前回までのあらすじ
映画撮影をするにあたり、邪魔になる主演俳優・脛梶理太郎の追放工作を依頼された飛鳥は、無事に追放させることに成功したが、万が一の事態の為に脛梶の尾行を続けた。
*************
夜になり、これ以上の行動は不可能と判断した飛鳥は、和哉に連絡して何とか宿に泊めて貰う事にした。
飛鳥「そういや和哉さんは、脛梶の事務所の調査でここにはいないんだよなぁ…。何も起こらなかったらいいけど…」
だが、こういう時に何かが起きてしまうのがお約束なので、飛鳥はいつでも出撃できるように準備をしていた。
******************
同じ頃、Pastel*Palletesも本日の撮影を終えて、高級旅館で一泊していた。
日菜「はー! 楽しかったー!」
麻弥「いやー。緊張しましたねー」
パスパレの5人は同じ部屋に泊っていて、今日の撮影について語り合っていた。楽しそうに喋る日菜に対し、麻弥やイヴが相槌を打っていた。
彩「……」
そんな中、彩は少し苦笑いしていた。理太郎に言われたことをまだ気にしていたのだ。
千聖「さて、そろそろ寝るわよ」
千聖の言葉に日菜が反応した。
日菜「えー!! 流石にまだ早いよー!!」
千聖「遊びに来たんじゃないのよ? それに撮影も明日早いし…」
彩「そ、そうだよ」
「!」
彩が相槌を打つと他の4人が驚いた。
千聖「…彩ちゃん。無理して今日の失敗を取り返さなくていいから」
彩「でも…」
千聖「言ったでしょ。無駄に力を入れても、その事に集中しすぎて役に集中できないって。落ち着きなさい」
彩「う、うん…」
千聖の言葉に彩が反応すると、他の3人が安心していた。
*******************
その夜。
「くそっ!!」
理太郎は飲み歩いていたが、路地裏に遭ったゴミ箱を蹴って、鬱憤を晴らしていた。
「どいつもこいつもオレをバカにしやがって…!!」
と、自分を貶した監督や助監督(飛鳥)、千聖の事を想いだした。
あの後、父親に泣きついたが、林グループに手を回していた飛鳥の手によって父親から一方的に勘当され、路頭にさ迷っていた。このままだと俳優生活が終わるのも時間の問題だった。
突然何もかもうまくいかなくなった事に対し、理太郎は憤りを感じていた。
そんな時だった。
「力が欲しいか?」
理太郎「ああ!!?」
理太郎が後ろを振り向くと、妖しい男の影が現れ、持っていた銃で理太郎は撃たれた。
「貰うぞ。お前の身体」
心臓を撃ち抜かれた理太郎はそのまま倒れたが、男は持っていた銃とは別の光線銃を理太郎に放った。すると、理太郎はそのまま起き上がったがその瞳に生気はなく、赤く光った。
「何だ!? 今の銃声!!」
近隣住民や野次馬がゾロゾロと現れたが、理太郎は気にせず、その場を後にして男も消えた。
********
そして大通りに出てきた理太郎はほっつき歩いたが、そこでガラの悪い若者と肩がぶつかった。
「邪魔やあんた!」
理太郎「……」
若者が理太郎に暴言を歩いたが、理太郎は無視した。
「無視すんなや!!」
「待てやコラァ!!」
と、若者の仲間も理太郎を引き留めた。
「自分舐めとったらいてまうぞコラァ!!」
「ちょっと来いや!」
そう言って暴言を吐くと、理太郎はぶつかった男の顔を見た。
理太郎「誰に向かってそんな口をきいてる」
「はぁ!?」
理太郎の言葉に男は反応をしたが、
理太郎「そしてその態度はなんだ。オレは脛梶理太郎だぞ」
「知るかボケェ!! ホンマ殺したろか!!」
そう言って男が理太郎に殴りかかったその時だった。理太郎が男の拳を受け止めた。
理太郎「死ぬのはお前だ」
「!」
すると理太郎は男を持ち上げて、車道を走っている車の方に投げた。
「!!?」
男は走っていた乗用車にはねられて、宙を舞い、そのまま鈍い音を立てて倒れるとそのまま動かなくなったまま、血を流していた。
「う、うわあぁああああああああああああ!!!!」
目の前の惨劇を見て、男の仲間は悲鳴を上げたが、悲鳴を上げたのは彼らだけはなく、通行人もそうだった。それを見て理太郎は不気味な笑みを浮かべた。
男をはねた乗用車は突然の事態に車を正常に運転する事が出来ず、建物に車をぶつけてしまった。幸いけが人はいなかったが、人をはねた事に対して憔悴していた。
理太郎は男の仲間に視線を向けた。
「ひ、ひぃいいいいいい!!!」
「オ、オレたちが悪かった!!!」
「だから頼む!! 見逃して…」
理太郎が男を車道に向けてぶん投げ、車にはねられた様子を見て仲間たちは理太郎に恐怖を覚え、腰が抜けて動けなくなり、必死に命乞いをしていた。
理太郎「ダメだ。お前達もオレを舐め切った。死んでもらわないといけない」
「そ、そんな…」
その時だった、
「おい、てめぇ!!」
車から運転手が降りてきて、理太郎に突っかかった。
「よ、よせ!!」
若者たちが止めようとしたが、運転手の男は止まらなかった。
「これは一体どういうつもりや!! どないしてくれんねん!!」
運転手の男がそう言うと、理太郎は振り向いて運転手の男を睨みつけた。
運転手の男「あ? なんやコラァ」
理太郎「お前。オレが誰か分かってて話してんの?」
運転手の男「そんなん知るか!! お前が誰やろうがこっちには…」
運転手の男がそう言い放った瞬間、理太郎は運転手の男の腹を貫いた。
理太郎「だったら死ね。オレの事を認めない奴に生きる事は許されないんだよ」
理太郎が勢いよく、手を引っこ抜くと男の腹から勢いよく血が噴き出て、理太郎は返り血を浴びた。
理太郎「このオレの服を汚しやがって…死ね死ね死ね!!!!」
服を汚された怒りからか、理太郎は運転手の男をサンドバックのように殴り続けた。手足が折れようが、歯がぶっ飛ぼうがお構いなし、理太郎は自分の怒りを運転手の男にぶつけていた。人間の行動とは思えない行動に、人々は逃げ惑った。
*************
その頃のパスパレ、
日菜「ちょっとだけテレビ見ようよ~」
千聖「…仕方ないわね。ちょっとだけよ」
どうしても寝れない日菜に対し、千聖はため息をつきながらテレビをつけた。するとそこにはニュースが行われていた。
日菜「あれ? この時間帯ってバラエティやってる筈じゃ…」
千聖「しっ!」
目の前のニュース映像を見て、千聖が日菜に静かにするように指示を出した。
『速報です。京都の烏丸で男が暴れまわっているという情報が入っていて、男は今も暴れまわっております』
ニュースキャスターがそう言うと、パスパレはショックを受けた。
日菜「烏丸ってこのホテルの近くじゃん!」
彩「ええっ!!?」
イヴ「こ、怖いです…」
パスパレメンバーは身を寄せ合っていた。
*********
飛鳥は理太郎の邪気を感知し、超能力で場所を特定した。
飛鳥(烏丸の方だ!!)
飛鳥が龍狐のお面をつけ、黒いシャツに黒いズボンを穿いた状態で瞬間移動を行い、現場に向かった。
おしまい