全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第298話「握手会」

 

 

 バンドリ学園は今日も平和…とは言い難かった。

 

「日菜ちゃんと握手させろぉ!!」

「千聖ちゃんと握手した~い!!」

「麻弥ちゃんと握手~!!」

「イヴちゃんと握手させて!!」

 

 バンドリ学園ではルールを守らない外部のヤラカシが一斉に押しかけてきた。メンバー全員が同じ学校に通っているという事もあり、学校の外で待ち伏せをするという事も珍しくないのだ。

 

「あいつらまた来てるぞぉ!!」

「日菜ちゃん達を守れぇ!!」

 

 外部のヤラカシたちに気づいたのか、男子生徒たちが露骨に日菜たちをガードしたが…。

 

彩「あれ!? よく考えたら私呼ばれてない!!」

千聖「彩ちゃんは…うん、オチ担当ね」

彩「ひどい!!!」

千聖「というか教室の中なんだから…!!」

 

 千聖と彩も男子達に囲まれていて、千聖が暑苦しそうにしていた。

 

 飛鳥はというと、生徒たちの騒ぎによって事態に気づき、存在感を消して仕事に向かった。

 

******************::

 

 飛鳥が近くまでやってきて、超能力を使ってヤラカシ達を追い払った。対応していた警備員や教師たちはいったい何があったんだと困惑しながらヤラカシ達を見送っていた。

 

「あいつら帰っていくぞ!!」

「全く迷惑だよなー」

「いや、あんた達も十分迷惑だから」

「どさくさに紛れて日菜ちゃん達に近づくとかマジないわ」

 

 男子生徒たちが自分たちの手柄のようにふるまうが、周りで見ていた女子生徒は冷ややかな目で見ていた。

 

飛鳥(さて、オレも退散するかな)

 

 飛鳥も役目を終えて退散していった。

 

***************************

 

 昼休憩

 

「いやー。相変わらず凄いねー」

 

 中庭に飛鳥、モカ、千聖がいて、モカが飛鳥に対してそう言った。

 

千聖「本当に助かったわ」

飛鳥「いえいえ」

 

 千聖も礼を言うと飛鳥は苦笑いした。

 

モカ「もしかして~。昔もこういう事やってたの~?」

飛鳥「…まあね。実際にご当地アイドルの握手会でそういうバイトはしてた」

モカ「ご当地アイドル?」

千聖「そのグループ名は何か覚えてる?」

飛鳥「えーと…」

 

 飛鳥がそのアイドルグループ名を言うと、千聖が驚いた。

 

千聖「あら、その人たち知ってるわよ」

飛鳥「そうですか」

千聖「一度パスパレとして共演したことがあるのよ」

飛鳥「まあ、向こうは私の事を覚えてないでしょうけどね」

モカ「いやいや~。忘れるわけがないよ~」

 

 飛鳥の言葉にモカがきっぱりと否定したのもつかの間、飛鳥がある事に気づいた。

 

飛鳥「そういえば校内で握手会とかってされるんですか?」

千聖「あなたが来る前に一回したことあるわよ」

飛鳥「どうでした?」

千聖「…あまり良いものではなかったわ。ルールは守らないし、けんかはするし、散々だったわよ」

モカ「今じゃ握手会禁止だもんね~」

飛鳥「…そ、そうなんだ」

 

 握手会で何があったか何となく想像がつく飛鳥だった。

 

飛鳥「にしても…。学校にまで押しかけてくるとは」

モカ「ジ〇ニーズとかも普通にあるらしいよ~」

飛鳥「…もともとヤラカシという言葉もあそこの事務所のファンから生まれた言葉ですしね」

 

 モカの言葉に飛鳥が頭をかいた。

 

千聖「もしこの状況が続くようなら、色々対策を立てないといけないわね…」

モカ「まあ、これもアイドルの運命ですね~」

千聖「他人事みたいに言ってるけど、Afterglowももっと有名になったら、今の私たちみたいになるのよ?」

モカ「もうなりつつありますよ~。ひーちゃんの差し入れがえっちぃものばっかりですし~」

 

 モカの言葉に飛鳥が視線をそらした。

 

飛鳥「そういえばまたパスパレの握手会ってあるんですか?」

千聖「勿論あるわよ。でも、この様子だと中止になりそうね…」

モカ「コンサート自体も中止にするところもありますし、いい判断だと思いますよ~。今はYoutubeとかもありますし~」

千聖「それはそうなんだけど、彩ちゃんあたりが悲しむわね…」

飛鳥「まあ、それはそうですね…」

モカ「ファンと触れ合ってこそですもんねー」

 

 どうしたらよいものかと3人が考えていたが、そんな事を考えているうちに昼休憩が終わりそうだった。

 

千聖「もうそろそろ時間ね」

飛鳥「そうですね」

 

 こうして3人がそれぞれの教室に帰っていったが…。

 

************************

 

「一丈字くん」

飛鳥「何です?」

 

 飛鳥が教室に帰って来るやいなや、クラスメイトに話しかけられていた。

 

「中庭で千聖ちゃんや2組の青葉さんと話してたでしょ」

飛鳥「ええ」

「いつからあんなに仲良くなったの?」

飛鳥「何でかわからないんですけど、急に話しかけられるようになったんですよ」

「あぁ…」

 

 何となく想像がついたクラスメイト達だった。

 

 1年2組・教室

 

ひまり「そういえばモカ」

モカ「なに?」

ひまり「たまに一丈字くんや白鷺先輩と話をしてるけど、どんな話してるの?」

モカ「ちょっとした世間話だよ~」

巴「そういや千聖さん。一丈字の事を何かしら気にかけてるよな」

つぐみ「そういえば…」

モカ(こっちもちょっと考えないといけないかな~…)

 

 そして2年1組はというと…。

 

「千聖ちゃん!! どうしてあんな奴と一緒にいたんだ!!」

「ヤラカシに襲われたらどうするんだ!!」

 

 男子生徒たちからウザ絡みをされていた。

 

千聖(あぁ…なんかもう胃が痛くなってきたわ…)

 

 千聖は飛鳥の気持ちが痛いほど理解できたという。

 

 

おしまい

 

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