ある日のバンドリ学園
「花音ちゃん! 膝枕して!!」
「紗夜ちゃん! 膝のにおい嗅がせて!!」
「千聖ちゃん! 膝の間に顔挟んで!」
「燐子ちゃん! やっぱりおっぱいで何かして!」
「彩ちゃん! もっとしっかりして!!」
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2年1組のバンドガールズは地獄に落ちていた。
彩「なんで私だけ悪口なのぉ!!?」
千聖「彩ちゃん。私たちに喧嘩売ってる?」
彩「だってぇ~」
自分だけなんか扱いが雑だしオチ要員なので、腑に落ちない彩だったが、他の4人は完全にセクハラだったため、彩には同意できなかった。そんな彼女たちは今カフェテリアで話し合いをしていたが…。
千聖「…アイドルになったらこういう厄介なファンが出来るのは覚悟してたけど」
紗夜「膝のにおいって…何考えてるのかしら…」
花音「怖いよぉ…」
燐子「……」
千聖と紗夜はドン引きして、花音と燐子は恐怖に震えていた。そんな中、飛鳥が通りかかったが、特に何もなかった。
千聖「待ちなさい。こんなにも困っているのにどうしてほっぽりだすのかしら?」
飛鳥「あ、ごめんなさい。お姉さま方の会話に首を突っ込むのは野暮かなと思いまして」
千聖「お気遣いありがとう。でも結構よ。来て頂戴」
そう言って飛鳥は千聖に連れてこられた。
紗夜「一丈字くん」
飛鳥「こんにちは。何かありました…?」
飛鳥も沈み切った紗夜たちの顔を見て何か嫌な予感がしていた。
千聖「それがね…」
千聖が事情を説明すると、飛鳥が困惑した。
飛鳥「本当にぶれませんねぇ…」
千聖「ぶれて欲しいわよいい加減」
飛鳥「パスパレはともかく…松原先輩達もですか」
千聖「ここにいる全員よ。全くもう…」
空気がどんよりしていた。そうしている間にもヤラカシたちは飛鳥を睨みつけていた。
飛鳥「そういえば普段はクラスの男子達とは仲良くされてるんですか?」
千聖「最低限はね。ちゃんとまともな子もいるわ。けど…」
紗夜「それでも圧倒的に多いわね」
飛鳥「そ、そうですか…」
千聖と紗夜の言葉に飛鳥が困惑した。
千聖「女子と仲良くしたい気持ちは分からなくはないけど、体の接触を求めるなんて限度にも程ってもんがあるわよ!」
飛鳥「そ、そうですね…。同じクラスだから結構舞い上がってるとか…」
飛鳥は何とかして千聖と紗夜の怒りを収めようとしていたが、千聖は止まらなかった。
紗夜「その前に女子のひざのにおいを嗅ぎたいってどういう事なんですか…!?」
飛鳥「申し訳ございません。私の口からはちょっと…」
飛鳥が視線をそらした。
千聖「どうせあれでしょ。女子の方がいいにおいするからとかでしょ?」
飛鳥「…ご想像にお任せします。変な事を言うとセクハラと言いがかりをつけられるので」
彩「だ、大丈夫…?」
飛鳥「大丈夫な訳ないじゃないですか…」
彩の発言に飛鳥がげんなりしていた。
飛鳥「あんな変態達にいつ社会的に抹殺されそうになるか怯えながら生きてるんですよこっちは」
千聖「…け、結構言うようになったわね」
飛鳥の本音に思わず千聖もたじろいた。そして彩は申し訳なさそうにし、花音と燐子は飛鳥に同情した。
「だったら千聖ちゃん達とつるむのをやめろ」
「!!!」
男子生徒軍団が現れたが、千聖たちがドン引きしていて、それを感知した飛鳥はもう自分の事がどうでもよくなっていた。
飛鳥「やっぱりそうなりますよね」
「それはそうとお前、誰に断って千聖ちゃん達と一緒の席座ってんだよ」
千聖「私よ。文句あるかしら?」
ドン引きしつつも、千聖が後輩を守ろうと立ち上がった。
「千聖ちゃん!」
「こんな奴に洗脳されてるのか!?」
千聖「随分失礼な事を言うわね。私は正気よ!」
千聖がそう言い放つと、
「あのー。それだったらちょっと聞いていいですか?」
