全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第312話「涙が出ちゃう、女の子だもん」

 

 

 それはある日の事だった。

 

「…ぐすっ…ぐすっ…」

「……」

 

 河川敷で飛鳥はどんよりしていて、紗夜は泣き崩れていた。

 

紗夜「もう…いやぁ…!!」

飛鳥「そうですね…」

 

 紗夜はそう言うと、飛鳥はそう答えながら、なんでこんな事になったのかを思い出した。

 

*********************

 

『学校にエロ本を持ってくるなーッ!』

『それよりもどうして持ち物検査が今日に限って紗夜ちゃんじゃないんだよ!! おかしいだろ!!』

『学校にエロ本を持ってくるなーッ!!』

『うるせぇよ!!』

『大声でどなれば生徒が言う事聞くと思ってんのか!?』

『学校にエロ本を持ってくるなーッ!!!』

『どうせ紗夜ちゃんにいい格好したいからに決まってんだろ!!』

『教師でもそういうの多いんだよ!!』

『ロリコン教師がよ!!』

『先生は日菜ちゃん派だーッ!!!』

 

飛鳥・紗夜「……」

 

 朝登校すると、生徒指導の男性教諭と生徒3人が揉めていたが、生徒たちが頭がおかしいのと、生徒指導の男性教諭もなんだかんだ言わなくてもいい事を言っていて、カオスになっていた。

 

 そして紗夜は最近持ち物検査でエロ本の持ち込みが多かった原因が判明した上に、持ち物検査を買って出てくれた男性教諭が妹の日菜と仲良くなる為に自分を出汁に出しに使ったのではないかという不信感に襲われ、ちょっと傷ついた。

 

 飛鳥は新しいパターンのトラブルに絶句した。

 

*************************

 

 そして今、頭の中では『スーパードンキーコング』のゲームオーバーのBGMが流れていた飛鳥だった。

 

飛鳥「紗夜先輩」

紗夜「……」

 

 いつもの紗夜なら泣かないように強がったりするが、あまりにも衝撃的すぎてもうそんな余裕がなかった。

 

飛鳥「本当に今日までよく頑張りましたね」

紗夜「……!!」

 

 飛鳥の言葉に紗夜は感極まった。

 

飛鳥「もう思い切り泣いていいですよ」

紗夜「うっ…うううう~~~~~~~~~~~~っ!!!!」

 

 声を上げることはなかったが、紗夜は思い切り泣いた。飛鳥は何も言わずに紗夜に寄り添った。

 

 その時、飛鳥は何かの気配に気づき、自身と紗夜に対して超能力をかけた。

 

「あれー?」

 

 日菜がやってきた。飛鳥は焦りながら通り過ぎる事を願っていた。

 

日菜「何か今おねーちゃんがいるような気がしたんだけどなー」

 

 日菜はきょろきょろ左右を見ながら紗夜を探していたが、そのまま通り過ぎていった。

 

飛鳥(…まぁ。超能力を使うまでもなかったとは思うけど、紗夜先輩も妹さんの前で泣いてる姿なんて見られたくないだろうからな)

 

***********************::

 

紗夜「…一丈字くん」

飛鳥「あ、はい。なんでしょう」

 

 暫くして、紗夜も落ち着きを取り戻したのか、紗夜は飛鳥に声をかけた。

 

紗夜「その、お見苦しい所をお見せしました…」

飛鳥「そんな事はございませんよ。見苦しいのは…彼らですので」

紗夜「そうですね」

飛鳥「……」

 

 紗夜の容赦ない発言に飛鳥は困惑した。だが、同感だったので何も言う事はなかった。

 

紗夜「さ、さあ。帰りましょうか」

飛鳥「はい」

紗夜「それから…」

飛鳥「はい」

 

 紗夜が頬を染めた。

 

紗夜「その…私が泣いてた事、内緒にしてください」

飛鳥「それは勿論ですが…」

紗夜「絶対ですよ?」

飛鳥(…まあ、周りに誰もいなかったし、大丈夫だろうけど)

 

 飛鳥は紗夜がこういうだろうと思って、周りにバンドリ学園の関係者が来てないかを確認していた。

 

飛鳥「ただ…」

紗夜「なんですか?」

 

 紗夜の言葉に飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「本当に困ったら、Roseliaの皆さんにも相談してください。一人で抱え込まないで」

紗夜「…分かりました」

 

 飛鳥と紗夜がそう話をしたその時だった。

 

「あ!! やっぱりここにいた!!」

 

 日菜がやってきた。

 

紗夜「日菜!!」

飛鳥「それでは、私はここで失礼します」

日菜「あれ? 飛鳥くんもいたの?」

 

 日菜がそう声をかけると、飛鳥が日菜の方を向いて、口角を上げた。

 

飛鳥「ええ。偶然ここで会ったので、少し世間話をしていました」

日菜「そうなんだ」

飛鳥「失礼します」

 

