それはある日の事だった…。
「はぁ…やっぱりリサちゃんは今日も可愛いなぁ…」
「オレたちみたいな陰キャにも気さくに声をかけてくれるし…」
今日も今日とて、Roseliaのベース担当、今井リサは男子生徒たちにモテモテだった。まあ、リサだけでなくほかのバンドメンバーもモテているのだが…。
カフェテリアで誰かを待っていると、飛鳥がやってきた。
リサ「あっ! 飛鳥くん!」
「!!」
リサが飛鳥を待っていることを知り、男子生徒たちが衝撃を受けていた。
飛鳥「今井先輩。お待たせしました」
リサ「ううん。あたしも今来たばかりだから。それじゃ、行こっか」
そう言って飛鳥とリサはその場を離れた。
「リ、リサちゃんと一丈字…何をするつもりだ!!?」
「もしかして付き合ってるのか!!?」
「ゆ、ゆるせーん!!!」
「こうなったらつけてやるぅ!!」
と、男子生徒たちも飛鳥とリサの後をつけた。
飛鳥(…嗅ぎつかれてるな)
飛鳥が察知して超能力で自身とリサの存在感を消した。
「あ、あれ!?」
「どこ行ったあいつ!!」
「くそ~!!!!」
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飛鳥「ありがとうございます。態々…」
リサ「ううん。いいのよ」
リサが飛鳥に手作り弁当を作ってきたのだ。
リサ「ストーカーを追い払ってくれたお礼。本当は先輩のあたしが守らないといけなかったのに」
飛鳥「滅相もございません。こういう時は男子を頼ってください」
リサのほかにも友希那もいた。
友希那「それにしても、随分慣れてたわね」
飛鳥「まあ、そうですね…」
友希那の言葉に飛鳥が困惑していると、リサが苦笑いした。
リサ「ま、まあまあ! いいじゃない! 食べて食べて!」
と、そのままランチになった。手作り弁当は玄米ご飯に、唐揚げや筑前煮などがあった和風弁当だった。
リサ「洋風の方がよかったかな?」
飛鳥「いえ、和風も好きなので問題はございませんよ」
友希那「此間ファミレスで和食食べてたものね…」
リサ「そういえば飛鳥くんって、洋食は食べないの?」
飛鳥「食べますよ、昼は大体パンなので」
リサ「そうだったの!!?」
飛鳥「朝は米を食べて、昼がパンっていうパターンが多いです」
飛鳥がそう答えると、友希那とリサが驚いた。
リサ「パンって山吹ベーカリー?」
飛鳥「いえ、コンビニのパンです。私のマンションから山吹さんの家って結構距離あるんですよ…」
リサ「そ、そう…」
友希那「商店街よりコンビニの方が近いから、そっちの方が妥当よ」
こうして飛鳥はリサの手料理を食べた。
リサ「おなか一杯になった?」
飛鳥「あ、はい。それはもう…」
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だが、問題はここからだった。
「一丈字てめぇー!!」
「リサちゃんの手料理食べやがって!!」
「ファンの暗黙のルールってもんを知らねーのか!!」
「座長だか何だか知らねぇがいい加減にしろー!!!」
放課後、飛鳥は男子生徒たちに追いかけられていたが、足が速くて距離をつけられた。
「ちょ、足が速い…」
「ま、待てぇ…」
「オレ、体力には自信があったのに…」
「お願い、冗談抜きで待ってぇ…」
男子生徒たちはすぐにばてていた。
リサ「……」
友希那「無様ね」
リサたちが教室の廊下の窓から見つめていたが、リサは責任を感じていた。
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ファミレス
あこ「リサ姉、気にする事ないよー」
飛鳥「そうですよ…」
飛鳥は帰宅後、友希那に近くのファミレスに呼び出されて、Roseliaとこれからの作戦会議を行われていた。飛鳥が男子生徒たちに追いかけまわされた事に対して、リサは落ち込んでいた。
紗夜「全く、嫉妬も甚だしいです」