飛鳥「?」
千聖「何かしら?」
男子生徒軍団の一人がある事を聞き出した。
「そいつに膝枕をしたことは…」
千聖「ないわよ」
「じゃあ膝のにおいを嗅がせたことは…」
千聖「ある訳ないでしょ!!」
「膝の間に挟んだことは…」
千聖「私の事なんだと思ってるの!!?」
「一丈字と仲良いから、どうせそういう事させてんだろ!!」
千聖「どうしてそういう考えになるの!!!」
男子生徒たちの妄想ぶりに千聖が怒鳴った。
紗夜「それはそうと、女子に対してそういうセクハラはやめなさい!!」
「はうっ!!」
紗夜の罵声を聞いて、男子生徒たちはもだえ苦しんだ。
紗夜「えっ…?」
「いいぞぉ…もっとオレたちを罵ってくれぇ!!」
紗夜「は!?」
飛鳥「氷川先輩。罵声は逆効果です。それよりも白金先輩達を連れてここから離れてください。ここは私がやります」
飛鳥が前に出た。
「ああ!? 何正義のヒーロー気取ってんだよ!!」
「これじゃまるでオレたち悪者じゃねーか!!」
千聖「実際そうでしょうが…!!」
「流石卑怯者。自分を主役に仕立て上げるのはうめーな!」
「詐欺師が…!!」
男子生徒たちの言葉に千聖と紗夜は青筋を立て、彩、花音、燐子がむっとした。
「そしてアレだろ? 千聖ちゃん達に味方してもらうんだろ!」
「いいよな! 主人公様は可愛い女の子たちに味方してもらえて!」
飛鳥「さあ、早く行ってください。ここは私一人で十分です」
飛鳥は男子生徒たちを無視して、千聖たちを逃がそうとした。
千聖「それよりもいい事考えたわ。そんなに可愛い女の子たちにこの子の味方をして欲しいなら、お望みどおりにしてあげるわよ」
「え?」
千聖の言葉に皆が驚くと、千聖が座敷の方を見た。
千聖「一丈字くん。ついてらっしゃい」
飛鳥「あ、はい…」
そして座敷スペースに移動すると、千聖が飛鳥の方を見た。
千聖「さ、膝枕するから頭を出しなさい」
なんという事でしょう。千聖は飛鳥に膝枕しようとしていた。
「やっぱり役得だぁあああああああああああああああ!!!」
「千聖ちゃんの事信じてたのにぃいいいいいいいい!!!」
騒ぐ男子生徒をよそに飛鳥は困惑した。
飛鳥『フリですか?』
千聖『もう今回はガチでやっていいわよ。流石にあそこまで言われたら私も黙ってられないわ』
飛鳥『事務所的に大丈夫なんですか?』
千聖『劇の練習に付き合って貰ったって言えばいいもの』
飛鳥と千聖がテレパシーで会話をした。
花音「ち、千聖ちゃん!!?」
紗夜「は、破廉恥です!!」
千聖「この男子どもを懲らしめるためには、罵声よりも一丈字くんに美味しい思いをさせるのが一番よ。さ、私に恥をかかせないで頂戴。紗夜ちゃんたちもこっちにおいで」
千聖は特に恥ずかしがる様子もなく、どうどうして飛鳥を引っ張って連れ出すと、紗夜たちもついていった。男子生徒たちは発狂している。
燐子「ほ、本当に大丈夫なんですか…?」
千聖「大丈夫よ。膝枕が怖くて女優はできないもの」
燐子「いや、そうではなくて…」
彩「アイドルが膝枕…どうなのかなぁ」
その時、男子生徒軍団が慌てふためいた。
「うわああああああああああああああああ!!! やめろおおおおおおおおおおお!! やめてくれええええええええええええええ!!!」
「千聖ちゃんの神聖なる膝をあいつにぃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「においクンクンするなぁあああああああああああああああああ!!」
「寝取られプレイもまた…萌え」
発狂する男子生徒軍団を見て、千聖以外の全員がドン引きしていた。
千聖「さあ、来なさいな。一丈字くん?」
飛鳥「あ、はい。分かりました」
「あああああああああああああああああああああああああああああ」
この後、どうなったかは言うまでもない。
おしまい