全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第290話「飛鳥と怪しいお店」

 

 

 それはある日の事だった。Afterglowがライブハウスで練習を終えて帰路についていた時の事。

 

「おなかすいたー」

 

 モカがそう言い放つと、他の4人がモカを見た。

 

つぐみ「何か食べて帰る?」

モカ「うーん」

巴「それだったらラーメンにすっか?」

蘭「なんでもいいよ。行こう」

 

 そう言ってAfteglowがラーメン屋に行こうとしたその時、ひまりがある事に気づいた。

 

ひまり「あれ? あそこにいるのって一丈字くんじゃない?」

「え?」

 

 ひまりが指をさした先に、私服姿の飛鳥がいた。いつもは眼鏡をかけているがプライベート時は外している。案外気づかれないのだが、ある程度顔なじみになったのである程度は分かるようになった。

 

つぐみ「ホントだ」

モカ「声かけてみる~?」

蘭「邪魔しちゃ悪いよ。行こう」

 

 すると飛鳥は周りをキョロキョロ見渡して、その場を後にした。

 

巴「…何か探してるみたいだな」

モカ「ちょっと追いかけてみる~?」

蘭「いや、いいよ…。後で聞けばいいんだし」

モカ「それもそうだよね~」

 

 そう言って蘭たちはラーメン屋に向かったが、その途中で飛鳥が路地裏に入っていくのを見た。

 

モカ「路地裏…」

蘭「ちょ、ちょっとやめようよ…。なんかやばいって…」

 

 蘭は嫌な予感がしたのか、困った顔をした。するとモカ以外の3人も困った顔をした。

 

巴「そ、そうだな…。後でメールで聞いてみるか…」

 

 約1時間後

 

モカ「まだ既読つかないなぁ~」

 

 カフェでの食事が終わり、モカはスマホで飛鳥に送ったメールを確認していた。

 

蘭「まさかとは思うけど…本当にやばいところに行ってるんじゃ…」

モカ「それはないよ~」

ひまり「どうして?」

モカ「なんとなく~」

ひまり「それじゃ分かんないよ!」

 

 そう言いあっていると、飛鳥が路地裏から出てきた。

 

「!!」

 

 飛鳥の姿を見るなり、蘭たちは飛鳥の方に駆け出した。

 

つぐみ「一丈字くん!」

飛鳥「?」

 

 飛鳥が横を見てAfteglowの存在に気づいた。

 

飛鳥「これはこれは。練習帰りですか?」

モカ「そうだけど、メールしたんだよ~?」

飛鳥「あ、そうなんですか? すみません、確認してませんでした」

 

 するとモカがウインクをして飛鳥にサインを送ると、飛鳥は苦笑いした。

 

飛鳥『…大丈夫だよ。事件性はないからちゃんと説明する』

モカ『それならいいけど~』

 

巴「それはそうと、路地裏に入って何してたんだ?」

飛鳥「ラーメン屋に行ってました」

「…え?」

 

 飛鳥の言葉にモカ以外の4人の目が点になった。

 

飛鳥「広島にいたころの知り合いがこの辺にラーメン屋を開店したって聞いて、行ってたんですよ」

蘭「ろ、路地裏にラーメン屋って…」

ひまり「お客さん来るの…?」

飛鳥「ちょっと秘密のあるラーメン屋にしたいという事で、あの場所を選んだみたいなんですよ。写真がこちらです」

 

 飛鳥がスマホで撮影した店の写真をAfterglowに見せた。

 

ひまり「ラーメン…霊界…?」

蘭「何この呪われそうな名前…!!」

つぐみ「も、もしかして店主さんの趣味…?」

飛鳥「そうなんですよ。店主さんは黒魔術とかが大好きで…」

巴「…あこが好きそうだな。あと、りみ」

 

モカ「で、飛鳥くんはここでラーメン食べてきたんだ~」

飛鳥「ええ。あと、スイーツも頂きました」

ひまり「スイーツ? どんなのがあるの?」

飛鳥「裏メニューなんですけど、こんなのがありますね」

 

