?」

 

 和哉の言葉に飛鳥は穏やかじゃないなと思い、表情をこわばらせた。

 

和哉「その映画のスポンサーを務める会社の役員の息子らしくてな。今回の映画の主演もそのごり押しで決まったらしい。周りを固める役者は名前を聞いた事はある有名人ばかりだ」

飛鳥「た、確かに言われてみれば…」

 

 飛鳥はポスターのキャストを確認すると、そこには有名人ばかり並んでいたが、Pastel*Palletesの名前が載っていて驚きを隠せなかった。

 

和哉「お前の顔なじみもいる」

飛鳥「…はぁ」

 

 和哉の言葉に飛鳥は面倒な事になりそうだと考えていた。

 

和哉「別にバレても問題はない」

飛鳥「そう言われましても…」

和哉「逆にぶちのめしてやるまでだ。言いがかりをつければつけるほど、金が手に入るからな…」

飛鳥「和哉さん…あなたって人は…」

 

 慰謝料と損害賠償を片っ端からぶんだぐろうとする和哉の態度に飛鳥は困惑していた。

 

 そんなこんなで和哉の命令で、助監督に変装してPastel*Palletesの手助けと、理太郎の追放を実施したのだった。ちなみに助監督と入れ替わりで出てきた飛鳥は、飛鳥が超能力で作り出した分身である。

 

 第1段階が終わり、飛鳥は脛梶の追跡作業を行った。

 

***********************

 

「お昼でーす」

 

 撮影が順調に進み、役者たちは昼食を取る事にした。

 

日菜「おいしーい!!」

イヴ「ニホンのココロです!」

 

 京都の名産品をふんだんにつかった特製弁当を舌鼓していたイヴと日菜。そんな中、彩だけ元気がなかった。

 

麻弥「…彩さん」

彩「あ、ううん。何でもないよ」

千聖「あの後何度もミスしたものね」

麻弥「ち、千聖さん!!」

 

 麻弥がフォローをしようとするが、千聖が厳しく言い放つ。それに4人が反応し、麻弥が制止しようとすると、彩がさらに落ち込んだ。

 

彩「ごめん…」

千聖「…ハァ。くよくよするのは撮影が終わってからにしなさい。引きずるから集中できなくなって失敗するのよ」

彩「!」

 

 千聖の言葉に皆が千聖の方を見た。

 

千聖「だから、今は役に集中しなさい。いいわね?」

彩「千聖ちゃん…」

千聖「返事は?」

彩「は、はいっ!!」

 

 千聖と彩のやり取りを見て、他の3人も安心していた。

 

日菜「いやー。千聖ちゃんも成長したねー」

千聖「…それはどういう意味かしら?」

日菜「いやあ、パスパレやり始めたころは自分の事しか考えてなかったから…」

麻弥「あー」

千聖「…そういう意味では日菜ちゃんは変わらないわね。マイペースな所とか」

彩「ち、千聖ちゃん…」

 

 彩が困惑すると、パスパレの5人は笑い、他の役者たちやスタッフもそれを見て安心していた。

 

監督「……」

 

****************

 

 その頃飛鳥は、脛梶の追跡をしていたが、事もあろうに酒を飲んで大口を叩いていた。

 

理太郎「全く誰のお陰で映画を撮れると思ってんだよ。舐めやがって!」

 

 複数の女性を侍らせて豪語していた。とてもじゃないが、褒められたものじゃない。

 

理太郎「オレのパパは林エレクトロニクスの専務だぞ! 専務は監督やスタッフより偉いんだぞ!」

 

 よほどアルコール度数の強い酒を飲んでいるのか、かなりベロンベロンだった。

 

飛鳥「あ、もしもし…。はい、かなり酒を飲んでいるようです。早いうちに代わりの俳優さんを…」

 

***************************

 

 翌日。

 

理太郎「……」

 

