全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

145 / 492
第324話「選ばれし者の条件」

 

 

「ねー。お願いがあるんだけどー」

 

 日菜がお願いしてきた。

 

日菜「役者さんが風邪引いちゃって来れなくなっちゃったから、代役やってくれない?」

彩「やってくれたら心強いなぁー」

千聖「やってくれるわよね?」

 

 日菜だけでなく、彩と千聖もお願いしてきた。

 

「申し訳ございません。お礼は是非させていただきますので…」

 

 そしてそのお偉いさんもお願いしてきた。

 

麻弥「えっ!? やってくれるっすか!? うれしいッス!」

イヴ「ブシドーです!!」

 

***************************

 

 

「…ってなる寸法なんだ! 邪魔すんなよ!」

「……」

 

 ある日の事。飛鳥は街に出かけていたが、偶然Pastel*Palettesが撮影をしているのを目撃して近くまで来たが、Pastel*Palettesの相手の俳優が風邪でダウンしてしまい、代役を探しているところだった。飛鳥としてはどうせ代わりの役者が来るだろうと思っていたのだが、そのギャラリーの中にバンドリ学園の男子生徒、それもパスパレの大ファンがいて、飛鳥にけん制をしていた。

 

飛鳥「いや、流石に素人に代役やらせませんよ」

「どうだか! どうせお前主人公だからさせて貰えると…」

 

 男子生徒がそう言ったその時だった。

 

「監督! 代わりの俳優さんが来てくれるそうになったそうです!」

 

 と、代役が見つかった。

 

飛鳥「これで主人公だから良い思い出来るっていう考え方を改めていただけますか?」

「ぐ、ぐ~っ!!!」

飛鳥「ご安心ください。私はすぐにこの場を後にしますので、それでは…」

 

 そういって飛鳥はその場を後にして、男子生徒は歯ぎしりした。

 

************************

 

 だが、問題はここからだった…。

 

日菜「飛鳥くん。代役やってくれない?」

飛鳥「Oops」

 

 何という事だろう。Pastel*Palettesが直接飛鳥に頼みに来たではないですか。

 

「ちょ、ちょっと待てー!!!」

 

 男子生徒も当然やってきた。

 

「一丈字!! やっぱりお前が何かしたんだろ!」

飛鳥「ああ、すぐに話が終わってしまっては面白くないという事なので、最後は…」

千聖「ていうかさっきからなんなのあなた?」

 

 千聖が男子生徒に向けて軽くにらみつけた。

 

「い、いや千聖ちゃん! オレは君たちを思って…」

日菜「ありがとう。でも、今回は役者としてお願いしてるから」

「いや、役者ならほかにもいるだろう!」

千聖「残念だけど、ほかにスケジュールが空いてそうな人がいないのよ。結局代わりに来たあの人は全然ダメだったし…」

 

 そう、結果的に代役の俳優が来て、撮影は一応したのだが、元々撮りたかったものと大きくかけ離れていたため、没になったのだ。

 

日菜「飛鳥くんの演技前に見た事あったけど、普通に上手いしるんってするから」

彩「その、お願いできないかなぁ…」

 

 パスパレがそう頼むと飛鳥は考えた。男子生徒は勿論断れとにらみを利かせていた。

 

飛鳥「生憎ですが、あまりメディアには出たくないんですね」

千聖「…まあ、それは理解できるわね」

 

 飛鳥の言葉に千聖は納得した。そう、メディアに出れば有名人にはなれるものの、有名人になったらなったで色々リスクが高いのだ。長年芸能界にいる千聖は流石に理解できたという。

 

(一丈字が断った! ここはオレが来る流れだろ…!)

 

 飛鳥が断ったことで、男子生徒は自分に声がかかると思っていた。

 

飛鳥「他に心当たりのありそうな人はいないのですか?」

千聖「いいえ。いないわ?」

 

 飛鳥の言葉に千聖がきっぱり言い放つと、男子生徒は無言でアピールした。そう、早い話この男子生徒はパスパレに求められたいというとてつもなくめんどくさい奴である。これは女子の前でやたらかっこつける中二病そのもので、だるいとか悪態ついてる割に全力を出したりするという奴である。

 

(ほかにいるだろ! オレとか! このオレとか!!)

 

 この場にいる為、男子生徒はワンチャン自分が選ばれるものだと思っていた。

 

麻弥「そこを何とかお願いできないでしょうか…」

 

 麻弥が飛鳥に対してお願いをしてきたが、男子生徒は余計なことをしやがってと怒っていた。

 

日菜「うん。やっぱり飛鳥くんじゃないとるんってしない」

イヴ「アスカさんお願いします! イッショーのお願い!」

 

 そういって日菜とイヴも頼んできた。飛鳥としては多少メディアに出ようが問題なかったが、自分の目の前にいる男子生徒がまたいちゃもんをつけてくるだろうと予測していたので、どうやって切り抜けようか考えていた。

 

千聖「その顔はやってくれるのね?」

飛鳥「そこまで言うなら考えますが」

千聖「そう。それじゃ考えといて頂戴。皆、いったん行くわよ」

日菜「え」

彩「いいの?」

千聖「ええ」

 

 そういってパスパレの5人が去っていき、飛鳥と男子生徒、そしてクラスメイトが残っていた。

 

 すると男子生徒はパスパレメンバーがいなくなったのを機に、飛鳥に悪態をついた。

 

「で?」

飛鳥「で? とは…?」

「パスパレの頼み、勿論断るんだよな?」

飛鳥「あ、はい。あなたがそこまで言うならお断りします」

「オレのせいにするなんて男らしくないぞ。ちゃんと自分の意志で断れ」

 

 と、悪態をついていたが、

 

「男らしくないのはあなたよ」

「!?」

 

 千聖たちが戻ってきていた。

 

日菜「さっきから飛鳥くんに嫉妬してるの見え見えだよ?」

千聖「本当に役者としてお願いしていたのだけど」

「な、なんでよりによってこいつなんだよ! 他にもたくさんいるだろうが!!」

 

 千聖と日菜の言葉に男子生徒が逆切れしたが、千聖たちの態度は変わらない。

 

千聖「人ならたくさんいるけど、私たちは一丈字くんがいいの」

「こ、こんなのスキャンダルだ! 応援してくれてるファンを裏切ってる!」

千聖「何とでも言いなさい」

「!?」

 

 千聖の言葉に男子生徒が驚いた。

 

千聖「少なくとも、せこい真似をする人には頼まないわよ」

日菜「普通にるんってしない」

麻弥「あ、あの…。本当に一丈字さんの腕を見込んでの事なので…」

イヴ「ブシドーを持ってます!」

千聖「まあ、そういう訳だから一丈字くんよろしくね?」

飛鳥「あ、はい…」

 

 こうして飛鳥はパスパレと仕事をすることになった。

 

「どう考えてもマンネリだーっ!! オレにも良い思いさせろー!!」

 

 そういって男子生徒は開き直って叫んだが、そんな彼に誰も見向きはしなかった…。

 

飛鳥(本当に下心あるとろくなことないな…)

 

 

おしまい

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。