 飛鳥が写真を見せたが、チョコレートケーキに脳みそをムース上にしたものや、どくろ型のチョコレート。あとは黒いワイングラスに注ぎこまれたブラッドオレンジジュースが映っていた。

 

ひまり「お、おいしそう…」

モカ「これ、店主さんの手作り?」

飛鳥「そうですね」

ひまり「スイーツは食べてみたいけど、お店の雰囲気怖そう…」

飛鳥「まあ、そうなりますよね」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

モカ「ラーメンはどんなラーメンがあるの?」

飛鳥「そうですね…。富山ブラックみたいにスープが黒いです」

巴「あー…」

飛鳥「店長のイメージとしては、ツボの中になんか薬の材料を入れるイメージですかね。これが写真です」

モカ「お~。確かに黒魔術~」

 

 確かに魔法の鍋っぽい器に黒いスープと具材が入っていて、いかにも魔法のスープみたいな感じだった。

 

蘭「けど、これなんか量が多くない…?」

飛鳥「あ、ごめんなさい。メガ盛りサイズを頼んだのでこの写真なんですよ。本当はもっと小さいです」

「メガ盛り!!?」

飛鳥「お腹すかせてまして…」

 

 驚くAfterglowに対し、飛鳥が苦笑いした。

 

モカ「そういえば飛鳥くんもよく食べるもんね~。あ、そうだ。この店に連れてってよ~」

飛鳥「え?」

 

 飛鳥が驚いた。

 

ひまり「モ、モカまだ食べるの!!?」

蘭「結構食べたんじゃ…」

モカ「店の様子を見るだけだよ~。他の皆はどうする~?」

巴「本当は気が引けるけど…ラーメンと言われちゃ黙ってられないね」

ひまり「ええっ!!? でも私もスイーツは気になるかも…」

蘭「……」

 

 蘭が嫌そうにしていた。

 

つぐみ「あ、えっと。私は今日は遠慮しとくよ。蘭ちゃんが…」

蘭「行く」

つぐみ「え」

蘭「……」

 

 そして6人で店の前まで移動することになったが、黒い看板に紫色の文字で店の名前が書いてあって、気が引けていた。

 

蘭・巴「ひっ!!」

モカ「お~。確かに霊界に連れていかれそうだね~」

ひまり「実物で見ると凄く怖いよぉ!!」

飛鳥「まあ、もし機会があれば行ってみて」

 

 その時だった。

 

「あれ? 飛鳥くん…?」

 

 横からとてもか細い男性の声がして、飛鳥たちが横を向くと、長身で長髪、根が暗そうな男性が現れた。

 

蘭・巴・ひまり「うわああああああああああああっ!!!!」

 

 3人が驚いて腰を抜かした。

 

飛鳥「皆さん。この人が店長ですよ」

「ああ…。驚かせてごめんね」

 

 店長が困ったように蘭たちに謝った。

 

****************

 

「改めて、ラーメン霊界の店長の影野です。宜しく…」

「よ、よろしくお願いします…」

 

 3人が起き上がった後、店長の影野が自己紹介をした。

 

影野「どうしてここに?」

飛鳥「彼女たちに店の話をしたら、是非案内してほしいと」

モカ「黒魔術ラーメン美味しそうだったので~」

影野「そうですか。お客さんですね…」

モカ「でも、さっきカフェでご飯食べてきちゃったので、また来ますね~」

影野「お待ちしております…」

 

 こうしてAfterglowは後日改めてラーメン霊界に行くことになりましたが…。

 

飛鳥「私必要ですか?」

 

 なぜか飛鳥も駆り出され…。

 

************************

 

影野「お待たせしました。黒魔術ラーメンと裏メニューの暗黒スイーツです…」

「おおおおおお!!!」

 

 6人でラーメンとスイーツを食べましたとさ。

 

蘭「み、店の雰囲気が…」

ひまり「あのー。明るくして貰う事って…」

モカ「二人とも―。お店の雰囲気壊しちゃダメだよー。Afterglowがパスパレ路線になるようなものだよ~?」

ひまり「ひ~ん」

蘭「……」

 

 特にオチはない。

 

おしまい

 

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