全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第240話「そろそろライブに来て欲しい」

 

 

「みんなーっ! ライブに来てくれてありがとー!!」

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「むほぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 ある日の事。バンドリ学園で合同ライブが行われていた。Poppin‘Partyが演奏をしようとステージに立っていて、席はほぼファンの男子生徒達で埋まっていた。可愛らしい衣装を身にまとった彼女たちの姿はまさにファンの心の癒しだった。

 

「はぁ…。香澄ちゃん、いつ見ても可愛いなぁ…!」

「おたえちゃんやっぱり綺麗…」

「りみりんを後ろから抱きしめたい…」

「さーやの髪の匂い嗅ぎたい…」

「有咲のおっぱいぱふぱふ…」

 

 後半からもうセクハラ発言だが、とにかく彼女達は大人気で、Poppin‘PartyだけでなくAfterglow、Pastel*Palletes、Roselia、ハロー、ハッピーワールド!もライブをする度、超満員だった。

 

(……)

 

 それを皆の見えない所から、一人の少年が見ていた。少年の名前は一丈字飛鳥。ファンの男子生徒からのやっかみから、学内ライブへの出入りを禁じられている。まあ、仮に来たとしてもつまみだされるのが落ちなので、もう自分から行かないようにしている。

 

 だが、せめて香澄達が無事にライブ出来ているかどうかだけ確認しに来たのだ。

 

飛鳥「さて、行くか」

 

 そう言って飛鳥は消えた。

 

************************

 

 

 

香澄「はー! 今日も楽しかったー!!」

 

 合同ライブが終わり、控室には25人全員が集まっていた。

 

こころ「とても楽しいライブになったわね!」

彩「そうだねー」

 

 皆が満足そうにしていたが、香澄はすぐに元気をなくした。

 

香澄「…あ、でもそういや飛鳥くん。今日も来てなかった」

モカ・千聖「!!」

 

 香澄の発言に千聖とモカが反応した。

 

たえ「そういえばいつも来ないよね」

りみ「う、うん…」

沙綾「しょうがないよ。一丈字くんには一丈字くんの都合があるんだし」

香澄「でも毎回誘ってるんだよ! 1回くらい来てくれても…」

 

 香澄の言葉に他のメンバーが難しい顔をしていた。

 

はぐみ「こころん。どうにかならないかなぁ?」

こころ「そうねぇ…言われてみれば来てないわね」

薫「彼には彼の都合があるのだろう…」

美咲「…薫さん。それ、山吹さんが言ったよ」

 

 薫が沙綾と同じ事を言った為、美咲がツッコミを入れた。

 

千聖「私達のファンに気を遣って、遠慮してるのよ」

「!!?」

 

 千聖が口を開いた。

 

日菜「どうして千聖ちゃんが知ってるの?」

千聖「私も出演するお芝居のチケットを渡したんだけど、遠慮してて…」

香澄「そ、そうなんですか…」

 

 香澄がつぶやくと、他のメンバーも落ち込み始めた。

 

香澄「と、とにかく明日飛鳥くんに聞いてみよう!!」

リサ「そうだねー。うちのクラスの男子に気を遣ってるんだったら、申し訳ないし…」

紗夜「…こちらも同じく」

 

 そう言って香澄達は翌日、飛鳥に事情を聴いてみる事にした。

 

 その頃、飛鳥はと言うと…。

 

「本当に妻を助けてくれてありがとう。助かったよ」

飛鳥「いえ、ご無事で何よりです」

「ありがとうねぇ」

 

 飛鳥は老婆を助けて、その夫からお礼を言われていた。

 

*****************

 

 翌日、飛鳥が学校に来ると…。

 

「飛鳥くんっ!!」

飛鳥「?」

 

 後ろから声をかけられて、飛鳥が振り向くとそこにはPoppin‘Partyがいた。

 

飛鳥「あ、おはようございます」

たえ「ちょっといい?」

飛鳥「はい。何でしょう…?」

 

 飛鳥はオレ、何かしたかな…? と言わんばかりに不思議そうにたえを見つめていたが、沙綾がそれを察知したのか苦笑いした。

 

沙綾「あ、怒ってるわけじゃないの。ただ…」

有咲「お前、学内ライブとかに来ないらしいじゃねぇか」

飛鳥「ええ、そうですね…」

香澄「どうして!?」

 

 飛鳥の問いに香澄が話しかけた。周りの生徒達もその様子を見ていたが、反応は十人十色で、飛鳥がポピパに責められて喜んでいるファンや、一丈字くんも大変だなぁ…と同情する一般生徒、そして何事かと見ていた野次馬など、色々いた。

 

飛鳥「来てもつまみだされるんですよ」

香澄「ええっ!?」

飛鳥「まあ、徒党を組んでしらばっくれるので、証明しようがないんですけどね」

 

 というのは全くの嘘で、弦巻家の黒服にバッチリ証拠を取って貰っている。誰がどう見ても妨害されていると分かるくらいに…。

 

飛鳥「此間白鷺先輩からチケットを貰った時も、行こうとしたんですけどね。会場の前に白鷺先輩らしきファンの先輩方が見張ってまして、行こうとしたら追いかけまわされましたね。で、撒いたころには開演時間になってて入れなかったって事も」

りみ「ひ、酷い…」

沙綾「それ…千聖先輩は知ってるの?」

飛鳥「知ってますよ。メールで事情を傳えたら「やっぱり…」って言われました」

 

 思った他、ファンからの妨害活動が酷かったので、香澄達は言葉を失った。

 

飛鳥「まあ、そういう訳ですので、今はどうにもならないんですよ。今は」

香澄「そんな…。飛鳥くんにもライブに来て欲しいのに…」

 

 香澄がしゅんとすると、ファンの男子生徒達は罰が悪そうにした。

 

飛鳥「それは光栄です」

有咲「って! 一丈字はそれでいいのかよ!!」

飛鳥「良いも何も、もうこの時点で十分仕返しは出来てると思いますよ」

香澄「え?」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「こうやって戸山さん達が私を心配してくださるんですもの」

「!」

飛鳥「ライブに出入りさせない事で、私をあなた方から遠ざけさせるつもりが、逆に近づけさせてるんですねぇ」

「……!」

 

 すると、たえがある事を思いついた。

 

たえ「そうだ。いい事考えた」

飛鳥「どうしました?」

たえ「別に学内ライブじゃなくてもいいんだよ。飛鳥くんだけに独占ライブをするとか…」

飛鳥「凄い事考えますね…」

 

 その時、男子生徒達が慌ててやってきた。

 

「ごめんなさい!!」

「ライブに入れるようにするので、どうかそれだけは!!」

「羨ましすぎる!!」

 

飛鳥(あぁ…これでやっとライブに行ける…のか?)

 

 飛鳥は土下座している男子生徒達の姿を見て、何となく嫌な予感がした。

 

**************************

 

 そしてPoppin‘Partyライブ当日…。

 

飛鳥「あ、やっぱりな…」

 

 飛鳥はライブに入る事に成功したが、一番場所が悪い席で、座席も汚れていた。香澄達も見えなかった。

 

香澄「飛鳥くんどこ…?」

有咲「一番端っこに一瞬だけ見えたぞ…」

 

 

おしまい

 

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