全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第296話「空白の夏休み」

 

 

 それは夏休みが始まる前だった。

 

「もうすぐ夏休みだなー」

「休みは嬉しいけど…」

 

 1組の男子達が憂鬱だった。

 

「香澄ちゃん達に会えなくなる!!」

「そういや夏休みってライブすんの!?」

「絶対行くからね!?」

 

 男子生徒たちは香澄たちに話しかけた。

 

香澄「勿論する予定だよ!」

有咲「いや、それもそうだし宿題とかもあるからな…」

香澄「……」

 

「それだったらオレと宿題しよ!!?」

「オレとオレと!!」

「オレんち来て!!」

「オレ!!」

 

 とまあ、ここぞとばかりに男子生徒たちは香澄たちとお近づきになろうとしていた。

 

 そしてまた2組や2年生たちも同じ感じであり、バンドで人気が出た反面、このようなアプローチは極力勘弁してほしいと考えていた。

 

 そんな中、この男はというと…。

 

「そういや一丈字くんって夏休みどうするの?」

飛鳥「課題終わらせたら、広島に帰ります」

 

 香澄たちと沢山遊ぶものだと思っていたクラスメイト達は意外だと感じていた。

 

「広島に帰るって…」

飛鳥「親が広島に住んでて、親孝行しないといけないと思いまして」

「そ、そうなんだ…」

飛鳥「この学校って、ポストにできた課題のテキストが置けるみたいなので、課題を早く終わらせて帰ります」

 

 それを聞きつけたヤラカシたちはチャンスだと思った。

 

********************

 

「聞いたか?」

「一丈字の奴、夏休みは広島に帰るらしいぞ!」

「それなら、香澄ちゃん達を遊びに誘うチャンスだ!!」

「2学期が始まるころには、オレたちが香澄ちゃん達と付き合って、そっけなくされるあいつの顔が見れるってもんだ!」

 

 とまあ、悪だくみを考えていて、飛鳥も感知していた。

 

飛鳥(…まあ、精々頑張ってくださいな)

 

 こうして、それぞれの夏休みが始まるかと思われたが…。

 

*********************:

 

 その日の昼休憩。飛鳥は一人中庭のベンチにいた。

 

飛鳥「はー…。もう夏かぁ。早いなぁ…」

 

 飛鳥がそう思っていると、

 

「ここにいた!」

飛鳥「?」

 

 すると香澄たちがやってきたが、人数が多すぎた。

 

飛鳥「多っ!!」

モカ「やっぱりここにいたんだね~」

たえ「こんな所で一人で食べてたの?」

飛鳥「まあ、たまには日光浴も悪くないかなって…」

 

 飛鳥は何とかごまかしていた。

 

香澄「私たちもここで食べていい!?」

飛鳥「それは構いませんけど…食べるものとかは?」

こころ「黒服の人達が用意してくれたわ!」

 

 こころ達が持っている豪華な弁当に飛鳥は困惑した。

 

飛鳥「そ、そうですか…」

こころ「飛鳥の分もあるわよ!?」

飛鳥「そりゃどうも…」

 

 とまあ、26人で食事をすることになり、黒服たちの協力も得てピクニックみたいにレジャーシートの上で食べる事となった。

 

香澄「そういえば飛鳥くんは夏休みどうするの?」

飛鳥「広島に帰ります」

「!!?」

 

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

たえ「あー…そういえば広島に住んでたって言ってたよね」

飛鳥「ええ。たまには親孝行をしないとですね」

りみ「それって夏休みずっと?」

飛鳥「そうですね。特にここにいる予定もないので、今日から数日かけて宿題を全部終わらせて、学校のポストに課題を置こうと思います」

香澄「ええっ!? あれ数日で終わる量じゃないよ!?」

飛鳥「まあ、長くて一週間ですね」

沙綾「それでも結構多い方だと思うんだけど…」

 

 飛鳥の発言に沙綾は困惑した。

 

飛鳥「皆さんはやはりバンドとかですか?」

香澄「うん!」

沙綾「まあ、私は店の手伝いとかもあるけど」

巴「アタシもバイトとかあるしなー」

日菜「あたし達は夏休みなんてないもんだよー」

 

 日菜がため息をつくと、皆が困惑した。

 

香澄「それにしても広島かー。どんなところなの? やっぱりお好み焼きとかが美味しいんだよね!?」

飛鳥「お好み焼きもそうですけど、海の幸も美味しいですよ」

沙綾「瀬戸内海だもんねー」

こころ「そうだわ!」

 

 こころがまたあることを考え、飛鳥と千聖はイヤな予感がした。

 

飛鳥「ど、どうしたんですか…?」

こころ「今度皆で広島に行きましょう!」

飛鳥(ぜってー言うと思った…)

 

 こころの言葉に飛鳥が困惑した。

 

千聖「それはいいのだけど…。皆、予定が合わないんじゃないかしら?」

日菜「えー。でも行けるなら行きたいなー。飛鳥くんの故郷なんでしょ?」

飛鳥「故郷…」

たえ「え? 飛鳥くん生まれた場所大阪でしょ?」

飛鳥「…まあ、第二の故郷と呼ぶべきでしょうね」

 

 それはそうと、正体がバレるリスクがあったので、本当にこころは何を考えているんだと飛鳥と千聖は困惑した。自分たちだけで行くならまだしも、自分が広島に住んでいたからという理由では、昔の事を聞かれる可能性もあったのだ。

 

こころ「それもそうねー。皆予定がバラバラだし…」

モカ「これなかった人は、写真とかで楽しむとかでいいんじゃないかなー」

飛鳥(何お前も行く気になってんだ!!)

千聖(…県外になんて中々行く機会ないものね)

 

香澄「あ! 広島に行くんだったらやっぱり海とかいきたい!」

たえ「いい海水浴場所知ってる?」

飛鳥(知ってる事は知ってるけど、島なんだよなぁ…)

 

 このまま広島へ旅行する話へとなった。

 

 だが…。

 

「男1人女25人で広島旅行だとぉおおおおおおおおおおおお!!!」

「そんなの絶対ゆるさーん!!」

「オレたちも混ぜろぉおおおおおおおお!!!」

 

 と、男子生徒軍団が現れて、千聖が飛鳥に合図を送り超能力で記憶をごっそり消した。

 

 

飛鳥『そしてこの後は何事もなく、2学期を迎えることになりました』

 

 

 

おしまい

 

 

 

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