 理太郎はホテルの一室でイライラしていた。そろそろ監督やスタッフが自分に謝りに来て、主演をやって欲しいと泣きつくところだというのに…と。

 

理太郎「遅い! このオレを一体誰だと思ってるんだ!! もう朝の9時だぞ!! そろそろ呼びに来るところだろうが!!」

 

 理太郎はしびれを切らしたのか、自分から電話をかけた。

 

理太郎「おい!! なにやってんだ!! さっさとオレに謝りに来て「主役をやってください」って言えよ!!」

 

 理太郎はそう激怒したが、ロケはもう既に始まっていて、代わりの役者が来ている事を知ると、理太郎は慌てた。

 

理太郎「はぁ!? 何勝手な事してくれてるんだよ!! 僕のパパを怒らせたら映画も作れないんだぞ! 分かってるのか!!? …は? スポンサーは引き続き継続してくれるそうだから問題ない? ふざけんな!! そこで待ってろ!!」

 

 そう言って理太郎が慌ててホテルを出て、現場に駆け付けた。

 

理太郎「監督!! 一体どういうことだよ!! オレがいなくても困らないって…」

 

 理太郎が現れた瞬間、他の共演者やスタッフが理太郎を睨みつけた。

 

理太郎「な、何だよ…」

 

 すると監督が前に出た。

 

監督「電話で伝えたとおりだ。もうお前は必要ない!」

理太郎「はぁ!? あんたにそんな権限はない筈だろ!?」

監督「林エレクトロニクスの社長がわざわざわしに電話をかけてきて、是非やってくれると伝えてくれたぞ。お前の父親の上司である男がな!」

 

 監督の言葉に理太郎が反応したが、

 

理太郎「分かったぞ。さてはオレのパパの上司を脅したんだな。ここにいる連中もグルって訳だ」

「なっ!!」

「ふざけるな!!」

 

 理太郎の言葉に他の共演者が激怒した。

 

理太郎「だってそうだろうがよ!! 今まで父親がスポンサーの息子だからってだんまりを決め込んでたのはテメーらだろうが!! 落ちこぼれの丸山彩を堂々と叱っても知らんぷり。テメーらも同罪なんだよ!! 金と権力に屈した負け犬共が!!」

 

 狂気ともいえる表情で言い放つ理太郎に、彩達は恐怖したが千聖は動じなかった。

 

千聖「その負け犬にあなたは今からなるのよ」

理太郎「ほう…!!」

 

 千聖の発言に理太郎が青筋を立てた。

 

理太郎「詐欺師が随分と偉くなったもんだな」

千聖「…確かに最初はそうだったわ。皆を騙したことに変わりはない」

 

 理太郎の言葉に千聖は目を閉じた。

 

千聖「そして自分の弱さにも気づいて、皆で頑張ったからここまでこれたのよ」

理太郎「ハッ! 何を言いだすかと思えば、友情や絆に絆されたってか!? どんなに努力しようが金と権力には敵わねぇし、そんなもんオレが片っ端から潰してやるよ!! この世界はな! 凡人が来て良い場所じゃ…!!」

監督「ほざけ青二才が!!」

 

 監督の気迫に理太郎は黙った。

 

監督「まあそういう事だ。もし本当にこの映画がダメになっても、他に充てはあった。もうお前は使わん。父親に泣きつくなり好きにしろ」

理太郎「……!!」

 

 監督が背を向けると、理太郎が青筋を立ててほほ笑んだ。

 

理太郎「いいだろう…」

「!」

 

 理太郎が背を向けた。

 

理太郎「オレにたてついて、ただで済むと思うなよ…」

 

 そう言って理太郎が去っていった。

 

「か、監督…」

監督「撮影を続ける。何としても完成させるのだ!」

「お、おう!!」

 

 クルーは再び一つになった。

 

飛鳥「……」

 

 飛鳥はその様子を陰から見つめていた。

 

 

つづく

 

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