それはある日の事だった。
「……」
Roseliaのギター担当・氷川紗夜はとあるファーストフード店のチラシとにらめっこしていた。
『カップル限定フライドポテト誕生! ラブラブピンク味。カップル限定! おひとりさまは誰かに頼んで一緒に買いに来てネ♡ 持ち帰り厳禁』
紗夜(な、なんですかこのチラシは!! 恋人がいるのがそんなにいいことなのですか!!? 潰れてしまえばいいんですよこんなお店!!)
とは言いつつも、本当はどんな味か気になって仕方がない紗夜だった。というかもうのどから出るほど欲しかった。
紗夜(そ、そうはいっても…私には親しい殿方なんて…)
紗夜が男子生徒を思い浮かべると、飛鳥の顔が浮かびかけた。
「はいはいはいはいはいはい!!」
「オレオレオレオレオレ!!」
「オレがいるよ!! オレがいるよ紗夜ちゃん!!」
「一緒にポテトあーんしようよ!!」
ファンの男子生徒たちが急に現れて驚いた。
紗夜「い、いや私は別に…/////」
「そんな事言わずにさぁー」
「本当は知ってるんだよ。フライドポテトが好きだってこと」
「僕たちもポテトと同じように熱々に…」
迫りくる男子生徒たちに紗夜が怯えていると、
「紗夜!!」
「!!?」
リサの声がして紗夜と男子生徒たちが振り向くと、リサ、友希那、燐子、あこ、そして飛鳥の5人が駆け付けた。
「一丈字!!」
「てめぇ…なんで友希那ちゃんたちと!!」
飛鳥「色々ありましてね…」
友希那「あこが赤点取りかけてるから勉強会するのよ」
あこ「もー!! それ言わないでくださいよぉ!!/////」
友希那の言葉にあこが頬を染めた。
リサ「言っとくけど、友希那もだからね」
友希那「……」
燐子「そ、それよりも…。どうされたんですか?」
友希那「決まってるわ。紗夜を離しなさい!」
友希那の言葉に男子生徒たちが困惑していると、飛鳥は原因を察していた。
「こ、これじゃオレたちが悪者みたいじゃねーか!」
「オレたちはただ紗夜ちゃんたちと…」
飛鳥「あー。あれですね」
飛鳥が困惑して声を出すと、皆が飛鳥を見た。
リサ「どういう事?」
飛鳥「この店、カップル限定のフライドポテトを販売してるんですよ。持ち帰りもできないので、誰が氷川先輩と一緒にそのポテトを食べるかでもめてたみたいですね」
紗夜「いや、私はポスターを見てただけで…/////」
飛鳥の言葉に紗夜が否定したが、どう考えても図星だった。
あこ「あー…それだったら飛鳥くんしかいないよね。男の人」
飛鳥「ちなみに同性でも可能ですよ。二人であれば」
「!!?」
飛鳥の言葉に皆が驚いた。
飛鳥「此間男性同士のカップルがそのポテトを食べてるの、目撃しましたよ」
友希那「そ、そう…」
リサ「よく知ってるわね…」
飛鳥「買い物の帰りですよ」
飛鳥が苦笑いしたが、男子生徒たちが怒りの炎を燃やしていた。
「てめぇ…!!」
「余計なことを言いやがって!!」
飛鳥「それで場を収めるためにも、取引をしませんか?」
「!」
飛鳥が不敵な笑みを浮かべた。
飛鳥「今から紗夜先輩に誰と一緒にポテトを食べるか決めてもらうんですよ。私以外の誰かと」
「!!?」
飛鳥の言葉に皆が驚いた。
飛鳥「それで選ばれなかったらきっぱりと諦める。これでどうですか?」
「な、なんでお前がそんな事…」
飛鳥「選ばれたら紗夜先輩と一緒にポテトを食べられる上に、今回は私はいません。ましてや、私が見ている前で紗夜先輩とポテトを食べさせあいっこ出来て優越感に浸れ、マウントも取れる。これほど良い条件はないと思いますよ」
紗夜「……!」
飛鳥が紗夜を見た。
飛鳥「氷川先輩。場を丸く収めるためです。申し訳ございませんがお付き合いをお願いします」
紗夜「わ、分かったわ…」
紗夜は飛鳥のいつもと違う雰囲気に違和感を感じていた。まるで今の姿が本来の彼自身なのではないかと思うくらいに…。
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そして誰と一緒にポテトを食べるかどうかを決めたが、正直同性でも異性でも恥ずかしかった。
(かわいい///////)
正直男子生徒たちは恥じらう紗夜を見れただけでも大儲けだった。
紗夜「そ、そんなに見つめないでください!!/////」
リサ・燐子・あこ(かわいい)
顔を真っ赤にして照れている紗夜に対して、リサ・燐子・あこはきゅんとしていた。
友希那「さあ、紗夜」
リサ「紗夜?」
燐子「ひ、氷川さん…」
あこ「紗夜さん!!」
「紗夜ちゃん!!」
『だれを選ぶんですか!!?』
紗夜(ポ、ポテトを食べたかっただけなのに…どうしてこうなったの~~~~!!!?)
人生初のモテ期(?)がやってきて、紗夜は心の中で絶叫した。
飛鳥『第6シリーズ、始まります』
おしまい