飛鳥「紗夜先輩。それだけRoseliaが有名になった証拠です」
紗夜「だけど、あなたが…」
飛鳥「私はまだ何とか出来ます」
リサ「飛鳥くん…」
リサが申し訳なさそうに飛鳥が苦笑いした。
友希那「だけど、このままじゃらちが明かないわ」
飛鳥「そこで私に一つ考えがあるのですが…」
「?」
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後日、
「おい!! リサちゃんの手作り弁当が店頭販売されるってよ!!」
「マジ!!?」
「一丈字がプロデュースしてるらしいぞ!!」
「でも行くっきゃない!!」
そして特設会場。
あこ「Roseliaの今井リサのお手製弁当を本日限定販売でーす!!」
制服に着替えたあこが呼び込みをしていた。そして特設の青いテントの中で、リサと燐子が調理、あこと紗夜が接客をしていた。友希那が掃除やら皿洗いという雑用をさせられていた。もちろん、食べ物を扱っているので皆髪を結んでる。
「ポ、ポニテ姿の友希那ちゃんと紗夜ちゃん…」
「レアじゃ…激レアじゃあ!!!」
「手作り弁当万歳!!」
「いや、Roseliaバンザーイ!!!」
男子生徒たちはよくわからないテンションだった。そして限定販売とされていたリサの弁当はあっという間に完売した。
リサの手料理の信頼もそうだったが、友希那と紗夜のレアなポニーテール姿、そして何よりも可愛い女の子たちが販売していることで男子生徒たちのハートをがっちりゲットして、大成功に終わった。
まあ、実際は飛鳥が弦巻財閥に協力を求め、学校に販売の申請をしたという縁の下の力持ちもあったのだが…。
「うめぇ…」
「おい! オレにもたべさせろよ! 買えなかったんだよぉ!!」
「だったらお前今度パフェおごれよ!!」
「もちろんだとも!!」
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リサ「いやー。大変だった!」
販売が終わり、リサが一息ついた。
友希那「それにしてもよかったの? リサ」
リサ「うん。少しでも飛鳥くんの負担になるならね」
友希那の言葉にリサが苦笑いした。そう、あの時ファミレスで飛鳥がリサの手作り弁当を店頭販売をして男子生徒たちに恩を売るというものだった。難色を示した友希那と紗夜だったが、リサ本人が快諾し、あこも協力も乗って出たため、どうせなら全員でという話になった。
紗夜「それにしても、接客業がこんなに大変だと思わなかったわ」
リサ「あははは…そうだねー」
燐子「本当に尊敬しかないです…」
自分から裏方に徹した燐子が言い放った。
リサ「そういやこのバイト代は…」
友希那「全部あなたのものにしていいわよ。売り上げを見たら全員で分けてもはしたお金にしかならないわ」
リサ「う…でも…」
友希那「もしくはリサの奢りでワンランク上のファミレスに行くとか」
リサ「しょ、しょうがないなー…。それじゃ、飛鳥くんも誘おっか」
と、こうして話は一件落着になるかと思われたが…。
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リサの料理が上手だという事が広まったバンドリ学園。すっかり注目はRoseliaに行ってしまった。
「やっぱりリサちゃんの手作り料理は最高だったな!」
「かわいい女の子があんな料理を作れるんだから、もういう事ないよな!」
「もしも総選挙があったら、オレリサちゃんに投票する!」
「オレもオレも」
そして極めつけは学園新聞。リサがでっかく1面に乗っているのに対し、Afterglowがとても小さく載っており、それを見ていた蘭が激怒した。
で、結局どうなったかっていうと…。
蘭「一丈字どこ?」
「は、果てない暗闇から飛び出していったよ…」
今度は蘭に追われる日々を過ごすことになった飛鳥であった。
おしまい