 そう言って飛鳥が去ろうとしたが、

 

日菜「あ、ちょっと待って飛鳥くん」

飛鳥「何です?」

 

 日菜が飛鳥をじっと見つめた。

 

日菜「何か、あたしに隠し事してない?」

飛鳥「いいえ?」

日菜「いや、絶対してる」

 

 日菜がそういうと飛鳥が笑みを浮かべた。

 

飛鳥「してますけど、言えないんですよ」

日菜「どうして?」

飛鳥「本当に知らない方がいいので」

日菜「分かった。それじゃ当ててあげる」

飛鳥「はい」

 

 日菜がじっと飛鳥を見つめた。

 

日菜「飛鳥くん…」

飛鳥「……」

 

 すると日菜はこう言った。

 

日菜「いじめられてたおねーちゃんを慰めてたでしょ」

飛鳥「紗夜先輩。どうですか?」

紗夜「全然違うわね」

 

 飛鳥が紗夜に確認を取ったが、紗夜は首を横に振った。

 

日菜「おねーちゃんに叱られたくて男子達がわざとエッチな本を持ち物検査の日に持ってきて、先生と揉めてて飛鳥くんとおねーちゃんが引いてたの、皆が見てたし2人が今こうやっているのが何よりの証拠なんだよね。飛鳥くんって何かあるとここに来るってリサちーが言ってたし」

飛鳥(この人本当に才能マンだな…)

 

 日菜の推理が完全に当たっていた為、飛鳥は困惑した。

 

日菜「どう? 完全に当たってるでしょ」

飛鳥「その前に一つだけお伺いしたいことがございます」

日菜「なあに?」

飛鳥「紗夜さんがそういう目にあって…。今、どんなお気持ちですか?」

日菜「そうだねー。とにかくおねーちゃんをいじめたり、泣かしたの絶対に許せないし、そんなに叱られたいなら…あたしが叱ってあげるよ?」

 

 日菜が微笑みながらそう言ったが、青筋が立っているし目も笑ってないし、何もかも怖くて飛鳥と紗夜が困惑していた。

 

紗夜「ひ、日菜? 落ち着きなさい…」

飛鳥「暴力は駄目ですよ」

日菜「あ、そうだ。いいこと思いついた♪」

飛鳥・紗夜「え?」

 

***************************:

 

 またある日の事…。

 

「だからぁ!! なんで持ち物検査が紗夜ちゃんじゃないんだよ!!」

「うるせぇ!!」

 

 とまあ、またしても懲りずに生徒指導の教諭と男子生徒が揉めていたが…。

 

「やっぱりやってたね。それじゃ作戦開始!」

「ほ、本当にやるの…?/////」

「……」

 

 飛鳥、日菜、紗夜の3人が登校したが、周りの生徒たちは驚いていた。

 

「な…な…!!」

 

日菜「おっはよー!!」

 

 なんという事だろう。飛鳥が日菜と紗夜に挟まれて登校しているではありませんか。飛鳥としては日菜がアイドルとしての立場を理解しているのかが疑問に思ったが、日菜としては双子としてやっているのでOKだとか。

 

「そ、そんな…日菜ちゃん…!!」

 

 生徒指導の教諭もショックを受けていて、飛鳥としては仕事しろと心の中で突っ込んだ。ちなみに紗夜は男性とこういう接触をした経験があまりなく、周りの目が気になって恥ずかしがって視線をそらしている。

 

日菜「さ! 早く荷物検査して! これ、飛鳥くんのカバンね!」

 

 そう言って日菜は自分のカバンと飛鳥のカバンを確認するように指示した。男子生徒たちはしぶしぶ確認したが、これでは完全に自分たちは負け犬だった。

 

「一丈字めぇ…!!」

「今度はどんな手を使ったんだ…!!」

「双子両方だなんて…!!」

「やっぱりあいつキライ…!!」

 

 とまあ、飛鳥はまたしても敵を作ってしまったが、飛鳥はもう泣く気にもなれなかった。

 

飛鳥(泣いても状況は良くならないからね…)

 

 ここ数年で数えきれないほどの苦労をしてきた彼にとって、前を向いて進む事が一番の答えだと知っていたからだった。

 

 だが、3人の荷物検査が終わった後…。

 

日菜「それじゃ行こっ! 飛鳥くん、おねーちゃん♡」

紗夜「そ、そうね!」

 

 紗夜が日菜の指示でスマイルを見せると、さらに状況が悪化した。そう、滅多に笑わないクールビューティーの紗夜が間接的にであるが飛鳥に微笑みかけたのだから…。ちなみに紗夜はこの後悶絶した。

 

 そして微笑む双子に囲まれて飛鳥は進んでいったが、完全に目が死んでいた。

 

 

飛鳥(エンディングまで泣けない)

 

 

おしまい

 

 

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